安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>524号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------524号--2009.11.22------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「日本酒」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の割り箸の記事について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも安心!?食べ物情報を、興味深く読んでおります。示唆に富
むご指摘やデータに感銘を受けております。

 さて、標記の吉野家の割り箸についてですが、木を燃やさない事
による二酸化炭素削減に関してはともかく、吉野家発行のリースに
書かれている「地球環境に配慮した、森林資源保護と店舗で発生す
るゴミの削減」に関しては、意味のある事だと考えます。

 理由は、現在ファストフード店等で使われている割り箸は、以前
のような国産間伐材によるものではなく、中国の森林から切り出さ
れた間伐ではない木で作られているからです。

 つまり、「安物の」割り箸を使えば使うほど中国の森林が減少し
ます。結果CO2を吸収する森林の減少、そして黄砂等の発生も誘発
する等、環境面でのマイナスは増大していくと言えます。

 山里で国産間伐材を使った割り箸を製造し、村おこし等に利用し
ている事をご存じと思いますが、一般の割り箸とは違いかなりの高
価格です。こうした間伐材の箸が安く提供され、中国産にリプレー
スされればよいのですが、森の管理のための副産物とはいえ、価格
が下がる事は難しそうですね。

 これからも期待しておりますので、今後ともよろしくお願い致し
ます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 前回も書きましたが、私は「割り箸の廃止」は妥当な行為である
と考えています。しかしそれは経済的な尺度から見た話で、ご指摘
の二つの件はちょっと違うと思います。

1)森林資源保護

 森林資源の保護というのは大切なことですが、一つ一つの商品の
出荷量とは必ずしも関係ありません。たくさん伐り出して商品を生
産しても、適切に管理されていれば問題は起こりません。森林の生
産量は実はかなり大きいので、出荷量を生産量以下に抑えておくこ
とはそれほど難しくないのです。

 逆に出荷量を減らしても、適切な管理がされていないと森林は衰
退してしまいます。管理のためにはカネがかかりますので、適正な
出荷によってカネを稼ぐ以外に方法はないと考えます。

 適正な出荷、適切な管理ということがなされるかどうかは、その
国の問題です。他国の森林資源に対して、助言はできても干渉はで
きないのが現実です。(だから外国の資源に対して慎重になるとい
う気持ちはわからないでもないです。)

 したがって、割り箸を使うことが森林資源保護に反するとも、役
立つとも言えないところです。

 ところで吉野家はかつてこんなことを言っていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 吉野家全体で使う割り箸は、一日あたり立ち木換算で15本にもな
ります。そこで中国の饒河県で、使用する割り箸と同等の植林活動
をすることで、消費と森林伐採のバランスを取ることを環境対策活
動の一環にしています。

http://www.dff.jp/kataru/021.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「一日15本」というのは誤植ではないかと思うほど少ないですね。
一年間で5500本ほどです。これくらいで環境破壊というのも、植林
活動というのも大げさです。でも、日時は不明ですが少し前の吉野
家はこんなことを言っていたわけです。

 これはこれでよいのですが、「割り箸撤去」の説明とは違いすぎ
るのではないでしょうか?植林活動をしている方が、石油から作っ
た箸を使うよりよいのでは?

 立場を変えた理由は明白で、中国産割り箸の値上がりです。値段
が上がりすぎて、リターナブル箸の方が安くつくようになったので
変えたわけです。

 何度も言いますが、私はこの選択には反対ではありません。ただ
その説明で格好をつけるな、ウソをつくな、と言っているのです。

 それから、「CO2を吸収する森林」というのが科学的には正し
くないということは前回に書いたとおりです。

2)ゴミの削減

 確かにゴミが減れば(吉野家にとっての)処理費用は安くつきま
すので、やはり経済的合理性はあると思います。

 ただ焼却場側から見れば、生ゴミばかり持ち込まれるより、よく
燃える割り箸も入っていた方がうれしいでしょうね。生ゴミばかり
だと重油を投入してやっと焼却するということになってしまいます。

 総量が減るのならともかく、割り箸だけ減るのではあまり意味が
ないと思います。

 最後に、国産の割り箸の難しさについてはご指摘のとおりです。
経済的に成り立たない以上、前途は明るくないとしか言いようがあ
りません。

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.よくある調味料(アミノ酸)は化学調味料ですが、化学調味料
はなぜ一般的に、身体に悪いと言われるのか?

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A.新しいものは叩かれる、ということがあります。産業革命時に
生産機械の打ち壊しがあったりしたこともありました。

 現状に不満があり、それを批判したいというとき、新しくまだ馴
染みのないものを批判するというのはよくある手です。

 その場合、相手は馴染みがないだけでなく、正体がはっきりしな
いものが最適です。

 そういうことで「化学調味料」(平たく言えば「味の素」です)
が対象に選ばれたのだと思います。もう期限切れで風化しかかった
話ですが、「中華料理症候群」などという話もありました。あれは
一種の「黄禍論」だという説もありますが、中華料理が化学調味料
を多用するのはよく知られています。そこをついた非難でした。

 味の素の正体は「グルタミン酸ナトリウム」です。別に毒性があ
るものではありません。「中華料理症候群」もまともな実験では確
認されていません。

 化学調味料が身体に悪いというのは単なるデマです。「そう言わ
れている」のは事実ですが、そう言いたい人がまだまだいるという
ことです。それが何故なのかは私にはよくわかりません。(という
のはウソで、本当は金儲けのために決まっていると思っています…。)

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Q.食品衛生法では一般的に酒類は賞味期限の表示を省略すること
ができます。これは設定ができないものもあるためだと思われます。

 では設定が可能なもの(ビールのように設定が必要なものではな
く、日本酒のように約1年ほどで、だんだん風味が劣化するもの)
について、次の場合は問題ないでしょうか?

1)密閉性などの問題で風味は劣化してくるが賞味期限の設定をし
ない

2)賞味期限の設定をしているが、表示はしていない。

 1)の場合は設定するべきであるが、風味が劣化してもすぐに人
体に危険性が出るわけではないので、メーカーの責任においてしな
くても良い?

 2)の場合はメーカーが商品管理のために賞味期限を使用し、切
れそうなものは出荷しないと思われます。ただし、購入した方(一
般、企業)は表示されていなければ、期限切れでも安全性に問題が
ないか確認せずに使用する恐れもあると思われます。

 日本酒を扱う方(もしくは会社)のHPでは表示はしなくてもよい
がしているところもある、などの情報はすぐに見つかりました。で
は設定自体も不要なのか?表示と設定は常にセットであるべきもの
なのか?についてはよくわかりませんでした。

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A.日本の税制で、酒税はかつて国家財政の半分を支えていたとい
うことがありました。その影響というか、今でも酒というものは特
別の地位を与えられているところがあります。

 「酒は賞味期限を省略することができる」ということがすべてで
す。そうである以上、ビールなど賞味期限表示を求められているも
の以外では、そういう概念は存在しません。

 1)酒はアルコール飲料ですので、簡単に腐敗しません。腐敗す
るときもアルコールが酢酸に変るという変化が主になりますので、
腐敗の結果はもう飲めませんが、ますます腐敗しにくいものになっ
ています。古くなった酒で中毒が起こるということは想定されてい
ないのでしょうね。

 風味についてはなかなか難しく、醸造酒でも長期間の貯蔵でおい
しくなったりすることがあります。逆にまずくて飲めなくなったり
することもありますが、すべて個人が判断できる範囲ですので、賞
味期限が設定されていなくても別段問題は起こりません。

 ということでこちらが正解と思います。

 他の食品のメーカーから見れば、何故酒だけは特別扱いなのよ?
と突っ込みたくなるところですが、そこはそれ税制上の理由による
優遇と考えられます。

 2)「設定しているが表示していない」ということはないと思い
ます。賞味期限の設定は結構悩ましいもので、表示しないのに苦労
して設定する理由がありません。

 特に伝統的な酒では、生産から出荷、消費に至るサイクルはほぼ
完成しています。メーカーは基本的に賞味期限については意識して
いないはずです。

 日本酒には出荷時に日付が入れられています。あれも単に瓶詰め
した日付です。その日付をみて、古いようなら味を確かめて飲むと
いうことです。まずければあきらめますし、案外うまいかもしれま
せん。

 日本酒で賞味期限を表示しているものもあります。特に「生」で
出荷する場合、やはり表示しているものが多いです。これは日本酒
の伝統的な製造・流通とはかなり違うものですので、用心している
ということなのでしょう。

 政治的なことを差し置いても、酒は本来神への捧げ物ですので、
あまり現代的な品質基準にはなじまないところがあるのは確かだと
考えています。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「日本酒」
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 私のブログのコメント欄に、以下のようなコメントをいただきま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

  同書のp135に誤記があります。「清酒の三倍増醸酒は現在も
大量に製造されている」は誤り。2007年10月以降 これの製
造は禁止されています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 『「食の安全」裏側の話』についてです。この本は2004年〜2006
年に書いた記事をまとめたものですので、まとめるときに気付かな
いといけなかったですね。どうもありがとうございました。

 とここまでブログには書いたのですが、その続きです。

 そういうこともあったな、ともう一度検索しましたが、今でも
「三倍増醸酒」はネット上で普通に存在するようです。訂正し忘れ
ているのは私だけではないようです。

 でも、肝心の2007年10月の、法律関係の記事がなかなか見
つかりません。やっと見つけたと思ったら、このメールマガジンの
バックナンバーでした。(^_^;

 388号(2007.04.15)で以下のような記事を紹介しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 酒にアルコールを加えて量を3倍程度まで増やす「三倍増醸酒」
(三増酒)が10月から「清酒」として販売出来なくなる。昨年5
月の酒税法改正で、コメから造った酒を上回る量のアルコールを加
えると、清酒として認められなくなったためだ。惜しむ声もあるが、
日本酒の消費量が20年で半減する中、歴史的な役割を終えようと
している。

 三増酒は戦後のコメ不足の中、国が酒税を確保するため、安価な
アルコールを加えた酒を清酒と認めたのが始まり。コメ不足解消後
も「アルコールを添加した方が品質が安定しやすい」などの理由で
清酒扱いが続き、ラベルの表示にも区別はなかった。

 ただ「アルコール添加が悪酔いの原因。日本酒の評価を落として
いる」との批判があり、日本酒造組合中央会なども「コメで造った
アルコールが半分以下のものを日本酒と認めるのはおかしい」と見
直しを求めていた。

 10月以降は「リキュール」扱いとなり、アルコール度数15度
で1.8リットルあたり216円だった税額が270円に上がる。
「三増酒の味を好む人も多い」(酒類卸大手)と製造を続けるメー
カーもあるが、大半は添加アルコールを減らす方向。山田聡昭・酒
文化研究所第1研究室長は「三増酒を否定する必要はないが、低い
税率は必要なくなった。『日本酒はコメを醸造したもの』という本
来の姿に戻るだろう」と話している。【古田信二】

毎日新聞 2007年3月31日 21時42分

http://food.kenji.ne.jp/review/review388.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 引き続きその法律なども引用しています。

 記事にもあるように、ご指摘の「禁止されています」というのは
正確ではありません。「日本酒と表示できなくなった」というだけ
で、製造も販売も違法ではないのです。

 麦芽の使用量が少ないと「ビール」と表示できないのと同じです。

 時間的に言いますと、私が連載記事を書いていたのは上記の変更
の前ですので、そのときは間違いではなかったのですが、今回本に
するときに訂正しておかねばなりませんでした。

 お詫びして訂正します。

 もし重版することがあったら、ここは訂正しなければいけないで
すね。

 それから、私のサイトの「日本酒」のページも2002年以来そのま
まになっています。これも訂正しておきます。

 さて、私はあまり日本酒は飲まなかったのですが、このごろ稀に
外で飲むときは日本酒を頼むことも多くなりました。

 家では妻が日本酒を飲まないので、置いていないのです。外で飲
むとき、ビールは麦芽臭いし、焼酎も乙類は臭いがイヤ、蒸留酒は
胃が痛くなるし、ワインはつい飲みすぎるし、と消去法で日本酒に
なることが多くなりました。昔よりうまい日本酒が多くなったと実
感しています。

 私はふだん家では缶チューハイなどという軟弱なものを飲んでい
ます。その中でも私のおすすめはタカラの「おいしいチューハイ」
です。なんと果汁50%という配合になっています。

 これは群を抜いてうまいです。というより、他のチューハイなん
か比べ物になりません。単なる果汁だと悪口をいう人もいますが、
果汁がおいしいのではありませんか。

 残念ながら材料難なのかコスト高なのか、あまり売られていませ
ん。見つけ次第買っているのですが、最近はあまり見かけなくなり
ました。

 タカラ酒造にはぜひ「おいしいチューハイ」の増産をお願いした
いです。たぶん儲からないのでしょうが、勝手に宣伝しておきます。
http://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/tasty/index.htm

--〔後記〕--------------------------------------------------

 明日は大連に出発です。向うはとても寒いそうです。今年はどう
も例年より寒いようです。紅葉も一週間ほど早いということですし。
ということで、日本酒の季節ですね。

 でも、このごろの若い人は本当にあまり飲まないようです。うち
の息子なども酒は結構強いのに、ふだんはほとんど飲みません。意
地汚く飲んでいた私たちと比べれば、よいことなのでしょうが…。

 土曜日には帰って来ますので、このメールマガジンはいつもどお
りです。

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