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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------553号--2010.06.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「低温被害」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 以下は私のサイトから送っていただいたメールです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 『週刊現代』で、『食べてはいけない』なる、タイトルだけでア
レ気なトンデモ記事が載っていたので、一分で流し読みし、出てく
る人物の名前を見てやっぱり、読む価値なし、ましてや買う価値な
しと判断しました。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/667

 『買ってはいけない』の「ニセ」科学ジャーナリスト・渡辺雄二
に垣田達哉、それに郡司和夫、反GMOの安田節子。

 「冷凍品に使われる酸化防止剤をネズミに食べさせる実験では、
生まれた子どもに無眼症が認められました。エビなどのネタは加工
段階で、殺菌剤の次亜塩素酸ナトリウムに漬けられていることがあ
りますが、この添加物の主成分は洗剤の『カビキラー』や『ハイタ
ー』と同じです」

 このサイトでも、堺市のO157食中毒が、塩素殺菌のリスクを恐れ
た結果起こったものだという投稿があり、『食のリスク学』でも引
用されていましたが、渡辺雄二のような「ニセ」科学ジャーナリス
トが、子供たちを殺したも同然ですね。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 紹介していただいたいるURLでは、記事が読めます。たしかに、
ひどい内容です。

 次は「小麦粉」のページからいただいたコメントです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 うどん店を初めて9年目赤字続きで大変な時、この記事にお目に
かかれました。
 
 おいしさの前に安全をと食材に気を配ってるつもりですが、小麦
の味のするうどんです。が・・・この本当の味が解ってもらえない
とは、予測できませんでした。 いいものさえ作れば、きっと売れ
ると取り組んできましたが、現実は、難しいものです。

 正確に詳しくは、伝えられませんが、国産小麦100%で仕込に
ワイン(無添加)や麹を加えています。 最近 あげうどん を完
成できて売り出せないかと考えております。

 自分のことばかりで、恐縮ですが、オーストラリアの小麦の苗を
日本に植えたら2〜3年したら白さがなくなり茶色くくすんだ色に
なるそうです。

 そもそも、うどんが白いと思いこまれているため、白くないうど
んを提供している当店は、変わったうどんのイメージに受け取られ
てしまい、本当の小麦の味のする薄茶色のうどんは、残念ながら受
け入れられません。

 まとまりませんが、こんなことお話しできただけでも幸いです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 オーストラリア・ホワイトの威力の前に苦戦ということですね。
「讃岐うどん」が国産小麦で作っていると誤解している人も多いで
すので、なかなか大変と思います。

 ただ、私としては普通の人に受け入れられるものがよい商品だと
思います。人気が出ないのは商品そのものに問題があるという冷徹
な判断も必要と思います。余計なお世話ですが…。

 最後は「マーガリン」のページからのコメントです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「マーガリン」の情報に関しての考察を読ませていただきました。
結論に関して、期待通りのものが記載されており安心できました。
インターネットでマーガリンについて調べても、過剰に反応した考
え方ばかりが目立ち、それを見た人がさらに誤解をするだろうとい
った状況でした。

 こちらの記事のまとめ方は大変適切な対処方に感じられましたの
でこの考え方が広まってくれるとマーガリンに対しての過剰反応も
和らぐことでしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.「たん白加水分解物」が食品衛生法で食品添加物指定されてい
ないのはなぜですか。

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A.たんぱく質はアミノ酸からできています。分解してアミノ酸の
混合物にすると、アミノ酸には味がありますので、元のたんぱく質
に応じた味を呈するものができ、それを調味料として使っています。

 「エキス」などと呼ばれる、肉などを煮込んだものでも、中で同
様の分解がおこっていますが、これらは「加水分解物」とは言わな
いです。

 「たん白加水分解物」は普通、塩酸などの強い酸で分解するか、
酵素を使って分解したものを言います。「加水分解」というのは、
アミノ酸同士が結合しているペプチド結合を分解するとき、水一分
子を追加する形になるからです。

 たんぱく質は天然物ですので、アミノ酸の組成は一定ではありま
せん。食品添加物に指定されていないのは、一定の構成を持ったも
のではないので、規定できないからではないかと思っています。

 したがって、化学的な処理をしているとはいえ、これらは食品の
扱いになります。元が食品ですし、分解してアミノ酸の状態になっ
ているとはいえ、害はないだろうということなのでしょう。

 ただし、塩酸で分解したものは有害な塩素化合物ができていると
いうこともあり、決してほめられたものではないと考えています。

 また、たとえば小麦のグルテンを加水分解したものは、大量のグ
ルタミン酸を含みますので、こういうものを使って、「化学調味料
不使用」などというインチキな商品もできたりします。

 天然香料とならんで、食品添加物のグレーゾーンにあたるのです
が、こういうグレーゾーンを完全になくすことはできませんので、
やむを得ないものがあるとは思います。

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Q.「有精卵」という表示や基準についてお書きになったことがお
ありでしょうか。オスとメスの割合は(一箇所で飼うとして)どの
くらい以上にすれば有精卵と認められるのでしょうか。

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A.絶対に有精卵を産んでもらわないと困る養鶏場があります。そ
こではだいたいオス1羽に対して、メスは1〜5羽くらいではない
かと思います。

 有精卵でなければならないというのは、孵化させてヒナを誕生さ
せるのが目的の卵です。こうして孵化したヒナが、こんどは商業的
に売られていく卵を産んだり、肉になったりするのです。

 「有精卵」ということで商業的に売られているものでは、だいた
いオス1羽に対してメス10〜20羽くらいだと思います。

 私の知っているところでは、メス50羽に対して、オスを5羽、
一つの鶏舎に入れていました。

 しかし、こういう飼い方だと、オスの中で勢力争いが始まります。
1位になったオスが全体のボスになります。2〜3位くらいまでは
「コケコッコー」などとやっていますが、それ以下のオスはメスに
もいじめられたりして、結構悲惨です。

 そしてボスのオスも、50羽みんなを面倒みることはできないの
で、一部にはあぶれたメスが出てきます。

 ニワトリの性質上、どうしてもこうなるので、この養鶏場でも、
50羽のメスみんなが有精卵を産むわけではない、と言っていまし
た。したがって、自分たちは「有精卵」という言葉は使わない、と
断言しています。

 この論法で行けば、世の中で売っている「有精卵」はすべてイン
チキであると言ってよいわけです。孵化実験してみればわかること
ですが、100%孵化したという実験結果はないと思います。

 ところで、食べる立場から言えば、有精卵であることに別に価値
はありません。

 したがって、「有精卵」というのは単なる聞こえのよいキャッチ
フレーズにすぎず、無視するのが吉ですね。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「低温被害」
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 今年はずっと気温が低めで、各地で低温被害が出ています。私の
地元である和歌山でも同様です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 和歌山県は27日、4月25日に発生した低温による梅を中心とした
農作物の被害額が1億4818万円で確定したと発表した。梅の低
温被害は3月27日に次いで2回目。紀南地方では南高梅の出荷が始
まっているが、収穫量の減少が心配されている。

 被害を受けた作物は梅、柿、サンショウなど8品目。最も被害が
大きい梅は、みなべ町や田辺市を中心に被害面積203・8ヘクタ
ール、被害額9406万円に上った。低温で果実の組織が壊され、
傷が付いたり、黒ずんだりした。

http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=190497
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 山椒が和歌山の特産品であることはあまり知られていませんが、
梅は有名ですね。梅についてはこんな記事もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 和歌山県紀南地方で3〜5月に発生した低温や強風で梅を中心とし
た農作物に被害が出ていることを受けて、農林水産省の担当職員が
4日、田辺市やみなべ町の園地を視察した。

 農水省生産流通振興課の秋葉一彦課長補佐が、県職員らの案内で
みなべ町西岩代と田辺市秋津川にある梅の県営農地(パイロット)
を訪れた。秋津川のパイロットでは、梅農家が秋葉課長補佐に低温
被害を受けた果実や園地の写真を見せながら「3度の被害で、ここ
にはまともな果実がほとんど残っていない」と訴えた。地域で長年
続く生育不良の状況も説明した。

 入植者の田中稔さん(54)は「低温で小梅、古城はほとんどやら
れた。南高も少なく、収穫量は全体で昨年の1割あるかどうか。果
樹共済が適用されるか心配だ」と話した。

 秋葉課長補佐は、みなべ町東本庄の県うめ研究所や、田辺市中辺
路町栗栖川で発生しているクリの木の立ち枯れの現状も視察した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100605-00000005-agara-l30
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 入植者の話では被害は深刻なようですが、梅農家の話を真に受け
てはいけません。実態は以下のようなところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 紀南地方で南高梅の出荷が始まった。田辺市の青果市場にはコン
テナに入った青梅が運び込まれているが、今年は低温被害の影響で
出荷量は前年の7割程度で推移している。平均価格(1キロ当たり)
は2割ほど高くなっている。

 田辺市稲成町の田辺中央青果によると、入荷の始まった時期は昨
年よりやや遅い5月24日。6月2日までの入荷量は130トン(前
年172トン)と減少したが、平均価格は1キロ当たり300円程
度の高値で推移しているため、全体の売り上げは前年並みにとどま
っている。

http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=190913
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もちろん、個別には被害の大きなところもあるのでしょうが、全
体では7割程度の収穫になっています。しかも金額としては同程度
ですから、被害というほどのこともありません。

 不作で儲けるというのは農家にとっては不本意でしょうが、豊作
で損をするのと同様に、よくあることです。

 しかし、畑によっては被害が深刻で、利益が上がらないところも
出てきます。豊作のときは一様に損しますが、不作で儲ける人は限
られています。このあたりが「被害」の実態です。

 梅は畑によって収量が低下しやすい作物で、以前は近くにある火
力発電所のせいで被害を受けたということも言っていました。これ
は事実としては否定されてしまいました。今度は低温による被害と
いう理由で、支援を求めているという話です。

 さて、気になるのは夏に向けて、気温は大丈夫なんだろうか?と
いうことです。

 青森県の作柄状況の報告で、こんなデータがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

5月20日〜30日までの気象の経過(アメダス:黒石)
      本年  平年 平年差・比
平均気温 13.2℃ 14.7℃ - 1.5℃
最高気温 17.4℃ 19.4℃ - 2.0℃
最低気温  9.5℃ 10.3℃ - 0.8℃
日照時間 52.7hr 75.3hr  70%

5月14日〜30日までの気象の経過(アメダス:十和田)
      本年  平年 平年差・比
平均気温 11.3℃ 13.7℃ - 2.4℃
最高気温 16.1℃ 18.8℃ - 2.7℃
最低気温  7.2℃  8.6℃ - 1.4℃
日照時間 78.8hr 107.6hr  73%

※平年値はアメダス平年値(気温は1979〜2000年、
日照は1986〜2000年)を使用した。

http://www.applenet.jp/dataout/63/157/157_3001.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たしかにかなり低温傾向になっていて、稲の生育も遅れ気味のよ
うです。遅れが取り戻せればよいのですが、夏には暑くなってくれ
るのかどうか、心配ではあります。

 「寒春」という言葉があって、今年はそれに当たるのだそうです。
3〜5月の気温について、こういう表現になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2010 年

 春総合の平均気温は北日本で低く、東・西日本で平年並、沖縄・
奄美で高かった。この年は本州付近を低気圧や前線が頻繁に通過し
た影響で、全体的に寒暖の差がかなり激しく、曇りや雨の多い天候
不順の春だった。

 3月下旬から強い寒気が断続的に流れ込むようになり、特に4月
は東日本を中心に1996年以来の記録的な異常低温になった。

 3月6日から10日にかけては強い寒気の影響を受け、9日は南岸
低気圧の通過により、太平洋側で3月としては記録的な降雪になっ
た。

 また、3月の雪が稀な宮崎市や鹿児島市を含む九州南部でも2001
年以来10年ぶりに降雪が観測された。3月下旬は非常に強い寒気が
断続的に流れ込み、28日には静岡市で1958年以来52年ぶりにもっと
も遅い終雪を観測。

 箱根や御殿場市の静岡県東部から神奈川県西部にかけては3月中
旬以降としては記録的な大雪、近畿地方で桜開花後の異例の降雪、
御殿場市の30日の最低気温が-7℃と異常低温に見舞われた。これに
より、梅が霜害を受けるなどの被害を受けた。

 4月中旬はこの時期としては非常に強い寒気が流れ込み全国的に
極端な低温となった。4月16日は4月にも関わらず東京都心で最高
気温10℃未満の異例の寒さになり、宮崎市や鹿児島市でも100年ぶ
りの歴史的低温記録を塗り替えた。

 その翌日17日には強い寒気が南下していたところに南岸低気圧が
通過した影響で、東京都心や横浜市などを含む東日本で1969年以来
41年ぶりにもっとも遅い終雪の記録を更新した。

 しかし、その一方で、3月初めと中旬・4月上旬・ゴールデンウ
ィーク期間中の5月上旬・5月16日から24日にかけての期間は南か
らの暖気が流れ込み気温が平年を上回った時期があるなど寒暖の変
動が大きかった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%92%E6%98%A5
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この気温の推移は、グラフで見ることができます。

地域平均気温経過図
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/longfcst/regtemp.html

 これは指定した月から過去3ヶ月の気温の動向を、平年値との対
比で現したグラフです。最初は最新の2010年3〜5月を表示してい
ますが、過去に遡って自由に表示区間を選択できます。

 これを見ると、3月上旬〜中旬は暖かく、下旬から一気に寒くな
っているのがよくわかります。4月は一般に猛烈に寒く、5月は暖
かい時期と寒い時期が交互にやってきています。

 梅雨入りも遅れていますが、これから先、ちょっと心配です。

ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ

 宮沢賢治の時代よりは旱害、冷害の被害はずっと緩和されてきて
はいます。しかし天候によって農作物に被害が出るというのは、や
はり変わらない事実です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日はさわやかな天気で、6月とは思えないほどでした。でも
もうそろそろ梅雨入りですね。

 日曜日の深夜には小惑星探査機はやぶさ君が地球に帰還します。
オーストラリアの砂漠にカプセルが落ちることになっています。7
年間、数十億キロの旅路の最後です。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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