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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------608号--2011.07.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「病原性大腸菌O157」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福島原電の事故の影響で食品と放射能の関係が言われていますが、
放射能を完全に除去すればその食品は安全といえるのでしょうか? 
地球自体が放射線(メディアが意図的か知りませんが放射能とごっ
ちゃにしているのが、腹立たしい限りですが)の影響をうけている
のに。

 それはさておき、いまの日本は危険神話というのに取り付かれて
いるような気がしてなりません。ひとつ大きな事件がおきると、続
いてまた同じことが起こると考えてしまうのは、日本人の持つ国民
性なのでしょうか?これについてもお答えいただければ幸いです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 本当に、放射能除去装置が必要だと思うような報道が多いです。
下水道の汚泥から検出されたからといって、騒ぐようなことではな
いと思うのですが…。

 放射能除去装置というと、宇宙戦艦ヤマトを思い出しますね。あ
の「地球滅亡まであと○日」という根拠は未だに謎のままです。

 放射能についての私の理解をもう一度書いておきます。事実関係
で修正があれば、ぜひ教えてください。

・「放射能」は「放射性物質」の別の呼び方です。「放射性物質が
できる」とか、「放射性物質になる」などではわかりにくいので、
「放射能を持つ」というときに使います。

・「放射能が漏れる」というより、「放射性物質が外部に放出され
る」という方が分かりやすいです。

・環境中の放射線量は、所定の装置を使って計測しますが、自然に
ある放射線量は場所によって元々違いますので、今回のように多く
の場所で測定して、「どこが多い」と言うのはナンセンスです。

・したがって、同じ場所で継続して計測し、その推移を見るのが正
しいです。

・「原発から放出される放射能は0であることが望ましい」ですが、
「ごくわずかでも検出されたら危険である」というわけではありま
せん。

・下水道の汚泥など、初めから蓄積されるのがわかっているところ
で多く検出されたとしても、当たり前の話です。食べたりしない限
り危険ではありません。

・食品からの検出も少なくなってきています。まで規制値にひっか
かるものはありますが、食べて危険なものはありません。

・具体的な検査数値が以下のところでまとめられています。

農産・畜産・水産物の放射性物質の検出状況
http://www.coopnet.jp/radioactive/index.php#kenshutsu

・今回の件で、周辺住民の被曝量は増えたのは間違いありません。
被害もゼロであるとは言い切れません。しかし、後になってみても、
統計的に有為な被害の増加を検出することは不可能でしょう。これ
は実質的には被害がないということです。

・しかし、被災者への補償としては、今後この地域住民がガンにな
った場合、全員の医療費を補償するといったことは必要です。(実
際には国民の半分くらいはガンになりますが、ガンの原因なんか誰
にもわからないです。→だからこその「おわび」ですね。)


 マスコミの報道を見ていると、やはり放射能についての報道は難
しいと改めて実感します。必ずしもマスコミの不勉強のせいばかり
ではなく、元々そういうものなのです。

 だからこそ、事故を起こしてはいけなかったわけです。もちろん、
それなりの努力はしていたはずですが、今回は起こるはずのない事
故が起こってしまう恐ろしさを見せつけてしまいました。

 1000年に一度の大災害を予測するのは不可能だったと思います。
可能だったのは、どんな不測の事態が起こっても、何とかできるよ
うなシステムを作っておくことです。

 今回の経験を取り込むことによって、原子炉の安全性は飛躍的に
高まると思います。しかしそれでも、「絶対に安全」などと言って
はいけないのですよね。そう言ったとたんに、スキができてしまう
というわけです。

 私はこのように原子炉の問題については、貴重な経験を活かして
前進あるのみと考えています。

 しかしそのためにも、きちんとした情報の整理と、被災者への補
償、地域の復興が必要です。この点では政府はいったい何をやって
いるのかと思います。いつも言うように、馬鹿に政権を与えた国民
が悪いのですけれどね。

 国民性?の話ですが、それにもかかわらず日本国民はパニックも
起こさず、立派に行動しているのではないでしょうか?

 一に政府、二に東電、三にマスコミ…このあたりは別としての話
です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.卵焼き製品について質問ですが、出荷前には一般生菌が二乗以
下もしくは0だったのに客先での検査で無限大と言うクレームを受
けました。大腸菌は0です。このようなことは、ありえるのでしょ
うか。教えてください。もし、一般生菌の繁殖曲線もしくはグラフ
等があれば送ってください。また、どのくらいの一般生菌数であれ
ば安全なのか教えてください。

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A.卵焼きを製造後、常温で放置すれば、細菌はいくらでも増えま
す。「無限大」というのは検査しても数えられないほど増えてしま
ったということです。当然腐敗していますので、菌数を数えること
自体、もう無意味です。

 このような状態になったとき、製造後どのような状態であったか
が問題です。主には包装と保管温度でしょう。今回のみ、こういう
ことが起こったのだとすると、その保管方法に破綻があったという
ことなのです。

 具体的には、密封包装が破れていた、とか、冷蔵していなかった、
とか、殺菌されていなかった、とかです。

 今までも販売していたとすれば、何らかの方法で菌の繁殖を防い
でいたはずです。ご質問でこの点に触れられていないのですが、ど
ういう商品なのでしょうね。もし、

 後の方の質問には、お答えしかねます。食品メーカーとしてどう
いう認識をしているのかがまず問題ですね。

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Q.南米ペルーからハーブ茶を輸入するため各種、キャッツクロー、
エルカンプリ、チャンカピエドラ等のハーブ・ティバックの二酸化
硫黄の残留値を検査しました。 

 全て、30ppm以上でしたが、輸出元は二酸化硫黄は使用してい
ないとのこと。自然ハーブをそのまま収穫し、天日で1週間ほど乾
燥させていたそうです。

 はたして、自然のハーブには二酸化イオウが多く含まれるものな
のでしょうか。また、日本に輸入できるように二酸化イオウを減ら
す方法はあるのでしょうか。

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A.ハーブなどから二酸化硫黄が検出されて輸入できなかったとい
う情報はよく出ています。この場合も、漂白のために添加している
のだと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本では使用が禁止されている食品添加物や使用基準の定めがあ
る物質の含有には注意を要します。例えば過去に以下のような違反
例があります。

・酸化エチレン(指定外添加物殺菌剤)のシナモンへの使用

・二酸化硫黄(漂白剤)の乾燥ハーブへの過量残存

・アフラトキシン(カビ毒)の検出(チリパウダー、唐辛子、ナツ
メグ、ターメリック)

・プロフェノスホスの検出(クミン)

・EPNの検出(レモングラス)などがあります。

 また、海外では香辛料に放射線照射による殺菌を認可している国
もありますが、日本では原則禁止です。残留農薬基準(ポジティブ
リスト制度)にも注意が必要です。

http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/importproduct_01/04M-010834
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 二酸化硫黄を減らす方法というのは知りません。あったとしても、
減らせばよいという問題ではないと思いますし…。

 添加しているという証拠はありませんが、もし本当は添加してい
て、輸出元が「使用していない」というのであれば、事態はちょっ
と深刻です。これは生産工程が管理できていないということを意味
しています。場合によってはもっと恐ろしいものが出て来たりする
かもしれません。

 おそらくこのままでは輸入できないでしょうから、生産工程や生
産地から、もう一度見直した方がよいのではないでしょうか。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「病原性大腸菌O157」
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 山形の病原性大腸菌O157による食中毒事件で、とうとう死者
が出たということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

山形・団子店集団食中毒:入院中の男性、O157で死亡 県内で
96年以来 /山形

 山形市の「佐藤だんご屋」の食中毒問題で、集中治療室に入って
いた天童市の80代男性が、病原性大腸菌O157による食中毒で
1日、死亡したと県食品安全衛生課が発表した。O157による食
中毒の死亡者は県内では96年以来2人目。

 同課によると、亡くなった男性は5月4日に、同店が同2日に製
造したかしわ餅を食べた。4日後に腹痛や下痢の症状が出て、山形
市内の病院を受診し、そのまま入院。O157の感染が確認された。
その後、腎機能や呼吸状態が悪化し、同23日に集中治療室に移送
されていた。

 この男性のほか2人が入院中だが、うち山形市内の70代男性も
集中治療室に入っており、意識がない状態だという。

 同課によると、1日現在、同店のかしわ餅や団子を食べてO15
7に感染したのは287人で、うち204人が医療機関を受診。入
院は、亡くなった男性も含めて88人にのぼったが、85人は退院
した。患者からの2次感染は25人が確認されている。

http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20110702ddlk06040117000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一人の方も危ないようですね。焼肉店での大規模食中毒事件
と同時期でしたので、報道の方は少なかったのですが、こちらも大
事件であることに違いありません。

 何より「だんご」のようなもので食中毒が起こるというのは驚き
でした。たぶん作業者からの二次感染なんでしょうが、怖いもので
す。

 三重県でも死亡者がありました。こちらは3歳の女の子です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

O157で3歳死亡=三重県

 三重県は19日、腸管出血性大腸菌O157による感染症で、同
県伊賀市の女児(3)が死亡したと発表した。

 県によると、女児は14日に腹痛や血便の症状が出たため同市内
の病院を受診。19日に溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発し、
津市内の病院で死亡した。持病はなく、伊賀保健所が原因を調べて
いる。

 女児は10日に家族とすし店に行き、イクラなどを食べたが、家
族に異常はないという。通っていた保育園でも、下痢や腹痛などで
休んでいる園児はいないという。(2011/06/19-22:00)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201106/2011061900210&rel=j&g=soc
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 3歳でも寿司なんか食べられるのですね。寿司が原因かどうかは
わかりませんが、やはり後悔すると思います。

 他にもO157による食中毒事件が起こっています。まだまだ他
でも起こる可能性があるので、警戒しなければなりません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

愛知の焼き肉店で食中毒…「生肉自粛」後も提供
(読売新聞) 2011年06月26日 14時37分

 愛知県小牧市春日寺の焼き肉店「炭火焼肉 南山」で今月10日
に食事をした女性客6人が腸管出血性大腸菌O(オー)157による
食中毒を発症したとして、同県春日井保健所は25日、食品衛生法
に基づき同店に営業禁止を命じた。

 6人は快方に向かっているという。

 県生活衛生課によると、10日夜、同店でユッケやレバ刺し、焼
き肉などを食べた22〜34歳の女性客6人が下痢や腹痛を訴え、
うち1人が春日井市内の病院に入院。検査でO157が原因と判明
し、病院が20日に同保健所に届け出た。保健所が残る5人を検査
したところ、うち3人からO157が検出されたという。

 「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、5月18日に保健
所が調査した際には、同店は生肉の提供を自粛すると説明していた
が、翌19日から提供していたという。同課によると、店側は「客
からの要望があった」などと説明しているという。

http://news.goo.ne.jp/topstories/nation/72/6808ea39578f060c6bbcdbe4614b8ac2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 前に紹介した、保健所による調査が、いかにいい加減なものであ
ったか、よくわかる事件です。

 さて、O157については、牛が保菌していることが多いことが
知られています。前にも書きましたが、牛糞→堆肥→野菜という汚
染ルートが心配されています。

 これについて、食品安全委員会は以下のような報告書を出してい
ます。

肥料中の有害物質の挙動に関する文献及び肥料の安全性に関する国
際的な制度の調査報告書
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20060331047

 上記アドレスからダウンロードできるのですが、400ページ以
上あるPDFファイルで、23MBを越えますのでご注意ください。

 O157については、以下のように書かれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 我が国での牛の大腸菌0157保菌率は、 1996年以前は0.1-0.3%であ
ったのが、 1996年以降では1.0-1.5%とやや上昇している傾向がある。
調査した牛の母集団が異なるので、これらの数字の厳密な比較はで
きないが、 1%前後の保菌率と推定される。現在、我が国は、 BSE問
題の観点から各国からの生きた牛の輸入を禁止しているので、これ
は大腸菌0157を保菌する牛の防疫にも好ましい形になっている。

 大腸菌0157の牛由来株とヒト由来株は、染色体や毒素遺伝子など
に違いがないことから、欧米と同様に、我が国でも牛がヒトの感染
源になっていること、さらに、日本の株と米国の株とが近縁である
ことから、海を越えて我が国に広がった可能性が指摘されている。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下、いろいろと書かれていますが、思いきり要約すると、以下
のようになります。

・完熟堆肥には病原菌いないとされているが、実際にはそうではな
い。

・堆肥製品(市販の堆肥)から、O157が検出されることがある。

・土壌中でO157は1ヶ月以上生存可能である。

・野菜に付着した菌も、1ヶ月ほど生きている。

 ということで、やはり野菜が汚染されている可能性はかなりある
ようです。

 以下は野菜を食べるまでの間に、汚染される可能性のある項目で
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■収穫前

糞便
土壌
濯概水
農薬に使用する水
緑肥
未熟堆肥
空気(塵挨)
野生動物・衛生動物 昆虫
人による取り扱い

■収穫後

糞便
人による取り扱い(従事者、消費者)
収穫機械
輸送容器(圃場から選別施設まで)
野生動物・衛生動物
昆虫
空気(塵挨)
洗浄水
選別・包装・切断・その他の処理機械

輸送機械.
不適切な保存(温度、物理的環境)
不適切な包装(新規包装技術を含む)
相互汚染(倉庫・作業上・陳列場所の他の食品)
不適切な陳列温度
箱ごとまたは小売りの際の不適切な取り扱い

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この中でも特に、「未熟堆肥」が要注意ということで、以下のよ
うな無害化処理が提案されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■施設・設備

原料と製品の厳密な物理的隔離
原料区画を下流・風下へ設置
床からの強制通気設備の設置
断熱材の使用

■温度管理

石灰窒素の添加
廃食用油の添加

■発酵温度

60℃以上を3週間以上保持すること

■作業工程

ローダー等作業用具の原料用と製品用の区別

■製品水分

30%以下とする

完熟させる
(コマツナの発芽抑制がないこと、
堆肥抽出液のB0Dが低いこと)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 農家と話をすると、「うちは完熟堆肥を使っている」とよく言い
ます。しかし、実際に完熟しているかどうかを確かめているわけで
はなく、単なる願望です。

 まして、上記のような「無害化」をしているところはほとんどな
いと言えると思います。

 最後に書かれている「コマツナの発芽抑制」と「BOD」は、簡
単に完熟しているかどうか確かめる手段です。

 何だか面倒な話ですが、これだけ食中毒事件が発生してきますと、
やはり生産現場での全面的な対策が必要になってくるのではないか
と思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 30日に中国から帰って来ましたが、今回は体調を崩して最悪で
した。最初は下痢をしたので食中毒と思ったのですが、どうも風邪
だったようで、最後は咳がとまらなくなりました。咳止め薬を買っ
てきて飲みましたが、中国で売っている薬はよく効くのですよね。

 原発事故の関連で、やはり中国でも風評被害はあるようです。中
国人は日本人以上に情報に流されやすいと感じています。日本人で
も、東京から沖縄に避難?した主婦のことをNHKがやっていまし
たが、そこまで行くとやはり病気の一種なんでしょうね。NHKの
アナウンサーが大まじめだったので笑いました。

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