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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------623号--2011.10.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「米の放射能検査続報」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 いつもお世話になっている笈川さんから、「リステリア」の記事
をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

リステリア食中毒とは何

 国内においてリステリア食中毒の報告はありませんが、輸入のナ
チュラルチーズ、生ハムなどから検出され、国内の畜舎のサイロな
どからも検出されています。欧米では飲食起因疾病が報告され、死
亡者も報告されています。そこで、リステリア食中毒について簡単
に説明します。

病原物質

 リステリア属のモノサイトゲネスのみ

 Listeria monocytogenes (リステリア属で病原性が確認されてい
るのは、この一種だけです)

 リステリアの特徴:発育至適温度は30〜37℃であるが4℃以下の
低温でも増殖ができて、他の細菌に比べて熱、塩、酸に強く、食塩
濃度10%あるいはpH4.5程度でも発育できます。

症状

 多くの場合潜伏時間は9〜48時間。38〜39℃の発熱、頭痛、嘔
吐。一般の健康人は感染してもほとんど無症状のまま経過すること
が多く、症状が出てもインフルエンザによるものと間違えられるこ
とが多い。しかし、免疫抵抗が低下している人、高齢者、妊娠女性、
乳幼児、新生児の場合は髄膜炎、敗血症を起こし、死亡することが
あります。この場合は、潜伏期間が2〜6週間と長いため集団感染
を把握しにくい。妊娠女性は胎児に影響を受け流産、早産する場合
があり、新生児がリステリア症状を呈することもあります。

国内でのリステリア症

 欧米に比べ極めて少なく、医療機関でリステリア菌の検査を指定
しないためかもしれない。酪農家のサイロ、牛流産等でリステリア
が検出されていますので、発見できない患者は多いものと考えられ
ます。

米国での現状

 米国疾病対策センターでは、毎年約2500人が重症のリステリア症
となり、そのうち500人が死亡していると推定しています。危険性
が高い食品として生肉及びハム・ソーセージなどの食肉製品、生野
菜、未殺菌牛乳及び未殺菌牛乳を使用したソフトチーズなどの製品
とされています。(CDC,Listeriosis)

国内での食中毒事例

 食中毒としての報告はありません。飲食の関連が推定された事例
としては01年3月の北海道の事例があります。当初はナチュラルチ
ーズによる食中毒とは特定できませんでした。追跡調査で、発症ま
での潜伏時間や臨床症状が海外で発生した集団事例とほぼ一致し、
リステリア菌に汚染されたチーズの摂食も確認されました。摂食者
86名中38名(44%)が発症し、有症者の便32名中19名(59%)からリ
ステリア菌が分離されました。原因食品のチーズ由来株と患者由来
株のDNA検査をしたところ同一由来であると考えられました。

国内での食品からの検出事例

 大変少ないですが次の食品から検出されています。

国産の生ハム・ナチュラルチーズ
チリ産のスモークサーモン
オランダから輸入され国内で加工されたナチュラルチーズ
イタリアから輸入され国内でスライスされた生ハム
イタリア産の生ハム
イタリア産の青カビチーズ
未殺菌液卵

まとめ

 幸なことに国内産の食品からのリステリア検出事例は大変少ない
ですが、酪農家のサイロ、牛流産等でリステリアが検出されていま
す。そのため、免疫抵抗が低下している人などハイリスクの人は未
殺菌牛乳、ソフトチーズなどの摂食を避ける必要があります。

 食料の多くを海外に依存している我が国において、欧米の事故事
例の実態から見ると、いつ国内で大発生しても不思議でないと考え
られます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たぶん次のニュースに関連してのことと思います。アメリカでは
大事件となっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

メロンで食中毒、13人死亡 米、リステリア菌感染

 【ワシントン共同】米メディアによると、米国内で7月末以降、
コロラド州で生産されたメロンが感染源とみられるリステリア菌に
よる集団食中毒で、計13人が死亡していることが27日分かった。

 報告された感染数は18州で72人。死者数はニューメキシコ州
で4人、テキサス州とコロラド州で各2人など。13人死亡は米国
で2008〜09年に発生したピーナツバターが原因のサルモネラ
菌食中毒を超える規模。

 日本の国立感染症研究所によると、リステリア菌は土壌などに広
く存在し、人に感染すると敗血症、髄膜炎などを引き起こすことが
あり、重症化した場合の死亡率が20〜30%と高い。

http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011092801000369.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 未加熱のハム・チーズ類は要注意と思っていましたが、メロンで
感染するというのは驚きです。このところ、生鮮野菜での食中毒の
話が多くて、サラダも危険なのか?などと考えてしまうのはどうに
も困ったことです。

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「米の放射能検査続報」
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 今年収穫された米の放射能検査の結果が報道されていますが、具
体的な数値を書いている記事がほとんどなくて、困っていました。

 ようやく見つけたのが河北新報の記事です。検査結果が具体的に
わかるのはたぶんこの記事だけです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

福島米「安全宣言」 48市町村、基準下回る

 福島県は12日、ことし作付けされた48市町村のコメから検出
された放射性物質がいずれも国の暫定基準値(1キログラム当たり
500ベクレル)を下回ったと発表した。全量出荷可能となり、佐
藤雄平知事は事実上の「安全宣言」を行った。

 福島第1原発事故に伴う9月の予備検査で二本松市小浜のコメか
ら基準値と同水準の放射性セシウムが検出されたが、今回の本検査
では検査対象の全1174地点で基準値未満となった。これで東北
6県の検査結果が出そろい、全ての県の新米が流通可能になった。

 検査対象は県内59市町村のうち、政府が作付け制限を指示した
警戒区域などの10市町村と水田のない桧枝岐村を除く市町村。旧
市町村単位に406地区に分け、各地区2カ所以上の水田で玄米を
調べた。予備検査で基準値と同じ濃度のセシウムが出た二本松市は
重点区域に指定し、計288カ所で調査した。

 最高は二本松市小浜の470ベクレルで、予備検査で500ベク
レルが出たのと同じ田んぼだった。2番目に高かったのは伊達市小
国で163ベクレル。

 他に100ベクレルを超えたのは伊達市上保原(161ベクレル)、
福島市平田(139ベクレル)、福島市水原(104ベクレル)、
相馬市玉野(103ベクレル)の4地点と二本松市小浜の別地点
(110ベクレル)の計5地点。大気中の放射線数値が比較的高い
原発の北西方向にある市が多い。

 検出限界値(5〜10ベクレル)以上100ベクレル未満だった
のは203地点で、全体の17.3%。限界値を下回ったのは96
4地点で82.1%だった。

 470ベクレルを検出した二本松市小浜の水田9アールについて
県は、基準値に近い数値を示したとして収穫米を研究用に買い付け、
市場に流通させない方針を示した。

 県農林水産部の鈴木義仁部長は「この水田は砂利が多くて表層の
土壌の放射性物質濃度が高かったり、稲の根張りが浅かったりし、
一般的な水田と異なる条件がある」と述べ、専門家による原因究明
を進めて結果を公表する考えを示した。

 検査は9月12日、喜多方市を皮切りに始まった。市町村単位で
全検査地点が200ベクレル以下になれば出荷を解禁し、順次出荷
された。

 佐藤雄平知事は「国より詳しい調査を行って安全性が確認され、
安堵(あんど)している。首都圏を中心にPRに取り組みたい」と
話した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/10/20111013t61015.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 予備検査では一つだけ500ベクレルという突出して高い数値の
結果がありました。

 あまりに他の検査結果と違うので、検査の間違いではないかと疑
っていたのですが、本検査でもほとんど同じ数値だったということ
で、間違いではなかったようですね。

 福島県の結果をもう一度まとめると、以下のようです。

500ベクレル以上 0    (0.0%)
100ベクレル以上 5    (0.4%)
100ベクレル未満 203  (17.3%)
検出限界以下    964  (82.3%)
合計        1172

 もちろん、福島県以外ではほとんど検出されていません。

 予想されていたことですが、これで今年の米はすべての産地で食
べても何の問題もないことが確定しました。

 しかし、これでもまだまだ不安だとか何とか、文句を言う人がた
くさんいるのですよね。

 馬鹿じゃなかろうか?などと思いながらも、その理由を考えてみ
ました。

(1)500ベクレル検出した、というニュースのショックが大き
かった。

 これは「特異例のみを報道する」というマスコミのよろしくない
習慣によるところが大きいです。

 しかし、こういう報道の仕方に影響されてしまうようでは、大衆
煽動による不安定な社会の到来も心配になってきます。

 また、基準値なみなら問題ないじゃないか、という当然の評価が
全く出てこなかったのにも驚きました。基準値の100倍、という
のならそんなことは言いませんが。

(2)基準値が気に入らない、

 基準値を設けなければ判断のしようがありません。そして暫定基
準値は充分な安全性を確保できる数値として設定されています。

 個人的に気に入らないのは仕方ないですが、EUなどではもっと緩
い基準であったことも知っておいた方がよいです。

 ポイントは「事故が起こっていないときの基準」と「起こってか
らの基準」は違うということです。

 起こっていないときは実現可能な最も低い値にしておけばよいの
ですが、起こってしまってからは、健康被害を防ぐに足る充分低い
数値を提案することになります。

 実際にはこれで充分なのですが、「しきい値なし」モデルで考え
るとこれではリスク無しということにはなりません。ここは我慢す
べき基準と考えるべきところです。

 ここを我慢しても、別に健康被害があるわけではありません。そ
れでも我慢するのがいやな人は外国へ避難でもするしかないです。
たぶんそちらの方が放射線量が多かったりしますが。

(3)基準値以下の数値でも心配だ。

 このあたりが典型的な「ゼロリスク症候群」です。心配するのは
仕方ないことですが、度を過ぎるようならやはり病気というもので
す。

 現実的な健康被害はこういう心理的なものが圧倒的に大きいこと
も知っておくべきでしょう。

 とか何とか、私が偉そうなことを言っても始まらないので、現地
で奮闘している方のブログを紹介します。長文ですが全文引用です。
 
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

農と島のありんくりん

東日本のものは食べないとおっしゃる方へ

 「低線量被曝脅威説派」とでもいうべき人々がいます。未だ放射
線医学界では極少派ですが、世論の一角では存在感のある学説です。

 先鋭な消費者の中や、西日本ではむしろ多数派になりつつある学
説なのかもしれません。いや、学説一般というよりも科学的「思想」、
あるいは「哲学」といったほうがいいでしょう。

 さて、低線量をどこに基準を置くのかという目安は諸説あるよう
ですが、農産物の放射線量で5〜10ベクレル/kg、空間線量で毎
時0.6〜1マイクロシーベルトといったところでしょうか。

 この派の特徴は、内部被曝を大きな脅威とすることです。ホット
パーティカルを体内に取り込むことは高線量の被曝にも劣らない危
険だと考えています。

 ですから、内部被曝の主原因である農産物などに厳重な注意を払
い、それこそが最大の関心事のようです。

 さて、私は先日「検出限界以下」とされる20ベクレル以下の線
量測定は、測定技術として難しいのだと書いたところ、この派の方
からこんなコメントを頂戴しました。

「(低線量が計測できないのなら)やっぱり危なそうな地域の農産
物を食べなかったというのは妥当だったのだ」

 なるほどねぇ、そうなっちゃうの、といったところです。低線量
が測ることが困難で、「検出限界以下」になってしまうのならば、
いっそうヤバそうな県のものはまとめて拒否だ、というわけです。

 なんとも乱暴な意見ですが、現にそのように状況は進行していま
す。「ヤバそうな県」の代表格である私たち茨城県や福島県の農産
物の苦戦状況は泥沼化しています。

 では、この「低線量被曝脅威派」が安心できる状況とはどんなこ
とでしょうか?

 それはすべての農産物から放射性物質の検出がゼロになることで
す。そしてその農産物を育てる大地の放射線量も同じくゼロになる
ことです。

 おそらくここまでいかないと、この派の人たちの「安全・安心」
はないのではないでしょうか。

 私たち福島や茨城の農民は今必死に放射能と闘っています。さま
ざまな研究機関と協同して、知見を集めて、自分の田畑を測定し、
マップを作り、放射能の除染や封じ込めの努力を積み重ねています。

 しかし、この派にとってそれは無意味なことなのです。なぜなら、
ぜったいに放射能が「ゼロ」になることはないからです。

 おそらくは私たちの地域で土壌線量が50〜70ベクレル/kgを
切ることはありえないでしょう。

 もともとのバックグランドには大地と宇宙からの自然放射線量が
あり、かつ、60年代の核実験の残留があり、今回の事故で放出さ
れた放射線量もその中に紛れ込んでしまうからです。

 農産物もこの土壌からの移行率は品種によっても異なりますが、
おおよそ百分の1から千分の1のオーダーですから、逆に言えば、
5ベクレルの放射能汚染をしてしまうためには、その土壌はその百
倍から千倍の線量がなくてはならないわけです。

 とすれば、仮に低線量派が摂取上限のように言う5ベクレルが検
出されたとすれば、その土壌は500bq〜5千bq/kgなくては
ならないことになります。

 これは平方メートル単位換算でその20倍ですから、1万〜10
万bq/平方メートルとなります。チェルノブイリの「汚染区域」
指定は3万7千bq/平方メートル以上ですから、10万bq/平
方メートルは避難区域のホットスポットを狙って作物を作らない限
りありえない数値です。

 ですから、高濃度被曝をしてしまった飯館村などは徹底した除染
を自治体ぐるみでしようとしています。

 しかし、このような努力は無駄だとこの派の人たちは思っていま
す。そんな努力より、さっさと逃げればいいじゃないか、頑張って
いる奴がいるからかえって迷惑なんだよ、と。

 農産物にしても、作っても低線量は計れないのだから、どうせあ
なたの地域は全部丸ごと拒否されるんだし、やったって無駄じゃな
いの、と思っています。

 つまりは、今さら「被爆地」はなにをしても無駄だからなにもす
るな、と。国や東電に補償金もらって都会のアパートに越してきな
よ、除染やったって終わりがないんだからさ、というわけです。

 このような言辞は私の空想ではなく、実際にこのての台詞をお聞
きになったことがあるでしょう。

 いいでしょう。そうしましょう。除染活動や測定などバカバカし
い努力ですから止めましょう。

 これは楽でいい。私たち「被爆地」の農家は復興なんて考えずに、
補償金で暮らして昼寝していればいいのですから(笑)。

 つまり、低線量被曝脅威派の人々の言う通りにすれば、除染など
はやる必要がなくなるということになります。

 「低線量が計れないのだから丸ごと拒否」というこの派の人たち
の考え方に沿えばそうなります。

 低線量脅威派、別名ゼロリスク派は、どこまでが危険で、どこか
らはこの状況で許容すべきかという閾値をもちません。目標値がな
いのです。

 「閾値なし線形モデル仮説」の極端な解釈であるために、一切の
閾値は存在しません。

 たとえ今5ベクレルだと言っていても、明日には3に、そしてや
がては0.5に、そしてゼロをと要求をエスカレーションすること
でしょう。

 この派に農民や漁民はいないでしょうから(まったくいないとも
思いませんが)、言うだけで済みます。

 しかし、私たちはそれを実現せねばならない役割です。たとえば、
現に今自分の田畑が100ベクレルの土壌線量があれば、来春まで
には70くらいまで低減しようとなどと計画をたてています。

 そして冬の間に裏の山林の落ち葉を集めて処分せにゃあならんか、
などと計画しています。

 あるいは堆肥設計も見直してゼオライトやカリ、木質を増やして
熟成期間も増やすなどの努力もしているでしょう。

 そしてそれの基礎となる土壌測定もシコシコと続けて、そのデー
タに一喜一憂しています。私たち農民はそんな生き物なのです。

 低線量被曝脅威派の人たちは、えてして自分のことだけしか見て
いません。自分の健康、子供の健康、それは大事です。かけがえも
なく大切な宝です。誰もそれを否定できません。

 しかし、現実にこの社会に放射能は降ってしまったのです。だか
ら危険な食品を拒否するのは正当な権利でした。ただし、緊急避難
的には、です。

 あの忌まわしい大震災から今日で7か月たちました。

 もう少し視野を拡げてみませんか。ひとつはこの先の時間へと、
そしてもうひとつは今この時代を共有しているはずの東日本へと。

 覚悟していただきたいのは、この放射能との闘いは長いのです。
おそらくは5年、10年は優にかかるでしょう。

 いつまでも西日本と輸入食品のものしか食べない、と言っていら
れますか。緊急避難としてはそれでもよかったかもしれませんが、
そんな生活が今後も続けられるでしょうか。

 ひと口ふた口食べて危険ならば、私たち「被爆地」の住民や農家
はその数千倍、数万倍のリスクの上で生活しています。

 そして私たち東日本の人間は、よりよい環境を取り戻すべく闘っ
ています。それは自分だけが被曝をしないというのではなく、地域
が放射能の枷から逃れることです。

 社会全体で、地域全体で線量を徐々に下げていくことを目指すこ
とです。

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-877c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このブログは他にも貴重な情報がたくさん書かれています。もっ
と広く知られるべきです。私は大変感激して読ませていただきまし
た。

 さて、最後はちょっと笑えるニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 東京都世田谷区の住宅街の区道で高い放射線量が検出された問題
で、文部科学省は13日、区道に隣接する民家の床下にあった瓶の
中の放射性物質が原因だったと発表した。

 がん治療などに使われるラジウム226と推定され、鉛容器など
に封入して安全対策を取った。

 同省では「セシウムは検出されておらず、原発事故の影響ではな
い」としている。同省や警視庁世田谷署は適切な届け出がされてい
なかった可能性があるとみており、保管状況の調査を急いでいる。

 同省や区によると、民家の床下から見つかったのは、木箱の中に
入った数十本の試験管のような瓶など。茶色に変色しており、中に
白い粉状の物質が見えたという。瓶の上で放射線量を調べると、胃
のX線検診の1回分に相当する毎時600マイクロ・シーベルトだ
ったという。

 同省職員が鉛容器に入れて金属管で封入し、民家の敷地境界から
離れた場所に置いた。

 放射線量はこの日午前、敷地内の木の根元付近では同約8・40
マイクロ・シーベルト、建物の壁面で同約18・6マイクロ・シー
ベルトが検出されたが、応急措置により、敷地と道路の境界付近の
放射線量は同0・1〜0・35マイクロ・シーベルトにまで下がっ
たという。

 同省の簡易検査の結果、ラジウム226とみられることが判明。
一般的に時計の文字盤などに塗る蛍光塗料や医療器具などに使われ
るという。

 半減期は1620年。同省では「民家付近を歩いて通過する程度
では、年間の被曝ひばく線量は1ミリ・シーベルト以下にとどまり、
健康への影響を心配する状況にはない」とした。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111013-OYT1T01038.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 思わぬところから変なものが見つかったものです。昔ブラジルで
医療用のコバルト60を貴重品と勘違いして盗んだという事件があ
りました。このときは死んだ人もいたと思いますが、ラジウムなら
それほどのこともなく、この真上でずっと住んでいて90歳まで生き
た人もいるようです。

 専門家が測定すれば、その放射線がラジウムが出しているものだ
ということはわかるのですね。最初にこのあたりで放射線量が多い
と言った人はまさに「機器の表示を読むだけ」だったようです。

 そのあたりの話は以下のところで詳しく説明しています。

分析機器をブラックボックスのように考える風潮が瀰漫している。
http://www.tv-naruto.ne.jp/gregarina/I1C.html

 さて、そのラジウムの続報は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ラジウム騒動、深まる謎 大戦時の夜光塗料?

 東京都世田谷区で起きたホットスポット騒動の正体は、民家の床
下に置かれていた瓶入りのラジウムだった。過去には夜光塗料に使
われ、鉱泉にも含まれている。そんな身近な「放射性物質」をたど
ると――。

 現場を調べた文部科学省によると、瓶の一部には「日本夜光」と
書かれていた。ラジウム226は蛍光塗料に混ぜると光を出す特性
があり、かつては夜光塗料に含まれていた。第2次世界大戦中は飛
行機や船の計器類の目盛りに活用され、製造会社の一つが、現存し
ない「日本夜光塗料製造所」だった。「日本塗料工業史」には、東
京で大規模な空襲があった1945年5月25日、本社と工場が全
焼したと記述がある。

 ラジウムは医療目的でも使われていたが、瓶の形状などから、今
回のものは夜光塗料の可能性が高いという。しかし、世田谷の民家
にあった理由は不明だ。居住者の夫婦は1953年ごろに引っ越し
てきたが、夫は10年ほど前に亡くなり、80代の妻は現在、老人
施設で暮らす。その家族は瓶について「初めて見た」と話したとい
う。

http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY201110150155.html?ref=goo
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「日本夜光」と書いてあったのは知っていましたが、それが戦時
中の会社の名前だったとは驚きです。

 夜光塗料というのは昔よくありました。私も時計の針に夜光塗料
が塗ってある目覚まし時計を持っていました。この光るエネルギー
の元が放射性物質なのです。放射線は目に見えませんが、ラジウム
の出すガンマ線を螢光塗料が吸収して、光るわけです。

 何とも謎な事件です。もっと詳しく調べれば、他からも出てきた
りするのでしょうか?

--〔後記〕--------------------------------------------------

 畝山さんの「食品安全情報blog」にこんなコメントを書いておら
れました。

(お酒やタバコの放射能検査を不条理だと思わないヒトってどのく
らいいるんだろう)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20111012#p2

 あえて説明しませんが、思わずニヤリとしたので紹介しておきま
す。

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