安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>621号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------621号--2011.10.02------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「生食用肉の基準」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1970年代の米の放射能が、最高で10000ベクレル/kg 、と書
いてあったのでびっくりしてグラフを見たのですが、単位はベクレ
ルではなく、ミリベクレルのようですね。

 きっと、既に他の人からも指摘されているとは思いますが念のた
めに送りました。最高で10000ミリ・ベクレル/kg=10ベ
クレル/kg なら納得です。

 私は、放射性セシウムからのガンマ線だけで、500ベクレル/
kgという今の暫定基準は高すぎると思います。

 最初から、放射性ヨウ素も放射性セシウムも放射性ストロンチウ
ムも含めて、チェルノブイリ事故の頃の輸入食品の規制と同じ37
0ベクレル/kgにしていたらここまで大騒ぎすることもなかった
と思います。

 あの頃、未だ若手電気・電子技術者だった私も、雨に濡れると禿
げるとか注意されたのに、無視して帽子も被らず雨に濡れてたのを
覚えています。その悪影響か、今はかなりの薄毛になっており、後
悔していますが...

 テレビでは放射性セシウムしか出て来ませんが、NHKのサイトな
どを見るとウランやプルトニウムの暫定基準も10ベクレル/kg
とか暫定基準が発表されてました。

 ネットや週刊誌に出ていた怪しげな噂が、数カ月後に政府から正
式に発表され、NHKのニュースでの発表が嘘で、怪しげな噂が真実
だったと分かる、そんな繰り返しが、不安を煽っています。

 こうなってしまったら、徹底的に測って、表示してもらわないと
安心できないです。

 それにしても、原発事故と言い、放射能汚染といい、内部被曝と
いい、今回の発表は最悪です。

 漏れてませんと安全宣言⇒実は少し漏れていました⇒レベル7で
した!これでは信用しろと言う方が無茶だと思います。

 NHKスペシャルなど見ても、3月の発表は全部嘘だったと言って
も過言ではないようです。

 何だか政府と電力会社と安全院とマスコミが、ぐるになって、わ
ざと不安を煽っているような気がします。案外、原発も核サイクル
も止めたいのが本音なのかもしれませんよ?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご指摘どおり、単位を読み間違っていたようです。どうも申し訳
ありません。

 前回の記事は全体として取り消しとさせてください。ご迷惑をお
かけしました。ご指摘ありがとうございます。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.海に流された放射能の関係で魚介類は実際食べても人体に問題
はないのでしょうか?

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A.以下に紹介するのは、「煽り派」で有名な週間現代のサイトに
ある、魚の検査結果を地図に表示しているものです。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/9547?page=2

 ここに出てくる数字は、5月初旬の福島近海のものです。ヨウ素
とセシウムの値が出ていますが、ヨウ素はすでにほぼなくなってい
るので、セシウムのみ参考にしてください。

 この時からかなり時間がたち、数値は変わってきているはずです。
減ってきているとものが多いと思いますが、そのあたりはよくわか
りません。遠くの地域では拡散により少し増えているでしょうね。
それでもここに出てくる数値より大きくなることはないと思うのが
常識的な判断です。

「政府の言う「暫定基準値」など、なんの指標にもならない」と書
いていますが、意外と低い数値だったので、くやしくてそう書いた
のだと思います。

 このあたりでは現在漁業はされていなくて、調査のためにとった
魚なのでしょうが、食べて被害が出る状況とは思えないです。

 事故現地から遠いところの海でとれたものは、まず心配ないです。
事故地域でさえ、サンマなどの回遊してくる魚では問題ないはずで
す。

 現場近くで定着している魚はそれほど大きな値ではないとはいえ、
食べない方がよいと思います。かんしかしそもそもそのあたりでは
漁業はおこなわれていません。食べることは不可能です。

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Q.米の代わりに小麦を炊いて食べる人もいると思いますが、その
場合はほとんどが国産小麦であろうと推測してますが、海外産小麦
も一般人が購入して食べることができるのでしょうか。それとも、
輸入小麦は製粉会社へ行くだけでしょうか。

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A.小麦を炊くというのはやる人がいるのでしょうか?大麦はご飯
に混ぜて「麦ごはん」にしますが、小麦を炊いたものというのは聞
いたことがありません。

 ご質問のように、もし小麦を炊いている人がいるとすれば、国産
の小麦を農家から直接分けてもらうか、自分で小麦を育てるかした
のでしょうね。

 通常小麦は小麦粉に加工されます。輸入小麦も国産小麦も、いっ
たん製粉工場に入って、小麦粉として出荷され、使われていきます。

 通常の流通ルートに乗った小麦はすべていったん小麦粉になりま
す。輸入小麦を一般人が直接買うのはほぼ不可能だと思います。

 しかし、小麦を炊くと何になるのでしょうか。不思議です。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「生食用肉の基準」
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 生食用肉の新基準が10月1日から施行されます。これに関連して
こんな記事が毎日新聞に出ていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

生食用牛肉:新基準、来月施行 ユッケ、高級食に? コスト増、
業者悲鳴

 ◇表面加熱、切り取り

 4月末発覚した焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中
毒事件を受け、厚生労働省が策定した生食用牛肉の新基準が10月
1日、施行される。業者に肉表面の加熱や専用加工設備の確保を義
務付ける厳しい内容で、業界からは「コストがかかり過ぎ、零細店
舗は生肉の提供がほぼできなくなる」との声も。対応を決めかねる
大手チェーンもあり、以前のように手軽にユッケを食べられるよう
になるかは微妙だ。【佐々木洋】

 首都圏などで約50店舗を展開する「叙々苑」(東京都港区)は、
えびす食中毒事件後にユッケの販売を自粛した。10月以降は「基
準の詳細を保健所などに確認してから決めたい」という。

 新基準は生肉を提供する加工業者に対し、表面から深さ1センチ
以上の部分を60度で2分以上加熱殺菌するよう義務付けた。同社
の広報担当者は「加熱した所は切り落とすため、提供できる生肉が
減ってしまう。加熱処理などの手間も掛かり、仕入れコストが3〜
4倍に上がる可能性もある。それでも提供できるか検討したい」と
話す。

 全国に約630店舗を構える「牛角」や別の大手焼き肉チェーン
もほぼ同じ理由で対応を検討中という。牛角の運営会社「レインズ
インターナショナル」(東京都港区)は「卸業者や加工の委託先工
場と、売価がどの程度に抑えられるか検証する」という。

 一方、約1800店の焼き肉店が加盟する「全国焼肉協会」(東
京都北区)によると、えびすの事件以前はほぼすべての会員店舗で
人気メニューのユッケなど生肉を提供していたが、事件後に大半が
自粛している。

 同協会は「数種類の生肉メニューのために専用の設備を設置する
のはコストが大き過ぎ、零細店舗ではほぼ100%生肉を出せなく
なる。仮に提供できても通常は1皿800〜1500円程度のユッ
ケを2〜3倍に値上げしないと採算が合わないのではないか」とみ
る。その上で「生肉を調理する時間帯を他の食品と分けることで衛
生基準を満たせないか、国に確認したい」と話す。

 今回の基準で規制対象になるのはユッケや牛刺し、牛たたき、タ
ルタルステーキなど。レバ刺しなど牛の生レバー(肝臓)は、厚労
省が年内に規制の検討を始める。当面の措置として同省は7月、飲
食店などで牛の生レバーを提供しないよう自治体に要請している。

http://mainichi.jp/life/food/news/20110927dde001100005000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関してのニュースはこうした書き方が多いようですね。
死者4名を出した大事件のことを忘れてしまったのでしょうか。

 「ユッケを食べられなくなる」ことがそれほど問題だとは思えま
せんが、飲食店側の言い分ばかり流されているように思います。

 問題は消費者の安全を確保することだったのに、なぜこんな論調
になるのか不思議ですが、テレビなどでもこうした報道が多かった
ですね。

 それはさておき、改めて新衛生基準を具体的に紹介しておきます。
かなり厳しいもので、実質的には禁止に等しいという声が聞こえて
きそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

〇生食用食肉(牛の食肉(内臓を除く。以下この目において同じ。)
であつて,生食用として販売するものに限る。以下この目において
同じ。)

1 生食用食肉の成分規格

(1) 生食用食肉は,腸内細菌科菌群が陰性でなければならない。

(2)(1)に係る記録は,1年間保存しなければならない。

2 生食用食肉の加工基準

 生食用食肉は,次の基準に適合する方法で加工しなければならな
い。

(1)加工は,他の設備と区分され,器具及び手指の洗浄及び消毒
に必要な専用の設備を備えた衛生的な場所で行わなければならない。
また,肉塊(食肉の単一の塊をいう。以下この目において同じ。)
が接触する設備は専用のものを用い,一つの肉塊の加工ごとに洗浄
及び消毒を行わなければならない。

(2)加工に使用する器具は,清潔で衛生的かつ洗浄及び消毒の容
易な不浸透性の材質であつて,専用のものを用いなければならない。
また,その使用に当たつては,一つの肉塊の加工ごとに(病原微生
物により汚染された場合は,その都度)83℃以上の温湯で洗浄及び
消毒をしなければならない。

(3)加工は,法第48条第6項第1号から第3号までのいずれかに
該当する者,同項第4号に該当する者のうち食品衛生法施行令(昭
和28年政令第229号)第35条第13項に規定する食肉製品製造業(法
第48条第7項に規定する製造業に限る。)に従事する者又は都道府
県知事若しくは地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項
の規定に基づく政令で定める市及び特別区の長が生食用食肉を取り
扱う者として適切と認める者が行わなければならない。ただし,そ
の者の監督の下に行われる場合は,この限りでない。

(4)加工は,肉塊が病原微生物により汚染されないよう衛生的に
行わなければならない。また,加工は,加熱殺菌をする場合を除き,
肉塊の表面の温度が10℃を超えることのないようにして行わなけれ
ばならない。

(5)加工に当たつては,刃を用いてその原形を保つたまま筋及び
繊維を短く切断する処理,調味料に浸潤させる処理,他の食肉の断
片を結着させ成形する処理その他病原微生物による汚染が内部に拡
大するおそれのある処理をしてはならない。

(6)加工に使用する肉塊は,凍結させていないものであつて,衛
生的に枝肉から切り出されたものでなければならない。

(7)(6)の処理を行つた肉塊は,処理後速やかに,気密性のあ
る清潔で衛生的な容器包装に入れ,密封し,肉塊の表面から深さ1
cm以上の部分までを60℃で2分間以上加熱する方法又はこれと同等
以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌を行つた後,速やかに4℃
以下に冷却しなければならない。

(8)(7)の加熱殺菌に係る温度及び時間の記録は,1年間保存
しなければならない。

3 生食用食肉の保存基準

(1)生食用食肉は,4℃以下で保存しなければならない。ただし,
生食用食肉を凍結させたものにあつては,これを−15℃以下で保存
しなければならない。

(2)生食用食肉は,清潔で衛生的な容器包装に入れ,保存しなけ
ればならない。

4 生食用食肉の調理基準

(1)2の(1)から(5)までの基準は,生食用食肉の調理につ
いて準用する。

(2)調理に使用する肉塊は,2の(6)及び(7)の処理を経た
ものでなければならない。

(3)調理を行つた生食用食肉は,速やかに提供しなければならな
い。

http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r9852000001bbdz-att/2r9852000001q50d.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件について、詳細なQ&Aが発表されています。その中で、
今までの基準から変更した理由について、以下のように書かれてい
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q4 なぜ、従来のトリミングによる衛生管理を本規格基準に盛り
込まなかったのですか。

(A)

1.今回の規格基準の設定に当たり実施した試験において、以下に
ついての知見が得られています。

(1)牛のとさつ・解体後、熟成が進むにつれ、腸管出血性大腸菌
がより深部に浸潤すること

(2)菌体の生肉への接種から1時間後、肉塊の表面から1cmの部
分から菌体が検出されたこと

(3)肉塊表面の0.5から1cm以上の部分までを60℃で2分間加熱
することにより、菌数を1万分の1以下に低減することが期待でき
ること

2.また、従来の衛生基準通知に示されていたトリミング処理は、
肉塊表面が菌に汚染されていた場合に、菌の汚染を拡散させる可能
性が指摘されています。

3.これらの知見を踏まえ、生食用食肉(牛肉)の安全性を確保す
るためには、従来のトリミング処理は適当ではなく、枝肉から切り
出された肉塊の表面が病原微生物により汚染された場合に、肉塊内
部への病原微生物の浸潤を防止するため、切り出された肉塊を、
速やかに加熱殺菌することとしたものです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r9852000001bbdz-att/2r9852000001q4yn.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 報道するのなら、ここを報道しないといけません。また、「腸内
細菌科菌群が陰性でなければならない。」とされていますが、具体
的な試験方法も提示されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 この試験法はISO 21528-1:2004に述べられている定性試験法を基
に作成した。生食用食肉試料25gを秤量し,緩衝ペプトン水225mlを
加えた後,37 ℃で 18±2時間培養する。培養液1mlをEEブイヨン10
mlに加え,37 ℃で 24±2時間培養後,VRBG寒天平板に画線塗抹する。
37℃で 24±2時間培養後,形成された腸内細菌科菌群の典型集落を
釣菌し,オキシダーゼ反応及びブドウ糖発酵性を確認し,腸内細菌
科菌群の有無を判定する。

http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r9852000001bbdz-att/2r9852000001q4yv.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「25g陰性」というもので、サンプル25gの中に1個も菌が
いないことを求められています。かなり厳しいですし、時間もかか
ります。これを飲食店で行うのは全く現実的ではなく、専門の食肉
処理場でしかできないものです。

 飲食店では、こうして処理された包装済みの肉を買ってきて、包
装を開けてそのまま提供することになります。用途によっては、加
熱で変色した部分は切り取って出すことになり、ますますコストが
かさみます。

 このコストアップを吸収できる価格で、生肉を販売できる店がそ
れほど多くあるとは思えません。そうすると、食肉処理場でこの基
準に対応するところが出てくるかどうか疑問です。やはり実質的に
は禁止に等しいと思います。

 実質的禁止であっても、それが何か問題なのか?というところで
す。個人で食べるのであれば、個人の自由で済みますので、勝手に
やればよいのですが、飲食店で生肉を販売して、食中毒事件を起こ
してしまえば、即致命傷となって会社が潰れてしまうことは先日の
事件が証明したとおりです。

 あの事件の後で、新基準を満たしていないのに、生肉を販売しよ
うというのであれば、何か根本的に間違っているのではないかと思
います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 金曜日から休暇でグアムに来ています。若い人は泳いだりしてい
ますが、私たちは別に何もせず、のんびりしています。さすがに空
気は大変よいです。

 スーバーマーケットにも行きましたが、何となく中国のと似てい
るのに驚きました。物価はかなり高いようです。公園でココナッツ
を1個5ドルで売っているのを買いました。まずココナッツジュー
スをストローで飲み、その後割ってもらって中の白い部分を刺身の
ようにして食べます。よく冷やしてあって、美味しかったです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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