安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>56号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------56号--2000.12.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     いただいたメール(「化学調味料」)
     「自然保護の話」(Q&A)
     「かまぼこ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回は化学調味料についてのお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 化学調味料(アミノ酸等)が問題なのは、人間の味覚をだめにす
ることだと思います。

 私は、普段化学調味料を摂取してないので、外食で特にラーメン
を食べると何時間も口の中に味の素が残り気持ち悪くなります。こ
れは、ラーメン店は味の素を一般家庭で使う量の何倍も使うためで
す。何の本か忘れましたが、味の素を使わないとおいしいスープが
できないとかいてありました。

 味覚について実験するのであれば、一ヶ月間化学調味料を一切取
らないようにして、そのあとおいしいといわれているラーメン屋さ
んで食事してください。多分、私と同じようにいつまでも口の中に
変な味が残ると思います。何も感じなければ、味覚に問題があると
思われます。

 これは、ラーメン屋さんを攻撃するために書いたわけではありま
せんが、一番実験しやすいからで、かまぼこ等の練り製品にも大量
に使われており、かまぼこ工場で以前働いていた人が絶対かまぼこ
は食べないといってました。
                  
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「人間の味覚をだめにする」というのは、生物学的には暴論です
が、文化の話とすれば、私もそう思います。人間、歳をとれば保守
的になるものですが、私も何でも化学調味料、というのは困ったも
のと思っています。

 ラーメン・かまぼこについては、このままではおこられそうなの
で、ちょっとコメントを書きます。

 ラーメンの味は実に様々ですが、化学調味料はだいたい使ってい
るでしょうね。ただ、味が非常に濃いスープですが、その濃い味と
化学調味料の使用量はあまり関係はないと思います。化学調味料の
味はあくまでアミノ酸系ですので、あまり濃くしても意味はないの
です。

 化学調味料の良いところというか、やっかいなところは、ごく少
量でも、非常に高い効果があることです。大量に使うのは論外と思
いますが、少量の使用についてはなかなかなくならないでしょう。

 でも、化学調味料といえばラーメン、というのはちょっとかわい
そうな気もします。(うどんやそばだって使っているのですから…)

 かまぼこについては下の欄に・・。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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 今回はいつもと違う内容のご質問ですが、特別編ということで、
ここに掲載します。(Q&Aのページにはアップしないつもりです。)

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Q.以下の文で、質問があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ある「自然保護」を訴える団体が著した本に、次のような一節が
ある。

「人手不足で人工林の管理が行き届かなくなり、本当の「自然」に
戻りつつある森を見て「山が荒れている」と表現し、あたかも自然
破壊が進んでいるように思う人が多い」

 え!(!)と思わず声をあげてしまった。管理の行き届かない人
工林が、本当の自然に戻りつつある森だって?そんな無茶苦茶な理
屈があるだろうか。

 そんな理屈が通るなら、皆伐後に放棄した山の方がよほど「自然」
に戻る過程だ。すぐ草が生え、数年で潅木が育ち、十数年後には自
然の森らしくなるだろう。逆に植林した山は、手入れをしないと自
然の森に戻るどころか、木も草も貧弱なままである。家の中で飼っ
ていた愛玩犬のマルチーズをいきなり野に放して、適応できずに死
にかけても、「いや、あれは野生にもどる過程です」と解説するよ
うなものだ。

 こんなトンデモ本が、「本当の自然保護」と銘打って世間に出回
っているのだから困ってしまう。読者は、こうした記述を本当に信
じているのだろうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下の部分ですが、皆伐後に放棄したあとの山は、木の切り株ば
かりで、自然には戻りにくいのではないでしょうか?

> そんな理屈が通るなら、皆伐後に放棄した山の方がよほど「自然」
> に戻る過程だ。すぐ草が生え、数年で潅木が育ち、十数年後には
> 自然の森らしくなるだろう

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A.どこかで読んだ文章ですね。私は食べ物のことは仕事で関わっ
てきましたが、こういった話題については全くの素人ですので、そ
のつもりで読んでください。

 以下は私の感想です。

(1)自然という言葉の意味が、すれ違っているようです。

> 「人手不足で人工林の管理が行き届かなくなり、本当の「自然」
> に戻りつつある森を見て「山が荒れている」と表現し、あたかも
> 自然破壊が進んでいるように思う人が多い」

ここで、「本当の自然」といっているのと、「自然破壊」といって
いるのは、別の立場の人ですが、実は双方が考えている「自然」と
いう言葉の意味が違います。前者は抽象化された、「反人間的」な
自然ですし、後者は自分の成長してきた体験から育まれた、「親人
間的」な自然です。

(2)皆伐後であれ、放棄された田畑であれ、人工林であれ、その
地域の環境のもとで、「自然に」状態は推移していきます。それを
「自然である」「自然でない」といっても、言葉の上だけの意味し
かありません。私はその推移していく過程自体が自然の営みである、
と思いますので、「自然は破壊できない」という意見です。人間が
破壊しているのは、自然そのものではなくて、人間が住みやすい環
境であると思います。

(3)「木の切り株だらけで、自然に戻りにくい」ということにつ
いては、上記の意見ですが、切り株があると木が生えにくいかどう
かは、私にはわかりません。木がはえにくい場合は一旦草原になり、
そこから徐々に木が育ってくる、という過程になるでしょう。

【追記】

 どうも引用された文章が私のものと思われていたようで、以下は
その返信です。

 あの文章は確かに読んだ覚えがあります。文体からすると、最近
ご活躍の日垣隆さんのもののようにも思いますが、定かではありま
せん。

 もちろん、私の意見とは違いますので、ご了解ください。

 ただ、あの批判については、私は少し同意できるところがありま
す。

 私は「反人間的」な自然について語っても仕方ないというか、無
意味と思っていますので、自然保護についても、あまりに原理主義
的なものには批判的なのです。

 かといって、ノスタルジーと「自然」とを混同しているようなも
のにも同意できません。

 まずは「自然」というものを、どう捉えているのか、自問自答し
てから、考えるようにしていきたいものです。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「かまぼこ」
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「かまぼこ」のページもごらんください。
http://www.kenji.ne.jp/food/food15/food1506.html

 私の同級生にかまぼこ屋の子がいまして、昔のかまぼこ工場はよ
く知っていますが、確かに昔はかまぼこ工場というのは、きたない
工場の代表でした。

 生の魚をさばくのですから、当然といえば当然なのですが、それ
がこのごろでは、びっくりするきれいな工場もできています。

 これは冷凍すり身を使用するようになっここともありますし、生
の魚をさばく場所は別にしているせいでもあります。

 もちろんこうしたことは大工場だけですので、小さな工場はあい
かわらず、お世辞にもきれいとはいえないものです。ただ、同じよ
うにきたなく見えても、衛生的に問題のある工場もあれば、とりあ
えずは衛生面の心配はなさそうな工場もあります。

 全体の流れが整理されているところは良いのですが、できあがり
寸前の製品と、原料の処理工程が交錯していたりすると、やっぱり
心配です。

 化学調味料については、ほとんどの製品が使っていると思います。
ただ、工場にいた人が嫌がっているというのは、たぶん上記の衛生
面での良くない印象が強いのではないか、と私は思いました。

 手作業でやっているところでは、すり身を練っているときに、砂
糖、塩、調味料などを豪快に混ぜますが、あれが全部化学調味料だ
と思ったら、やっぱり気持ちわるいでしょうね。

 かまぼこと言えば、年末は最も売れる季節です。かまぼこは生も
のなので、賞味期限の問題があり、普通にしていたのでは、年末に
売れる分をその直前に作ることはできないのです。

 で、どうしているかというと、前もって作っておくのです。その
ままではお正月まで賞味期限を設定できませんので、できたものを
冷凍して保管しておきます。

 出庫日は年末の25日過ぎで、それから流通網にのり、年末商戦
にはちょうど間に合う、というシステムになっています。

 実際には11月から製造を始めていますので、長いものでは約1
ヶ月、冷凍庫の中で保管されていることになります。

 この商品の製造年月日は出庫日になっています。賞味期限も出庫
日からつけられています。これはちょっとフェアでないような気が
しますが、一般的に認められているやり方なんだそうです。

 前にも書きましたが、たとえば冷凍のエビを輸入してきて、いっ
たん解凍し、小分けして袋詰めをした場合、製造年月日はこの小分
けした日になるのです。これと同じで、冷凍保管している間は、半
製品という扱いで、出庫して製造年月日を印字した日が製造日にな
る、というのです。

 何度聞いても釈然としないのですが、製造年月日や賞味期限とい
うのは、どうもこんなもののようです。

 この間、翌日の日付のパンを製造していたり、返品の牛乳をまた
タンクに戻して新しい牛乳として出荷していたり、いろんなインチ
キが暴露されてきています。それに比べると、上記の例はメーカー
は別に隠しているわけではないので、インチキというわけではない
のです。

 ということで、特に年末にはこのような事例は多いのです。カズ
ノコは春にとれたものを塩漬けして保管していますが、年によって
は前年のものも平気で使われます。もともとお正月用の食品という
のは、保存食品が主です。新しいものが良い、ということ自体あま
り意味はないのではありますが。 

 正月用の食品については、次回にまた書きます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 早いもので、このメールマガジンも1周年になりました。ご講読
ありがとうございます。

 昨年は12月に8回も発行しています。いろいろと書きたいことが
多かったようです。最近は私のネタはつまり気味なのですが、皆さ
んからのお便りに助けられています。

 これからもよろしくお願いします。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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