安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>561号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------561号--2010.08.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「鳴門ワカメ」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回のメールに補足をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先週にマーカー育種に関してメールした者です。

 先のメールにて、引用先の内容と渡辺さんの発言を混同していた
部分があったようですね。お詫び申し上げます。

 メルマガの中でご質問があった件について補足させていただきま
す。

>あくまで一部のマーカー部分を見ているだけだと思うのです。
>両親からの遺伝子は染色体単位でもらってくるとは限らず、
>マーカーではコシヒカリの染色体であっても、
>マーカー部分以外はそうではない可能性があると思います。
>このあたりはいかがなものでしょうか?

 おっしゃる通りで、マーカー間で2箇所以上組換えが起こった場合、
コシヒカリでない側の親の遺伝子が混入しても気づけません。

 ただ、組換えはそこまで高頻度に起こるわけではありませんので、
マーカーを高密度にとることでその危険性はかなり低く抑えられま
す。

 たまたまマーカー間で2回以上組換えが起こり、かつそこにコシ
ヒカリの特性に重要な遺伝子が有る可能性は、ゼロではないが無視
してよい程度・・・というわけです。

 むしろ、耐病性遺伝子の両側の一緒にもちこまれる領域をなるべ
く狭めることが育種では重要な点です。

>巨大な情報である遺伝子全体をテストする方法はなく

 これまではそうだったのですが、最近はDNAの読み取り装置が格
段に進化して、全遺伝子(ゲノム)配列が短期間低コストで読めるよ
うになってきています。複数種のイネの全ゲノムを読んで比較する
ようなことも研究レベルでは行われています。新品種ができた際に
本当に遺伝子全体を調べることもいずれは行われるようになるかも
しれませんね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 染色体のマーカーは一つではないということですね。複数のマー
カーの間に、他の親からの遺伝子が入り込むには、2回以上の交差
が起こる必要があり、その可能性はゼロではないが無視できる程度
に小さい、という指摘だと思います。

 染色体はペアで存在し、両親からそれぞれもらっています。それ
が両親の分ずつに別れてしまえば、両親のどちらかと同じ遺伝子を
伝えることになるので、性生殖をしている意味がありません。そこ
で減数分裂の際には適当に交差が起こり、両親のいずれとも違う遺
伝子が子孫に伝えられる…。たしか高校のときにそう習いました。

 それでああいう疑問を書いておいたのですが、これで疑問解決で
す。どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.アフラトキシンなどのカビ毒について質問です。日本国内では
ほぼ心配ないとの事ですが、海外ではどうなのでしょうか?

 過去25年間で、海外旅行を数回経験しています。当然現地で食
事をしてくるわけですが、海外で一般に出回っている食品は検査な
どされて、安全が確認されたものなのですか?

 特に「バリ」では、ピーナッツを使った料理を多く食べた記憶が
ありますので、そういった物が安全だったかどうかが不安です。他
に渡航した国は、タイ・オーストラリア・タヒチ・サイパンです。

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A.現地に住んでいる人と同じ程度の心配はあると思います。だい
たい海外旅行というのはそんなもので、ふだんの環境とは違うとこ
ろに行くことに意味があるので、それは仕方ないですね。

 代わりに日本で危険なことが外国では少なくなっているかもしれ
ません。そう考えると極端に心配する必要はありません。

 程度の問題として比較すれば、日本とその国との平均寿命の差く
らいは危険が増すのだと思います。

 それを心配して外国に行かないという考えも、それくらいは心配
するほどでもないと考えるのも、個人の自由です。

 私は好き好んで中国に行きたがっていますので、もちろん後者の
考えです。

 食事に細心の注意を払うのは重要なことですが、アフラトキシン
が怖くて海外旅行に行けるか!という開き直りも必要と思います。

 間違いなく言えるのは、後から心配しても仕方ないということで
す。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「鳴門ワカメ」
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 しばらく前ですが、大きく報道されたニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ワカメ販売最大手の理研ビタミン(東京)は23日、乾燥ワカメ
「ふえるわかめちゃん鳴門」など国内産として製造している7商品
について、中国産だった可能性が高いとして商品を自主回収すると
正式に発表した。回収対象は約950万パック(小売価格約20億
円)に上り、返品すれば代金は返すとしている。

 同社は「加工履歴を調べた結果、国内産と確認できなかった」と
して、さらに詳しく調査するとともに、事実関係を関東農政局に報
告。農政局は日本農林規格(JAS)法違反にあたるか調査を始め
た。

 回収対象は「ふえるわかめちゃん鳴門16グラム」「同24グラ
ム」「ふえるわかめちゃん国内14グラム」「同24グラム」と、
同社が受託製造していた「グレートバリューカットわかめ国内産2
4グラム」「セブンプレミアム国内産カットわかめ25グラム」
「アイワイフーズ国内産カットわかめ25グラム」。

 同社に6月、「産地が違う」との情報が寄せられたため、農水産
物の原産地を調べることができる民間の検査機関「日本同位体分析
研究所」(横浜市)で検査、中国産の可能性が高いと判定された。
ワカメの仕入れ先は、徳島県鳴門市の海産物販売業の2業者で、中
国産の疑いがあるのはうち1業者。

2010年07月23日 11:10

http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20100723023.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 理研のサイトに行くと、「ふえるわかめちゃん」シリーズには次
のような種類があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ふえるわかめちゃん
三陸

 保存性、簡便性、衛生面に優れたカットタイプの乾燥わかめです。

ふえるわかめちゃん
三陸大きめカット

 ふえるわかめちゃんシリーズの中で、一番カットサイズが大きい
カットわかめです。

ふえるわかめちゃん
鳴門

 使いきり小袋サイズでとても便利。鳴門産のわかめを使用してい
ます。

 一時休売させていただいております。

ふえるわかめちゃん
国内

 国内産わかめを使った大袋タイプ。好きな分だけ使える便利なチ
ャック付きです。

 一時休売させていただいております。

ふえるわかめちゃん
中国

 中国産の良質でなめらかなわかめを使用しています。便利なチャ
ック付きです。

http://www.rikenvitamin.jp/products/fueruwakame/wakamechan/index.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「鳴門」と「国産」に問題があり、「三陸」は問題なかったよう
です。三陸というのはたぶん岩手県の、肉厚のものだと思います。

 ところで、この報道で気になったのは、いつもの偽装事件とは発
見のされ方が違うようなのです。いきなり「日本同位体分析研究所」
などというところが出てきます。

 これについて、以下のような記事を見つけました。これは通常の
メーカー発表を受けてのものではなく、独自調査の報道です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ワカメ製造販売の最大手、理研ビタミンが販売する「ふえるわか
めちゃん」の一部に、国産と表示しているにも関わらず、中国産の
ワカメが使われていた可能性が高いことがJNNの取材で分かりま
した。理研ビタミンでは、商品の回収を始めています。

 ふえるわかめちゃんシリーズは、年間20億円を売り上げる人気
商品です。今回、中国産のワカメが使われていた可能性が高い「ふ
えるわかめちゃん鳴門」も、業務用を含め2億2000万円の売り
上げがあります。

 JNNは先月、この乾燥ワカメを東京、大阪、愛媛の3か所で購
入、ワカメの産地について検査会社に依頼し調べました。その結果
は、「鳴戸産ではない。輸入・中国産」でした。

 「(Q.見た目では分からないですか? )見た目じゃ分からな
いですね。こういうのは」(検査員)

 理研ビタミンが鳴門産ワカメを仕入れているのは徳島県にある
2つの海産物販売業者で、私たちはそのうちのほとんどを取り扱
っている業者の元を訪ねました。そこには、中国産と書かれた荷
物が数多く積まれていました。

 「科学的に調べたものが理研さんの商品であるならば、私はそ
の商品について何も言う立場にはない。理研さんに関しては、理
研さんにお聞きしてもらうのが一番よろしいかと」(理研ビタミ
ンに納入している業者)

 理研ビタミンは私たちの取材に、「この業者から鳴門という産
地証明書をもらっている」と話していましたが、今月8日に鳴門
産わかめの製造を中止し、23日から商品の回収を始めています。

 農林水産省と徳島県は異なった産地を表示したJAS法違反が
ないか、この業者などの調査に乗り出しています。(23日10:22)

http://www.neworldjp.com/Show/46609/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 テレビ局の取材で明らかになったというわけです。こういう重箱
の隅をつつくのが正しいかどうかはともかく、報道機関としての役
割を果たしたという点では、発表資料を流すだけの報道よりはるか
に働いたということになります。

 しばらく前から、「鳴門ワカメ」にはいろいろと問題が指摘され
ていました。以下は前にも書いたことがある、今年5月のニュース
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国産のワカメを使ったワカメ製品を、徳島県鳴門産と偽って販
売したとして、徳島県警は9日、不正競争防止法違反の疑いで同県
鳴門市の海藻加工会社「マルナガ水産」前社長伊藤五百里容疑者
(70)=鳴門市撫養町=を逮捕した。

 県警は同日、同社や倉庫、伊藤容疑者の自宅などを家宅捜索した。

 逮捕容疑は、昨年1月初めごろから6月下旬ごろまでの間、中国
産を使用した湯通し塩蔵ワカメを「生鳴門産わかめ」などと記載し
た300グラム、500グラム、1キロ、10キロの4種類の袋に
それぞれ詰め、大阪市の業者に計約470トンを約7300万円で
販売した疑い。

 伊藤容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。県警は以前か
ら偽装を繰り返していた疑いがあるとみて捜査している。

 県警によると、伊藤容疑者は徳島県内の2社から中国産ワカメを
仕入れていた。偽装ワカメは大阪市の業者を通じ、徳島県、香川県、
高知県を除く44都道府県の業者に納品された。それ以外にも徳島
県内外の三十数社に販売されていた。

 徳島県は昨年7月、産地を偽装したとして日本農林規格(JAS)
法と景品表示法に基づき、是正を指示していた。

2010年05月09日 11:12

http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20100509022.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 理研の商品とどう関係するのかわかりませんが、このニュースの
前にも鳴門ワカメでの偽装が発覚しており、その偽装にかかわって
いなかった業者に注文が集中し、その結果残った業者も偽装に走っ
てしまったという話が以下に報道されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国産を原料に使った塩蔵ワカメを「徳島県鳴門産」と偽って販
売したとして、県から日本農林規格(JAS法)違反などに基づく
是正指示を受けた鳴門市里浦町里浦の海藻加工業「マルナガ水産」
(伊藤壽子社長)の実質的オーナー伊藤五百里(いおり)前社長
(69)が23日、同社で徳島新聞の取材に応じた。伊藤前社長は
「会社に借金があり、もうけのため、自分が発案した」と偽装を認
めた上で、県の調査が入る6月中旬まで偽装を続けていたことを明
らかにした。

 伊藤前社長によると、偽装を始めたきっかけは、昨年1〜2月に
加工業者13社の偽装が相次いで発覚し、これらの会社の顧客から
注文が増加したこと。「会社に約1億円の借金があり、利益を上げ
たい。背に腹は代えられない」と、昨年4月から偽装を始めたとい
う。

 利益を拡大するため、中国産の混入割合を徐々に増やし、12月
までに1500〜2000万円の利益を上げた。偽装を行っていた
のは、県が発表した12月まででなく、「(県と徳島農政事務所の
立ち入り調査があった)今年6月まで行っていた」と話した。

 また、偽装商品の出荷先を県外の業者に限定したことを明らかに
し、「地元業者なら商品を見れば中国産と分かるが、県外の業者な
らばれないと思った」と説明した。

 鳴門市内のワカメ加工業者35社でつくるブランド回復対策部会
で再発防止へ取り組む最中に偽装を行っていたことに対し「関係者
に多大な迷惑を掛け申し訳ない。今後は産地を正しく表記して売り
たい」と謝罪した。

 08年4〜12月分の偽装だけを指導・公表したことについて、
県県民くらし安全局は「マルナガ水産の決算時期である08年12
月までの1年間の帳簿を調べて偽装が確認できたので、速やかに食
品表示を是正するため指導・公表した」と説明。「1月以降も偽装
が続いていた可能性は高かったが、偽装総量を把握する必要はなく、
公表も遅れる」としている。

 ◎鳴門産足りず・1人でやった中国産8割混ぜた

 伊藤五百里前社長との一問一答は次の通り。

 −なぜ偽装したのか。

 昨年の偽装事件以降、偽装発覚業者の顧客分の注文が増え、鳴門
産だけでは足りなくなった。注文を断れなかった。

 −偽装期間は。

 08年4月から中国産を混ぜ始め、県の検査が入る今年の6月中
旬まで偽装した。当初は中国産を半分くらいの割合で混ぜていたが、
徐々に増やし、12月ごろからは中国産を8割混ぜていた。

 −なぜ中国産として売らなかったのか。

 昨年5月に包装機械を増設し、約1億円の借金があった。鳴門産
とすることで中国産の倍の値段で売れるので偽装した。

 −主導したのは誰か。

 わたしが昨年7月まで社長をしていた時に思いつき、塩を混ぜる
作業の際に中国産を混ぜた。作業は1人でやった。

http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/07/2009_124833442299.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このあたりはいつもの「買う方も悪い」パターンです。偽装が発
覚した後も、根本的に見直すことなく、「より上手に嘘をついてく
れる」業者に発注するのですね。

 理研の場合も、あくまで業者に騙されたというスタンスですが、
もう一歩踏み込んで考えれば、取引先に問題があることに気付くの
は難しくなかったと思います。

 他の「ふえるわかめちゃん」は大丈夫なのか?というと、三陸産
はたぶん大丈夫です。

 中国産は理研が中国で手配したものでしょうから、偽装に使われ
たものよりずっと安心できるものだと思います。中国産を買うのが
正解かもしれません。

 しかしウナギもワカメも、徳島県人の評判を落す話が多いですね。
名誉挽回を期待したいです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 毎日暑いですね。先日、35度を越えた観測地点が179もある、
という報道がありました。全観測地点数は900以上あるので、こ
んなに暑くてもそこまでいかない地点が圧倒的に多いのに驚きまし
た。やはり暑いのは都会だけということです。

 8月28日(土)、大分市で講演会に呼ばれています。飛行機で
行って、その日は温泉に泊まりますので、楽しみにしています。

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