安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>605号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------605号--2011.06.12------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「台湾のDEHP事件」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 ドイツの食中毒事件の続報です。原因は最初はスペイン産キュウ
リとされていて、その後撤回されました。先週はモヤシ説が出てき
ましたが、それも確実ではないというニュースがありました。

 以下のニュースがたぶん一番新しいので、やはりモヤシ(スプラ
ウト)説が最も有力なようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

家庭ゴミからO104検出、死者は31人に ドイツ
2011.06.11 Sat posted at: 09:26 JST

 ベルリン(CNN) ドイツ北部を中心に腸管出血性大腸菌O1
04の感染が広がっている問題で、ドイツ保健当局は10日、欧州
で新たに4人の死亡を確認した。大腸菌による死者は31人となっ
た。

 ドイツ保健当局は、ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレ
ン州の家庭のゴミ箱に残っていたスプラウト(新芽野菜)からO1
04が検出されたと発表した。O104が実際に農作物から検出さ
れたのは今回が初めてだ。

 ドイツ連邦食糧・農業・消費者保護省の広報担当によると、スプ
ラウトはすでに感染被害が広がっているドイツ北部産と見られると
いう。

 またロベルト・コッホ研究所のブルガー所長は記者団に対し、同
じレストランで食事をした17人が発病したことから、ドイツ保健
当局は同レストランで出されたもやしが感染源と断定したと語った。
ブルガー氏によると、当局者が感染者に聞き取り調査を行ったとこ
ろ、いずれももやしの入った料理を食べていたという。

 大腸菌の感染者はこれまでに2988人に上り、そのうち759
人は重度の腸疾患を発症している。

http://www.cnn.co.jp/world/30003029.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 産地が食中毒の発生している地域だということもあり、だいたい
このあたりで決まりのようですね。

 モヤシというより、カイワレ大根のような芽野菜(スプラウト)
だと思います。日本風のモヤシもドイツでは生で食べるそうです
が。

 気になるのが、候補に上がってくるのがいずれも「有機」農産物
らしいことです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今日のドイツのトップニュースは食中毒の原因がニーダーザクセ
ン州の有機農場で出荷されたもやしに特定された事。1週間ほど前
にそういう話は出ていたのだけれど、科学的な証拠が見つからなか
ったので信用されなかった。

 元々感染者の中にレストランの集団感染が何件かあった。そのす
べてのレストランには同じニーダーザクセンの農場産のもやしが納
品されていたので、この農場のもやしが原因と発表したのだが、立
ち入り検査の結果該当するバクテリアは見つからなかった。その前
にドイツの保健局が正確な検査結果が出ないうちにスペイン産のキ
ュウリが危ないと発表し、経済的に大きな問題になった事もあり、
国際的には「ドイツ当局の発表は信用できない」という雰囲気にな
ってしまった。

 今日の発表によれば、ノルトライン・ヴェストファーレン州の家
庭のゴミ箱からバクテリアO104で汚染された例の有機農場産のモ
ヤシが出てきたそうだ。この一家3人のうち二人は食中毒を発症し
ている。状況証拠だけでなく、科学的にもその農場のもやしとバク
テリアが関連付けられたので、保健局は同じ農場産の野菜をすべて
出荷停止にした。細菌研究で知られているローベルト・コッホ研究
所は、このニュースを受けてトマト・レタス・キュウリに対する摂
取制限勧告を撤回した。ニュースでは八百屋さんがとても喜んでい
た。

 食中毒の元になるバクテリアは家畜の体内にある。だから肉は菌
がついている場合もあり、食中毒といえば肉を連想する。でも最近
のドイツでは農薬や化学肥料を使わない有機農業が盛んで、どこの
スーパーでもBio製品が並んでいる。有機農業の肥料には家畜の糞
尿が使われるので、そういう野菜もバクテリアで汚染されてしまう。

 また、もやし類はバクテリアに弱く、冷蔵庫に入れていても数日
で腐ってしまう。ドイツの新聞は1996年に日本で10人以上死
亡した食中毒もかいわれ大根が原因だったと報じている。

 感染源が特定できたといっても、生野菜を食べる気にはならない
のだけれど、社員食堂のサラダバーも少しずつ元に戻るだろう。

http://blog.livedoor.jp/haydnphil/archives/52053899.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本と違ってヨーロッパでは「有機」農産物のシェアが大きいの
ですが、やはり「有機」にはそれなりのリスクがあると理解すべき
なのでしょう。

 しかし、わざわざ高いカネを払って、「有機」のものを買う価値
があるのか?という話になってしまいます。このあたり、タテマエ
で動くドイツ人がどう判断するのでしょうか。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.5月より手作り酵素(発酵促進剤として乳酸菌の粉を使用)を
作っていましたが、先日アルコール臭を発生しました。見た目と匂
いでおそらく産膜酵母が繁殖したためだと。今は産膜酵母を取り去
り(完璧ではないとおもいます)冷蔵庫で保管してあります。この
酵素ドリンクは飲料しても良いのでしょうか?体の為に作ったもの
ですがこの状態で健康に良い物なのでしょうか?アルコールになっ
てしまったのでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.何のことかわからなかったので、「手作り酵素」で検索してみ
ると、自然の菌で発酵させた飲み物を作るのですね。作り方はかな
りワイルドで、ちょっと手を出すのには勇気がいります。

 普通、野菜が腐ってしまったら食べないですよね。それをあえて
飲み物として飲むというのですから、すごい話です。

 皮膚についている常在菌も使うと書いているサイトもありました。
世界中の保健当局が、手を洗いましょうとキャンペーンしている意
味をご存じないようです。

 要するにどういう微生物が関与しているのかわからないわけです
ので、これを飲む勇気があるのなら、産膜酵母が出ようが、アルコ
ール発酵しようが、あまり関係ないのではないでしょうか。

 健康のためにどうかは知りませんが、安全かどうかと聞かれたら、
安全とは言えないというのが答えになると思います。あとはご自分
の判断ですね。

------------------------------------------------------------

Q.今回は燻製について質問させてください。最近は燻製ブームで、
自宅で燻製をやる人も増えてきたみたいです。先生の著書を読み返
してみて、燻製についての危険性もかかれていました。それで以下
の質問のさせてください。

1.燻製の時に出る煙はホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれて
いると思われますが、木材の種類や温度の管理を変えれば木酸酢の
ように有害物質を低減できるのでしょうか?

2.燻製された食品(ベーコンやウインナーや鰹節など)には、ホル
ムアルデヒドなどの有害物質は残留しているものなのでしょうか?
それはごく微量なのでしょうか?燻製するときの煙が危険であって、
食品そのものはそれほど問題視するものではないのでしょうか?も
し残留していたとしても、半数致死量や一日摂取許容量を越えたり
はしないのでしょうか?

 自分でネットで見ていたら、個人の方のサイトでたんぱく質に作
用するときにホルムアルデヒドなどはなくなると書かれていたもの
もありました。専門家やメーカーなどのサイトにはそういった情報
はなかったと思います。

3.仮に残留していたとして、唾液に含まれる酵素で発がん性物質は
無毒化されてしまい体には影響はないと考えていいのでしょうか?
唾液・酵素・発がん性物質のキーワードで調べてたら、よくかんで
唾液を分泌すると発がん性物質を無毒化する酵素が出てきて無毒化
されるという説が多数のサイトで見かけられました。先生の著書に
もそのようなことが書かれていました。

 うちでは燻製もバーベキューもしませんが、ウインナーやベーコ
ンは大好きで人並みには食べています。どんなものにも危険性はあ
ると考えていますが、できるだけ安全なものを食べさせたいと思っ
てます。

 参考になるサイトなどもありましたら教えてください。よろしく
お願いいたします。

------------------------------------------------------------

A.燻製という調理法を現代になってから考えて、燻製した食品を
販売しようとしたら、たぶん危険だといって禁止になると思います。
これは燻製だけではなくて、他にもたくさんあると思います。

 現代に要求される安全性はそれほど高くて、伝統ある調理法でも、
その要求を満たしているとは限らないのです。

 ただし、歴史的に長く食べられてきたものでもあり、燻製した食
品を食べるのが危険だというほどのものではありません。

 ポイントは、燻製などの伝統的調理法をありがたがっている人に
対して、実は近代的な調理法よりも危険性がありますよ、と指摘し
ているということです。

 燻製を自分で作ったり、燻製食品を食べたりするのが悪いという
つもりはありません。危険をともなってこそ美味しいというものも
あります。

 木酢液なんかでもそうですが、伝統的なものには結構危険なもの
があります。また、伝統的な食品といっても、近代的な工場で作ら
れているものは、新しく開発された方法で、安全に作れるようにな
ったりしています。

 伝統的なものを有り難がる、反近代的な思考はわからないことも
ないのですが、そこに大きな誤りを含んでいるというのが私の意見
です。

 その上で、燻製の危険性は美味しさのスパイスくらいに考えて、
遠慮せずに食べるのがよいと思います。もちろん、少しでも危険な
ものはイヤな人は、避けた方がよいです。

 質問は1、2、3と分けて書かれていますが、あえてそれにはお
答えしません。現実的な危険はないけれど、伝統的な調理法の危険
性については留意すべきである…という程度にお考えください。

 特に自分で燻製を作ったりしている人は、その危険性を充分理解
してからにした方がよいと思います。その上でやはり燻製が好きだ
ということなら、やめろというつもりはないですが。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「台湾のDEHP事件」
------------------------------------------------------------

 日本ではほとんど報道されていませんが、台湾では大事件となっ
ているDEHP事件を紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 現在台湾では、多くの食品・飲料に禁止添加物の可塑剤DEHP(フ
タル酸ジ-2-エチルヘキシル)が混入されていたことが発覚し、大
きな衝撃が走っている。

 起雲剤にDEHPを混入して販売していたのは、「c伸香料公司」。

 報道によると、同社は約5年前から起雲剤にDEHPを混入し、販売
していたとされる。DEHPは通常プラスチック加工用に使用され、発
がん性があると言われている。

 その後、別の「賓漢香料化學有限公司」製の起雲剤から同じく可
塑剤のDINP(フタル酸ジイソノニル)が検出された。

 台湾では、サンキストや統一などの有名ブランドや、スポーツ飲
料、果実飲料などの飲料約60万本、ジャム・ゼリー・果汁粉末など
約2万キロが回収された。

 また、中国や東南アジアにも輸出されている。

 これを受けて、台湾衛生署は29日、「スポーツ飲料」「果汁飲料」
「お茶飲料」「ジャム・ゼリー」「カプセル・ 錠剤・粉末状」の5
種食品について、5月31日前までに安全証明書の提出が無い場合、
販売禁止とする措置を発表した。

 安全証明書は、「可塑剤に汚染されていない起雲剤を使用してい
る場合はサプライヤーまたはその下の業者名と出所証明書」、ある
いは「衛生署のTFDAが通知した、食品中可塑剤の測定が可能な試験
所での試験証明書」のいずれかを提出することが求められた。

http://www.iffc.co.jp/support1/2011/05/dehpdinp531.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 DEHPは可塑剤として使われるもので、塩ビ製品で問題になったこ
とがあります。

 もちろん食品、食品添加物ではありませんので、食品添加物に使
うというのはとんでもないことです。

 しかもずっと以前から常態化していたようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 台湾では最近、乳化香料「起雲剤」メーカーが食品への使用が禁
止されている可塑剤「DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)」を
混入していたことが判明し、大きな問題となっている。

 これに対して、ある起雲剤メーカーはDEHPが混入した起雲剤が20
年以上前から存在したと指摘している。同社によると、DEHP入りの
起雲剤は色が白く、売れ行きが好調だった。また、DEHP入りの起雲
剤は、パーム油を使用したものに比べて保存期限が6〜7カ月長い
上、希釈できる。

 行政院衛生署食品薬物管理局によると、台湾では1999年以前は、
DEHPは毒性物質に指定されていなかった。同局は、DEHPが毒性物質
と指定してされて以降、食品向け容器におけるDEHPの溶出状況を検
査していたが、起雲剤に混入しているとは考えたことがなかったと
指摘している。

http://taitsu-news.com/front/bin/ptdetail.phtml?Part=top11052707&Rcg=40526
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 その結果、環境中にもかなり存在するようになってしまったよう
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2002年、台湾環境保護庁は国立チェン・クン大学環境毒性研究所
のリー教授に、”有毒化学物質の環境における分布と曝露”に関す
る調査を依頼した。これは、タンスイ川、トウチェン川、チョスイ
川、タチア川、エルジェン川、カオピン川、及びランヤン川の7河
川の川底の泥、川の水、及び魚に含まれるDEHPを分析する調査であ
る。調査の結果、ランヤン川以外の全ての河川はDEHPにより激しく
汚染されていることがわかった。魚類に含まれるDEHPの平均量は、
タンスイ川で3.8ppm、トウチェン川で 3.8ppm、チョスイ川で1.8ppm、
タチア川で1.8ppm、エルジェン川で8ppm、カオピン川で7.7ppmで
あった。

http://world.terraviss.com/?p=254
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは事故ではなくて、故意による事件です。中国だとありそう
な話なんですが、台湾よ、お前もか…というところですね。

 ところで、この件に関しては、「環境ホルモン」や「発癌性」な
どが取り沙汰されていますが、この件については既に解決していま
す。

 まず、「発癌性」ですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2000年6月 No.33

DEHP(塩ビ可塑剤)は「非発ガン物質」

IARC(国際ガン研究機関)がリスク評価を見直し。長年の論議に決


 軟質塩ビに使われる代表的な可塑剤であるDEHP(フタル酸ジ2−
エチルヘキシル)の発ガン性について、WHO(世界保健機構)の付
属組織IARCはこのほど、「DEHPにはヒトに対する発ガン性はない」
として、一定のリスクを認めてきたこれまでの評価を見直すことを
決定しました。ガン研究および発ガン性評価の世界的権威である
IARCが、DEHPの発ガンリスクを払拭する決定を下したことは、DEHP
をめぐる長年の発ガン性論議に終止符を打つ画期的な判断と言えま
す。

■ ランク引き下げは“希少事例”
 
 DEHPの発ガン性に関する今回の評価見直しは、去る2月22日にフ
ランスのリヨン市において開催されたIARCの第77回会議(工業化学
物質の発ガン性に関する評価および再評価のための会議)で決定し
たもの。

 会議では、12カ国28人の科学者により16種類の工業化学物質につ
いて発ガン性の評価と再評価が行われましたが(新規評価9件、再
評価7件)、再評価対象の7物質のひとつに取り上げられたDEHPに
ついては、その評価ランクを従来の「2B」(ヒトに対して発ガン
性がある可能性がある)から、より安全な「3」(ヒトに対する発
ガン性については分類できない)に改正することが決まり、DEHPの
ヒトに対する非発ガン性が明確に認定される結果となりました。

 IARCでは、ヒトや動物に対する発ガン性データを総合的に判断し
た上で、物質の発ガン性を5段階に分類していますが(下記の表)、
「グループ4」(ヒトに対しておそらく発がん性がない)に分類さ
れているのはカプロラクタム(ナイロンの原料)の1物質しかなく、
実質上、お茶や水道水(塩素処理した飲料水)などが属する「グル
ープ3」が、ヒトに対する発ガンリスクの最も少ないランクと言え
ます。

 また、今回検討された16種類の物質のうち、より安全なランクに
評価が変更されたのはDEHPのみであり、過去にもほとんど例のない
極めてまれな事例となっています。

http://www.pvc.or.jp/news/33-03.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このニュースの後に、DEHPを「発癌性物質」と言うのはあまりに
ひどい話ですね。例によって、知らないのか、知っていて故意にや
っているのかはわかりませんが。

 「環境ホルモン」はその概念自体が捨て去られようとしているの
で論外です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 更に2003年6月、環境省は「SPEED’98」にリストアップされたDE
HP等9種類の可塑剤について、哺乳類及び魚類を用いた内分泌かく
乱作用に関する試験結果を公表しました。その内容はヒト推定暴露
量を考慮した比較的低用量でのげっ歯類における1世代試験及び生
態系への影響を見るためのメダカを用いたビテロジェニン産生試験
とパーシャルライフサイクル試験の結果、いずれの可塑剤にも内分
泌撹乱作用(女性・男性ホルモン様作用、甲状腺ホルモン様作用)
は認められない、と言うものです。

http://www.kasozai.gr.jp/anzen/anzen05.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ラットでは毒性が認められたという話もありましたが、これは動
物の種類によって違うようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 DEHPの安全性評価においては、動物の種による感受性の差が
問題になるが、げっ歯類においては共通して肝臓と精巣への影響が
認められるが、カニクイザル等の霊長類ではそうした影響は認めら
れていない。

http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/EDCNoDEHP.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事ではげっ歯類で毒性が発揮されるメカニズムについても
紹介しています。なぜげっ歯類だけに毒性が現れるのかという理由
までわかっているのですね。

 DEHPを使った塩化ビニル製品は医療用にも使われています。それ
について、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省医薬局は、医薬品・医療用具等安全性情報No.182(20
02年10月)の中で、PVC 製の医療用具に係る現在の考え方をとりま
とめていますので、その中の輸液セットに関係する箇所の要点を以
下に記します。

 『医療行為におけるDEHPの曝露量は通常の生活曝露量よりも多い
が、永続的に使用されるわけではなく、治療によって受ける利益は
DEHPの曝露による健康への影響よりもより大きい。しかしげっ歯類
での精巣毒性及び発生毒性が確認されているので、可能であれば異
物であるDEHPの曝露量を減らすよう配慮することが適当であると考
えられ、特に代替品のある医療用具については、DEHPへの感受性が
高いと考えられる新生児、乳児、幼児、妊婦、授乳婦から優先的に
代替品への移行を図る等配慮する。輸液チューブ及び延長チューブ
については、使用する薬剤に依存してDEHPが溶出することから,特
に脂溶性の高い薬剤を使用する場合には、代替品への切り替えを検
討する。なお、現時点ではPVC製の医療用具の使用により直接的に
健康被害が発生したという報告はなく、国際的にもPVC製の医療用
具が禁止されている国はない。』

http://www.gakuen-hospital.or.jp/yakuzai/kb/KB48.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで言われている「げっ歯類での精巣毒性及び発生毒性」が、
げっ歯類に固有のもので、他の動物では毒性を発揮しないというこ
とは前の記事に出ていました。

 そのことはわかった上で、より安全側にという判断で、できれば
代替品の使用を勧めているわけです。

 DEHPの毒性評価は詳細な報告が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

フタル酸エステル−DEHP−詳細リスク評価書概要

 塩化ビニル(塩ビ)用の可塑剤として大量に使用されているフタ
ル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)のわが国におけるヒトの健康と
水生生物に対するリスクを評価した。

http://unit.aist.go.jp/riss/crm/mainmenu/1-5-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 結論はDEHPは毒物というほどのものではない、ということのよう
です。

 だからといって台湾で食品添加物としてDEHPを使ったことが正当
化できるものではありません。こんなことをしてはいけないのは当
然のことです。

 でも、長年使ってきて、被害は全くないのですから、健康被害を
心配するようなことではないのは間違いありません。

 これから日本で報道されるときも、「発癌性」「環境ホルモン」
などと紹介されると思うので、先に紹介しておきました。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 盛岡のホテルから配信しています。最近はどこのホテルでもネッ
トに高速でつながりますので、便利になりました。中国の方がホテ
ルのネット対応は早かったのですが、あちらはADSLですので、相変
わらずとても遅いです。100Mの光ファイバーが当たり前の日本のよ
うにはいきません。

 土曜日は「チャグチャグ馬コ」を見てきました。馬が立派なのに
は驚きました。輓馬(ばんば)といってばんえい競走などに使われ
る巨大でたくましいやつばかりなのです。神社から出るとき、一頭
暴走したのですが、すごい迫力でした。名前からしてもっと牧歌的
なものと思っていましたが、飾りもきれいで見応えがあります。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-605号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4060名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「[\]安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/