安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>525号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------525号--2009.11.29------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「自然毒」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 大連から帰って来ました。今回はほとんど勉強しかしていません
ので、特に中国ネタはありません。

 とにかく寒くて驚きました。風が強く、冷たいのです。これから
ますます寒くなりますが、雪はあまり降らないとのこと。

 3月に行ったときより、全体に豊かになった印象を持ちました。
また、地下鉄をはじめ建設ラッシュも始まっていました。

 さて、これは中国ではなく韓国ネタですが、こんな話があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「氷酢酸」薄めて使って 消費者庁呼びかけ

 消費者庁は18日、韓国から輸入した「氷酢酸(ビンチョサン)」
を直接飲むと胃炎などを起こす恐れがあるとして「薄めて使ってほ
しい」と注意を呼び掛けた。

 消費者庁によると、氷酢酸は韓国では調味料として使われている。
酢酸濃度が99%以上と通常の食酢(4〜5%)に比べて非常に強
い。180ミリリットルのボトルに半分程度入った状態で売られて
いることが多いが、日本語の表示がないので注意が必要という。

 少なくとも200本以上輸入され、10月22日、兵庫県で5人
がキャップ1杯ずつを飲み、食道炎や胃炎を発症、うち2人が入院
した。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091118/sty0911181745003-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 子どもの頃、兄が写真部で写真の現像をやっていて、氷酢酸はい
つも家にありました。薄めれば酢と同じだとか言っていましたが…。

 韓国ではこんなものを料理に使うのかと驚きました。普通家庭で
はほとんど使わないけれど、業務用には使われているのだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 あるネットユーザーは「氷酢酸は、一般家庭では体に良くないと
ほとんど使わないが、少しだけ入れても確実な酸味がするため、食
堂ではまだ広く使われているそうだ。ところで氷酢酸を日本に輸入
し、販売した人はどんな用途で使用するためだったのだろう。韓国
の家庭でもあまり使わない氷酢酸を、まさか日本の一般家庭用とし
て販売するために輸入したのだろうか」とのコメントを記している。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1119&f=national_1119_016.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このあたり、韓国の食文化の「?」なところです。

 確かに、輸入・販売した理由がよくわからないです。韓国では普
通に売られているため、他の韓国製の調味料と一緒に輸入されたも
のなのでしょうか。

 買った方にも誤解があったようです。「酢」を飲む、という健康
法がありますが、あれと同じに考えたのでしょうか。「キャップ一
杯ずつ飲んだ」というのですから、たぶんそうなのでしょう。

 別に氷酢酸でなくても、酢をそのまま飲むのはやめておいた方が
よいです。「黒酢」などと言って健康イメージがありますが、醤油
と同じく、酢もそのまま飲むものではありません。

 氷酢酸も薄めれば害はありませんが、それは最低の「合成酢」で
す。そんなものを料理に使う意味はありません。「ビンチョサン」
と言うと韓国風調味料のように聞こえますが、だまされてはいけま
せんね。

 次は環境ネタです。いつもお世話になっている、「食品安全情報
blog」から引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

持続可能なサケ生産についての何年にもわたる研究で食糧の持続可
能性に関する神話を打ち砕く

 一般的に信じられている環境によい選択は肝心なところを間違っ
ている。

 食品のライフサイクルアセスメントを行った。

 モデルとしてサケを選んだのは、世界中いつでもどこでもいろい
ろな形態で販売されていて輸送方法も多様である。他の食品との違
いは野生のものから各種養殖方法での養殖品があることである。結
果として以下のようなことを見いだした。

・空輸するより冷凍品を船で輸送するほうがはるかに環境影響が少
ない。特に日本人はヨーロッパから輸入するサケを冷凍品に切り替
えるといい。

・オーガニックか通常品かや天然か養殖か等の選択より冷凍品を買
うことの方が重要。

・フルライフサイクルアセスメントで情報を与えられた上での決定
に意味のある情報提供ができる。

・サケの養殖で最も影響が大きいのは餌の種類と量である。

・フィッシュミールを使ったオーガニック養殖は通常の養殖と違い
はない

 調理して食べるまでの全プロセスを考えるなら、車で買い物に行
くことと家で一人で食べることだけで非常に大きい影響がある。外
食を増やしたり友人や家族と一緒に食べるだけで大きなメリットが
ある。

(一人暮らしなら外食した方が環境負荷が低いというのは言われて
みれば当然だけど、環境省がそれを言えるか?)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20091125
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後のカッコ内はuneyamaさんのコメントです。確かに、外食の
方が環境負荷が少ないと言われるとびっくりしてしまいます。

 でも、よく考えると、「手作り」ということは要するに環境負荷
の高い方法をわざわざとっているということです。

 みんながすべての食品を完全に「手作り」すれば、環境負荷は想
像を超えるものになるでしょうね。それでもわがままを通して、自
分だけは「手作り」するのがよいことなのかどうか、ちょっと考え
させられる話です。

 話を無理やり中国に戻すと、やはり目につくのが外食文化です。
外食の店が、屋台から高級レストランまで含めて、おそらく日本の
10倍ほどあるでしょう。みんな気軽に外食しています。

 でも、その代わり各家庭での食事は実に質素なものです。全体と
しての環境負荷はこの方が少ないように思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.昨夜紙パック入り野菜ジュース(ニンジンと果物100% 賞
味期限 2010年3月)を飲みましたところ、飲み終えてもまだ
重みがあるのでおかしいと思いハサミで開けてみましたら、縦4.
5センチ 横3.5センチ程の大きさの 黒かびの生えた塊が出て
きて 驚きました。

 販売元に連絡をし 調べてもらっていますが 時間がかかるとの
こと。

 今のところ体に異常はありませんが、このような黒かびは何か危
険なものなのでしょうか。心配です。また、保健所などに連絡した
ほうが良いでしょうか。販売元は全国的に知られている宅配組合で
す。

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A.カビが生えているというのですから、異物も食品のはずです。
たぶん原料のニンジンか何かでしょう。紙パックにこういうものが
入るというのは驚きです。紙パックにはパイプで入れるはずですの
で、こんな大きなものがパイプを通るとも思えないし…。搾汁から
紙パックの成形、充填までの間の、どこで起こったのか不思議な気
がします。

 いずれにせよ、これは考えられる最大級の事故です。原因がわか
るまで操業を停止するのが妥当な事故と思いますので、業者と相談
して保健所にも連絡した方がよいと思います。

 カビについては、現在体調が悪くないということでしたら、心配
する必要はないと思います。いつも言いますが、心配しても仕方な
いことですので。

 業者の側から、念のため診察を受けてくれと言われる可能性はあ
ります。このあたりも相談してみてください。

 こういう事故は起こった後の対応で、相手の本当のところがわか
るという利点があります。どういう対応をするところなのか、じっ
くり見極めることをお薦めします。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「自然毒」
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 次は食品安全委員会で、「自然毒」についての報告がされていま
す。

 スライドは以下のところにあります。
http://www.fsc.go.jp/senmon/kabi_shizen/k-dai8/kabi8-siryou3.pdf

 これを使った報告の方は、以下の記事ですが、ところどころ引用
しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 海洋性自然毒はほぼイコール動物性自然毒と考えていいと思いま
すけれども、先ほどもお話がありましたように、事件数、患者数は
非常に少ないのですが、死者数で見ますと平均で年間3名ぐらいの
方が亡くなっているということで、全体の約4割を占めているとい
うことになります。

(略)

 麻痺性貝毒を持っているというだけではなくて、フグによる麻痺
性貝毒中毒が実際に発生しています。アメリカの例で言いますと、
2002〜2004年にフロリダのインディアン・リバー・ラグーン産の先
ほどのフグですね。こちらが写真ですけれども、それによって28例の
中毒事例があります。

 東南アジア、タイとかカンボジアとかバングラディシュでは、淡
水フグによる中毒が多発しています。日本には淡水フグはいません
で、観賞用に輸入されていますけれども、日本では中毒例は今のと
ころありませんが、一応課題としまして、日本近海産のフグ類につ
いても毒成分の見直しをした方がいいのではないかと考えられます。

 もう一点、フグ毒に関連した最近の問題ということで、小型巻貝
によるフグ毒中毒が問題になっているということを御紹介いたしま
す。その前にまず食品衛生上問題となるフグ以外のフグ毒保有生物
ということですけれども、日本では肉食性の大型巻貝ボウシュウボ
ラによりまして、食中毒事例があります。静岡、和歌山、宮崎で事
例があります。あと、ここにはありませんが、バイという巻貝によ
ってもフグ毒中毒の事例があります。

(略)

 小型巻貝によるフグ毒中毒というのが、中国あるいは台湾で頻発
しています。これは中国の例ですけれども、1985〜2004年の20年間
で表に出ているだけで30件以上、中毒患者数が187名、亡くなった
方が21名もいるということです。

 こちらが原因の巻貝で小型巻貝、ハナムシロガイの類縁種で腐肉
食性の小型巻貝ということで、死んだ魚の腐った肉などを食べる食
性があるということです。これは中国、台湾で何種類か複数の種類
が中毒に関与しています。これは日本では関係ないことと思ってい
たのですけれども、つい最近、日本でも小型巻貝による中毒が発生
しました。今年の夏、7月になりますけれども、長崎市で女性の方
が1名、キンシバイという貝を食べて、このような症状に陥ったと
いうわけです。一時は呼吸停止になるといったような、かなり重篤
な症状だったようですけれども、幸い一命はとりとめたということ
です。

(略)

 次にシガテラ毒です。シガテラと言いますのは、熱帯あるいは亜
熱帯域の主にさんご礁の周辺に棲息する毒魚によって起こる、死亡
率の低い食中毒を総称しているということです。日本ではそれほど
中毒例は多くないのですけれども、世界を見ますと年間数万人が中
毒にかかっているとも言われています。

(略)

 シガテラ毒魚ですけれども、非常に多様な魚がいるのですが、一
例をお示しします。こちらのバラフエダイ、イッテンフエダイ、バ
ラハタの3 種は日本の沖縄で主要な中毒原因になる魚類ということ
です。

(略)

 イシガキダイという今まで通常は食用になっている魚によるシガ
テラ中毒が何件か発生しております。もとは沖縄地方で発生してい
たのですが、それが宮崎あるいは奄美、更には千葉県の勝浦市でこ
のイシガキダイによるシガテラと思われる中毒が発生しています。

 そのようなことを考えますと、科学的な根拠になるようなデータ
は今のところないと思いますけれども、もしかしたら、海洋環境の
変化によってシガテラ毒魚の多様化とか分布域の拡大というような
ことが起きているのではないかと思われます。今後このようなこと
を検証していくことが必要になると考えています。

(略)

 次がアオブダイ毒です。アオブダイという魚はフグ中毒あるいは
シガテラ中毒とは異なる特異な中毒を起こしてきました。西日本で
これまで21例の記録がありまして、77名の方が中毒して、6名の方
が亡くなっている、致死性のある中毒ということになります。

(略)

 次がテトラミンです。北の方の寒い海域に生息するエゾバイ科の
巻貝、ヒメエゾボラ、エゾボラモドキ、チヂミエゾボラという巻貝
は唾液腺にテトラミンという物質を保有していまして、これを摂取
して中毒が発生するということです。死亡例はありません。毒の本
体はテトラメチルアンモニウム、テトラミンと言われています。保
有生物としましては、このような巻貝、ほかにも何種類かあります。

 毒の起源は外因性のものではなくて、貝自身がつくっていると考
えられます。中毒症状はアルコールの中毒によく似たような感じの
ものです。それほど重篤にはならなくて、2〜3時間経てば回復す
るということです。

(略)

 日本でまれに中毒の原因となるものとしましては、魚卵毒、コイ
の毒、アワビの毒、異常脂質、過剰ビタミンAというようなものが
あります。ヤシガニあるいはウミガメによって時々、沖縄地方など
で致死性のある中毒が起きるのですけれども、これについては毒の
構造あるいは性状等が今のところ不明で、これは今後の課題と言え
ると思います。

 日本で最近問題になっているものとしまして、1つはまだいろん
な点で不明な部分が多いのですけれども、沖縄地方でシイラの生食
による中毒が1996年以降、少なくとも5例発生しているということ
です。中毒症状は吐き気、嘔吐、下痢、倦怠感、微熱も出るという
ことで、細菌性のものが疑われたわけですけれども、今のところ病
原細菌は未検出ということです。自然毒なのかどうなのか、あるい
はウィルス性のものかもしれませんけれども、今のところ原因はわ
かっていないということです。

 このシイラ毒に非常によく似た症状が出るのですけれども、ヒラ
メによる中毒が必ずしも養殖だけではないようですけれども、大部
分は養殖ヒラメの喫食で中毒が起きているという話があります。た
だ、現状では詳細は不明ですので、今後調査していく必要があるか
もしれません。

http://www.fsc.go.jp/senmon/kabi_shizen/k-dai8/kabi8-gijiroku.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 読んでいくと、なかなか怖そうな話がならんでいます。いずれも、
実際に被害が出ているものばかりです。

 被害がまったく出ていないものについては騒ぐのに、実際に被害
が出ているものについてはあまり騒がれないというのはおかしなも
のです。

 最後に出てくるヒラメについては、全く原因不明ながら、一部に
「ヒラメトキシン」(ヒラメ毒)という言葉がささやかれているそ
うです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

謎の食中毒発生!!ヒラメトキシン?

 都内で有名な結婚式場で食中毒事件が発生していますが、またま
た原因となった食品は養殖のヒラメのようです。原因となる物質
(微生物とか毒素とか)が不明のため原因不明の事件となっていま
す。

 関係者の方から聞いたところ、提供した施設でヒラメは大分産の
ヒラメということで仕入れたということでしたが調査を進めたとこ
ろ韓国産の養殖ヒラメであったようです。

http://www.saturn.dti.ne.jp/~sasai/index.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 症状はそれほど重くないそうですが、原因不明というのが気持ち
悪いです。全くの仮説ですが、以下のような記事もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 仮説としてはこうです。

 過密養殖あるいは輸送によるストレスにより生体防御反応として
レクチンの分泌が増加しているところで〆られ、体表および体表付
近の筋肉にレクチンが残留、マルのままで調理場に持ち込まれてか
ら下ろされ、皮は除去されたが可食部にレクチンが残留あるいは付
着していた。

http://blogs.dion.ne.jp/touzadiary/archives/7796816.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これからは「自然毒」というわけのわからないものにも注意して
いかねばならないようです。自然の食べ物には毒ぐらい入っている、
と割り切れるものなのかどうか…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国語の勉強で、一日4時間のレッスンはなかなかハードでした。
何しろマンツーマンなので、息が抜けないのです。それに比べると
学校の授業は楽でしたね。しかし人生の終りに近づいて、何をやっ
ているんだろうと自分でも思います。これで中国語がしゃべれるよ
うになっても、それを使う日がどれほどあるというのか、などと思
うことがあります。

 とはいえ、少しは進歩したらしく、あちらのテレビを見ていても、
聞き取れるところが増えてきました。街ではほとんど問題なくしゃ
べれています。難しい話はまだまだ無理なんですが。

 で、やっぱり中国はいいですね、などと言うと、「どこが?」と
いうツッコミが聞こえてきそうです。

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