安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>597号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------597号--2011.04.17------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「被災地の野菜を買おう」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の私の疑問に、さっそく答えをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 放射能のフォールアウトについて、ご呈示いただいた新聞記事と
の照合はしておりませんが専門家の論文で以下のようなものがあり
ます。
http://smc-japan.org/?p=1428

 今回の件を受けて、一般向けにさまざまな専門家が投稿している
サイトですが事故の経過によって大きな齟齬がでた場合は加筆修正
も随時行っており比較的信頼の高い情報かと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これによると、過去の核実験のときにはかなり大きな「フォール
アウト」があったけれども、今回の福島原発周辺でのフォールアウ
トは一時的とはいえそれを上回るものであったらしいです。

 だから、引用した記事のうち、「核実験のときの3倍」というの
は間違っていないようです。

 しかし、これは特定の地域だけの話です。もう一つの「核実験時
を除いて最高の」というのは、関東あたりの、それほど量が多くな
かったときの話で、これも間違っていません。

 つまり、核実験は遠くでおきた巨大な汚染で、日本中がほぼ同じ
レベルのフォールアウトを経験したというのに対して、原発事故は
局所的で、事故の近辺では間違いなく核実験時より大きなフォール
アウトになっていますが、日本全体への影響はあまりないというと
ころです。

 これで一つ疑問が解消したようです。それから、このフォールア
ウトの原因となった放射性物質の放出は、一回だけだったという話
がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 3月15日の朝、福島第一原発から大量放出があり、放射性物質を
含む空気塊が南下。午後にこれが福島中通りを北上して宮城県境に
滞留し、降雨で落下。その後空気塊は太平洋上へ。

 その後現在に至るまで原発から大気への大量放出は起きていない
(海は別の話として)。

http://getnews.jp/archives/108522
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.ワインビネガー中(未開封)に白っぽく見える結晶のようなも
のが浮いているのが見つかりました。伝統的な製法で製造されるワ
インビネガーが低温で保存されると、商品中に含まれる酒石酸が結
晶化することがあると聞きました。25度前後で保存しても消えなか
ったのですが、そういうものなのでしょうか?低温で結晶化したも
のであれば、温度が上がると溶けると思うのですが。結晶化したら
溶けないものもあるのという事でしょうか?

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A.酒石酸という名前は「酒石」を作るからなんだそうです。「白
っぽく見える結晶」が酒石ですね。よくガラス混入と間違えられた
りします。

 酒石酸水素カリウムが結晶の本体で、低温で保管すると結晶しや
すいそうですが、いったん結晶したものは元に戻りません。

 蜂蜜が結晶したら、温めてやれば元に戻ります。でもあれは厳密
に言うと「結晶」ではありません。主成分の糖分が固まっているだ
けです。

 普通化学の世界で言う「結晶」は、常温でなくなったりしないも
のです。花崗岩の中にはたくさんの結晶があります。あれは花崗岩
がゆっくり冷えるときに成長してきた結晶です。こういうのはお湯
につけてもなくなりません。

 「酒石」もこのような結晶だという理解でよいと思います。ガラ
スと間違えるのも無理はありません。ワイン屋さんは苦情になると
困るので、「ワインのダイヤモンド」と呼んで欲しいらしいですね。

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Q.賞味期限がどこまでの猶予をもたせているのか教えていただき
たくメールさせていただきました。よく 消費期限は守るべきで 
賞味期限は多少の劣化はあっても即座に食べられなくなるわけでは
ないから大丈夫といいますよね。

 乾きものやお菓子など まあ確かに多少期限がきれても大丈夫そ
うなものはわかるのですがたとえば 即席みそ汁やインスタントの
ラーメン、豚汁など 具に汁けがあったりするものは大丈夫なので
しょうか?

 缶詰やレトルトなどもよく2年くらい過ぎていても大丈夫だとか
いいますが あれはレトルト殺菌されているからですよね。インス
タントの豚汁やラーメンの具も レトルト殺菌されているんでしょ
うか?

 主人は大丈夫だといって 数か月すぎたくらいのものならラーメ
ンでも 豚汁でも 具が乾燥した状態でないのに平気で食べようと
します。 本当に大丈夫なのか教えてください

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A.一般的には賞味期限をつけるとき、ある程度の余裕は見ていま
すので、賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではあり
ません。

 ご質問の商品は、即席みそ汁、インスタントラーメン、豚汁とい
うことですが、「具が乾燥していない」ものは小さな包装に入って
いるはずです。こういうものは包装してから加熱殺菌していて、賞
味期限内は大丈夫なようになっています。

 インスタントラーメンは麺の方が油の酸化が進むので、半年くら
いの賞味期限になっています。「具」はおそらく大丈夫と思います
が、「数か月すぎた」状態だと、麺の方が心配ですね。

 それから、食べられるかどうかの判断で一番大切なのは、見た目、
香り、味などの感覚的な要素です。要するに食べておいしいような
ら問題ありませんし、どこかおかしいと思ったら食べないことです。

 賞味期限はメーカーが「このころまでは大丈夫」と保証している
期限です。しかし実際に食べられるかどうかの最終的な判断は、食
べる時の感覚によるのが正しいのです。

 だから、こういう質問を、自分以外の人に聞くのは実は間違って
います。その食品を目の前にしている、自分だけが正しい判断がで
きます。

 ご主人が平気で食べているようなら、彼の責任で大丈夫と判断し
たということです。

 家族としては心配でしょうから、賞味期限の切れたものは食べる
な、と圧力をかけるのは当然と思います。でも、言うことを聞かな
いようでしたら、あきらめるしかないですね。お腹を痛くしても自
己責任だとつきはなしてやってください。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「被災地の野菜を買おう」
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 原発事故の「風評被害」に対抗しようという動きが出てきていま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

風評被害を吹き飛ばせ スーパー各社が被災地野菜のセール
2011.4.5 17:46

 東日本大震災で、大手スーパー各社が5日、被災した東北地方や
茨城県の生鮮品を前面に押し出したセール実施などを相次いで発表
した。売上金の一部を被災地に寄付にするほか、大手小売りの信用
や情報発信力を生かし、過度の風評被害が拡大しないよう、地元農
家を側面支援する狙いもある。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110405/biz11040517500022-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

被災農家を“応援” JAが都心で野菜直売会
2011.4.7 17:38

 福島第1原発の事故で、風評被害を受けている農家を支援するた
め、JA(農協)グループは7日、東京・大手町で東北や関東地方
から届けられた野菜の直売会を開いた。

 福島や茨城、群馬、栃木など6県のキュウリ、レタス、ピーマン、
トマト、カブ、ホウレンソウなどを販売するとともに、これらの野
菜を使った弁当も売り出した。全国農業協同組合中央会(JA全中)
によると、会場には約1500人が訪れ、約18万円を売り上げた。

 都内から訪れた主婦(70)は「農家育ちなので、新鮮な野菜な
のに売れないという大変さが身にしみる。(風評被害に対して)何
もできないが、せめて買うことで応援できれば」と話していた。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110407/trd11040717390014-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 14日(木)のNHK国際放送でもやっていましたが、このセー
ルは結構人気があるようです。風評被害が必ずしも消費者の行動に
よって起こるのではないという話を前々回に紹介しましたが、まさ
にそのとおりだという印象を受けるニュースでした。

 少し昔話になります。生協に勤めていたとき、原発反対運動に参
加してきた組合員理事と話したことです。

 某原発の現地に行ったとき、某生協の人が「放射能で奇形児が生
まれる」などと言ったのです。この集会には障害者団体も参加して
いたので、それを聞いて怒ってしまい、収拾に困っていたというこ
とがありました。

 そのとき、彼女にこう質問しました。

 「もし事故が起こって、周辺の農産物から放射能が検出されたと
したら、現地の農民は困りますよね。今回一緒に集会に参加した農
家の野菜も放射能で汚染されたとしたら、あなたはどうしますか?」

 彼女は即座にこう答えました。

 「もちろんその野菜を買って食べる。連帯とはそういうものだ。」

 このとき、私は非常に感心しました。私も同感です。

 そういう人たちと仕事できたのが私の誇りなのですが、今回のニ
ュースを聞いて、気になったことがあります。生協はどうしている
のだろう…ということです。

 チェルノブイリ原発事故のときのお茶の件で、いつも批判してい
る生活クラブのサイトをのぞいてみたら、こんなことが書いてあり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(2)「国の暫定基準」を運用する理由と「風評被害」の回避

 放射能食品汚染の濃度と供給可否の判断には基準が必要です。生
活クラブはこれまで放射能汚染について独自の基準(37ベクレル)
をもって実践してきました。しかし福島第一原発事故による放射能
汚染が、東日本(東北・関東)に広がる中で、その自主基準を徹底
することは、生活クラブが取り組む食品のすべてを検査したうえで
組合員に供給することを意味します。しかしそれは物理的に不可能
です。

 もし自主基準の運用を徹底するならば、自主基準値以下にあると
みなされる産地や生産者のものをピックアップして取り組む、それ
以外は取り組まない、極端に言えば輸入品の取り組みも検討する、
ということになります。しかし、これは生活クラブが40数年にわた
って積み上げ大切にしてきた生産者との提携関係の放棄を意味しま
す。

 事故現場に近い東北・関東には、生活クラブが「主要品目」と位
置づけてきた提携生産者が多数存在しています。生活クラブの共同
購入は、これらの地域との関係なしには成立し得ず、この提携関係
の維持・強化は生活クラブにとっても重要な課題です。しかも、こ
の地域の大震災による被害からの復旧・復興が喫緊の課題であるい
ま、提携関係の維持・強化は決定的に重要な課題になります。

 生活クラブでは、2007年に意志ある団体と連携して「『六ヶ所再
処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」(略
称「阻止ネット」)を結成し、青森県六ケ所村の核燃料再処理施設
から放出される放射能問題に対処するため、検査結果の公開とそれ
に基づく取組み基準を「37ベクレル」とした経緯があります。しか
しその際も、その運用にあたっては、「風評被害」による再処理工
場周辺の生産者への影響を十二分に配慮し、生産者とともに行動す
ることを確認しています。しかし、すでに述べたように、自主基準
「37ベクレル」の運用は不可能な事態にあります。そのようななか
でも、生産者との連携・連帯は維持されるべきものと考えます。

http://seikatsuclub.coop/coop/news/20110413_b.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この37ベクレル(1kgあたり)という数値が、国産のお茶を破棄
処分したときの根拠にしたものです。それについてはこういう釈明
が書いてあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

<注1>生活クラブ自主基準値(37ベクレル)制定の経過

 チェルノブイリ原発事故(1986年)のとき、生活クラブは自主基
準値37ベクレル/kg(国の基準値の10分の1)を超えた「パスタ類」
と「わたらい茶」の供給を止めました。パスタ類は輸入品だったの
で、国内製造のパスタ生産者と提携をしていくことになりました。

 わたらい茶の供給停止は、組合員も生産者も議論に議論を重ねた
上での決断でした。全くの被害者である生産者の痛みを組合員がし
っかりと受け止めて、翌年度のわたらい茶の共同購入を盛り上げて
いきました。

 当時の対応は、事故原発(旧ソ連ウクライナ)が8000kmと離れて
いたために、原料産地や対象品目を限定することのできる、通常の
暮らしのなかでの放射性防護を念頭においたものでした。今回は私
たちは原発事故現場の「圏内」ともいえる範囲に暮らしており、当
然対応の前提が異なります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 その「独自基準」をあっさり引っ込めていますね。実情からする
と当然の判断なのですが、それなら何故、あのときに今と同じ判断
をしなかったのか!と改めて思います。

 「国の基準の1/10」をかっこよく決めたのなら、今回もそれ
で突っ張れば、自己中主婦の人気を博するだろうに…。

 東北・北関東にはつきあいのある農家もたくさんあるだろうに、
そこから野菜を運んできて、どんどん売るなどして、得意のパフォ
ーマンスにすればよいのに、と思います。

 もちろん、国の基準値を越えたものは出荷停止になっていますの
で、それまで売ることはないのです。出荷停止になっているものは、
補償を受けられますので、最終的には農家には実害はないはずです。

 でも、出荷停止になっていないものまで売れなくては、補償も期
待できないですし、農家が困ります。そこで出荷停止になっていな
いものを集めて来て売っているのが、最初に紹介したスーパーや農
協がやっていることです。

 それが何故、生協でできないのか?と思って、いろいろ探してみ
ましたが、やっている生協は見つかりませんでした。(もし、取り
組んでいるところがあったら、教えてください。)

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今、中国政府から日本政府に対して、放射能汚染について証明書
を発行するよう、要請されているのだそうです。日本側がその要請
に答えないので、現在は日本からの食品の輸入はストップしていま
す。

 現在大連に来ていますが、私のミッションは日本の菓子・食品を
中国で売ることですので、どうにも困ったことになってきました。
日本政府の輸出支援体制が整っていないという話は、以前私のイン
タビューが登場した日経ビジネスの記事にあったとおりです。

 臨機応変な対応が求められる場面ですが、例によって日本政府の
動きは見えてきません。最も困難な時期に、最も無能な政府であっ
たというのは、日本人にとって不幸なことです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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