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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------586号--2011.01.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「鳥インフルエンザ」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 このところ富山の「寒ブリ」が大漁だと報道されています。史上
最高の大漁だそうです。値段は昨年の半分くらいになったそうです
が、量は10倍以上とれているらしいので、結構なことです。

 その「寒ブリ」の中でも有名な「氷見産」で産地偽装事件が起こ
っています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

氷見のブリ産地偽装:福井県産と判明 認識の甘さ、浮き彫りに
/富山

毎日新聞 1月26日(水)16時13分配信

 疑惑の氷見ブリはやはり偽装だった−−。氷見市の水産物仲卸業
者が先月、「氷見産」として出荷したブリが福井県産だったと明ら
かになり、地元の漁協や仲買人組合は25日、会見を開くなど対応
に追われた。一方、偽装を認めた業者は、以前にも産地を偽ったこ
とを認める発言をしており、産地表示に対する業界の認識の甘さも
問われそうだ。【岩嶋悟、大森治幸】

 県の調査によると、偽装を認めた氷見市北大町の水産物仲卸業者
「浅吉」は先月11日、福井県内の漁港で水揚げされたブリを、同
県の敦賀市場で900本以上入荷。一方、同時期に氷見市の魚市場
からは379本だけ仕入れた。

 同社はその後、築地市場に「氷見産」として824本を出荷した。
仮に氷見産ブリ379本すべてを出荷したとしても、残り445本
は福井県産だったことになる。

 またこの時期、他の7県の業者にも348本を出荷し、このうち
140本を「石川県産」と偽って表示していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110126-00000267-mailo-l16
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この事件は珍しく、産地偽装されたブリを扱う市場側からの指摘
で発覚したといいます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

産地偽装:「氷見産ブリ」に疑い 築地卸売業者が調査要望

 富山県氷見(ひみ)市の水産物販売業者が「氷見産」として出荷
したブリに産地偽装の疑いがあるとして、東京・築地市場の卸売業
者らでつくる東京都水産物卸売業者協会が今月、氷見漁業協同組合
に調査と改善を求める要望書を出していたことが分かった。漁協は
偽装については「確認できない」としているが、年明けにも出荷ケ
ースの統一や識別タグの取り付けなどの対策を検討する。

 築地市場関係者などによると、今月13〜15日、氷見産として
入荷したブリについて、卸売業者などから「身が細い」などの指摘
があり、出荷業者に「間違いなく氷見産かどうか」と確認した。し
かし、十分な回答が得られず、同市場の卸売業者5社はこの業者と
の取引を停止。同協会は氷見漁協に対し、調査などを求める要望書
(16日付)を送った。

 漁協が出荷業者に事情を聴いたところ、偽装は否定したという。
しかし、氷見産ブリは商標登録をしていないほか、識別タグの取り
付けなどの制度がなく、別産地のブリが交ざる可能性もある。広瀬
達之・同漁協参事は「問題が出た以上、産地を明確にする対策を講
じる必要がある」と話し、年明けにも出荷用の箱を統一するなどの
対応に乗り出す。

 氷見漁港で水揚げされる「氷見ブリ」は脂が乗り身も締まってい
るとされ、太平洋側のブリの2倍以上の値で取引されるブランド品。
重さ10キロ以上だと1匹10万円以上の高値がつくこともある。
【大森治幸】
毎日新聞 2010年12月30日

http://mainichi.jp/life/food/news/20101231k0000m040067000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 氷見産にしては身が細い、と気づいたのはさすがです。また氷見
産ブリは名前だけではなく、プロから見て違うものだと証明された
ことにもなります。

 ちょうどこの時期、大漁に沸くことになるのですから、不思議な
ものです。業界にとっては幸運なことではないかと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.いつも勉強させて頂いております。

 先日見た新聞にて、トリインフルエンザ拡大の記事がありました。
殺処分となる今回の措置に、養鶏場業者のコメントに「食用卵とし
ての出荷は諦めた」というようなコメントがありました。待ち時間
の間に見ただけの新聞でしたので、どの新聞だったか記憶にありま
せん。

 お尋ねしたいことは、汚染の有無に関わらず、対象となった卵は
食用以外の使い道があるのかと云うことです。

 考えすぎなのかもしれませんが、食用としての出荷、というニュ
アンスがよくわからないのです。良くも悪くも自分の責任で判断し
たい性格なので、もし、他の使い道があるのなら知りたいと思いま
した。ご存じでございましたらご教授下さいませ。

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A.「食用卵としての出荷は諦めた」というのは「食用卵以外で出
荷する」と読めますね。

 インフルエンザに関連しては、卵は食用にできないということで
はなくて、「移動を禁止」されるわけです。だから養鶏場のある場
所で利用する分にはかまわないということになります。

 ただし、養鶏場に加工設備があるわけではありませんし、消費地
から離れた場所にあるのが普通ですので、実際にはこの段階で卵を
利用するのは難しいと思います。

 卵はある程度日持ちしますので、移動禁止の解除を待って、出荷
するということなのではないでしょうか。その際、通常の生食用の
卵としては売りにくいので、加工用として出荷するのだと思います。

 以下はそんなことが実際にあるというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 鳥インフルエンザの発生で、半径10キロ内の移動制限区域内に
ある農場からの卵の出荷が再開された。鶏に異常がないことなどを
確認したうえで27日にJA宮崎経済連を通じて1戸が、28日に
は新富町の採卵農家など4戸が約70トンを出荷した。

 約20万羽の採卵鶏を飼育する新富エッグシステム(新富町)で
は28日、約20トンがトラックに積み込まれ、マヨネーズの原料
として佐賀県に向けて出発した。通常は生鮮卵として出荷されてい
るが、2例目が発生した23日以来出荷できない状態が続いていた。

http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20110129ddlk45040539000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「鳥インフルエンザ」
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 インフルエンザの季節ですが、今年は鳥の世界でも大変なことに
なってきています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 宮崎県は29日、鳥インフルエンザの簡易検査で陽性となった延岡
市と川南町の2農場の鶏について、詳細検査の結果、高病原性鳥イ
ンフルエンザ感染を確認したと発表した。宮崎県内での鶏の感染は
計5例、国内では今冬計8例となった。

 宮崎県での感染拡大について専門家からは、野鳥と鶏の接触によ
る直接感染だけではなく、人や車の動きに伴うウイルスの「飛び火」
の可能性を指摘する声が出ている。

 宮崎県は同日、両農場の半径10キロ圏で鶏と卵の移動を禁止した。
延岡市と隣接する大分県では佐伯市の一部が移動制限区域に入った。
大分県によると、同区域には5農場がある。大分県は道路5カ所に
消毒ポイントを設置、防疫を徹底する。

 宮崎県によると、今回新たに感染が確認された川南町の農場と、
28日に確認された都農町の農場は、同一の食肉処理場に鶏を出荷し
たことがあり、両農場には同じ死骸回収車が出入りしていた。

 京都産業大の大槻公一鳥インフルエンザ研究センター長は「(両
農場の)発生時期がほぼ同じであることを考えると、人や車を通じ
てウイルスが持ち込まれた可能性は十分考えられる」と指摘。

 一方、宮崎大の後藤義孝教授(獣医微生物学)は「現時点では野
鳥がそれぞれの農場にウイルスを運んだ可能性が高いとみるべきだ。
防鳥ネットや農場周辺の消毒を徹底するのが大事」と話した。

 宮崎県は29日、延岡市の農場の肉用種鶏約6600羽を殺処分した。
ブロイラー約9万2千羽を飼育する川南町の農場でも殺処分を開始
した。同県では22日に宮崎市、23日に新富町、28日に都農町で感染
が確認されている。共同

http://s.nikkei.com?/g2j173
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今回、養鶏場を点検するというようなニュースが流れています。
お役人が養鶏場を回って点検していくというのはかなり怖いことで
す。韓国でも口蹄疫の件で、養豚場を回る業者の存在が指摘されて
いましたが、日本では点検のために感染が拡大するということが起
こるのではと心配になります。

 このあたりは専門家が考えているのでしょうが、報道では全く聞
こえてきません。

 そういう意味で、この日経新聞の記事はなかなかよくできていま
す。「共同」と書かれていますから、共同通信の配信したニュース
なのでしょうが、他の記事では後半部分がカットされているのです。

 全国的な情報は以下のところに地図があります。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/1101_jpn_map.pdf

 今回は韓国などで発生している鳥インフルエンザが、野鳥によっ
て持ち込まれたものであることが有力です。

 野鳥の監視も行われていて、全国的に流行している様子がうかが
えます。こちらは環境省の担当です。

環境省では、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの監視活動を
恒常的に行っています。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/

 今回のQ&Aでもありましたように、鳥インフルエンザが発生す
ると鶏肉・鶏卵の移動禁止処置がとられますが、これは肉や卵が危
険ということではなく、あくまで感染拡大を防ぐのが目的です。

 食べ物という観点から見た鳥インフルエンザについては、食品安
全委員会から見解が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

鶏肉・鶏卵の安全性に関する食品安全委員会の考え方

鶏肉・鶏卵は「安全」と考えます。

○わが国の現状においては、鶏肉や鶏卵を食べることにより、高病
原性鳥インフルエンザがヒトに感染する可能性は、以下の理由から、
ないものと考えています。

・酸に弱く、胃酸で不活化されると考えられること

・ヒトの細胞に入り込むための受容体は、鳥のものとは異なること

・通常の加熱調理で容易に死滅するので、加熱すればさらに安全

 海外ではヒトへの感染事例が報告されていますが、感染機会とし
ては、病鶏の羽をむしる・解体するといった作業に従事したとき、
感染した闘鶏の世話をしたとき、特に症状を示さないが感染してい
るアヒルと遊んだときなどが報告されています。

 また、まれなケースとして、感染したアヒルの生の血液を使用し
た料理を食べたとき、汚染された家きん肉を加熱調理不十分な状態
で食べたときなどが考えられると報告されています。

○なお、WHO(世界保健機関)は、鶏などの家きん類にH5N1亜型が
集団発生している地域(東南アジア等)では、鶏肉や鶏卵を含む、
家きん類の肉及び家きん類由来製品については、食中毒予防の観点
からも、十分な加熱調理(全ての部分が70℃に到達すること)及
び適切な取扱いを行うことが必要であるとしています。


鶏肉・鶏卵は、安全のための措置が講じられています。

○国産の鶏卵は、卵選別包装施設(GPセンター)で、通常、厚生
労働省の定める「衛生管理要領」に基づき、次亜塩素酸ナトリウム
などの殺菌剤で洗卵されています。

○国産の鶏肉は、食鳥処理場で、通常、約60℃のもとで脱羽され、
最終的に次亜塩素酸ナトリウムを含む冷水で洗浄されています。

http://www.fsc.go.jp/osirase/tori/tori_iinkai_kangaekata.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この中で、鶏卵に次亜塩素酸ナトリウムを使う、とはっきり書か
れています。根拠は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

厚生省通知(平成10年11月25日 第1674号)

卵選別包装施設の衛生管理要領

 卵選別包装施設(以下、「GPセンター」という)の衛生管理に
当たっては、食品衛生法第19条の18第2項に基づき都道府県知
事が定める管理運営の基準の他、次の事項について、衛生管理を行
うこと。

1 原料卵の受入れ

(1)腐敗卵(腐敗している殻付き卵)、カビ卵(カビの生えた殻
付き卵)、重度破卵(液漏をしている殻付き卵)、孵化中止卵(孵
化させるために加温し、途中で加温を中止した殻付き卵)破卵(卵
殻にひび割れが見える殻付き卵)、重度汚卵及び軟卵(卵殻膜が健
全であり、かつ、卵殻が欠損し、又は希薄である殻付き卵)が施設
に搬入されることがないよう点検すること。

(2)点検の結果、食用不適卵である腐敗卵、カビ卵、重度破卵及
び孵化中止卵を発見した場合にあっては、食用にしないこと。

(3)受入れにあたっては、つぎに掲げる事項を記録し、その記録
を3ヶ月間保管すること。

ア 搬入年月日
イ 搬入量(個数又は重量)
ウ 採卵養鶏場の所在地及び氏名
エ 産卵日又は採卵日

2 原料卵の保管

(1)原料卵は直射日光の当たらない涼しい場所に保管すること。

(2)原料卵は採卵養鶏場ごと、搬入年月日ごとに区別、整理して
保管すること。

3 洗卵

(1)洗卵する場合は、洗卵前に重度汚卵、5(4)に規定するC
及びD級破卵を除去すること。

(2)洗卵は、飲用適の水を用い、原則として流水式で行うこと。

(3)洗卵に用いるブラシは、清潔で衛生的なものであること。

(4)洗浄水の温度は、30℃以上、かつ、原料卵の温度より5℃
以上(8℃以下で保存された原料卵については、原料卵の温度より
5℃以上)高くすること。

(5)洗浄水及びすすぎ水は、150ppm以上の次亜塩素酸ナト
リウム溶液又はこれと同等以上の効果を有する殺菌剤を用いるとと
もに、すすぎ水の水温は洗浄水温より5℃以上高くすること。

(6)洗浄水及びすすぎ水に水道水以外の水を用いる場合は、飲用
適の水であることを年1回以上確認すること。

http://www.jz-tamago.co.jp/hourei/3.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この「通知」が結果としてサルモネラ食中毒の蔓延を防いだ、歴
史的なものです。この中でも、次亜塩素酸ナトリウムの効果は大き
かったと思います。

 問題はここで「洗卵する場合は」とあって、必ずしも洗卵が必須
ではないと読めることです。

 実際、「自然」とか「安全」とか言って売られている卵で、洗卵
されていないものがあります。これはどうも困ったことで、安全だ
と思われている卵の方が安全ではないという結果を生んでいます。

 私たちの安全を確保するというのはどういうことか、もう一度確
認する必要があるということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今、アジアカップの決勝戦をやっています。ようやく終わったの
で配信します。延長での勝利、しっかり見てしまいました。

 北国は雪で大変ですが、九州では口蹄疫、鳥インフルエンザ、お
まけに噴火まできて、大変なことです。現地の皆様にはお見舞い申
し上げます。

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