安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>551号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------551号--2010.05.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「続 放射線殺菌」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 現在の政府の動きに関して、食品安全委員会の唐木さんから、こ
んなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 21日にMixiの日記で次のような事態を紹介しました。問題の農
水副大臣が委員の任命を拒否することで実質的に遺伝子組み換えの
審査を止めてしまったのです。多量の遺伝子組み換え作物を輸入し
ている日本にとって、新規の作物は一切輸入できないことになり、
その影響は国際問題にまで発展する可能性があります。民主党が食
品安全委員会委員の人事を国会で否決したのも最近のことですが、
ホームページ問題の影でこんな重大な事態が進行していることにも
ぜひ注目してください。

*****
隠された異常事態!
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1493265917&owner_id=7199875

 遺伝子組み換え作物は、食品としての安全性と、環境に与える影
響を検討して、両方とも問題がなければ許可されます。

 食品としての安全性は内閣府に設置された食品安全委員会が審査
を行います。

 環境に与える影響は農水省と環境省が共同で設置する「生物多様
性影響評価検討会(以下、検討会と略す)」が審査を行います。こ
れまで年に数回開催されていました。

 ところが、今年の3月24日の検討会を最後に、4月以後の開催がキ
ャンセルされて、審査が止まってしまいました。委員の任期が3月
に終わったのですが、4月から新しい委員の任命について農水大臣
の許可が取れず、委員がいなくなったことが原因のようです。

 日本での審査が終わっていない遺伝子組み換え作物は、海外から
輸入することはできません。日本で使われている食用油や家畜の飼
料の大部分が遺伝子組み換えですから、審査が止まってしまうと、
今後、これらに大きな影響が出る可能性があります。

 しかし、具体的に何が起こっているのか、農水省から説明が行わ
れていません。

 「国民の生活が第一」というマニフェストを掲げて政権の座に着
いた民主党が、遺伝子組み換えのホームページの閉鎖に続いて、遺
伝子組み換え作物の審査までも止めたことについて何の説明もない
のはどういうことでしょうか?

 政策決定の経過を明らかにする「透明性」と、なぜそのような政
策をとるのかを国民に説明する「説明責任」をまったく無視して、
国民を馬鹿にしているとしか言いようがありません。

 あまり知られていないけれど、とても大事な問題なので、お知ら
せします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 政府がサボタージュしてどうするんでしょうか…。口蹄疫への対
応を見ていても、素人政権の怖さがよくわかります。能力と責任感
のない人が権力を持つとどうなるのかという見本ですね。

 話は変わりますが、先週は中国に行っていました。北京は4年ぶ
りですが、ずいぶんきれいになったものです。パリやロンドンより
明らかにきれいだとヨーロッパを知っている人が言っていました。

 少し田舎の方にも行きましたが、車窓から見る風景から、貧しい
と言われていた農村地帯にも、ようやく経済成長の恩恵が広まりつ
つあるようです。経済が成長して豊かになるというのはやはりよい
ことなんだと実感して帰って来ました。

 いつも悪口を言っている共産党政権ですが、やはりこの間よい仕
事をしていることは認めないといけないです。暴力により権力の座
にあるのは不当なことと思いますが、権力にふさわしい能力と責任
感は持っていると思います。

 それに比べて日本は…、という話になってしまいますね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.中華材料専門店で、春雨の大きなパックを買いました。で、そ
れを使った料理を食べると、私も旦那も腹痛と吐き気に襲われるの
です。最初は別の原因かと思いましたが、二度目も。。。春雨自体
に、食べ過ぎるとそういうことがあるのかな、と思い、それからず
っと春雨を口にしていません。

 中国産だから、もしかして。。。と思いますが、どこへ訊ねたら
いいのかもわかりません。そのパックは捨ててしまおうと思いまし
たが、まだ押入れに入れたままです。春雨料理を我が家で解禁にす
るためにも、検査にかけてもらいたいものですが、思い違いなら、
単なる迷惑ですし。どのようにすべきと思われますでしょうか。ご
教示願えれば、幸いです。

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A.春雨の原材料は「でんぷん」なんですが、中国製の春雨は「緑
豆」のでんぷんを使っています。それに対して国産のは馬鈴薯など
を使ったものがほとんどです。以下がその経緯の説明です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 春雨は、もともと、約1000年前に中国で緑豆を原料として作
られた“めん”で粉条(フェンティヤオ)・粉絲(フェンスー)と
呼ばれていました。

 日本には、大正時代に輸入され、原料に緑豆でんぷんを使用して
いることから豆麺と言われていました。また、その細くて透明な姿
が、春の雨の雨筋を連想させることから“はるさめ”と言う粋な名
が付けられ、それが現在の一般的な名称となりました。

 昭和初期に、緑豆でんぷんを用いた春雨について日本でも製造が
試みられましたが、技術的な問題(緑豆からのでんぷんの分離など)
があり、成功しませんでした。

 昭和10年代になり、原料を国産の馬鈴薯・甘藷でんぷんを使い、
冷凍乾燥法を取り入れることにより技術面での改良がされたことで、
日本でも春雨が製造されるようになりました。戦後一時期、中国か
らの豆麺の輸入がなくなったことや学校・団体・工場給食から一般
家庭へと利用者も広がったこともあり、急速に日本での生産量が増
加しました。

http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/kouhoushi/tokusyuukiji/products_knowledge/st48.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このページにも書かれていますが、緑豆春雨は煮崩れしにくいの
が特徴です。ただし、どうも消化が悪いということもあるようです。
春雨を食べて腹痛になったという話はときどき聞きます。

 症状などから、それ以外の原因が疑われるときは、最寄りの消費
生活センター等に持ち込んで相談してみてください。

http://www.kokusen.go.jp/map/index.html

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Q.先ほど4歳になる娘とジャムを食べたのですが、残ったジャム
の一部に2ミリほどの白カビが生えてました。気づかず結構な量を
食べてしまいましたが、大丈夫でしょうか?

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A.大丈夫かどうかは子どもの健康状態を見るしかないです。たぶ
ん何事も起こっていないと思いますので、心配するのは無意味です。

 もし症状が出ているようなら、診察を受けてください。

 一般に、カビの生えた食品は食べない方がよいのですが、もし食
べてしまったとしても、急性の症状が出てくることはまずありませ
ん。

 慢性の毒性に関しては何とも言えないですが、数多くあるリスク
因子の一つとして考えられないこともないという程度のことです。
でも、避けられるリスクですので、気付いたときは食べないように
しましょう、というのが私がいつも言っていることです。

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Q.1歳になりたての子供がマーガリンを食べました。量がはっき
り分からないのですが、気付いたら手と口周りがマーガリンでベト
ベトでした。その後、機嫌良く遊んでいました。

 2、3時間くらい経った時オエッと少し黄色っぽい痰を出しました。
それからすぐお昼寝し、起きるのと同時に嘔吐しました。マーガリ
ンの匂いがしました。

 熱はありません。機嫌も良いです。ですので、病院へは行ってい
ないのですがきちんと検査を受けたり、胃や腎臓…など調べてもら
ったりした方が良いのでしょうか?

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A.マーガリンは脂肪のかたまりといったものですから、小さな子
が直接たくさん食べると、胃で消化しきれなかったのでしょうね。

 結構ありそうな話と思います。こういう場合、戻して出てしまえ
ばそれでおしまいと考えてよいのではないでしょうか。

 症状があれば診察してもらうべきですが、症状もないのに診察し
ても、何も言うことはないと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「続 放射線殺菌」
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 前回の放射線殺菌の続きです。

 放射線殺菌がどのようなものであるかは、ネット上で簡単に調べ
ることができます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品照射とは、殺菌、殺虫、発芽防止などの目的で農産物や食品
に放射線(γ線、X線、電子線)を照射することをいい、乾燥、加
熱、冷凍などと同じく物理的な食品処理技術の一つです。

 我が国では、世界に先駆けて1974年からコバルト60のγ線照射に
よる馬鈴薯(じゃがいも)の芽止めが実用化されていますが、それ
以降は他の食品に応用が広がる事はなく、今もなお食品照射は馬鈴
薯の芽止めを除いて原則として禁止されています。

 しかし、世界的には、害虫やカビ、腐敗菌による収穫後の被害と
食糧の損耗を防ぐ手段として、また食品の衛生化と食中毒防止の対
策として、あるいは遠隔地からの農産物に対する検疫の手段として、
欧米やアジア各国など50余カ国で200種を越える食品に対して照射
が許可されています。

 さらに近年、環境面から従来使用されているガス燻蒸や化学処理
が制限されるようになったこともあり、食品照射が世界的に広がり
つつあります。

http://foodirra.jaea.go.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このサイトは「食品照射データベース」で、日本原子力研究開発
機構のものです。ここにはいろんな文献などが紹介されていますの
で、放射線殺菌を語るときは見ておくべきサイトです。

 私は放射線殺菌について、特に反対する理由はなく、使い方を整
備して有効に使っていけばよいと考えています。

 放射線殺菌の欠点というと、放射線源がかなりヤバい物質なので、
そう簡単には扱えないということです。しかるべき管理をされた施
設が必要なので、公的機関の関与がどうしても必要です。

 X線発生装置程度の設備でよいのであれば、どこの工場にもある
ということもできるのでしょうが、放射性同位元素を使うのは普通
には無理というものです。

 放射線殺菌をしたものかどうかは、後から見分けることができま
す。放射線そのものは残りませんので、その影響を見るのです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q8:照射した食品かどうかを見分けることはできますか?

A8:照射の有無を判定する検知法があります。たとえば、外国から
輸入した香辛料や茶葉が放射線照射で殺菌されたものかどうかを判
定することが可能です。

 照射食品では、本来、農薬や添加物による処理と異なり食品中に
残留する化学物質がなく、照射によって食品に生じる変化も加熱処
理などと大差がないため、照射の有無の検知は比較的困難ですが、
線量計の原理を応用した熱ルミネッセンス(TL)法や電子スピン共
鳴(ESR)法など、いくつかの方法が開発されています。EUでは10
種類のヨーロッパ標準法(CEN標準分析法)を制定し、それらは国
際食品規格(コーデックス)の標準分析法としても採択されていま
す。

 EU加盟国の多くはそれらの分析法を用いて市場食品のサーベイラ
ンスを行っており、例えば薬味を照射殺菌した韓国製即席麺などが
違反として摘発されていますが、その大半は、照射すること自体は
許可されているのに照射食品である旨を正しく表示していなかった
「表示違反」です。

 日本でも2007年、初めてTL法に基づく検知法が厚生労働省通知法
(食安発第0706002号)として定められ、検疫所での輸入食品モニ
タリング検査に使われています。ところが、日本では、照射食品の
安全性に関するWHOなどの判断を受け入れるかどうかの検討を怠り、
グローバルスタンダードから取り残されたまま、照射食品は(芽止
め馬鈴薯を除いて)安全性が確認されておらず許可しないという建
前ですから、「輸入食品の安全をまもるために」違法な照射食品を
検知し、食品衛生法違反として摘発することが行われています。

 しかも、その厚生労働省通知法は、CENやコーデックスなど国際
的な標準法との整合性のないままに導入されているため、輸出国
(外国)と輸入国(日本)で判定結果の食い違いや紛争が生じかね
ないと懸念されています。

 なお、米国とカナダでは、「照射食品は安全なものであり、検知
は不要」との考えから、検知は行っておらず、公定検知法もありま
せん。

http://food-entaku.org/ir-qa-2.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さて、ここにも出ていますが、今回の論点は、以下に紹介するブ
ログに書かれていることです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

放射線殺菌と輸入食品

 放射線殺菌って、ご存知ですか?

 食品に放射線を照射することにより、主に殺菌などの目的で使用
されています。日本では、ジャガイモの芽が出ないようにするため、
ジャガイモにだけ放射線殺菌の使用が認められています。

 日本以外でも約20カ国で、実際に使用されています。

 放射線照射の主な利用例をご紹介します。

○乾燥野菜

 細菌胞子による汚染の除去に利用されています。

○香辛料

 コショウやカレー粉に、細菌胞子による汚染の除去に利用されて
います。香辛料の場合、加熱やガスによる殺菌と比べて香りが飛び
にくいなど、放射線照射は香辛料の殺菌法として最も優れていると
いわれています。

○水産物

 オランダ・ベルギーで、エビなどの、腸炎ビブリオやコレラ菌等
の殺菌に使用されています。生の水産物の場合、薬品以外の殺菌法
は、放射線殺菌しかありません。

○畜産物

 鶏肉のサルモネラ菌の殺菌として、フランスやオランダで利用さ
れています。

○果実類

 フランスで、イチゴに利用されています。イチゴは種の部分に菌
が多く、さらに冷蔵してもイチゴの腐敗菌は低温でも繁殖するため、
長持ちしませんでした。

 フランスでは、包装時に放射線を照射することにより、商品の棚
期限を約1週間延長させています。

○穀類

 ウクライナで、輸入小麦の放射線殺菌を行なっています。その他
の多くの国では、臭化メチル処理が行なわれています。環境汚染の
立場から、臭化メチル処理の代替技術として、放射線殺菌が注目さ
れています。

 このように、各国で放射線の利用がされています。日本でも、ジ
ャガイモ以外にも放射殺菌を利用しようという動きもありますが、
消費者団体や生協などの猛反発にあい、実現されていません。

 ところで、今回放射線について書いたのは、こんなニュースがあ
ったからです。

 2008年11月21日、厚生労働省が、7月に中国から輸入し
た唐辛子に放射線が照射されていたと発表しました。既に全量消費
されていましたが、健康被害の訴えはないそうです。

 前述したように、日本ではジャガイモにのみ放射線照射が認めら
れいますが、ヨーロッパや中国などでは、香辛料の殺菌にも放射線
が使用されています。

 ここで注意していただきたいのは、放射線は残っていないという
ことです。残ってはいないのですが、食品の中に放射線が当たった
ことが原因で出来る物質があり、それを検出することで分かるのだ
そうです。

 「放射線は残っていない」

 これをどう考えるかにより、対応が変わってくるかと思います。

 今回の報道では、厚生労働省は「食品衛生法違反になる」と判断
しました。

 ですが、例えば農薬の場合、栽培時に日本では禁止されている農
薬を使用していたとしても、輸入時に農薬の残留がなかった場合、
違反にはなりません。

 なので、放射線の残留のない食品が「食品衛生法違反」になるの
かどうかというのは、少し微妙な気がします。

http://shokuhin.6bangai.biz/archives/567406.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「日本で禁止されている農薬を使っても、残留していなければ違
反にならない。日本で認められていない放射線殺菌を行っていても、
放射線は残留していないので、やはり違反にならない。」という論
理は正しいのではないでしょうか?

 原産国で放射線殺菌をしたものが日本で食品衛生法違反になると
いう、厚労省の見解は間違っているのではないか?というのが今回
提起したいことです。

 みなさんのご意見をお願いします。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 8泊9日の中国行きでした。北京以外に青島と延吉に行きました。
延吉というのは延辺朝鮮民族自治州の州都で、北朝鮮国境にほど近
いところです。国境の橋には中程に国境線が引かれていて、そこま
では歩いて行くことができます。北朝鮮情勢が緊迫している中、こ
んなところに観光に行くというのも酔狂なことです。もちろん、私
が自発的に行ったのではなくて、ツアーの一部です。

 上の方で車窓から農村地帯を見た、と書いたのはこのときのこと
です。初めてのところなので、以前と比べたのではありませんが、
中国の農村も変わりつつあるというのが私の印象でした。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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