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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------607号--2011.06.26------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「お茶の放射性物質検査」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 また大連に来ています。震災以後、中国が日本からの食品輸入を
事実上ストップしている事態が続いていますが、ようやく出口が見
えてきたようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

中国:日本からの食品輸入 検疫当局が基準を一部緩和

 中国で食品輸入の規制を担当している国家品質監督検査検疫総局
は、福島第1原発事故を受け、日本産食品の輸入規制措置をしてい
た12都県の中から山形、山梨両県を外すなど緩和した輸入基準を
国内向けに発表した。

 輸入規制をめぐっては5月の菅直人首相と温家宝首相の首脳会談
で温氏が「緩和」を日本側に確約したが、中国側が食料品の品目な
ど緩和した具体的輸入基準を国内に通知しなかったため、輸入はほ
とんど再開していなかった。同総局は13日、地方検疫当局に輸入
基準を通知した。

 輸入再開には、添付が必要な原産地証明書の様式などの調整は残
っているが、日中外交筋は「それほど遅くないうちに再開される」
とみている。(北京・共同)

毎日新聞 2011年6月20日 10時56分

http://mainichi.jp/select/world/news/20110620k0000e030020000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こちらで確認したところ、この記事は概ね正しいようです。最後
の「証明書」関係が未解決のようですが、輸入を再開する方針は出
ています。

 私の仕事の方から言うと、やっと一息つけそうです。でも、この
間の経過で見えてきたのは、日本政府の力のなさだと思います。

 中国側は早くから交渉次第だと言っているわけです。強力に交渉
し、譲るところは譲っていけば、結果はすぐに実現できたはずです。

 ところが、中国側から見ても、日本政府にやる気がないのでは?
というような交渉だったようです。その根拠は、未だに中国側が要
求していた、日本政府の証明書発行について、具体的に提案したと
いう痕跡が見えないことです。

 提案のないところに交渉はあり得ません。何も提案せずに、輸入
を再開してくれ、とだけ言っているのでは、子供レベルです。おそ
らく、そんな「交渉」をしていたのだと思います。

 まあ、何を書いても愚痴になるのですが…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「お茶の放射性物質検査」
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 静岡県と国の間で、お茶の検査に関して揉めているそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

知事「新たな基準値を」県産製茶 国に2度目の公開質問状 静岡

産経新聞 6月24日(金)7時56分配信

 県産の製茶の一部から国が定めた暫定基準値を超す放射性物質が
相次いで検出された問題で、川勝平太知事は23日に開会した県議
会6月定例会の議案説明の中で、国の対応に強い不信感を改めて強
調した。前日の22日には、静岡市清水区・庵原地区の生産農家の
製茶から暫定基準値を上回る放射性物質が検出されたばかり。一連
の混乱を国の責任だと主張して譲らない川勝知事は議会終了後、東
京・霞が関の厚生労働省や農林水産省を相次いで訪ね、公開質問状
を再提出した。

 「茶に食用の暫定基準値を適用した。その荒っぽい手法が、茶の
流通の最大の障害となっている。本県の茶業界には困惑と怒りが渦
巻いている」。厚労省や農水省、原子力安全委員会などにあてられ
た公開質問状にはこう記され、県側の憤りがにじみ出た文面。書面
では「95%が飲用である実態を踏まえ、現行の暫定基準値に代わ
る新たな基準値を設定すべきだ」などと主張、国の見解をただした。

 細川律夫厚労相と面会した川勝知事は、暫定基準値の見直しを求
めたことで「誠実な対応をしてもらえると確信している」と、国の
対応に期待感を示した。

 県は5月中に生葉と飲用茶について、独自に検査を行い、問題が
ないことを確認。そこに横やりを入れた格好になったのが、今月2
日の厚労省からの荒茶の検査を求めた通達だ。

 荒茶は生葉に比べて放射性物質が濃縮されるため、検査で数倍の
数値が検出されることは避けられない。一方、飲む段階では数ベク
レル程度にまで下がるにもかかわらず、国は暫定基準値を生葉と同
じ1キロ当たり500ベクレルとした。

 こうした「根拠がない暫定基準値」(川勝知事)を適用すること
で風評の高まりを恐れた県は当初、検査をはねつける姿勢を見せた
が、結局は国の要望を受け入れ検査を実施。予想通り「数字が一人
歩きして、生産農家や茶商に混乱をもたらした」(同)のが実情だ。

 霞が関訪問に先立ち、川勝知事は県議会で「手続きが不分明で、
科学的根拠が不十分。いかなる根拠のもとに意思決定をしたのかな
どを明らかにするよう、問いただしている」と発言し、国への不信
感を表明。

 県議会には、放射性物質が土壌から茶葉に吸収されるメカニズム
の研究費用など対策費を盛り込んだ補正予算案が提出されたが、ど
れほどの成果が期待できるのかは未知数だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110624-00000049-san-l22
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 記事の中に出てくる「今月2日の厚労省からの荒茶の検査を求め
た通達」は、以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 各地の生茶葉から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され
ている問題で政府は2日、「生茶葉」に加え、生茶葉を乾燥した
「荒茶」も検査を行い、いずれも1キロあたり500ベクレルの基
準値を超えた場合、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止に
することを決めた。

 政府はあわせて、生茶葉から暫定基準値を超える放射性セシウム
が検出されていた茨城県の全域と神奈川県の6市町村、千葉県の6
市町、栃木県の2市に、茶の出荷停止措置を指示した。基準値超え
の生茶葉はすでに出荷が自粛されており市場に出回っていない。

 農林水産省によると、生茶葉を乾燥させた荒茶の1キロ当たりの
放射性物質の濃度は生茶葉の約5倍に濃縮され、茶葉から飲用茶に
した場合は荒茶の50分の1〜60分の1に薄まるという。

 この問題では、厚生労働省が荒茶の段階でも出荷停止の検査対象
にするよう主張。農水省や生産地は荒茶を対象外にするよう訴え、
政府の方針が定まっていなかった。厚労省は先月16日、茶の産地
14都県に荒茶の検査実施を求めたが、今月2日までに荒茶の検査
結果を報告したのは神奈川、新潟の2県のみだった。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/510306/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 お茶と言えば、もう何度も書いていますが、チェルノブイリ事故
のとき、やはりお茶を問題にした生協がありました。

 「荒茶」というと聞き慣れない言葉ですが、この場合は普通のお
茶の葉と考えてください。

 お茶の葉は摘み取ったままだと発酵してしまうため、産地ですぐ
に製茶されます。この過程で、摘んできた生の茶葉を、蒸したり、
揉んだり、乾燥させたりして、「お茶の葉」にします。

 乾燥しますので、当然重量は軽くなります。ところが水分以外の
成分はほとんど変わらないため、「キログラムあたり」の含有量は
増えてしまいます。

 他の野菜と同じく、生の状態で何故測らないのか?というところ
が不思議なものです。

 また、より厳密には、私たちが飲む「お茶」の状態にしてから測
る方が、より人体への影響が正確にわかります。

 生葉でも、「お茶」でも問題はないが、その途中で乾燥したとき
に一瞬数値が大きくなってしまうわけです。この数値に何か意味が
あるのか?ということでもあります。

 それに関して、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 放射性物質が検出されやすい乾燥茶葉(荒茶)が国の検査対象に
なったことについて、蓮舫消費者担当相は3日の閣議後会見で、
「荒茶はふりかけにしてそのまま食べられるものなども販売してお
り、消費者の安全、安心の確保の観点からは荒茶も含めてモニタリ
ング検査をしっかり行っていくことが重要だ」と述べ、検査の対象
にすることが必要との認識を示した。

http://www.asahi.com/politics/update/0603/TKY201106030180.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 朝日新聞は「乾燥茶葉(荒茶)」という書き方をしています。こ
の方が分かりやすいですね。

 ところで、産地で乾燥させた茶葉が「荒茶」という名なのは、普
通そのままでは出荷されないからです。

 荒茶から商品としての「茶」になるには、もう何段階かの工程が
あります。すなわち、選別、ブレンド、貯蔵などです。

 したがって、「荒茶はふりかけにしてそのまま食べられる」とい
うのはほぼ間違いです。

 「ダイオキシン騒動」のときも、某テレビ局で「誤報」したのは、
「荒茶」を「葉物」と言ったのでした。

 チェルノブイリ事故のときも、ヨーロッパから輸入したものの中
で、パスタ類と香辛料だけが問題になりました。

 いずれも、「乾燥」がキーワードです。いっそすべての測定を乾
燥重量換算で表示したらどうかという気もします。

 この測定の単位に使われている「ベクレル」は1秒間に1度、原
子核崩壊が起こるという単位です。測定対象が倍の重さになれば、
ベクレル数も倍になります。したがって、通常は「1kgあたり」で
表示します。

 乾燥すれば、この分母が小さくなるので、結果として数値が上が
るわけです。そして「1kgあたり」ということでわかるように、こ
れは絶対量ではなくて、濃度を表しています。

 それに対して、体への影響の度合いは、当然摂取した物質の量に
よって決まります。

 体への影響は食べる量によって決まる…。このことを考えれば、
「お茶も食べることがある」というのはまあ屁理屈の類です。

 フランスに輸出したお茶から基準値を越えた放射能が見つかった
というニュースもありましたが、その後日談です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

玄米茶は誤報、基準値超は新茶

 フランスに輸出された静岡県産茶から欧州連合(EU)が定めた
基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウム1
038ベクレルが検出された問題で、静岡県は21日、前日に発表
した御前崎市の製造業者が輸出した「玄米茶162キロ」との情報
が誤りで、正しくは同じ製造業者による「新茶135キロ」だった
と訂正した。県によると、農林水産省からの提供情報が誤りだった
ことが原因で、県は再度製造ルートの特定を行い、22日にも業者
が保管する新茶を用いて検査する方針だ。

 セシウムが検出された新茶は、御前崎市の製造業者が、当初問題
にされた玄米茶と一緒に輸出したもの。業者は、複数の茶園で栽培
した一番茶の荒茶を5月に県内の工場から仕入れて製造したという。
国内での流通状況の調査中だが、県は「流通の可能性は少ない」と
みている。

 21日夕には玄米茶の検査結果が出たが、製茶1キロ当たりわず
か66ベクレルで基準値を大きく下回っていた。

 県は「おかしな部分があるので念を押すことをしたが、農水省が
間違いないということだった」ため、玄米茶で検査を行ったという。
しかし、農水省からは県に経緯の説明もなく、国の誤報に県が翻弄
された格好となった。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/household/513827/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今どき出荷されている「玄米茶」が、今年の新茶で作られている
はずがないと思います。新茶に比べると非常に小さな値だったこと
でもわかりますが、玄米茶はだいたい夏または秋に収穫する、あま
り上等でないお茶を原料にしています。

 要するに、一部に新茶は使っていたとしても、基本は去年のお茶
なのです。

 だから、どこで「新茶」と「玄米茶」を取り違えたのか、不思議
な話です。もしフランス側が間違って「玄米茶」と発表したとして
も、普通「新茶と間違ってませんか?」とツッコミを入れるところ
です。

 おそらく、この「新茶」は一番よいお茶をわざわざ選んで製造し
たのでしょう。今年の検査結果を見ても、どの産地も最初は高く、
すぐに減少してしまっています。

 さきほどの「濃度を測定している」ということを考えれば、あま
りよいお茶ばかりを使うのではなく、少し後に収穫された分とブレ
ンドしてから測定するのが賢かったりします。

 何だか馬鹿なことをやっているな、とお思いでしょうが、こんな
話もありますので、驚くことはないのかもしれません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 環境省は23日、海水浴場で安全に泳げるかどうかを判断する放
射性物質濃度の基準として、放射性セシウムは水1リットル当たり
50ベクレル以下、放射性ヨウ素は30ベクレル以下とする案をま
とめ、原子力安全委員会に示した。同委員会はこの基準で問題ない
と回答。環境省は24日に全国の都道府県に通知する。

 環境省によると、基準値は小学生が2カ月間、海や川、湖などの
水浴場で毎日5時間泳いだ場合を想定。水を1リットル飲み、傷口
から放射性物質が入り込んだと仮定して被曝線量を計算すると、放
射性セシウムが年間69マイクロシーベルト、同ヨウ素が98マイ
クロシーベルトとなり、子供も含めた一般の年間被曝線量限度であ
る1ミリシーベルトの10%以下に収まるという。

 飲料水の暫定基準値(1キロあたり放射性セシウム200ベクレ
ル)より厳しくしたことについて、環境省は「海水浴は日常生活に
不可欠なものではないので、余分な被曝を極力抑えようと考えたた
め」と説明している。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/514139/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 海水を1リットル飲めばちょっとヤバいでしょう。飲めるものか
どうか、確かめたのでしょうかね。

 2ヶ月間、毎日5時間泳ぐって、どこの国の話なのでしょうか。
日本の小学生がそんなことをできるわけもありません。

 原子力安全委員会が了承したと書いていますが、決めたのは原子
力安全委員会ではなく、お役人です。原子力安全委員会は決めた数
値が大きすぎればチェックしますが、厳しすぎるからダメとは言わ
ないでしょうね。

 もしこの基準の考え方が正しければ、水を一日1リットル飲むこ
とは可能なのですから、飲料水の基準を厳しくしなければいけませ
ん。

 基準作りとなるとやたら張り切る、日本の官僚の悪いところが全
面的に出ている感じです。

 「政治主導」の効果が出てきて、官僚にも馬鹿が移ってきたので
はないかと危惧しています。

 最後に、「一般の年間被曝線量限度である1ミリシーベルト」と
いうのは、誤解を招く言い方です。この基準は安全性に関して決め
られたものではなくて、原子力の利用に際して、原則として環境中
に放射能を出さないようにすべきなので、規制値はこの程度にして
おこうということで決まっているはずです。

 自然界の放射線量がありますので、あまり小さな値だと測定誤差
に影響されてしまいます。

 だから、事故が起こった後になって、急に20ミリシーベルトと
か100ミリシーベルトとか言い出したとき、不信感を持たれてし
まいました。その批判に懲りて、今度はウソでもいいから1ミリシ
ーベルトを守るべき基準にしようとしているようで、どうも困った
ことです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 6月の大連は梅雨がなくて、さわやかな季節、と思って来たので
すが、暑い日があったり、雨がたくさん降ったりした日もありまし
た。あかげで体調が悪くなってしまい、どうもよくありません。

 でも、土曜日はさわやかな風が吹き、気持ちよかったです。今年
の夏は暑くなるのでしょうかね。

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