安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>59号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------59号--2000.12.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     「狂牛病」(つづき)
     「MSG」(Q&A)
     「インスタントラーメン」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回、狂牛病について、「牛は別に肉食ではありませんので、ど
うして汚染がひろがっていくか、まだわからないことだらけです。」
と書きましたが、読者の方よりお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
 この前、新聞で動物性飼料というものがあるという記事を読みま
した。こちらのサイトにその記事があります。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Medical/200012/14-2.html

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

ということでした。やっぱり、動物性の飼料というものが日常的に
使われているのですね。

 政府はヨーロッパからの牛肉製品の全面輸入禁止に踏み切るとい
うことです。

 毎日新聞によると、EU、スイス、リヒテンシュタインから牛肉、
牛臓器類、ハムなどの牛加工品の輸入を来年1月から全面禁止する
ということが決まったようです。また、牛の精液・受精卵・卵子に
ついても同様。

 動物用医薬品や飼料添加物についても、同地域内の牛などからと
った物質を使用しないよう指導する、ということです。

 イギリス産のものは4年前から禁止されていましたが、今回、ヨ
ーロッパ全域に拡大する、ということです。

 いよいよ水際作戦です。日本でも狂牛病が発生する可能性はかな
りあると思った方が良いです。もし日本で発生したらどうなるか、
というと、まずイギリスと同じように、牛を大量に処分する、とい
うことになります。

 まだ、狂牛病が人間に感染した、という事実は確認されていませ
んが、人間にも牛と同様の症状が発生することは事実で、それに似
た病気は現実にあります。

 病原体が他の種類の生物に感染することを、「種の壁を越える」
といいますが、狂牛病の病原体がいつ、「種の壁」を越えるかにつ
いて、まったくわからない、というのが怖いですね。

 そこから先はあまり考えたくないのですが、人間どうしの感染と
いうのは危険性が少ないと思います。この辺、専門家の方の意見を
聞いてみたいところです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.近年のアミノ酸調味料といえば、ほとんどがMSGから合成さ
れているものと 考えてよいのですか?

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A.品質表示で「調味料(アミノ酸)」と書かれているものについ
てのことと思います。アミノ酸の調味料にはグルタミン酸ソーダ
(MSG)以外にも、いろいろあります。いわゆる「たんぱく質加
水分解物」といわれる一群で、文字通り、たんぱく質をアミノ酸に
分解したものです。

 普通、たんぱく質には味はありませんが、たんぱく質を構成して
いるアミノ酸はそれぞれ味をもっています。それで、たんぱく質を
分解したものは、みんな調味料として使えるわけです。

 分解には普通塩酸を使用しますので、どうしても有機塩素化合物
ができてしまいます。このようなものはMSGとは違い、健康被害
があることが確認されています。

 その他に、酵母などを培養したもの、また酵素を使用してたんぱ
く質を分解したものなどもあります。ただ、たんぱく質の分解物を
使用しているときは、アミノ酸以外の成分も一定含まれていますの
で、「調味料(アミノ酸等)」という表示になると思います。「調
味料(アミノ酸)」と書かれているときは、MSGを単独で使用し
ている可能性が強いはずです。

 化学調味料に分類した方が良いと思われる、イノシン酸やグアニ
ル酸を使用したときも、これらはアミノ酸ではありませんので、
「調味料(アミノ酸等)」という表示になります。

 一般に、味の本体は原料からもたらされて、それに少量のMSG
などを加える場合に、「調味料(アミノ酸)」という表示になり、
いろいろな調味料(食品添加物としての)で味の本体を合成すると
きはMSGも使用していますが、結果として「調味料(アミノ酸等)」
という表示になります。

 前者の代表がマヨネーズで、後者がダシの素類です。(インスタ
ントラーメンのスープとか)

 ついでながら、いずれの場合も「調合」であって「合成」ではあ
りません。MSGは合成されたものでも、人工物でもありませんの
で、そのへんは理解しておいたほうが良いと思っています。

 MSGは醸造して作られ、大量に販売されています。普通はMS
G単独で販売していますが、中には上記の様々な食品添加物の原料
となってもいるようです。このような場合、食品の製造メーカーで
は、MSG以外の調味料を使用していると思っているのですが、中
身には大量のMSGが含まれていたりします。

 また、自然食品などで「昆布エキス使用」というのがよくありま
すが、あれには大量のMSGが含まれています。自然食品のダシの
素を分析すると、市販品以上のMSGが入っていたりすることがあ
ります。

 メーカーでは、あれは昆布からとったエキスを濃縮した結果、そ
うなっていると説明しています。(昆布のダシの主成分はMSGそ
のものです。)

 しかし私はこれは相当怪しいとにらんでいます。昆布からとった
ものを濃縮したものと、販売されているMSGを使用したものとを
区別する方法は現実にはないからです。

 ということは、MSGをきらって昆布エキスにする、ということ
は実は無意味である、ということにもなります。

 MSGが身体に悪いのなら、昆布エキスも必ず悪いはずですから。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「インスタントラーメン」
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 「20世紀に世界をうならせたメード・イン・ジャパン」の第一
位にインスタントラーメンが選ばれた、という記事が新聞に載って
いました。毎日新聞によると、インスタントラーメンの生産量は、
袋めん、カップめん合わせて、日本で年間52億食、世界では年間
420億食だそうです。

 世界の人口60億人からしても、これはすごい数字です。おそら
く加工食品として、他に比べるもののない位置にいるんだと思いま
す。

 チキンラーメンが世に出たのが1958年、51年生まれの私はみごと
にリアルタイムでこの事件を目撃したことになります。

 チキンラーメンはご存じの通り、お湯をかけて3分間待つ、とい
う作り方で、鍋がいらないということが当時画期的だったと思いま
す。その後、スープを別に添付したタイプが登場し、その方が優勢
になっていきました。

 カップヌードルが登場したのが1971年、私は学生でしたので、ま
たもやこの商品の対象とする層にあたっていました。

 インスタントラーメンというのは、麺に加工して、戻りやすくし
たものをさしていうのですが、近頃は生麺タイプも登場しています
し、昔から棒状の乾麺のものもありますので、その周辺部分はあい
まいです。

 チキンラーメンと同じようなものを、お菓子にしたものもありま
すが、あれはもうラーメンとはいえないでしょうね。

 麺の加工の方法は、当初は油で揚げるという方法でした。これが
チキンラーメンの発明のポイントだったのです。高温の油に麺を入
れると、麺の中の水分が一気に蒸発します。そのとき、内部の水分
も一瞬で逃げていくため、麺に細かい穴がたくさんあいた状態にな
ります。

 油から上げると、乾燥した麺になっていますが、この細かい穴が
あるため、普通の乾燥麺と比べると、お湯に入れた時、水分を素早
く吸収するというわけです。

 油で揚げないタイプのものでは、熱風乾燥というのがあります。
熱風ですばやく乾燥するものですが、油で揚げたものとは少し質が
違います。油揚げタイプの麺は表面がザラザラしていますが、熱風
乾燥のものは少しつるっとした、固くかたまったかんじの麺になり
ます。

 食感は良いのですが、4分も茹でていると、どこがインスタント
なんだ、などと思ってきます。

 冷風乾燥というのもあるそうですが、こうなると普通の乾麺に限
りなく近いでしょう。

 麺自身は、小麦粉にかん水を作用させた、普通のラーメンの麺が
一般的です。ラーメンの黄色い色は小麦粉のたんぱく質がかん水の
アルカリによって変質したものですが、今ではそんなに強いアルカ
リにはなりませんので、着色しているものがほとんどです。

 着色剤には、ビタミンB2が主に使われていると思います。ビタ
ミンを着色剤に使うなんて、ちょっと畏れ多いですが、品質表示欄
に書いても格好が良いこともあって、よく使われているようです。

 かん水を使わないタイプもありますが、「卵つなぎ」がよくあり
ます。卵の蛋白で麺を強化するのですが、この場合は「乾燥全卵」
(または「乾燥卵白」)を使います。これはマヨネーズ会社が販売
しているもので、麺をうつとき、小麦粉と共に練り込むわけです。

 それ以外では、卵殻カルシウムなどを使った、カルシウム強化の
タイプもあります。これはコシは強いのですが、味は悪いので、私
は邪道だと思っています。

 小麦は普通の強力粉を使います。「国産小麦」という表示のもの
もありますが、

(1)少量の国産小麦を強力粉(輸入品です)に混ぜたもの。
(2)国産小麦主体で、グルテンを強化したもの。
(3)ハルユタカなどの国産の強力粉に近い品質のものを使用した
もの。
(4)普通の国産小麦で作ったもの。

というところです。(1)は品質表示をよく読むと、わかります。
インチキではないのですが、そういうものもよくあります。宣伝文
句は「国産小麦」ですが、内実は普通のものと変わりません。

 (2)は普通の麺と同じような食感がありますので、美味しく食
べられます。グルテンも国産のものを使用したものと、輸入のもの
とがあります。

 (3)はやや苦しいですが、何とか食べられるというものです。

 (4)はあまりにまずいので、はっきり言ってやめておいた方が
良いです。

 私のかかわった開発では、(3)の線で行ったのですが、ゆです
ぎなければ、何とかいけたと思っています。3分もゆでると、グニ
ャグニャになってしまうのが最大の欠点でした。

 スープですが、これにはいろんな味のものがあります。様々な調
味料が製造、販売されていますので、それらを適宜調合するわけで
す。

 化学調味料はほとんどのの場合、使われています。これなしには
なかなか食べられる味にもっていくのは難しいのです。私が関わっ
た開発では、「たんぱく質の酵素分解物」を使用して、かなりの線
まで行きましたが、まだ市販のものには及ばない、というところで
した。食べた人の評価は悪くなかったですが、生協連合会の販売し
ている化学調味料入りのものには、負けていたようです。

 インスタントラーメンは本質として乾物ですので、保存料の類は
普通使われません。現在使用されている保存料は、微生物が体内に
取り込んではじめて効果がありますので、微生物の繁殖できない環
境が保たれている限り、効果はないのです。

 インスタントラーメンの保存に関しての問題は油の酸化です。し
たがって、油揚げでないタイプのものは、実はかなり長期の保存に
耐えます。油の酸化防止としては、ビタミンEを使用するのが普通
です。これは天然の油脂にも含まれていますので、やっぱり上等の
油を使ったものは持ちが良い、ということになります。ごま油が最
高なのですが、さすがにこんなもので揚げたインスタントラーメン
は見たことがありません。

 いろいろな努力をしても、インスタントラーメンの賞味期限は、
約6ヶ月です。見た目にはまったく判りませんので、つい食べてし
まいがちですが、買い置きのものを使用するときは、必ず賞味期限
を確認しましょう。期限の過ぎたものには、かなりの危険性がある
と考えるべきです。(あきらめて捨ててください。)

 酸化は空気中の酸素によっておこります。袋を気体密閉性のある
ものにして、中に脱酸素剤を封入すれば、賞味期限はかなり延ばせ
ます。この前、カップラーメンを缶詰に入れたものを見ましたが、
別に缶詰のように加熱していなくても、あれはかなり長期の保存に
耐えるのでしょう。でも、もともとが安くて手軽なのが取り柄の食
品ですから、半年ももてば充分ではあります。

 栄養的な評価としては、インスタントラーメンばかり食べていて
は必ず健康を害します。でも、どんな食品にもあてはまる当然のこ
とです。問題は手軽なことと、それだけでとりあえずは満腹してし
まう食べ物である、ということです。

 まさか家庭で主食にしている人はないと思います。貧乏な学生が
インスタントラーメンを主食にしている、というのはある意味ほほ
えましいエピソードですが、家族で毎日、インスタントラーメンと
いうのはちょっと笑えないです。

 食べ盛りの子がおやつに食べている、というのは結構多いでしょ
うが、あまり食べ過ぎなければ、問題はないと思います。

 私の経験でも、悪口はいっぱい言われますが、扱うとたいへんよ
く売れる、不思議な商品でした。どこの生協でも、人気商品で、イ
ンスタントラーメンの悪口を言うと、自分のところのインスタント
ラーメンがよく売れる、という現象があります。

 これは、そういうからには、ここで扱っているものは悪口の対象
外なのだ、と早合点する人が多いからで、私はマッチポンプ方式と
いって、いつも批判していたものでした。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 私のもう一つのサイト http://why.kenji.ne.jp/ で公開
しているフリーソフト「暦カレンダー」にちょっと不具合がありま
して、改善版を作りました。年内にアップしますので、一度見に行
ってください。

 改善点は、
(1)毎日の予定を作成、表示する機能がついた。
(2)一年間の旧暦の月はじめの日と、二十四節気の日を表示、も
しデータに違いが生じたときは、自分で訂正できる。
といったところです。

 「暦カレンダー」というのは、カレンダーにいわゆる「暦」の要
素である、「旧暦の月日」「二十四節気」「干支」「六曜」「九星」
「十二直」「二十八宿」その他の暦註を表示する機能をもったもの
です。私の地方では、新聞屋さんが毎年年末に、翌年の暦を持って
きてくれるのですが、それをコンピュータの画面で見られるように
したものです。

 もともとはさる結婚式場の仕事でとりかったものですが、フリー
ソフトとして公開しています。

 私は現在はフリーのプログラマという仕事をしています。仕事で
毎日、プログラムを作っているのですが、夜中や休日にも、こんな
ことをしているなんて、我ながらよっぽど好きなんだな、と思いま
す。

 もし、ご希望の機能などありましたら、連絡していただければ、
対応しますので、よろしくお願いします。

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--59号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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