安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>534号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------534号--2010.01.31------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「糖質ゼロ」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 タバコに関して、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「受動喫煙で過敏症」 岩手県職員が賠償求める

 公務中の受動喫煙により化学物質過敏症を患ったとして、岩手県
遠野市の県職員の男性(38)が県に約765万円の損害賠償と職
場環境の整備などを求めた盛岡地裁での労働審判が解決に至らず、
民事訴訟に移行したことが12日、分かった。

 労働審判の申立書によると、男性は2008年1月ごろ、公務の
ため公用車を運転し、車内に充満していたたばこの煙で鼻の痛みや
呼吸困難を発症。その後も症状が悪化、医師に化学物質過敏症と診
断され、昨年7月まで約1年間休職することになったとしている。

 男性側は「受動喫煙を防止するための措置を講じなかった県の行
為は安全配慮義務に違反しており、(職場環境の改善など)十分な
対策も取るべきだ」と主張している。

http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010011201000894.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「化学物質過敏症」というあたりは怪しげですが、いずれはこん
な訴訟がおこるだろうとは思っていました。

 これは公用車の中でタバコを吸った人が悪いです。庁舎の中では
タバコを自由に吸えないはずですが、なぜ公用車を禁煙にしない?
と思いますね。

 今後、こういう訴訟は増えていくと思います。一番気になるのは
列車の乗務員やタクシーの運転手です。新幹線に乗ると、喫煙車両
というのは向うの端が見えないほど空気が汚れています。あの中を
強制的に歩かされるのですから、ガンになったら責任をとってもら
いたくなるでしょう。

 アスペストの例を見ても、こういう訴訟を起こされたら、企業側
はまず負けると思います。一刻も早く禁煙にすべきなのに、いった
い何を考えているのでしょうか。新幹線を全面禁煙にしたら飛行機
との競争に負ける、などと考えているのだったら全く馬鹿な話です。

 さて、日本ではこんな状況ですが、世界的にはタバコの規制はす
でに峠を超えて、次のターゲットはアルコールなんだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

アルコール規制強化、各国に要求 WHOが指針案採択

 アルコールの販売や広告の規制を求める指針案が22日、世界保
健機関(WHO)の執行理事会で採択された。いき過ぎた飲酒など
を健康面だけでなく社会への「害」ととらえ、各国の自主規制で減
らすことをめざしている。5月のWHO総会で正式合意する見込み。

 指針案は「アルコールの有害な使用を減らす世界戦略」。WHO
は、たばこ追放運動にめどがついた後、「年250万人の死にかか
わる」とアルコールに焦点をあててきた。

 指針案には、課税による価格引き上げや幅広い販売規制が盛り込
まれている。法的拘束力はない。北欧など規制推進派と、酒メーカ
ー大手を抱える米国など消極派が対立したが、具体策を各国に委ね
ていることから、妥協が成立し、全会一致となった。

 欧米では飲み放題の禁止やテレビ広告の制限が広がりつつある。
今回の採択でさらに弾みがつきそうだ。

■「アルコール世界戦略」の対策例

・小売りする日や時間の規制

・イベントなどでの販売規制

・10代の若者の飲酒を防ぐ「障壁」の確立

・酒の広告内容や広告量、メディアの規制

・スポーツ・文化イベントのスポンサー規制

・公共の場での飲酒をめぐる施策

・若者を対象にした販売促進の禁止や制限

・飲み放題、値引き販売の禁止や制限

・アルコール課税、最低価格の導入

http://www.asahi.com/national/update/0123/TKY201001230147.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私もタバコは全面禁止を、などと威勢のいいことを言っています
が、アルコール規制になるとどうも困ってしまいます。

 でも、社会的にはアルコール類も一定の規制があるべきものだ、
ということは間違いありません。「対策例」はどれも妥当なもので
す。

 日本ではどうしてもこういう対策が遅れて、世界の趨勢からは落
ちこぼれるのですよね。まもなく周回遅れというところです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.酵素についてですが、酵素は高熱では破壊されてしまうと聞き
ましたが、酵素玄米というものは、どこの時点で酵素が作られるの
でしょうか?酵素玄米は保温ジャーの中でずっと腐らないようです。
本当ですか?

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A.べつに「酵素玄米」でなくても、保温ジャーの中のご飯は腐ら
ないです。

 保温ジャーの働きを温めているだけと思っている人もいますが、
あれは一種の「温蔵庫」で、微生物が繁殖できる温度よりも高い温
度を維持して、腐らないようにしているのです。

 また、この温度(70℃以上)では、食品中の酵素も失活します。
酵素というのは実はタンパク質で、熱によってその働きを失ってし
まうのです。この点はご質問のとおりです。

 だから、「玄米を圧力鍋で炊き、保温したもの」で酵素の出る幕
はありません。また発酵とやらも不可能です。

 発酵というのは微生物が繁殖することによって、食品の性質が変
ることを利用した食品加工法をいいます。この過程は本質的には腐
敗と同じものなのです。微生物が繁殖しない温度にしている以上、
発酵がおこるはずもありません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

酵素玄米とは、玄米を小豆、塩と一緒に特殊な高圧力釜で炊くこと
によって発酵させ、有機ゲルマニウムの発生した健康のパワーあふ
れる玄米ご飯です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こんなことを言っているようですが、全く根拠不明というか、言
葉が意味をなしていません。「有機ゲルマニウム」に至っては何を
言っているのだかわかりません。

 いろんな器具を売るための、詐欺商法の一種だと考えてよいと思
います。

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Q.藤井大丸で兵庫産の足のとれたカニ1300円で2匹豆腐のよ
うな身で、鍋ごと全部捨てました。安物買いの銭失い。しかし腐っ
たようなカニは、漁師が捨てるべきでは?

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A.カニにはときどきこういうのがあるのですよね。別に悪意があ
って販売していたのではないと思います。

 こういう場合、通常の苦情として販売店に持ち込んで、交換して
もらうのが普通の対応です。

 捨ててしまったあとでも、たいていの場合、状況を説明すれば対
応してくれると思います。一度連絡してみることをお薦めします。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「糖質ゼロ」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最近よく、「糖類ゼロ」・「糖質ゼロ」という謳い文句の商品が
たくさん売られていますが、これを食べていれば太らないと言うこ
とでしょうか。

 太らないようにと好んで食べていますが、甘さをすごく感じます。
確かに「ゼロ」と言っても、飲料だと100ml当たりの糖質が0.5g未
満は「ゼロ」表示ができるので、少なからず糖質を摂っていること
になります。

 でも、そういった商品を選んで食べ続けていたほうが身体に良い
のでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「糖類ゼロ」でも甘さを感じるのは、糖類にカウントされない物
質が入っているからです。いわゆる甘味料にあたりますが、その種
類には結構いろいろあります。

 アスパルテームなどの人工甘味料もありますし、ソルビトールや
キシリトールなどの糖アルコール類も、基本的に消化吸収しないと
いうことで糖類には入れないと思います。

 また、「ゼロ」と書いていても実際にはゼロでないというのは、
ご指摘のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
適切な摂取ができる旨の表示について守るべき基準値一覧表
(食品100g中、カッコ内は飲料100ml中)

■含まない旨の表示(絶対表示)

「無」、「ゼロ」、「ノン」その他これに類する表示をいう。

熱量(カロリー) 5Kcal(5Kcal)
脂質 0.5g(0.5g)
飽和脂肪酸 0.1g(0.1g)
コレステロール 5mg(5mg)
      かつ飽和脂肪酸の含有量1.5g (0.75g)
      かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10 %
糖類 0.5g(0.5g)
ナトリウム 5mg(5mg)

■低い旨の表示(絶対表示)

「低」、「ひかえめ」、「少」、「ライト」、「ダイエット」その
他これに類する表示をいう。

熱量(カロリー) 40Kcal(20Kcal)
脂質 3g(1.5g)
飽和脂肪酸 1.5g(0.75g)
      かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10 %
コレステロール 20mg(10mg)
      かつ飽和脂肪酸の含有量1.5g (0.75g)
      かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10 %
糖類 0.5g(0.5g)
ナトリウム 5mg(5mg)

■注意事項

※「高」「含む」の強調表示は、100g(又は100ml)に換算し、そ
れぞれの基準を満たしていれば強調表示をしても問題はないが、1
回当たりの摂取量が少ない場合、ミネラルやビタミンが相当量摂取
できるような誤解される表示は適切な表示ではない。

 また、このような食品において、栄養成分含有量を100g当たりで
表示することも適切でなく、1 枚当たりや1 袋当たりなどで表示す
るのが親切な表示といえる。

※「砂糖不使用」の表示については、強調表示基準は適用されない。
ただし、砂糖の表示は栄養成分に関する表示に該当するので、一般
表示事項の表示は必要であり、その際、ショ糖の量を記載する。

 なお、砂糖を原料として使用していなければ、その食品本来の成
分としてショ糖が含まれていたり、他の糖類を使用していても「砂
糖不使用」と表示できる。

※「食塩無添加」の表示についても、同様に強調表示基準は適用さ
れないが、一般表示事項の表示は必要である。

 なお、その食品本来の成分としてナトリウムが含まれていても
「食塩無添加」の表示はできるが、食塩以外の形であってもナトリ
ウムを添加していれば、「食塩無添加」の表示は行わないこと。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/image/panfu01.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ゼロでなくてもゼロと表示できる」という制度を、誰が思いつ
いたのか、実に不思議です。「ゼロ」と表示してもよいよ、と言わ
れれば、売りたいためにそう書いてしまうメーカーが現れるのは不
思議ではありませんが。

 ご質問の答えとしては、以下のようなところが妥当と思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「ゼロカロリーの炭酸飲料は本当に太らないのか」という質問。
これについては、「ゼロカロリーコーラ単体を飲む場合、カロリー
はゼロなので太らないのですが、炭酸が胃を刺激するので食欲が増
し、吸収しやすくなってしまいます」(平野さん)。

 それでも、砂糖たっぷりの甘いコーヒーより、ゼロカロリーコー
ラのほうが断然よいという。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090119/1022879/?P=2
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 砂糖の入ったものをやめられないのなら、「糖質ゼロ」や「カロ
リーゼロ」のものに換えるのは意味があるということです。もちろ
ん、そういうものをやめられるのなら、それに越したことはありま
せん。

 それで、全体としてそういう甘いものをやめられない人が、「ゼ
ロ表示」のものを選んでも、たいした効果は期待できないというの
が本当のところだと思います。

 それ以前に、こういうことを気にしているのは、実際には肥って
いるわけではなく、何とかしないといけないほど肥っている人はか
えって何も気にしていなかったりします…。


 ところで、先日発売になった「食のリスク学」という本の中で、
いろんな迷信をまきちらす、「フードファディズム」の話が出てき
ます。

 その中で、注意してほしいのは食品を作っている企業は、「フー
ドファディズム」の被害者であるとともに、加害者でもある、とい
う指摘がありました。

 以下はキャッチコピーについての部分の引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

キャッチコピーで行間を読ませる

高橋 それにしても,キャッチコピーで行間を読ませる手法がかな
りひどい。このように、いかにもこれさえ飲めばやせるみたいに書
いてある。

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 燃焼系飲料 YASERUNDES

 「カルシウム」「食物繊維」は補給。「カロリー」「脂肪」はさ
ようなら。YASERUNDESはアンバランスな現代人の食生活を考えたカ
プサイシン入りの引用です。カプサイシンはトウガラシに含まれる
辛み成分。体脂肪の燃焼を促進する作用があるといわれています。
ちょっぴり辛いYASERUNDESをダイエットのおともに。

(強調して)カロリーオフ

栄養成分(100mlあたり):エネルギー19KCal タンパク質0g 
脂質0g 糖質 4.7g ナトリウム12mg カルシウム7mg 食物繊維
0.3g

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高橋 これを飲めばゆせるとはどこにも書いていない。

(略)

 コンプライアンスを徹底しているという会社が、法律に触れない
からといって消費者の誤解を計算に入れたキャッチコピーを出して
いいのかと問いたい。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここは中西先生と高橋先生の対談です。高橋先生が提示した架空
の飲料ですが、この成分表示は先に紹介した基準をうまく使ったも
のになっています。

 一見まともそうな表示基準でも、それを利用してうまく立ち回り、
消費者に誤解させた上で売る方法があるということです。

 この場合、メーカーがウソを言ったのではなく、消費者が勝手に
誤解したのだ、ということになります。しかし考えようによっては、
ウソ丸出しの詐欺師たちより悪質であるとも言えます。

 私は生協に属していましたので、「消費者運動」側のインチキの
方につい眼が行き、ウソを言ってメーカーを貶めることに批判をし
てきました。

 しかし最近はメーカーも節度がなくなって、品の悪い売り込み方
をするようになったと感じることも多いです。

 一生懸命売り込み方を考えるのは結構ですが、ウソの領域からは
できるだけ遠ざかるという良識は持ってもらいたいものです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「食のリスク学」から、もう一つだけ引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最初はたしかに残留農薬によるリスクがあり,それを問題にした
市民運動ができました。しかし、時間が経つと、そもそも農薬が悪
いという思想に転換するのです。農薬がどれくらい含まれていて、
それが有害かとか、どういう機能を持つかに関係なく、農薬はいけ
ない、になってしまうのです。そうなると、農薬の種類によらず、
量によらずダメということになる。問題はそこです。市民運動の出
発点は常に、新鮮な問題点を指摘し、しかも、ファクトから出発す
るのですが、あるところで思想に転化し、ファクトからずれ始めま
す。そこが問題だと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この裏には党派的利害、思想的な引き回し、事業の利益追求など、
複雑な要素がありますが、確かに表面上は「事実から思想への転換」
があり、運動の硬直化というか反動化が始まります。

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