安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>518号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------518号--2009.10.11------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「製造年月日表示」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「肉」の話題について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも情報をありがとうございます。今回は生肉のことで久しぶ
りにメールします。

 以前の会社で食品包装の設計を担当していたときの経験です。当
時は乳製品のガス置換包装設計を担当していて、通常の食品には主
に不活性ガスとして窒素と、pH降下を期待して炭酸ガスを使用して
いました。

 肉業界の担当者から知った情報ですが、生肉には高濃度酸素も使
用するということです。これは肉の中のヘモグロビンが酸素で赤く
なるのを利用しているとのこと。

 これで鮮やかな赤色の肉を販売できるとのこと。今回の生肉の変
色の件は、もしかすると包装の下面に接触していて置換酸素が欠乏
状態で黒ずんでいたのではないでしょうか?容器から出して空気に
さらしておけば上面同様にまた赤くなるのではないでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ガス置換パックというのはそういうパックする機械があるのです
が、結構高価なものです。そういう設備のある施設で作られたもの
なら、全般にもう少しレベルが高いと思うのです。

 ご指摘のとおり、肉の場合は空気の代りに酸素と二酸化炭素を入
れるのですが、パックの形状からしても底の方はこのガスに触れな
いということではないと思います。肉と肉が接触しているところで
はそういうこともあるかもしれませんが。

 また、お話の様子からも、かなり劣化しているように思いました。
ということで、可能性としてはありますが、私はそうではないよう
に思います。

 次は「水」の話題について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 イロハスについては、mixiでマイミクの方が、次のことも書
いてました。これによると、北海道産より、富山産の方が、口に合
ったということです。

 その後、私は<いろはす>は、飲んでないので、味比較は出来て
いませんが…。

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 職場に置いてある自販機で買う「いろはす」(ミネラルウォータ)
が、先週は不味かったんです。

 体調が悪いせいかと気にしていたんですが、原因がわかりました。
採水地が異なっていたんですヽ(`Д´)ノ

 もともと先々週まで飲んでいたのは、[富山県砺波市東保]産で、
先週飲んだのは、[北海道札幌市清田区清田]産だったんです。そし
て、今日は元に戻って砺波市の水になりました♪

 ラベルを読んでみると砺波市の水は硬度が 31.5、不味かった札
幌市清田区の水は硬度は 21.9です。

 内容物が違うのに同じブランド名なのっておかしくないかい?

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 「不親切表示」だと感じています。商品名を『いろはす 札幌市』
とか『いろはす 砺波市』と表示したら分かり易いと思います。

 じつは、採水地はつぎのように何カ所もあります。()内は硬度で
す。

 ・北海道札幌市清田区 (29.1)
 ・山梨県北杜市白州町 (31.5)
 ・静岡県駿東郡小山  (36.9)
 ・富山県砺波市東保  (31.5)
 ・鳥取県西伯郡伯耆町 (43.0)

 採水地を複数にした理由は、搬送費を節約してエコを目指してい
るようです。が、実際は札幌とか富山から東京へ出荷しているので
「おかしい」と受け止めています。

 PETボトルは12gと省資源としていますが、リサイクルが完全にし
ているなら重量は関係ないと思いませんか?

 世の中、エコが流行っていますが、実態はどうなのか見極めなけ
ればならないと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なるほど、私が飲んだのは北海道の分だったのですね。売店に
「北海道の水」と書いていたので、この商品はみんな北海道の水を
使っているのかと思っていました。

 環境負荷の少ないことがコンセプトのようですので、こういうや
り方もありそうです。「輸送」ということが大きなウェイトを持っ
ているのです。でも、味が微妙に違うというのはちょっと困ったと
ころです。

 ペットボトルと環境負荷ということを考えると、リサイクルの部
分はおまけというか気休め程度の効果しかありません。ワンウェイ
とリユースを比べると、地域限定でリユースできるとき以外はワン
ウェイの方が有利だそうです。

 そしてワンウェイの場合、一つあたりの重量が少ないほど、有利
になります。リサイクルの部分で回収できる資源と、リサイクルす
ることに投入する資源を考えると、リサイクルすることにあまり意
味はないのです。

 たぶん、リサイクルも広域でやれば資源を余分に消費することに
なると思います。そして狭い地域でやれば、集まる量が少なすぎて
リサイクル事業が成り立ちません。環境負荷の面からみれば、ペッ
トボトルのリサイクルというのはあらかじめ破綻した構想である、
というのが私の意見です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.りんごを食べるとき、皮をむかなくて安全でしょうか。一概に
は言えないと思いますが、おおよその所をご教示下さい。

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A.私も若いころはりんごを丸かじりするのが好きでした。このご
ろは皮を剥いて食べていますが。

 安全かどうか、という質問ですから、農薬のことを心配している
のでしょうが、普通に食べる分には心配には及ばないと思います。

 一個や二個のりんごを食べて被害が出るほど大量に農薬がついて
いる可能性はないからです。毎日百個ほど食べるのなら…。

 よく誤解されるのがりんごの皮がつるつるしていることです。あ
れはりんご自身が分泌するワックス(ロウ)成分で、実を保護する
ために出しています。他の果物ではワックスをかけるなどというこ
とが全くないわけではありませんが、りんごでそういうことをする
必要はありません。

 ロウですからおそらく消化はされません。でも別に害があるわけ
ではないので、食べても問題ありません。

 りんごを丸かじりしているところなど、若い人はいいなあ、など
と感じるこのごろです。元気があるうちは丸かじりしてみるのもよ
いと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「製造年月日表示」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品表示:下関の業者がフグ加工品製造日を偽装 改善指示

 実際とは異なる製造・加工年月日を偽装表示し、販売していたと
して、農林水産省は9日、海産物製造加工の「下関水陸物産」(山
口県下関市)に対し、JAS(日本農林規格)法違反で改善を指示
した。健康被害の報告はないという。

 同省によると、同社は昨年9月〜今年8月、下請けに委託製造し
たふりかけや雑炊のもとなどフグの加工品26商品7万5727点
について、実際の製造・加工日ではなく、商品に表示ラベルを付け
た日を製造・加工年月日として、全国のスーパーなどで販売した。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091010k0000m040034000c.html?inb=yt
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このニュースで不思議なのは「製造・加工年月日」を偽装してい
たと書かれていることです。年月日の表示は「賞味期限」に統一さ
れているので、不思議に思いました。

 「賞味期限」の間違いではないか?と思いましたが、そうではな
いようです。以下は農水省の発表です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1.平成21年8月26日から9月29日までの間、下関水陸物産株式会社
(山口県下関市岬之町10番6号。以下「下関水陸物産」という。)
に対し、中国四国農政局が調査を行いました。

2.この結果、農林水産省は、下関水陸物産が少なくとも平成20年
9月1日から平成21年8月26日までの間、自社を表示責任者とするフ
グ加工品について、以下の行為を行っていたことを確認しました。

(1)自社が製造委託及び小分け・包装委託した一般消費者向けフ
グ加工品16商品(「ふくのお茶漬4袋入」等)について、製造業者
等から伝達された製造年月日を変更し、又は確認せず、商品を検品
した日以降の日を製造年月日として表示したこと

(2)自社が小分け・包装した一般消費者向けフグ加工品10商品
(「ふくの骨せんべい35g」等)について、商品を検品した日以降
の日を加工年月日として表示したこと

(3)(1)の商品のうち、取引先から返品されたフグ加工品13商品
(「ふくふりかけ瓶入」等)について、名称等を記載した一括表示
シールを破棄し、返品された日以降の日を製造年月日として付すと
ともに、この製造年月日を起点として新たな賞味期限を表示したこ


(4)(1)及び(2)の商品75,727個を一般消費者向けに販売した
こと

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/091009.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やはり製造年月日を偽装していたということです。さらに返品さ
れてきた商品について、賞味期限も偽装していたとなっています。

 引き続き、根拠となる条文が書かれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

[1] 事実と異なる製造年月日又は加工年月日を表示した行為は、
加工食品品質表示基準第6条第3号に、

違反するものです。(別紙1参照)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「第6条第3号」というのは、以下のような条文です。

「その他内容物を誤認させるような文字、絵、写真その他の表示」

 やはり任意表示である製造年月日を偽装していたということです。
任意表示だからと言って、ウソを書いてはいけないというのはまあ
当然でしょう。

 返品された商品の賞味期限を改竄したのは悪質な違法行為ですが、
製造年月日表示の方はちょっと微妙です。

 今回は下請けが製造して、すでに商品の形になって納品されたも
のを、後で製造年月日を入れていたようです。でも、これが下請け
からは大きな箱入りで納品され、自分のところで小分け包装したも
のなら、その小分けした日を製造年月日として問題はありません。

 一般に、「製造年月日」というのはかなり不確実なものを含んで
います。一度に製造されて最終製品として包装されてしまう場合は
ほぼ問題はないのですが、「半製品」などの状態でいったん保管さ
れ、後日包装される場合もよくあります。

 クリスマスのケーキがあらかじめ大量に作られて冷凍保管されて
いるのは今や常識です。お正月のかまぼこなども似たようなことに
なっています。

 こうしないと特定の日に間に合いません。こういうことが違法だ
と思っている人もいないはずです。

 また、大きな単位で輸入され、国内で小分け包装するような場合
は、小分けした日が製造日となりました。

 生産地で小分けされ、ずっと冷凍保存していたものの方が、国内
で小分け包装されたものより品質はよいのに製造年月日が古くなる
といった矛盾があったのです。

 これらの矛盾を避けるため、「製造年月日」ではなく「賞味期限」
表示となりました。今でも製造年月日表示がよいように思っている
人もよくいますが、それは誤解で、やはり賞味期限表示の方がよい
方法なのです。

 だから、今回の事件でも、製造年月日なんか書かずに賞味期限だ
けを書いておけば問題はなかったのです。

 こう考えると、製造年月日表示というのが馬鹿げたものであると
いうことがわかります。

 まあ、わかっていない人も大勢いて、こんなことを書いています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「長年の商習慣だった」−−。農水省と県が9日発表したフグ加
工食品などの不適正表示問題。改善指示を受けた下関市などの業者
はそろって「昔からの習慣」を理由に挙げた。食品衛生法の製造日
の定義があいまいだった事情もあるとはいえ、「食品は作った日が
製造日」という消費者感覚と懸け離れた「業者感覚」が指弾されて
いる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091010-00000165-mailo-l35
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私はこんな「記者感覚」の方がおかしいと思います。

 この事件を教訓に、まだ残っている製造年月日表示をなくしてい
ってほしいものです。書くとロクなことはないですから。消費者側
も、製造年月日表示では(違法でなくても)だまされることが多い
と認識すべきです。

 いわゆる消費者団体が製造年月日表示にこだわる理由がよくわか
りません。賞味期限表示より製造年月日表示が優れている根拠を聞
いたことはありません。どうも国が提案した新しいものには脊椎反
射で反対しているとしか思えないです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 本の出版についてですが、以下のように決まりました。

書名:『「食の安全」裏側の話』
著者:渡辺 宏
発行所:株式会社カザン
価格:1400円
発売日:2009年10月23日

 なんとあと2週で発売です。編集部の仕事の早いのに驚いていま
す。

 内容は雑誌「食生活」の連載とほぼ同じです。「食生活」は栄養
士向けの雑誌ですので、一般の人には初公開になります。「株式会
社カザン」というのは「食生活」の発行元です。

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-518号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
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