安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>573号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------573号--2010.10.31------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「卵アレルギーでも食べられる卵」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 私のサイト「安心!?食べ物情報」の掲示板に、前回の記事に関係
して、こんな書き込みがありました。紹介した本の「原爆症」関連
の記述に関してのようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 発症までの時間、発症後の経過などの「影響」を示す寄与分画を、
専ら一定期間の発症有無を以って計数化される病因分画と同一視す
ることは現在の疫学では一種の錯視として否定的に考えられている
が、国が原爆症認定において頑なにしがみつき続けている手法がそ
れである。

 認定訴訟での司法判断は、寄与分画に応じた認定を理想としつつ
も、それが事実上実証困難であることより、米国で広島又は長崎に
駐留して被爆した退役軍人の原爆症認定を被爆の事実を以って行っ
てきたという経緯も踏まえたうえで、「科学的」に「より」妥当な
見地より行われたものであって、「被爆者に向かって云々」などと
いう愚劣な心証からではない。

 また、「異常」なのは原爆のもたらした被害影響の質・量であっ
て、「厚労省健康局予算の約2950億円のうち、半分以上の約1550億
円が被爆者対策関連予算になってしまった」ことではない。

 小島正美氏の報道がこのようなレベルでのリテラシーから「空気」
と言うとき、それこそが「科学」を空洞化する空気ではないかと感
じずにはいられない。

 さらにその文脈で食品回収とマスコミ報道を論じられることはも
はや想像を絶していると申し上げておきたい。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一つの典型的な考え方なのでしょうが、やはり偏狭なことが気に
なります。

 私もよく決めつけるような書き方をすると言われますが、これは
自分の意見を言っているだけという自覚はあるつもりです。自分と
違う意見の持ち主のところで、その主張をしたりすることはありま
せん。

 この掲示板への書き込みからは、自分の意見意外は認めないとい
う意志が強く感じられます。(そういうことでなければごめんなさ
い)

 この書き込みの考え方を否定する気はありませんが、他の考え方
があることも認めていかねば、建設的な議論はできません。

 他の考え方の存在すら認めない…、紹介した本では、このことを
「空気」という言い方で言っていたのだと考えています。

 みなさんのご意見をお願いします。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「卵アレルギーでも食べられる卵」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

注意喚起:「アレルギーでも食べられる卵」は誇大 「生命にかか
わる」−−消費者庁

 消費者庁は29日、「アレルギー患者が食べられる」とうたった
卵について、アレルギー症状を防ぐ科学的証明がなく、生命にかか
わる可能性があるとし、専門医の指導でない限り食べないよう患者
に注意喚起した。販売業者には食品衛生法に違反する恐れがあると
して各地の保健所が指導しており、誇大表示をやめなければ回収命
令も検討する。

 「アトピーが出ない」などと宣伝した卵販売サイトは今年1月に
約10件、9月に6件確認された。「卵アレルギーだった息子も食
べられるようになった」と体験談を載せるサイトもあった。

 業者は「餌や育て方を工夫した」と主張する。しかし卵アレルギ
ーの原因は主要成分の卵白アルブミンなどで、消費者庁は「主要成
分のない卵はあり得ない」とする。

 アレルギーの治療として卵を少量食べさせる「減感作療法」では、
時に呼吸困難を起こすこともある。消費者庁は「医師の立ち会いの
ないまま卵を摂取するのは生命にかかわる危険がある」と注意を呼
びかけている。【山田泰蔵】

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101030ddm012040048000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いつもは残念な記事の多い山田泰藏氏ですが、今回は淡々と消費
者庁の発表を記事にしています。

 「卵アレルギーでも食べられる卵」というのものは知りませんで
したので、ちょっと驚きました。

 検索すると、まずこんな記事が見つかりました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 卵アレルギーの人でも食べられる鶏卵ということで2007年末から
大阪の阪神百貨店から販売されているそうです。なんと兵庫県の農
業高校の高校生達が開発したといいます。その名もハリマ夢たまご。
ハリマでできた卵アレルギーを緩和させるという夢が実現したとい
う命名のようです。卵の生産研究の生徒さんたちによって卵アレル
ギーの人が食べることができる卵が実現したのは、ニワトリの食材
に目をつけたことです。納豆におからなどなど健康に良いと考えら
れるものをニワトリのエサに混ぜて卵を産ませる実験を繰り返した
そうです。そしてシソや魚粉を混ぜたエサは、不飽和脂肪酸のα−
リノレン酸含有量が通常の約5倍の卵を産むことが解りました。こ
れはアレルギー抑制物質が5倍という意味です。さらには健康にも
良いドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸も豊富ということ
が解りました。更にニワトリの病気の感染を防止するなど食の安全
に細かい注意を払って商品化になったといいます。若い高校生を中
心にした開発が業界に新しい風となりそうです。

http://egg.amigasa.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「リノレン酸を豊富に含む」から「卵アレルギーの人でも食べら
れる」というのはいくら何でも無理があります。アレルギーで苦し
んでいる人を馬鹿にしていますね。

 「リノレン酸をたくさん摂ればアレルギー反応が起こらない」の
なら、何も苦労することはないではありませんか。

 卵の栄養成分にエサが大きな影響を与えることはよく知られてい
ます。だからこういうのはそれほど難しいことではなく、高校生程
度の知識で簡単にできてしまうことなのです。

 とにかく、実際に卵アレルギーでも食べられるかどうかの実験を
やった形跡もありません。

 高校生のやったこととは言え、先生もついているだろうし、阪神
百貨店はいったい何を考えているのか…。

 他にもこんな記事もあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

卵アレルギーでも食べられた!―3F農法の「いが野の農園」

 いが野の農園は、平成15年三重県伊賀市で設立された。無農薬・
無肥料・無堆肥の3F(スリーエフ)農法で野菜や米を栽培し、卵の
出荷も行っている。代表の瀬川矩生さん(64)は「食べた人が元気
で健康になる野菜を作りたい」と話す。

 畑では露地野菜を年間60から80種類ほど作り、米の生産と平飼い
の鶏による卵の出荷も行っている。鶏は人工の飼料は与えず、野草
など自然から採れるものを与えられて育つ。

 そうして育った鶏から生まれる卵は添加物などが含まれないため、
卵アレルギーで悩む人でも食べることができたと顧客から反応が。
また、化学物質過敏症で悩む人からも、いが野の農園の野菜は安心
して食べられるとメッセージが届いたという。

http://www.presstokei.co.jp/?p=6325
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これも典型的な「思い込み農法」です。こんな方法が悪いとは言
いませんが、卵アレルギーでも食べられるなどと言うのは勇み足で
す。

 さらにこんな記事もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

飯野耀子のベター クォリティ オブ ライフ 第36回

 今回は「日本一のこだわりたまご」です。

 みなさん、こんにちは。だんだん気温が温かくなってきて心地よ
くなってきましたね。朝起きた時にも夜寝る時にも心地がよくて、
とてもいい季節なのですが、今くらいの季節からアレルギーをお持
ちの方はちょっとつらい季節の始まりだったりしますね。

 が、今回はそんな症状と戦う方に朗報!なんとアレルギーの方で
も召しあがれるたまごがあるんです。

 それが「日本一のこだわりたまご」。

 何がこだわりって、何から何までこだわっているのですが、まず、
卵を産む母鶏が若い!生後200日から400日の間のヤンママ鶏!鶏の
産卵期間はだいたい生後150日から500日くらいと云われますから、
この日にちを見ただけでも贅沢な卵だということがわかりますね。

 次に餌。これはいろんな方たちが、こだわってらっしゃいますが
「日本一のこだわりたまご」はまずは水にこだわっています。完全
なミネラル水!それから煮干し粉だったりパプリカだったり、外皮
を取り除いたとうもろこしだったり。しかも薬などは飲ませないで、
健康に育てているので本当に安心して食べられるように育てられて
います。卵の場合、薬を使わないと大腸菌が心配になりますが「日
本一のこだわりたまご」では餌に大腸菌の予防によいと云われると
うがらしを混ぜることで回避。このように誰が聞いてもすぐにわか
る「食品」を餌にすることによって、アレルギーの心配がある人で
も食べられる卵が誕生しているわけです!

 この卵があるおかげでアレルギー故にお菓子の選択肢が狭められ
てしまう子供たちにもおやつの幅が広がったということで、ものす
ごく喜ばれているそうです。

 また、この卵、なにやら運気もよい卵らしく風水のドクターコパ
も好んで食べられているとか!風水では卵は「再生、復活、可能性」
などを意味するといわれパワーストーンなどでも、よくモチーフに
されていますが、この意味はもちろん、卵自身にも適応されるもの。
何かを「再生、復活」したい時はもちろんですし、「可能性」とい
う未来に向かう意味をもらおうと思う場合はやはりいい卵から貰い
たいですよね。

 私もこの卵は取り寄せて食べていますが、卵をわった瞬間にミネ
ラルの香りが、ふわっとするとても美味しい卵です。

 食べてよし、育ちよし、そして運気よしの「日本一のこだわりた
まご」、ぜひ一度食してみてください。人に差し上げても喜ばれま
すよ。

飯野耀子
AllAbout食育ガイド/ myfood.jp編集長。健康管理士、薬膳料理指
導員、食育指導士など多数の資格を保有。FANCL発芽玄米粥の監修
も務める。
著書に「夜トマトダイエット」(ぶんか社他、台湾版、中国版)
「合格への食卓」(扶桑社)がある。

http://goo.gl/nixH
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはちょっとレベル低すぎですね。卵のこともアレルギーのこ
ともよく知らないで、「風水」を信じている健康管理士ですか。

 こんな人が「食育」を指導していると思うとちょっと暗くなりま
す。

 実際に販売しているサイトでは、すでに対策しているところもあ
るようです。以下はGoogleのキャッシュページです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

素材にこだわるケーキ屋さんも絶賛! 無農薬 自家配合 放し飼
い の安心安全のおいしい卵です

アトピーや卵アレルギーの方にも食べていただいております

http://goo.gl/eNMk
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それが現在ではこう変更されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

素材にこだわるケーキ屋さんも絶賛! 無農薬 自家配合 放し飼
い の安心安全のおいしい卵です

卵が苦手な方も是非食べてみてください。

http://www.ee-tamago.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「卵が苦手な方」というのはよい表現ですね。ここまで読むとも
うお察しと思いますが、消費者庁の発表は事実としては正しいので
すが、実際にこういうことを言っている人の意識とは少しズレてい
ます。

 消費者庁は「卵アレルギー」を額面どおり受け取って、これは危
険だと言っています。卵アレルギーを起こさないのであれば、それ
はもう卵ではありませんので、卵である限り、卵アレルギーの人に
は危険なのは当然です。

 しかし実際にはこんな言い方をして売っていても、被害はほとん
ど出ていないのではないかと思います。その上、「卵アレルギーで
も食べられた!」という便りが届いたりしているのも本当のことな
のでしょう。

 つまり、世の中には「卵アレルギーもどき」が存在しているとい
うことです。厳密に言うとアレルギーではありませんので、この卵
ならよいと思えば(信じれば)、それで済んでしまいます。

 アトピー性皮膚炎に関連して、何でも卵や牛乳のアレルギーだと
か言って食事制限することが以前はやりました。その名残りで、今
でもそう思い込んでいる人がいるのだと考えています。

 もちろん、これは重大な結果をもたらすことがある本物のアレル
ギーとは別物です。

 「卵が苦手な方」というのは、食べ物としての卵が嫌いだという
人のことでは実はなくて、いろんな理由から、卵が自分の身体に悪
い、あるいは合わないと思い込んでいる人のことでしょう。

 「有機」とか「自然」とか、そういうキーワードがあれば、そう
いう思い込みを克服できるのなら、それも悪いことではないのでは
ないか、などと考えたりします。

 しかし、書き方としてはやはり「卵が苦手な方」程度にとどめて
おくべきで、「卵アレルギーでも食べられる」とまで書くと、本物
のアレルギーの人が食べたとき、責任問題になってしまいます。

 そこで今回の私の意見は、「卵アレルギーでも食べられる」とい
う表現は、「卵が苦手な方にもお薦めします」に変えてはどうか、
というものです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 一部、日本語を使っていたりして、非常に長いアドレスがありま
したので、「短縮サービス」を使っています。「goo.gl」というド
メインのものがそれです。このURLを使うと、まずGoogleのサイ
トに行き、元のアドレスを取得してそれを表示します。ご了承をお
願いします。

 またまた本をいただきました。

「食べモノの道理」 佐藤達夫・著

 著者ご本人からメールをいただきました。以下は出版社のサイト
からの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食べ物を、良い・悪いに分ける前に、量の概念を忘れている人が
多いことが問題であると著者は言います。

 体に良い食べ物を大量に食べて命を縮めている人が大勢いること
に非常に危惧を感じ、さらに量の問題を言わずして食べ物を善玉と
悪玉に分類する人たちがあとを絶たないのはどうしてなのか?

 彼らには、そうしなくてはならない何か−そうするほうが利益を
もたらす理由ーがあるに違いない。

 と著者は考え、ある一定の法則を発見しました。

それは

 「食品を善玉と悪玉に分ける論理を展開している人たちのアトを
追っていくと、必ず高価な食品を買わせられることになる」

という法則です。

 今後、皆さんが「良い食べ物・悪い食べ物」という分類を見つけ
たら、そこに量の概念が入っているかどうかを確認してみることを
おすすめする。

 もし、量のことをいわずに、食べ物の良し悪しを論じている人に
出会ったら、けっしてその人たちのアトをついて行ってはいけない。
健康かお金のどうちらかを(場合によってはその両方ともを)失う
ことになるだとうから。(本文より抜粋)

 食事の大前提は、楽しいもの、幸福なもののはずです。

 三度三度の食事に感謝し、楽しく幸福に感じることができれば、
おのずと健康的な食生活がおくれるのではないでしょうか?

 三度三度の食事を、「これは体にいい、こればちょっと悪いかな?
栄養のバランスが足りないかな?」など、病気になる前から心配し
て食事をしている人と

 「今日も楽しくおいしい食事ができました。ありがとう。」と感
謝しながら幸せを感じられれる食生活をしている人との幸福の量の
差を人間の一生で考えてみとどうでしょう?

 もちろん、幸せは人と比較するものではありませんが、いずれに
しても、楽しく食事できるとと一緒に食事できることが、私にとっ
ては食事において一番大事なことです。

 いま、あなたが健康であるならば、それに感謝して、自分に合っ
た楽しい食生活をおくれればそれはとってもいいことです。

 病気になったときは、信頼できるお医者さんに診てもらい、お医
者さんの診断をもとに、自分の判断によって健康的で楽しい食生活
をおくるようにしたいですね。

 あやしい健康情報に振り回される前に、本書を読んで、論理的な
判断を身につけて、自分に合った健康的でリーズナブルで楽しい食
生活をおくりましょう。

http://jakometei.blogspot.com/2010/10/blog-post_29.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 まだ到着したばかりなので、これから読んでみます。どうもあり
がとうございました。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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