安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>533号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------533号--2010.01.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「微生物汚染」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「アメリカ環境医学会」について、こんな情報をいただき
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 さてけさの安心食べ物情報で取り上げられた話ですが、私も既に
畝山さんに質問しています。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090824#p9 
(2番目のやすだせつこのところ)

 どの国にでもこの手の人たちはいるようです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は上記の畝山さんのサイトからの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカ環境医学会というのは開業医を会長とする代替医療推進
団体で、極めてマイナーな団体。
http://www.aaemonline.org/AboutUS.html

 イーストシンドロームとか化学物質過敏症とかの「新しい」病気
を次々と「発見」して「治療」している。

 この団体が関連団体として紹介している
http://www.aaemonline.org/Corporate.html

 Doctor's Data社は、インチキの検査でキレート療法をすすめて
いる病院の子会社で詐欺で告訴されている
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090721#p20

 さらにEnvironmental Health Center-Dallasは化学物質過敏症
(MCS)で悪名高いWilliam Rea医師の診療所。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070921#p8

治療にホメオパシーを用いる化学物質過敏症の権威
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090624#p1

 そういう団体が反GM宣言をしてもメディアが取り上げない、政府
がまともに相手をしないのは当然かと。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は発表の内容を読んで、どうせトンデモ団体だろうと考えた程
度なのですが、詳しい方の情報でもそのとおりのようです。

 次は「ビル・トッテン氏」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ビル・トッテン氏についてですが、私にはけっこう前からなじみ
のある名前です。1980年代にアシストというソフトウェア販売会社
を経営していました。(Wikipediaを見ると会社は70年代設立のよう
ですが)

 当時は表計算ソフトでLotus 1-2-3が事実上独占で(ExcelはMac用
及びWindowsver.1〜2.11用ソフトとして一部ユーザーの間でのみ有
名だった)で、コピーガード付き58,000円という高価格でした。

 これに風穴をあけようと当時としては低価格の9,800円でアシスト
・カルクというソフトを販売していたのです。私も購入してみまし
たが、実用的には問題なかったと思います。ただあまり普及しませ
んでしたね。当時はLotus 1-2-3そのものにあまりユーザーが多かっ
たとは思いません。表計算ソフトはまだ特殊なソフトでした。

 しかし、PCの普及やWindows95ブームなど状況が変わる中、アシ
ストはパッケージソフト販売から業務用ソフトの開発にシフトし、
トッテン氏もあまりメディアに登場しなくなっていきました。

 その後彼が表に出る時は、IT企業の経営者としてではなく、日米
貿易摩擦の中で日本経済擁護者としての経済評論家のようなスタン
スが大半です。

 日本が好きと公言し、日本語も堪能なようです。

 Wikipediaをみると、どうもいわゆる左翼思想の部類に入る考え
のようなので、遺伝子組み換えに関するトンデモも、その文脈で語
れるのでしょう。


 トマト色の肌の下りでは、小学生の頃読んだ漫画、楳図かずおの
「半魚人」を思い出しました。詳細は忘れましたが、兄弟のうちの
兄の方が、魚それも生魚ばかりをむさぼり食うようになり、だんだ
んと身体が魚になっていく、というホラーストーリーです。

 食べて寝ると牛になる、という脅し文句もある日本人には、遺伝
子組み換えに関するトンデモ説も受け入れやすい考え方なのかもし
れません。

 それにしても「害虫に抵抗出来るように、小麦自体が殺虫剤成分
=毒物を分泌するように設計された遺伝子組み換え小麦を食べると、
人間の腸内細菌が人間の生きている間、継続的に腸内で猛毒の殺虫
剤成分を生産し続け」などというのを読むと話ならないと思います
が、こういう話を信じている人も多いのでしょうね。だから遺伝子
組み換え食品は危険だ、という話が蔓延することになる。

 腸内で遺伝子が転移するなら、雑食性の人間はとっくに訳の分か
らない新種の生命体に変化しているはずですね(笑)。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アシストカルクというのは懐かしいですね。マルチプランという
のもありました。私はこういうものを使うのに慣れずに、いきなり
プログラミングの世界に行ってしまいました。

 さらにもう一つ。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 久々に「遺伝子組み換え作物」に関する記事ということで、どの
ような新しいニュースがあるのかと興味を持ち、渡辺さんのお答え
と併せて拝読しながら以下のことに思いをいたしました。

 情緒的ではなく科学的であるべきである事案なのに、科学的根拠
も示さず不安を煽ることのみを目的としたような記事を未だに配信
している人がいるかと思うと笑ってしまいました。

 そもそも「遺伝子」とは何か・・・?。「遺伝子組み換え作物」
とはどのようにして作られているのか・・・?を知ればこのような
科学的根拠もデーターも示されない記事に惑わされることもないで
しょう。

 科学的論理が難しくて解らないからこのような評論家?なのかど
うか分からない人の言うことで理解するしかないという人もいるで
しょうが、科学的根拠に基づいて解りやすく解説されたものもあり、
その気になれば初歩的な知識を得ることもできます。

 一つにはG.M.O(genetically modified organism )を「遺伝子
組み換え作物」と訳した日本語も大いに原因しているのではないか
と思います。

 英和辞書を引いてみてもどこにも「組み換え」という言葉は出て
きません。まるで遺伝子をそっくり組み換えてしまう、とても恐ろ
しい事のように思わせてしまう言葉も良くないとおもいます。

 ビル・トッテンという人は日本在住の米国人で経済畑の人と思っ
ておりました。記事の中で「毒」という言葉を使ってありましたが、
「毒」とはどんな「毒」なのでしょう。米国がG.M.Oをいくら推進
しているからといっても「毒」が検出された作物なら即出荷販売停
止になるし、日本でも輸入禁止になるのは明らかなはずですが・・・?

 オルタナティブ通信の「遺伝子組み換え食品を食べると死ぬ」に
至っては爆笑。この伝で行けば、明治時代牛鍋が流行し始めたとき
「牛を食べると牛になる」という流布に、巷では真剣に信じていた
人がいたそうですが、それと近いものがあります。

 私は遺伝子操作を手放しで容認するものではありませんが、科学
的なことが分からないからといって情緒的な論調に影響されて、ア
ジテーションがしにくい科学を感情的に押さえ込もうとするのはい
かがなものかと思います。

 渡辺さんにおかれては益々ご多忙のご様子、くれぐれもご健勝に
配信されますことを楽しみにしております。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後は「こんにゃく入りミニカップゼリー」について

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 渡辺先生の「安心!?食べ物情報 Food Review 」で、勉強させて
いただいています。ありがとうございます。

 少し遅くなりましたが、先週ご紹介のありました「こんにゃくゼ
リーによる窒息事故に関連して、食品安全委員会からリスク評価が
出たというニュース」関連記事をとても興味深く読ませて頂きまし
た。

 しかし、読売新聞「こんにゃく入りゼリー「餅に次ぐ窒息事故頻
度」」記事には、唖然としました。

 読売新聞しか読んでなかったら、また、記事を丁寧に読まなかっ
たら、ほとんどの人が、こんにゃく入りゼリーは危ないんだと思っ
てしまうかと思います。よっぽど、こんにゃく入りゼリーがお嫌い
な記者さんなのでしょうね。

 同じ資料を読んでも、恣意的に読めば、白も黒になるということ
がよくわかる事例かと思いました。

 それにしても、日本の新聞、全国紙も、科学記事が酷いですね。
私は、毎日新聞をとっていたのですが、あまりにも科学、政治経済
記事が恣意的なので、昨年春購読をやめ、日経新聞に切り替えまし
た。日経には、ある程度、まともな科学記事を書ける記者がいるよ
うに感じています。

 読売新聞のような記事に対して、食品安全委員会は訂正要求をし
てもよいのではないかと思いますが。どうなのでしょうか?

 食品安全委員会も、消費者庁からの諮問?により、苦しいリスク
評価をしたのだと思えますが、この結果を消費者庁がどのように政
治判断!するのか興味深いです。読売新聞なみに利用しそうな気配
も感じられるのですが。いかがでしょうか?

 先生がリンクを貼ってくださったヤフーのページは、本日現在で
は、毎日は残っていますが、読売はありませんでした。読売のペー
ジには残っていますが。

 先生の「食の安全 裏側の話」アマゾンに注文しましたら、在庫
切れで今、取り寄せ中です。

 どうぞくれぐれもご自愛くださいまして、ますますご活躍くださ
いますようお願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今回はたくさんメールをいただきました。「先生」というのはち
ょっとご勘弁いただきたいですね。

 「こんにゃく入りミニカップゼリー」の件については、中西準子
先生のサイトでも言及がありました。「一口あたりのリスクを計算
するのはおかしい」説は却下されてしまいましたが。

雑感503-2010.1.20
「また、『科学的リスク評価は困難である』ですか?
−食品安全委員会、こんにゃくゼリー問題−」
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak501_505.html#zakkan503

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.ハヤシライスを作り置きしたのですが、いつまでなら食べるこ
とができますか?もう4日たったのですが食べても平気ですか?

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A.あまり平気ではないです。毎日火を通していれば、微生物の繁
殖はその度に抑えられているでしょうが、基本的に食べ物を作った
ままで長く置いてはいけません。

 シチューの類は意外と食中毒の原因にもなっています。ほとんど
が作り置きが原因です。よく火が通っているということは、微生物
の繁殖にも都合がよいのです。

 翌日くらいまでなら、私も平気で食べます。それ以降は冷蔵庫、
冷凍庫を使って保存してください。冷凍しておくのが一番よいと思
います。

 さて、作り置きで4日たってしまったハヤシライスですが、これ
を食べるかどうかは自分で判断してください。一種のギャンブルで
すので、私はやめておくことをお薦めします。

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Q.今日スーパーで買ってきた冷凍の豚ロース(塊)が、カチカチ
に凍っておらず表面が少しだけ柔らかく、押したら少し弾力を感じ
ました。(思い返せば、お店で手に取った時からそうでした。)中
の方は堅いようですが、これで冷凍保存されていたとみなしてもい
いのでしょうか?普通に解凍して調理に使っても問題ないでしょう
か?ちなみに加工日は2010年1月7日で、お店の冷凍ケースは、蓋の
ないショーケースでした。海外なので余計に心配です。

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A.保管は冷凍でも、ショーケースで温度が上がってしまったので
しょうね。昔、某生協で肉を冷凍で配達していたのですが、いつも
配達途中で融けてしまうため、受け取った人は冷凍とは知らなかっ
たという話もあります。

 蓋のないショーケースだと、商品を積み上げてしまうと、上の方
は外に出てしまい、解凍してしまうということがあります。たぶん
そういうことで、解凍しかけたものを買ってしまったのだと思いま
す。

 中が固いようでしたら、完全に解凍していたのではないでしょう。
そのまま食べてもたぶん問題ないです。

 こういうのを家でもう一度冷凍するとどうなるかというと、何度
も冷凍するのは肉のためによくないとされています。ただし、教科
書にはそう書いていて、根拠もあるのですが、実際に食べるという
ことからいうと、ほとんど問題ないのですよね。そのあたりは結構
いい加減でもよいかも。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「微生物汚染」
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 同じ方から3つ、似たような質問をいただきました。まとめて考
えてみます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 卵のSE汚染についてです。インエッグに関しては加熱することで
防げてもオンエッグ汚染卵からの中毒は手洗いでどこまでふせげる
のでしょうか。そもそもオンエッグ汚染の危険性、手洗いの必要性
は知らない人が多いはず。にもかかわらず、家庭内でのサルモネラ
中毒は少ないといわれているのは 卵殻に付着している菌数がもと
もと少ないからですか?加熱の重要性は周知でも、殻の付着菌に注
意している人は少ないように思います。卵に触ったら手を洗わない
と危険です!!ゆうのなら もっとオンエッグ汚染からの中毒があ
ってもよさそうなのに 本当に危険ならもっととりあげるべきなの
に 事実はどこにあるのか教えてください。神経質な私は最近は知
り合いの農家の卵すらもらうのをためらってしまいます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 卵のサルモネラ汚染には注意した方がよいですが、卵をさわった
からと言って中毒するようなものではありません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ベビーフードとレトルトパウチの強度についてお伺いしたいので
すが、私は2歳の子どもによくベビーフードをあげています。

 レトルトパウチのものをよく利用するのですが、ふた袋くらいが
箱に入っているものもあれば、レトルトパウチむき出しで売ってい
るものもあります。

 むき出しなものは鍋のつゆとかカレーなど、一般のものもよくあ
りますが、あのように陳列販売していて たとえば搬送や陳列段階
で穴があいたり 中身に問題がおきるようなことにはならないので
しょうか? 

 また ベビーフードは通常のものよりも加熱殺菌を長時間してい
るとききましたが、本当に大丈夫なのかなあといつも外装をチェッ
クしたり開封後にはにおいをかいでみたりしています。

 ボツリヌスなどなにか繁殖していれば、見た目に変化やにおいが
あるのでしょうか。

 レトルトや缶詰は腐りにくい半面 なにかあったときは通常より
強毒性なものに汚染されてしまうという怖さももちあわせていると
思うと、どうしても神経質になってしまいます。。。

 外装にピンホールなどの可能性は本当にないのか 中身に問題が
あればそれはわかるものなのか教えてください。。。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 レトルトパウチと缶詰は基本的に同じものです。加熱が充分でな
かった場合、ボツリヌス菌の芽胞が生き残っている可能性がありま
す。ボツリヌス菌は嫌気性の菌ですので、殺菌後の密閉された環境
ではよく繁殖します。

 したがって、殺菌後一定時間が経ってから、ボツリヌス菌が生き
残っていないか確認しています。

 外装のピンホールなどは心配ないです。破れたり、膨らんだりし
ていてはいけませんが。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 よく肉には菌がついていると聞きますが、触ったら手にはどの程
度菌がつくのでしょうか。私は少しでも触ったり パックに触った
だけでも手をあらうのですが、冷凍したものを解凍するときにでた
ドリップにも菌がいて、それが一滴程度でも口に入ると幼児などは
中毒をおこすと聞き 肉の取り扱いには戦々恐々です。また、スー
パーに売っている魚の切り身などは、家で調理する前に洗ったほう
がよいのでしょうか?

 加熱するのだから大丈夫という意見と、さばいた人の手にブドウ
球菌がいたとしたら、加熱しても毒素が死なないから一回あらった
ほうがいいという意見があり、どちらが本当なのかなあといつも迷
います。。。
 
 卵に触った後の手洗いも していない人がサルモネラにやられた
とも聞かないのですが、なにぶん子供が小さいので、菌には敏感に
なってしまいます。。。。

 冷蔵庫のタマゴポケットにも菌が落ちているのではと思い、エタ
ノールで拭いていますが意味ないのでしょうか。。

 少し神経質な質問かとは思いますが、ご回答よろしくお願いいた
します。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 生で食べるわけではないでしょうから、調理すれば問題ありませ
ん。まな板や包丁はよく洗って、菌が生で食べる野菜などに移らな
いようにしましょう。肉や魚の方を洗うのは無意味です。

 さて、「微生物」というものの存在を誤解されているのではない
か、というのが私の感想です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 細菌の大きさは1 μm(マイクロメートル)前後です.μmは10-6 m
のことで,1 mmの千分の1の大きさです.1 mmの千分の1は,1 kmに
対する1 mの比と同じことなので,1 μmの細菌にとっての 1 mmは,
身長1 mの子供にとっての1 km と同じことになります.

http://www.e-cew.co.jp/Microbe-contents/13.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 微生物の世界は、私たちが直接接している世界とは違います。同
じ空間にいることはいるのですが、途方もないスケールの違いがあ
って、触って理解できるものではありません。

 ご質問を見ていると、目には見えないけれども、何か触れる実体
のあるもののように考えていると思います。だから気になるのです
よね。

 よく、手のひらにバイ菌がいっぱい…という図がありますが、あ
れはずいぶんと誇張した表現です。個数でいうと確かにたくさんい
るのですが、空間的にみればそんなに存在していません。何しろ、
ごくごく小さいものなのですから。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 一番小さい微生物である細菌を米粒の大きさとすると、原生動物
と小さな後生動物はテニスボールからバスケットボール、そして人
間は、なんと富士山の大きさです。

http://www.gesui.metro.tokyo.jp/kids/biozukan/ookisa_kazu.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 細菌を米粒まで拡大すると、人間は富士山くらいのサイズになっ
てしまうのだそうです。富士山にとって、米粒を気にしても仕方な
いです。サイズがこれほど違うと、同じ空間とはいえ別世界だと考
えた方がよいわけです。

 だから、微生物の管理というとき、個別の微生物を管理している
わけではないのです。微生物が繁殖できる環境を管理していると言
えばよいのでしょうか。

 個別の微生物は小さすぎて管理しきれません。したがって、細菌
が何かのときに体内に紛れ込んでくることはあり得ます。

 しかし、口から入ればまず胃のあたりで死んでしまいます。運良
く生き残っても、腸には大量の先住の細菌がいますので、それらに
競争で勝つことはできません。

 さらに運良く消化器官から体内に入ったり、または傷口などから
直接入ったりすれば、今度は免疫機構が働いて一網打尽にしてしま
うようになっています。

 私たちの身の回りには、目に見えない世界で、大量の微生物が存
在していますが、防御は結構万全なのです。

 しかし、それでも防ぎきれなかったときは、食中毒や病気といっ
た症状が現れます。微生物一つ一つを防ぐのではなく、こうした症
状に至らないように対策をたてるというのが衛生の概念です。

 症状が出る前提条件は、微生物が大量にいることと、その微生物
が強い毒性を持っていることです。

 だから食品は基本的に加熱して微生物を殺してから食べますし、
保存食品はいろんな方法で微生物の繁殖を抑えるように工夫されて
います。

 それから、一般的な衛生の知識はここで繰り返すまでもないでし
ょう。基本的なことを守っていればそれで問題はありません。

 過剰な心配はかえって本質を見失わせるものです。そういうあた
りが気になったので、よけいなことを長々と書いてみました。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回はたくさんメールをいただいたので、少し長くなってしまい
ました。みなさん、どうもありがとうございました。毎週こうだと
楽でよいのですが。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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