安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>540号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------540号--2010.03.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「トランス脂肪酸」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の記事について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ホメオパシーについて思うところがあったので、メールさせても
らいました。

 というのも、友人がかなり信仰が厚く、心配しております。

 中でも「予防接種は危険」と教えられているようで、子供に予防
接種を受けさせない方針だそうです。

 しかもこのような人達が、友人だけに限らないようです。

 実際に結核やその他重い伝染病が流行った時にホメオパシーで対
処できるのでしょうか?

 ホメオパシーやマクロビが宗教の域に達しており、周囲の意見を
聞こうとしません。

 ということで、渡辺さんのように反対意見をスパッと言ってくれ
る方がおられると、非常に嬉しいです。これからも貴重なご意見を
声を大にして発信して下さい。応援しています!

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 宗教の中には「輸血を拒否する」などというところがありますが、
信仰上の理由によるわけで、それが身体によいとか考えているわけ
ではありません。

 健康になりたいために、有効な手段を拒否するというのは本当に
困ったものです。

 「ホメオパシーやマクロビ」などの理屈にもなっていないニセ医
療に騙されるというか信じてしまうというのは全く理解できないで
す。

 次は農業関係の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも貴重な情報を届けていただき、ありがとうございます。

 メルマガでご紹介いただいた、「日本は世界5位の農業大国」の
本、アマゾンに予約注文しました。まだ届いていませんが、届いた
らすぐ読みたいと思います。

 農業関連、食関連の情報にウソが多いというのは、以前私もその
分野に関わっていただけに、よくわかります。田舎暮らしをやたら
と都会のマスコミが宣伝するのも、いやらしさを感じずにはいられ
ません。

 「ネタ不足」だとのこと。よろしければ、私のネタをお使いくだ
さい。大地を守る会の社長のウソを暴いた記事です。

「大地」は守れるか?−「ダイコン1本からの革命」のウソ
http://mscience.jp/truth/?p=456

 十分ご承知とは思いますが、所詮この程度の人間たちが進めてい
るのが、「有機農業」というものです。

 下の映画はなかなかすごいオーガニック・オカルト映画でした。
大地の藤田社長が推薦文を書いているだけのことはあります。

情報操作映画「未来の食卓」を、みんなで見に行こう!
http://mscience.jp/truth/?p=367

 記事の引用など、ご自由になさってください。

 渡辺様のように、事実を公開することこそが、食の安全や安心に
つながるものと考えます。これからも良い情報を公開していただけ
ればと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「野菜セット」の話はなつかしいですね。私も毎日、農家からと
れた野菜の数を連絡してもらって、翌日の配達のセット組みをする
ということをやっていました。

 一時はそれから農家までトラックで行って、野菜を積んできたり
していました。

 そういうのは私のところのような小さな規模でこそ可能なことで、
大規模にやろうとすればどうしてもウソが混じるものです。

 そのウソを自慢するからツッコミが入るわけで、きれいごとは言
わない方がよいですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.産直で買った干し柿を常温で置いていたら、二、三日の間にカ
ビが生えてしまいました。もったいなかったので、カビの付いた外
面を除けて中身だけを食べました。食べてから33分経ちますが今
のところ何ともありません。非常に美味しかったのですが、「食べ
なければ良かった」とちょっと今頃になって後悔しています。大丈
夫でしょうか。

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A.干し柿に白い粉がふくのはカビではないことが多いですが、青
いものが出たらやっぱりカビです。

 中身だけ食べて悪いわけではありませんし、昔の人はそうしたと
思います。

 少しくらい食べても別にどうということはないですから心配には
及びません。

 でも、やはりカビの生えたものは食べない方がよいと思うので、
これからは注意するようにしましょう。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「トランス脂肪酸」
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 「トランス脂肪酸」が自主表示になるとか、ニュースで混乱して
います。消費者庁が発表しているのは、以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

トランス脂肪酸の表示に向けた今後の取組について

平成22年3月9日

消費者庁

 消費者庁では、トランス脂肪酸の表示に向けた今後の取組につい
て、以下のとおり取りまとめましたのでお知らせいたします。

1.背景

トランス脂肪酸の摂取に関しては、国際的に、

(1) WHOの「食事、運動と健康に関する世界戦略」(2004年)に
おいて、「脂肪由来のエネルギー摂取量を抑え、脂肪消費の内容を
飽和脂肪酸から不飽和脂肪酸に変え、トランス脂肪酸の除去を目指
す」とされ、

(2) 食事、栄養および慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家
会合の報告書(2003年)では、「一日当たりの総エネルギー摂取量
の1%未満とする」という目標が示されている。

 一方、日本人一日当たりの摂取量は、食品安全委員会の調査結果
によると、総エネルギー摂取量の1%未満となっている。ただし、脂
質の多い菓子類や食品の食べすぎなどの偏った食事をしている場合
では、平均値を大きく上回る摂取量となる可能性があるとされてい
る。

2.これまでの取組

 消費者庁では、昨年12月以来、関係省庁とともに「トランス脂肪
酸に係る情報の収集・提供に関する関係省庁等担当課長会議」を開
催し、トランス脂肪酸の摂取量や健康への影響等に関する情報収集
等を行ってきた。

 この中で、多くの食品事業者が、トランス脂肪酸の含有量を低減
する取組を進めており、また、自社ホームページ等を通じて、その
情報開示に努めている事例もあることがわかった。

 一方で、(1)トランス脂肪酸の定義や分析法等の表示ルールが
定まっていない、(2)同じく心血管系疾患等のリスクを高める飽
和脂肪酸やコレステロールと一体的に捉える必要があるといった問
題意識から、積極的な表示に踏み切れないでいる事業者も多いこと
が明らかとなった。

3.今後の取組方針

上記のような状況を踏まえ、今後、以下のとおり取組を進めていく
こととする。

(1)消費者に対する情報提供の充実

1.栄養バランスのとれた食生活の大切さやトランス脂肪酸など脂
質に関する情報が正しく伝わるよう、関係省庁と協力して消費者に
対し普及啓発を図る。

2.食品事業者がトランス脂肪酸の低減策を進め、消費者に情報開
示する取組を促進するため、関係省庁と協力して以下の措置を講ず
る。

1)油脂関係の技術者、専門家等の協力を得て技術作業チームを構
成し、トランス脂肪酸の定義や分析法、認められる誤差等のルール
や、飽和脂肪酸、コレステロールの表示ルールについての技術的な
課題を整理した上で、事業者が情報開示を行う際の指針となる「ト
ランス脂肪酸の情報開示に関するガイドライン」(仮称)の策定を
検討し、本年夏を目途に取りまとめる。

2)1)の取組と並行して、食品事業者に対し、容器包装や自社ホ
ームページ、商品紹介の機会等、様々な場面を通じて、トランス脂
肪酸に関する自主的な情報開示の取組を進めるよう要請する。併せ
て、飽和脂肪酸やコレステロールについての情報も開示するよう要
請する。

(2)表示の制度化に向けた検討

 トランス脂肪酸の表示の制度化に向けて、関係省庁の協力を得つ
つ、引き続き検討を進める。

 具体的には、上記の技術作業チームにおいて、国内外の事例の調
査・分析等を行い、議論のための基礎データを作成した上で、有識
者等で組織する検討の場を設けて制度設計に向けた検討を進める。

http://news.e-expo.net/gyousei/2010/03/post-102.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 何も決まっていませんが、これから決めていくことを発表します、
といういかにも今の政権らしいピンぼけぶりですが、確かに表示す
るとしても一体何を表示するのか?という問題があったりします。

 分析機関の広告では、以下のようになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

* トランス脂肪酸

 炭素数18のモノ・ジおよびトリトランス脂肪酸の合計値

* 検査法

 ガスクロマトグラフ法

http://www.kenko-kenbi.or.jp/tkf/009_science_center/18transfat/009_18_00_00.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 炭素数18の脂肪酸は確かにメジャーですが、それ以外は測らな
くてもよいのでしょうか?

 炭素数18の脂肪酸には、こんなものがあります。

「飽和脂肪酸」ステアリン酸

「一価不飽和脂肪酸」オレイン酸

「二価不飽和脂肪酸」リノール酸

「三価不飽和脂肪酸」リノレン酸

 オレイン酸の不飽和結合がシス型からトランス型に変ったものが
エライジン酸というのだそうです。リノール酸やリノレン酸は複数
の不飽和結合を持っているので、複数のトランス脂肪酸を作るので
しょうが、それらを全部合計するというわけです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

トランス脂肪酸の化学

「トランス脂肪酸とは」

 トランス型の不飽和結合を有する脂肪酸を、「トランス脂肪酸」
といいます。脂肪酸の不飽和結合がシス型の場合、脂肪酸の立体構
造は、不飽和結合の位置で屈折します。不飽和結合がトランス型の
場合は、脂肪酸全体の構造は直線的で、飽和脂肪酸の立体構造に似
てきます。脂肪酸の立体構造は、その物理化学的特性にも影響を与
えます。例えば、エライジン酸C18:1(9-trans)の融点は、オレイン
酸 C18:1(9-cis)の融点と、ステアリン酸C18:0の融点の中間値にな
ります。

「トランス脂肪酸の種類」

 脂肪酸のひとつの不飽和結合において、シス型とトランス型の2
種類の結合がありますが、それらを幾何異性体として区別します。
例えば、9位に不飽和結合のあるC18:1の脂肪酸は、シス型がオレイ
ン酸C18:1(9-cis)、トランス型がエライジン酸C18:1(9-trans) で
す。脂肪酸の不飽和結合数が増加すると、その異性体も2の累乗で
増えます。不飽和結合の3つあるリノレン酸C18:3は、8種類の異
性体があります(図3)。2003年米国食品医薬局の報告書や2006年
のコーデッスク委員会において、「トランス脂肪酸とは、少なくと
も1つ以上のメチレン基によって離された共役型(飽和結合で連結
された不飽和結合の組み)ではなく、トランス配位の炭素−炭素二
重結合をもつ、単価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸のすべての幾
何異性体」と定義されています。

(略)

「トランス脂肪酸の分析」

 トランス脂肪酸含有量については、アメリカ油化学会等が確立し
た各種の公定法に従って分析するのが一般的です。食品に含まれる
トランス脂肪酸の分析は、食品から脂質を抽出し、その構成脂肪酸
をメチルエステル化した後、ガスクロマトグラフィーで分析します。
しかしながら、多様なトランス脂肪酸を含む脂質の場合や、複雑な
脂肪酸の混合物からなる脂質の場合は、ガスクロマトグラフィーだ
けではトランス脂肪酸の測定が十分にできません。その場合、ガス
クロマトグラフィーで脂肪酸を分析する前に、硝酸銀含浸薄層クロ
マトグラフィーや硝酸銀含浸カートリッジカラム法で、予め脂肪酸
メチルエステルをある程度まで分離しておく必要があります。

http://www.nfri.affrc.go.jp/yakudachi/transwg/kagaku.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また、消費者庁の文書にもあるように、飽和脂肪酸やコレステロ
ールを無視するのも問題があります。

 アメリカの制度では、以下のような表示になっています。これは
必ず表示しなければいけないらしいです。

Calories ..Kcal (カロリー)
Calories from fat ..Kcal (脂肪由来のカロリー)

Total Fat ..g  (総脂肪)
Saturated fat ..g  (飽和脂肪酸)
Trans fat ..g  (トランス脂肪酸)

Cholesterol ..mg  (コレステロール)
Sodium ..mg  (ナトリウム)

Total Carbohydrate ..g  (炭水化物)
Dietary fiber ..g  (食物繊維)
Sugars ..g  (砂糖)

Protein ..g  (タンパク質)

 この他、ビタミンA、C、カルシウム、鉄も表示されますが、%
表示になるようです。上記の各項目にも、それぞれ%表示もついて
います。

 これは一日の必要摂取量が決められていて、その何%にあたるか
を示しているようです。

 日本でもこのような表示を決めようとしているわけですが、いく
つか問題もあります。

 まず、日本では栄養成分表示は必須ではありません。食品の表示
には原材料などの必須項目がありますが、栄養成分表示は任意の扱
いです。これを必須表示にするのかというのが第一の問題です。

 昨年、消費者庁の某大臣が、トランス脂肪酸の表示義務を、など
と言っていましたが、彼女は栄養成分表示が任意であることも知ら
なかったようです。そしてすべての食品に栄養成分表示を求めるの
は、お得意の零細企業いじめになってしまいます。

 現実にはかなり難しいので、「自主表示」として今度は大手企業
だけをいじめようというわけです。

 栄養に関しては国民みんなが病気というレベルになってしまって
いるアメリカで栄養成分表示が求められるのは理解できますが、日
本では別にいらないんじゃないか?というのが率直な感想です。

 トランス脂肪酸についても、実害がなく、誰も困っていないこと
をネタに、生産者をいじめるのはいかがなものかと。

 日本人の平均では、トランス脂肪酸の摂取量は取るに足らないと
いうか、求められる規制値以下であることは間違いありません。

 一部それをオーバーする人も確実にいますが、それは食品のせい
ではなくて、単なる食べ過ぎです。成分表示に意味があるとは思え
ません。

 こういうことこそ、税金の無駄遣いだと思うのですがね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 トランス脂肪酸の量というのが、C18の脂肪酸のみとなってい
るのははじめて知りました。C18が圧倒的に多いのは確かですが、
その他は無視とは…。

 消費者庁発表の文書なのに、リンク先が他のところになっていま
す。このところ農水省、厚労省など、お役所のサイトが全面的にリ
ンク切れになっています。おまけにPDFですし、リンクする価値
がないと判断して、それを紹介しているところにリンクしています。

 URLは変えてはいけなというのがインターネットの原則なんで
すが、過去の情報を隠したいのでしょうか、かなり頻繁に変えてく
るのです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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