安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>523号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------523号--2009.11.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「生協と遺伝子組換え作物」「Q&A」「吉野家で割り箸撤去」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の話題に関連して、生協といっても生活クラブのようなとこ
ろばかりではないよ、ということで、以下のところを紹介していた
だきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 昨年度は世界的な食糧の需給の逼迫、食の安全にかかわる様々な
報道ということで不安が高まり、食糧自給率の問題、とりわけ日本
の食糧、農業のあり方が大きな問題になったと考えています。

 今年度は国が5年ごとに見直し再設定するとしております「食糧
・農業・農村基本計画」の策定が進められる年です。国は食の自給
力を強めるということで、担い手の支援、優良農地の確保、農業技
術の向上を掲げ、特に農業技術については、新たな可能性の開拓と
いう面から遺伝子情報をつかった作物開発なども視野に入っている
ということのようです。遺伝子組換えの技術は長い生命の歴史から
みれば、始まったばかりというような状況かと思います。

 科学的な成果のひとつとしてその有用性、必要性が認められてい
るところに疑いはないと考えていますが、正確な情報がわかりやす
く発信され、ひとりひとりの理解が進んで、安心感が社会的に形成
されていると状況にはなっていないと考えています。

 コープは2009年度の商品ガイドで、政府や行政に遺伝子組換
えについて消費者の安心を築くための情報公開など積極的な努力を
求め続けるということを明確にしております。この技術を私たち自
身がきちんと納得をして判断できる学習活動を、今後も広く進めて
いきたいと考えています。

 コープは遺伝子組換え技術を一面的に「NO」とはしません。本
日は正しい理解を深める場となればいいと思います。

http://www.ucoop.or.jp/syoku/riskcom090721_01.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なかなか表には出てこないですが、生協でもこう考えているとこ
ろもあるということです。どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.妊婦です。芋をふかすのに鍋の下が真っ黒に焦げましたが、芋
はふかせていたので上だけとってそのままケーキを作りました。は
じめに出来たのは何も感じませんでしたが、日が経つと、焦げ臭い
匂いがしていましたが気にせずたべていましたが、胎児になにかな
いかと不安になってきました。

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A.焦げ臭い匂いが残ったということで、別に害はないと思います。

焦げたものはあまりよくないとされています。実際によくないとい
う根拠もないことはないのですが、一度食べただけでどうこういう
ような猛毒というわけではありません。

 この場合はさらに焦げたものを食べたわけではなくて、匂いだけ
の問題ですので、気にする必要はないと思います。

 ただ、鍋が焦げついたのは災難でしたね。

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Q.私は花粉症なのですが、白砂糖が体を冷やしてアレルギーを起
こすと聞いたのですが、甘味は止められません。店に行くと黒砂糖
他いろいろな品が売られています、その中でアレルギーが起きにく
いものがあったら教えてください。

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A.「白砂糖が体を冷やす」という話に根拠はないです。あまりに
無意味な話なので、無視してください。また、アレルギーは異種の
タンパク質によって起こります。砂糖にはタンパク質は含まれてい
ませんので、アレルギーとも関係ありません。

 この手の話で、「白砂糖」とよく言われますが、いったい何をさ
しているのか、言っている人はわかっていないことが多いのです。
「上白糖」と「グラニュー糖」の区別もつかない人が言っているこ
とが多いので、無視しておくのがよいのです。

 砂糖は元々白いものだ、とか、砂糖でアレルギーはおこらない、
とかは常識に属することです。このQ&Aにも何度も出てきますの
で、ご覧いただきたいと思います。

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Q.添加物なしのジャムに白カビがはえていましたがはじめヨーグ
ルトがついたのかと間違えて一緒に混ぜて食べてしまいました、で
もよくよく見たら白カビと気がつき・・授乳中だったのですが何か
ベビーに影響はないのか心配です、

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A.ジャムは本来、カビなどは生えにくいものなのです。糖分(砂
糖)の量がある程度以上多いと、微生物が使える水分がなくなって
しまい、最後にはカビも生えなくなります。

 ところがご時世で、このごろのジャムは軟弱にも糖分が少なく、
常温ではカビが生えてしまいます。「添加物なし」というのはジャ
ムでは当たり前で、「優良誤認」をねらったもののように思います。

 要するにお使いのジャムはあまりよいものではない、と言いたい
のです。

 で、カビが生えてしまったジャムを食べたという件ですが、ご心
配には及ばないと思います。だいたい食べてしまったものを後から
心配しても仕方ないではないか?といつも言っているとおりです。

 害が出るのならとっくに出ています。今、なんともないなら今後
一生なんともありません。赤ちゃんへの影響など、考えることもな
い話です。

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Q.いまたくさんの「コラーゲン飲料」がでています。からだのコ
ラーゲンをふやすというのがうたい文句のようですが、口からコラ
ーゲンをいれても、ただのタンパク質として消化吸収されると思っ
ていたのですが、それは間違いなのでしょうか。

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A.私も同じように思っています。詳しくは以下のサイトに説明が
あります。

コラーゲンの安全性と機能性
http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ゼラチンやコラーゲンペプチドは、胃や腸内に存在するタンパク
質分解酵素によって消化され、吸収されます。一方、コラーゲンは
自体は3重らせん構造を持ち、さらに繊維を形成していますので通
常の消化酵素では分解されず、コラゲナ−ゼという特別な酵素でし
か分解されません。

 コラーゲンの効用としては、骨・関節疾患に伴う症状の緩和、骨
形成促進作用、美容効果などが標榜され、常に売れ筋ランキングの
上位に位置しています。また、ひざ関節を使うアスリート選手にも
人気が高いようです。私達が行った調査では、現在市場に出回って
いるコラーゲンを含む健康食品は約30品目で、1日あたりの摂取目
安量は0.1-10gと幅がありました。けれども、その有効性と安全性
については、科学的に十分に検討されているとはいえないのが現状
です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「科学的に十分に検討されているとはいえない」というのは独特
の言い回しですが、要するに「効果はない」というのと同じことを
言っています。

 「通常タンパク質はアミノ酸まで分解された後、腸管で吸収され
ると考えられています。ところがコラーゲンペプチドは、大きな分
子量のまま吸収されるという報告があります。」という記述があり
ますので、全部がアミノ酸レベルまで分解するわけではないようで
すが、コラーゲンがそのまま吸収されて使われるかのような宣伝は
ウソと思ってよいです。

 体内でコラーゲンを作るには、コラーゲンを食べるよりはビタミ
ンCの方が効果があるでしょうね。

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Q.カビの生えたものは食べない、と何度も回答をされているのを
読んでいるので大変お伺いしにくいのですが・・。父が家庭菜園で
作った生の殻つき落花生を送ってきてくれました。大きめの段ボー
ルに入れておいたので大丈夫だと思い2週間ほど放置しておいたら
とてもかび臭くなっており、中には明らかにカビだらけのものもあ
ったのですが、殻を剥いて生のまま食べてみたらカビの匂いはあり
ませんでした。殻だけなら剥いてしまえば大丈夫かと思ったのです
が、やはり食べない方がよいでしょうか。せっかく丹誠込めて作っ
てくれたものなので早く確認しなかったことを後悔しています。大
丈夫であれば食べたいと思ったのですが、いかがなものかご教示お
願いできればと思いお伺いさせていただきました。

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A.ピーナツはカビの害でよく話題になるものです。普通は殻をむ
いたピーナツについて言われていて、殻にカビが生えていても中身
は問題ないということはあると思います。

 だから自分で判断して大丈夫と思ったときは食べてもよいでしょ
うが、少しでも判断に迷うなら、やはり「カビの生えたものは食べ
ない」という原則に従うべきです。

 私ならカビの生えたものにさわるのがイヤなので、そのまま廃棄
処分ですね。あきらめが肝心のときもあります。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「吉野家で割り箸撤去」
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 以下は私のブログからの引用です。

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吉野家で割り箸撤去

 先日、大雨があり、あやうくクルマが水没しそうになりました。
電車も動いていなくて、結局大阪についたのはお昼過ぎでした。時
間がないので、駅にあった吉野家に入ったのですが、割り箸がなく
なってプラスチックの箸になっていました。何やら二酸化炭素の削
減がどうのと書いています。

 私が知らなかっただけで、今年の3月からやっているのだそうで
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

『リターナブル箸』吉野家全店に導入のお知らせ

■目的

 地球環境に配慮した、森林資源保護と店舗で発生するゴミの削減。
樹脂製の箸に切り替えることで、森林資源保護としては、年間、原
木換算で約14,000本、6,345トンのCO2削減効果になると試算してお
り、ゴミは年間で710トンの削減を見込んでいます。

 また、衛生面では、新たに開発しましたリターナブル箸専用の洗
浄機器及び乾燥殺菌庫を各店舗に設置し万全を期しています。

http://www.yoshinoya-holdings.com/holdings/pdf/2009/090316.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事を読んで、そんな馬鹿な、と思わなかった人はどれくら
いいるのでしょうか。それとも私だけがそう思ったのか?

 とにかく、これだけまっ赤なウソを平気でつく神経がわかりませ
ん。これがウソであることをわかる人間が吉野家には一人もいない
のか、それとも日本国民はこの程度のウソで騙せると思っているの
か…。

 どこがどうウソなのかは、明日のメールマガジンに書きます。

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 ということでその説明なのですが、「二酸化炭素」について順に
書いてみます。

(1)二酸化炭素の大循環

 大気中の二酸化炭素は基本的に火山から出てきて、海に吸収され
ます。海に吸収された二酸化炭素はサンゴのような生物によって、
最終的には石灰岩になります。この「火山⇒石灰岩」という一方通
行が地球上の二酸化炭素の基本的な動きです。

 中生代の恐竜が繁栄していた時代は、火山活動が活発で、今より
たくさんの二酸化炭素がありました。その結果、気候は温暖で、植
物は大繁栄し、それを食べる動物も増え、あの巨大な恐竜が栄えて
いたわけです。

 その後、大気中の二酸化炭素の量は長期的に低下しつづけ、現在
では十分の一近くまで減ってしまいました。原因はおそらく火山活
動の低下と思いますが、私にはよくわかりません。

(2)植物界での二酸化炭素の循環

 大気中の二酸化炭素は、植物によって常時取り込まれ、光合成に
よって有機物になります。したがって植物が成長するとき、二酸化
炭素は大気から取り除かれます。

 しかし、植物が枯れたりした後は、やがて腐敗や燃焼によって、
その二酸化炭素はまた大気中に戻ります。農作物の場合、食糧とな
った後、体内で分解したりしますが、このとき体内で燃焼と同じこ
とがおこっています。腐敗というのも、微生物が同じことをしてい
るわけです。

 よく森林が二酸化炭素を吸収する、とか言われますが、あてはま
るのは成長期の森林だけで、成熟した森では二酸化炭素の吸収と放
出は平衡します。植物も呼吸して二酸化炭素を放出しますし、森に
は動物もたくさん住んでいますので。

 だから「森林が二酸化炭素を吸収する」というのは間違いです。
「アマゾンの熱帯雨林」は典型的な成熟した森ですので、当然なが
ら二酸化炭素を吸収したりはしていません。「地球の肺」という表
現は根本的に間違っていることになります。

 植物の寿命は地質学的な時間ではほとんど一瞬のものです。家や
家具に使えば長期間存在するように思いますが、それも人間にとっ
ての話です。植物は大気中の二酸化炭素が一時的に姿を変えている
だけで、いずれは大気中に戻るものと考えてよいのです。

 だから植物を植えて二酸化炭素を減らすとか、植物を燃やすと二
酸化炭素が増えるとかいう細かい計算は無意味です。

 これを植物の「カーボンニュートラル」と言います。植物の増減
は大気中の二酸化炭素の増減に対して全体としてニュートラルであ
るということです。だから「バイオエネルギー」が注目されたりし
ます。

(3)化石燃料の二酸化炭素

 現在問題とされているのは、「化石燃料の使用による二酸化炭素
の増加」です。はるか昔、大気中に大量の二酸化炭素が存在した時
代に生まれ、「化石」として封印されていたのが化石燃料ですので、
それを使うということは、封印を解いて再び大気中に追加すること
になります。

 「地球温暖化」論の当否はさておき、「二酸化炭素の排出量削減」
というとき、これは「化石燃料の使用量削減」と同じ意味なのです。

(4)割り箸に使われた木材

 「原木換算で約14,000本」の割り箸は、もし割り箸にならなかっ
たらどうなるのでしょうか?

 木はすでにあるわけですから、割り箸に使われなかったら、他の
ものに使われたり、そのまま朽ち果てたりするわけです。要するに
いずれは二酸化炭素を放出します。そしてその放出量は計算しても
意味がない、「カーボンニュートラル」であると先程説明しました。

 「原木換算で約14,000本」削減というのが本当であっても、「6,
345トンのCO2削減」というのはまっ赤なウソというわけです。

(5)リターナブル箸との比較

 経費の問題で言えば「割り箸にかかる経費>リターナブル箸にか
かる経費」なのでしょう。

 リターナブル箸は単価は高く、洗浄機などを必要としますが、そ
れでも一回で使い捨ての割り箸よりも全体としては安くなるのです。

 だから割り箸からリターナブル箸への変更は経済的には妥当な判
断であると私も思います。

 また、「木材の使用量を減らして環境保護に配慮した」という説
明なら、私はそうは考えませんが、そういう考え方もあるとは思い
ます。

 二酸化炭素の問題に関してはどうでしょうか?

 「カーボンニュートラル」の考え方を知っていれば、比較すべき
は以下の項目です。

割り箸

・製造に使うエネルギー(に使う化石燃料 以下同じ)
・運送に使うエネルギー

リターナブル箸

・原料に使う化石燃料
・製造に使うエネルギー
・運送に使うエネルギー
・洗浄に使うエネルギー

 一目瞭然ですね。つまり、「二酸化炭素の排出量削減」というの
が目的であるのなら、絶対に割り箸を使うべきなのです。

 また「リターナブル箸」という名称から、永久に使えるように誤
解しがちですが、洗浄の頻度から考えると、寿命は意外と短く、か
なりの追加生産が発生すると思います。

 吉野家で割り箸を撤去したことにより、日本の二酸化炭素排出量
が増加したことは間違いありません。(別にどうでもよいのですが)

 「経済的に妥当な行為」を「環境問題」にすり替えるために、こ
うしたウソをついているわけですが、ここで最初に書いた、意図し
てウソをついているのか、無知なために本当にそう思っているのか、
理解に苦しむという問題にいきあたります。

 だれか吉野家に聞いてくれないでしょうか?

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回は食べ物と直接関係ない上、ちょっと説明口調になってしま
いました。こういうときに限って、間違ったことを書くのですよね。
ご指摘よろしくお願いします。

 ちなみに、二酸化炭素の濃度というのは、約1億年前の中生代で
は「1300ppm〜2300ppm。現在値は380ppm」なんだそうです。1000ppm
が0.1%です。案外少ないものです。
http://hiki.cre.jp/SciTech/?AtlanticOceanTemperaturesWas42DegreesCelsius

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