安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>628号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------628号--2011.11.20------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「米とヒ素」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の記事について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深く拝読しています。

Food Review 627号の引用部分に明らかな数値の解釈ミスがありま
したので指摘させていただきます。

-----引用部分はじめ---------

 被曝の被害に控えめなICRPでも1シーベルトの被曝で5%がガン
で死ぬとされています。

 年間100ミリシーベルトなら、年間0.5%の人が癌で死ぬこ
とになります。

 これは10万人当たり500人に相当します。これは日本のガン
による死亡率を超えています。

------おわり----------------

 ICRPの使っている「がんで死亡する確率」は、「将来がんで死亡
する確率」であって、「1年間のがん死亡率」(人口10万人当たり
の死亡数)ではありません。

 日本では「将来がんで死亡する確率」は約30%です。日本人が100
人いたら、30人は将来がんで亡くなるということです。

 これに対して、日本の「1年間のがん死亡率」は、人口10万人当
たり約300人です。これは、日本人が10万人いたら、1年間に300人
ががんで亡くなるということです。

 観察する期間が一生涯と1年間とで全然違いますので、当然前者
の方が大きな値になります。

 このコメントをされた方は、これらの違いがわからずに単純に比
較してしまっているのだと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはご指摘のとおりですね。

 次は生食用肉の基準について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 安心!?食べ物情報627号から、紹介されていた「生食用食肉に係
る規格基準の一部改正並びに運用方法についてのお願い」をざっと
読みました。食肉業界は未だにこんなこと言っているのかとあきれ
ました。

 要求の三点は単に「不公平だ」と言っているに過ぎず、そこには
「食をコントロールし安全なものをお客様に提供する」という発想
が入っていません。

 「あそこはやり方が悪いんだ」とか「他の店ではいままで大丈夫
だった」とか「現場の実態も調査もせずに...」などという言い分
は食をコントロールして汚染を防いでいることの証明にはなりませ
ん。あの文書からはそういうことが分かってないように読み取れま
した。

 もしそこまで言うのなら現実離れしているとか不公平だと騒ぎ立
てる前に、まずは「自分たちの業界はこういうメカニズムで汚染を
防止している」、「その結果をこのようにチェックし評価している」、
「全ての店がこれに従っている」というようなことをデータ(作業
記録や分析値など)で示した上で不公平だと騒ぐべきでしょう。

 いままでに社会問題となった不祥事(特に食品関連)とその対応
をみればなぜそれが社会問題になったのか分かるハズ。食肉業界の
言い分はそのことを全く学習していないのを自ら公表したようなも
のと感じました。

 ところで、中国の食品加工業のめまぐるしい品質向上は驚くと共
に大いに期待するところですが、反面、山間部からの重金属汚染が
非常に気になります。

 金属採取の廃水はそのまま河川に流れ、農地や海を汚染し続ける
でしょう。過去の日本を見ているようですが、中国の産業規模は日
本とは比べものにならないくらい大きい。それによる汚染が今後日
本や世界にどう影響するのか。その影響は目先の放射能よりもずっ
と恐い気がします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この他にステーキ店で食中毒が起こった件でもメールをいただき
ました。下のQ&Aに掲載しています。

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。
eos5d2
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Q.先日我が家で起こった出来事なのですが、ポリエチレンででき
た蓋(直径18センチ)が『蒸かしかん』の水を入れるところに入って
いることに気づかず、サツマイモを蒸かして食べてしまいました。
蒸かしかんを洗う時になって入っていたことに気づき・・・・ポリ
エチレンでできた蓋は沸騰したときに溶けたようで穴がたくさんあ
いている状態で固まっていました。ポリエチレンは、蒸発?気体?
になった時に毒性に変わったりしないのでしょうか?(環境ホルモ
ンはでないと聞いたのですが)サツマイモを通して体内に入ったと
き、害はないのでしょうか?教えていただけますでしょうか?一歳
の息子にも食べさせてしまい、私も食べ、まだ授乳しているので、
障害などでないか心配です。

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A.このところ似たような質問が多いので、ここでは繰り返しませ
ん。この質問の少し下に書いていますので、参考にしてください。

 「環境ホルモン」について、補足しておきます。

 しばらく前に騒がれた「環境ホルモン」ですが、その後この話が
どうなったかということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 現時点では内分泌かく乱作用の観点から、規制的にリスク管理を
行うことが必要な化学物質として該当するものはないと考えられる。

http://www.env.go.jp/chemi/end/extend2005/01.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは環境省が「SPEED'98」と呼ばれる化学物質のリストを作っ
て研究を進めてきた結果をまとめたものです。

 一般に「環境ホルモン」と言うとき、この「SPEED'98」のリスト
に載っている物質を言うことが多く、ご質問の「環境ホルモンはで
ないと聞いた」というのも、具体的にはポリエチレンがこのリスト
に載っているかどうかを指しています。

 ところが、このリストに載っていた全部の物質が「内分泌かく乱
作用」=「環境ホルモン作用」がなかったのです。

 一応、研究は進めるとか言っていますが、実質的には「SPEED'98」
は破棄されています。

 つまり、「環境ホルモンはなかった」のです。これからはこの言
葉は忘れた方がよいですね。

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Q.ステーキチェーン店で食中毒がでました。ステーキと言えば表
面を焼いてあれば病原性大腸菌は死ぬので大丈夫なはずなのに。以
前あったペッパーランチのようにステーキとは名ばかりで結着肉だ
ったのでしょうか?

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A.このニュースの件ですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 エムグラントフードサービスは11月15日、「ステーキハンバグ&
サラダバーけん鵜野森店」管轄保健所の検査結果について発表した。
同社が展開する同店に10月23日・24日に来店した2組(計5人)の客の
うち4人に下痢や腹痛等の症状が起きていた。

 行政および医療機関による検査の結果、3人からO-157感染による
体調不良であることが判明。管轄保健所は調査の結果、感染経路が
同店であると判断、11月8日〜10日までの3日間、営業停止の行政処
分を下した。

 管轄保健所が実施した検査結果によると、同店従業員への検便検
査は全員が陰性、施設および設備のふき取り検査は陰性、食材の検
体検査結果は陰性。同店からの他の発症者は、現段階では報告され
ていないという。

 発症した客の喫食状況を照合した結果、カナダ産ハンギングテン
ダーを使ったハラミカットステーキの調理過程に原因がある可能性
が高いと想定。同商品の安全基準を満たす仕込み、保存、調理マニ
ュアルが策定されるまで販売を自粛、さらに同商品のレア状態での
提供は自粛するとしている。

http://news.mynavi.jp/news/2011/11/16/104/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 原因とされる「ハンギングテンダー」というのは、牛の横隔膜に
ついている肉で、いわゆる「ハラミ肉」です。

 バラ肉と似ていますが、こちらは枝肉には含まれない「内蔵肉」
で、いわゆるホルモンと呼ばれているものの一種です。

 結構大きな塊の肉ですから、ステーキ用に切ったものだと思いま
す。これを「レア状態」で出したのですね。

 通常、細菌は肉の表面にしかついていないとされていましたが、
今度の「生食用基準」をつくるときに、ある程度内部まで侵入する
ことを確認した、と言っていました。

 レア状態では、表面のみしか加熱していないので、この内部の菌
が原因になったのではないでしょうか。

 家庭でも、飲食店でも、中まで色が変わるくらい焼けば、まず問
題ないと思います。

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Q.ある国会議員のブログに『現在販売されている食肉は本当は生
でも大丈夫な品質だ。だが、もし食中毒があると困るので加熱用と
書いている。その肉をさらにトリミングすれば生で食べられる。全
て検査に合格している。』とありました。これは本当ですか?もし
そうなら なぜO157など食中毒がおきるのか?

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A.これは少し悩ましい問題ですが、現在の時点でその話を訂正し
ていないのなら、どうも困った国会議員です。

 「酒家えびす」の事件が起こった当時、農水省の官僚がそのよう
な主張をしていたのは事実ですが、ご存じのとおり、10月から新
しい生肉の衛生基準が施行され、生で食べる肉については厳しい処
理基準が設けられています。

 つまり市販の牛肉は、「生食でも大丈夫な品質」ではなかったの
です。

 詳しくはこのメールマガジンのバックナンバーをご覧ください。

601号「生食用基準」
http://food.kenji.ne.jp/review/review601.html

609号「生肉の衛生基準」
http://food.kenji.ne.jp/review/review609.html

621号「生食用肉の基準」
http://food.kenji.ne.jp/review/review621.html

 この他にも時々出ていますので、時系列を追って読んでいただく
とよいと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「米とヒ素」
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 11月6日の626号で紹介した、畝山さんの本『「安全な食べ
もの」ってなんだろう? 放射線と食品のリスクを考える』を読ん
でいたら、「米とヒ素」という話が載っていました。

 それほど大きなリスクがあるわけではありませんが、今騒がれて
いる米の「放射能汚染」と比べると、放射線の被害を過大に見積も
るとされるLNT仮説を使っても、どうもヒ素の方がリスクが大き
いというようなことが書いてありました。

 米とカドミウムは有名ですが、ヒ素もリスク要因としてあるのは
事実のようです。同じ畝山さんのサイトから、少し古い記事ですが、
以下のような話がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2009-05-22
■[FSA][汚染物質]米中のヒ素研究発表

 FSAは本日2つの研究の結果を発表した:米飲料中のヒ素濃度と、
米のヒ素濃度を削減するための調理方法についてである。米飲料調
査の結果、FSAは、幼児や小さい子どもはライスミルクとして知ら
れる米飲料を、牛乳や母乳や乳児用ミルクの代用品として飲むべ
きではないと助言する。

 米飲料調査は、昨年この種の飲料のヒ素濃度を調査した研究結果
が発表されて懸念があるとされたために行われた。本日発表された
調査では60検体の米飲料を対象とし、その全てから低濃度のヒ素が
検出された。

 総ヒ素濃度は0.010-0.034 mg/kgで、有害性の高い無機ヒ素濃度
は0.005-0.020 mg/kgであった。米飲料検体中の無機ヒ素の割合は
48-63%だった。 いずれの結果も現行の法的基準値を超えていない。

 二つ目の研究では、米のヒ素濃度に与える調理法の影響を調べた。
この研究の結果、FSAは異なる調理法による総ヒ素摂取量への影響
は最小限であったため、 米の調理法の変更は薦めない。

FSAの助言

 予防的措置として、1-4.5才の年齢の幼児や小さい子どもは、牛
乳や母乳や乳児用ミルクの代用品として米飲料を飲むべきではな
い。それはそうすると比較的大量に飲むことになるので、より大
きな子どもや成人よりヒ素の体重あたりの摂取量が多くなるから
である。

 そのような代用によりできるだけ少なく維持すべきである無機ヒ
素の摂取量が増える。1日に半パイント又は280mLの米飲料を飲むと、
毎日の無機ヒ素摂取量が2倍になる。

 米飲料を飲んでいる子どもたちに直ちにリスクがあることはなく、
長期の有害影響もないであろうが、さらなるヒ素暴露を減らすため
に保護者はこれらの飲料を幼児や小さい子どもに与えるのを止める
べきである。

 もし子どもに牛乳アレルギーがあるのなら、専門家に適切な代用
品についての助言を求めることを強く薦める。

 その他の人々は米飲料からの無機ヒ素摂取量が体重あたりで比較
的少ないので食生活を変更する必要はない。

 1才以下の子どもは母乳又は乳児用ミルクを飲むべきである。12
ヶ月になるまでは牛乳もその他の代用品も適切ではない。

この話の背景にある科学

 ヒ素は環境中の広く分布している。土壌や水−海水にも淡水にも
−やほぼ全ての植物や動物の組織に存在する。結果的にヒ素は多く
の食品に天然にごく微量含まれ、完全に避けることはできない。ヒ
素の有害性は化学型に依存し、無機ヒ素は遺伝子(DNA)を傷つけ
てがんを誘発するが有機ヒ素の有害性は少ない。

 米や米製品はその他の食品に比べると無機ヒ素濃度が高い。FSA
に助言を行う独立科学委員会COTは、無機ヒ素についてはできるだ
け摂取量を少なくするべきであると結論している。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090522/p7
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 FSAというのは、英国の食品基準庁 (Food Standards Agency)
です。直ちに被害が出る量ではないが、予防的措置として、乳幼児
に米飲料を与えるのはやめるべきであるとしています。

 米に含まれるヒ素はもちろん土壌から来るのですが、鉱山とかの
関係で、ヒ素濃度の高い場所もあるようです。

 ただ、高濃度の汚染は、米にヒ素が含まれるという以前に、米の
生育生涯を招いてしまうそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ヒ素に汚染された水田の稲作改良

 本県にはヒ素に汚染された農用地が、世間の注目を集めた県西端
部の笹ケ谷鉱山地区をはじめ、小規模なものを含めて数箇所存在す
る。これらは、かつて銅やヒ素等を産出していた鉱山の鉱滓中に含
まれるヒ素が、農用地へ流れでて汚染したものである。

 ヒ素汚染地では、水田として水稲を栽培すると著しい障害がでる
ことが多く、大きな問題となる。当場ではこれらのヒ素汚染田の稲
作改良法の確立を目ざして試験を重ねてきた。その結果、応急的に
は、水管理及び含鉄資材の施用等が有効であり、根本的対策として
は、客土が最も効果的であり、しかもその効果が持続することがわ
かった。

 普通、水稲は田面に水を張って栽培するため土壌中に酸素が欠乏
する。すると汚染田ではヒ素が水の中へ溶け出し、水稲は激しい障
害を受けるのである。しかし第1図でわかるように、苗が活着する
と水を落とし、かんばつにならない程度に水を土の下方から供給し
た節水区は、土壌のヒ素濃度が高くなってもあまり減収していない。

 これに対して、常に水を張っている湛水区は、ヒ素濃度が高まる
にともなって著しく減収している。節水を行うのは土壌中へ空気を
入れ、ヒ素の溶け出すのを防止するために行うものである。一部の
汚染地区では、既に節水栽培が行われているが、中には極端に乾か
しすぎてかえって効果が表われていない場合もあり、時には走り水
程度のかんがいが必要である。

 次に土壌中のヒ素はいろいろなものと結びついているが、特に鉄
と結びついたヒ素は最も溶けにくい。含鉄資材を水田に入れ、ヒ素
を溶けにくい形に変えて生育障害を回避するねらいで行った試験で
は、明らかにその効果が認められた。

 しかし珪カルの大量施用の効果はみられず、ヒ素汚染地では含鉄
資材を大量施用(普通の2〜3倍量)する方がよい。一方ヒ素汚染
の度合が違う水田で、10cm客土の効果を比べると、この度合の大き
い水田ほど増収割合は大きい。しかし収量の絶対量はなお低く、汚
染度合が大きければ客土量を増やす必要がある。第3図はかなり汚
染度合の大きい水田での試験成績である。

 次にヒ素とカドミウムの二重に汚染した水田で、節水栽培を行う
とヒ素障害は少なくなるが、その一面カドミウムの吸収増加によっ
てカドミウム汚染米が出る恐れがある。

 このように対策が矛盾する場合について研究した結果、水稲生育
の前半は節水し、後半に湛水すればヒ素障害が軽くなり、カドミウ
ム吸収も抑えられることがわかった。

 この水管理法は有効な対策であるが、水不足の場合には実施困難
である。このような場合でも20cm以上の客土を行えば、ヒ素による
障害防止とカドミウムの吸収抑制の両方とも解決でき、根本的対策
となることを確めた.

http://www.pref.shimane.lg.jp/nogyogijutsu/tayori/14-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 米に含まれるカドミウムやヒ素は、ある程度監視しなくてはいけ
ない、リスク要因と考えられます。

 心配するほどではないのでしょうが、こういう話もあるというこ
とを知っておいた方がよいという判断で取り上げられたのだと思い
ます。

 ヒジキもヒ素を多く含むことで知られています。上記のFSAで
は、ヒジキを食べないようにという勧告も出しています。

 これについて、厚生労働省がこんなQ&Aを発表しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q.1 ヒジキについて、英国が発表した内容はどのようなもので
すか。

A.1 英国食品規格庁(Food Standards Agency、FSA)は、
7月28日にヒジキを食べないように英国民に対して勧告を出しま
した。その理由は、FSAの調査で、ヒジキに発ガンリスクの指摘
されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたためと
しています。

Q.2 ヒジキを食べることで、健康上のリスク(危険性)は高ま
りますか。

A.2 平成14年度の国民栄養調査によれば、日本人の一日あた
りの海藻摂取量は、14.6gですが、これは、海苔や昆布といった他
の海藻類を含んだ量です。海藻類の国内生産量、輸入量及び輸出量
から、海藻類のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、6.1%
であり、摂取量の割合もこれと大きな差はないと推定すれば、ヒジ
キの一日あたりの摂取量は約0.9gとなります。

 一方、WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂
取量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg/人
/日(750μg/人/週)に相当します。FSAが調査した乾燥品を水
戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮
にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g(一週間当たり33g)
以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありま
せん。

 海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報
告はありません。

 また、ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでい
ます。

 以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスの
よい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思わ
れます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 冷静に考えれば、別に心配するほどのことではないという説明で
す。

 それでは、以下のニュースではどうなのでしょうか?

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福島市大波地区(旧小国村)のコメから国の暫定規制値(1キロ
あたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたこと
を受け、政府は17日、原子力災害対策特別措置法に基づき同地区
で今年収穫したコメの出荷停止を県に指示した。コメの出荷停止は
初めて。

 大波地区では農家1戸のコシヒカリ(玄米)から630ベクレル
の放射性セシウムを検出。県は16日に同地区の稲作農家全154
戸に出荷自粛を要請し、放射性物質の全戸検査をすることを決めた
が、政府は消費者の不安を払拭(ふっしょく)するには、いったん
法的に出荷を止めて原因を究明することが必要と判断した。

 国は当初、出荷停止となった地域の今年産のコメは制限を解除せ
ず、全量を廃棄処分するとしていた。しかし大波地区は国が決めた
収穫前の予備検査と収穫後の本検査で規制値を下回っており、今後
の県の検査で規制値を下回った場合は集落や農家ごとに制限を解除
し、出荷を認めることも検討する。ただし今回規制値を超えた農家
の出荷は認めないという。

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111118ddm001040059000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 基準値を越えた、と大騒ぎしていますが、何とその米は一軒の農
家のものを検査したのですね。

 農協単位で出荷しているのでしょうから、出荷単位ごとの検査で
充分なのではないのか、と激しく疑問に思います。

 自然の分布にはかなりのバラツキがあるものです。平均的には問
題なくても、検査を局所的に細かくしていけば、バラツキの大きな
ところではこういうことが起こって当たり前です。

 サンプルのとり方も、出荷の実態に合せた、現実的なものでなけ
ればいけません。

 当初の検査は問題ないものだったと思いますが、何を考えてより
細分化した検査をしたのでしょうか?

 農地の実態把握のため、ということなら理解できます。しかし、
それなら基準値を越えた米があっても、出荷単位で越えていなけれ
ばOKとしなければいけないはずです。

 ヒ素やカドミウムだって、こんなことをすれば出荷できなくなる
農家が出てくるのではないでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国に来ていますが、こちらの情報でも、日本産食品の輸入再開
の見通しが立たないようです。政府間の交渉なのですが、日本側は
無能力と無責任を絵に描いたような人たちですので、どうにもしよ
うがありません。個別の交渉もできないのに、TPPがどうのとい
うのは笑わせられます。

 上海、青島、大連と回ってきましたが、大連はやはり寒いです。
セーターなどを着て行ったので、上海では暑いくらいでしたが、こ
ちらはもう冬です。でも、大連の人は日本では雪が降っていて寒い
ようだとか言っています。やはり雪と言えば日本なんですね。

 出発の前に、某セミナーで少し話をする機会がありました。食品
メーカーの人が多かったので、過剰な広告はやめよう、というよう
な話をしました。大メーカーが詐欺師のマネをしてどうするのかと。

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