安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>513号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------513号--2009.09.06------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「葉酸」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「グリシドール」について、メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先週のグリシドールについて興味深く読ませて頂きました。

 私の業務の一部で、MSDSを作成しているため、この手の情報/物
質の動向に注目しています。その立場からこの騒動(笑)の見解をお
送りします。

 まず、元ネタの毎日新聞の記事ですが、花王の「安全性には問題
ない」のコメントが正しく、毎日新聞の記者が何も調べずに書き、
読者をミスリードしてしまった可能性が非常に高いと思います。

 化学物質の暴露影響を調査するには、どのような経路で体内に摂
取するのか、という点が非常に重要ですが、この点が欠如している
ように見受けられます。

 毎日新聞の記事だけを読むと、エコナを含む食品を食べると、グ
リシドールによってガンになるのでは…?と誤読してしまいそうに
なります。

 ところが、本文中に渡辺様も書いてある通り、グリシドールを吸
入、つまり呼吸器官(肺や気管支等)から蒸気状のグリシドールを摂
取した場合に【発がん性が疑われる】のです。

 もう少し補足するならば、労働環境であり、主婦が料理中に、と
いう設定ですらありません。

 詳細ですが…

 本文中にある安全衛生情報センターのリンク先を読むと、「2.
方法」に動物実験の詳細条件を記載してあります。

 そのうちの、「投与方法」ですが、

>グリシドールの濃度をラットは雌雄とも30、10、3、0ppm(対照群)、
>マウスは40、13、4、0ppm(対照群)とし、1日6時間、週5日、投与
した。

とあります。

 6時間/日、5日/週という条件設定が示唆するのは、少なくとも主
婦が料理中に暴露する、という設定ではないでしょう。まず間違い
なく、グリシドールを業務で取り扱う労働者でしょう。

#そもそも、安全衛生情報センター自体が中央労働災害防止協会と
いう団体が運営する機関です。

 次に、製品評価技術基盤機構(通称NITE、安井至氏が現在の理事
長です)がMSDS作成時に、毒性や物性等から危険の度合いを示して
います。

 グリシドールについては

http://www.safe.nite.go.jp/ghs/0098.html

にあります。余談ですが、もし私のメールをご紹介していただける
なら、この部分は割愛して頂いた方が良いかもしれません。何も知
らないで見ると、マークの恐ろしさにあらぬ誤解を与えかねないの
で…。

 これらの情報のうち、「健康に対する有害性」にて、各毒性デー
タの信憑性を、私なりに確認しました。

 私が自社製品のMSDSを作成する際、CERIハザードデータ集(2002)、
ACGIH、IARC等は信頼できる情報源と判断をしています。

 ので、手前味噌ではありますが、情報自体は信憑性が高いと思わ
れます。

 最後に、グリシドールの発がん性が、吸入によるものなのか、経
口によるものなのかを、yahoo先生にて調べてみました。

 すると、このような厚労省の文書がhitします。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0304-7d.pdf

 11ページ(最初のページ)の「2 有害性評価」をご覧くださ
い。

>根拠:カリフォルニアEPAによる吸入ばく露による過剰発がん生涯
>リスクレベル(RL(10-4))及び吸入ばく露によるユニットリスク(UR)
>の値に基づく。

とあります。

 従って、厚労省が「発がん性」があると認識しているのは、あく
まで吸入暴露であり、経口は一切触れられていません。この状況で
は、経口暴露での発がん性は「情報不足で分類できない」となりま
す。

 以上のことから、毎日新聞の元記事は、単なる調査不足によるミ
スリードと判断しました。

 正直、「また毎日か」と思うと同時に、専門的な情報を、何の下
調べや土台無しに記事を書いてしまう記者に、少々あきれてしまい
ました。

 長くなってしまいましたが、この辺で失礼します。これからも
「安心!?食べ物情報」を楽しみにしております。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「また毎日新聞」だったのですね。紙面では見つけられずに、ネ
ットで見た情報でしたので、毎日の記事とは気付いていませんでし
た。

 Yahooの「食品の安全性」というニュースページで見たものです。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/food_safety/

 調べてみると、どうも他社では報道していないようです。これは
「スクープ」ですね。「誤報」と言った方がよいと思います。

 さて、この間の事実経過について、花王のサイトに報告がありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

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第112回食品安全委員会 平成17年9月22日
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 厚生労働大臣から、「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品
の安全性について」の食品健康影響評価の依頼が、食品安全委員会
に提出されました。食品安全委員会では、本件に関し、新開発食品
専門調査会を中心に、他の専門調査会の先生方も加えた合同専門調
査会を設置し、調査審議を行うこととなりました。

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新開発食品(第57回)・添加物(第68回)合同専門調査会
 平成21年3月23日
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 第5回ワーキンググループの議論およびこれまでに行われた試験
概要をうけてまとめられた新開発食品・添加物評価書(案)につい
て審議されました。その結果、高濃度にジアシルグリセロールを含
む食品の安全性については「適切に摂取される限りにおいては、安
全性に問題ないと判断した」との結論が了承され、議論された内容
を事務局でもう一度修正して、各委員に確認後、最終的に食品安全
委員会へ報告されることになりました。

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新開発食品(第62回)・添加物(第75回)合同専門調査会
 平成21年8月24日
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 冒頭に前回厚生労働省から提出されたグリシドール脂肪酸エステ
ルに関する追加資料について議論され、グリシドール脂肪酸エステ
ルについて、体内での動態を中心とした安全性の確認をすることと
なりました。

 そして、舌を含む口腔内の発がんプロモーション作用ついては今
までの試験全体から「DAG油の投与による舌を含み口腔内の発が
んプロモーション作用は認められないと考えた。」との結論になり
ました。予定の時間内では全ての議論が終わらなかったため、次回
の合同調査会で引き続き乳腺について議論することとなりました。

http://www.kao.co.jp/econa/050920/index_04.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 安全性の評価について、ほぼ終わったが、厚生労働省が出してき
た「グリシドール」について、確認を行うことで合意した、という
事実について、誤った報道をした、ということになりますね。

 肝心の結論部分ではなく、枝葉の部分だけを報道しているわけで
すから…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.ジャガイモの皮と芽には毒素があるのは知っているのですが、
サツマイモの皮と芽には有害になる毒素などは含まれてないのでし
ょうか?

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A.このごろ、学校教育の場でジャガイモによる食中毒が多発して
います。ジャガイモの芽に毒があると知らない先生が増えているの
だそうです。

 サツマイモ(ヒルガオ科)はジャガイモ(ナス科)とは違う植物
で、イモも根ではなくて地下茎の部分です。昔食料難の時代には、
イモのツルも食べたとか言いますが、あれはサツマイモのことです。

 サツマイモは茎や葉を含めて、すべて食用になり、毒はないのだ
そうです。ご安心ください。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「葉酸」
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 「食品安全情報blog」で、「葉酸」についての記事がいくつか出
ています。

 葉酸はビタミンB群の一つです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

欠乏症

 葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細
胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすい。症状は、貧血、
免疫機能減衰、消化管機能異常などが見られる。また、心臓病や大
腸ガン、子宮頸ガンのリスクがあるとの報告がある。

 また、妊娠期に葉酸が欠乏すると、神経管閉鎖障害が起こり、重
度の場合は死に至る。また、無脳児の発生のリスクが高まる。

 貧血に関しては、葉酸は造血作用に対しビタミンB12と協調して
はたらき、いずれのビタミンの欠乏も巨赤芽球性貧血を引き起こす。

 神経管閉鎖障害に対しては、妊娠初期が重要で、特に通常まだ妊
娠に気付かない第一週が最も葉酸を必要とする期間であると考えら
れている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%89%E9%85%B8
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「神経管閉鎖障害」というのは、具体的には「二分脊椎症」と呼
ばれる障害を引き起こします。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 二分脊椎は、生まれつき脊椎の癒合が完全に行われず一部開いた
ままの状態にあることをいいます。そのなかには、脳からの命令を
伝える神経の束(脊髄)が、形成不全を起こし様々な神経の障害を
生じる病気もあります。主に腰椎、仙椎に発生しますが、その部位
から下の運動機能と知覚が麻痺したり、合併症として脳に異常を生
じたり、さらに膀胱や直腸の機能にも大きく影響を及ぼすことがあ
ります。

http://www.nibunsekitsui.jp/symptom/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 二分脊椎は、もともと先天的な脊髄の病気であり、わが国の場合、
出生10,000人 の赤ちゃんに対し、3人前後の割で生まれるといわれ
ています。すなわち妊娠中のお母さんのおなかの中でこの病気にな
った胎児は、脊髄に障害をもったままで生まれてきます。その結果、
患児は尿や便の失禁、下半身の麻痺や骨の変形などが現れます。二
分脊椎はもともと脊髄の病気ですが脳にも障害を伴うことがありま
す。

http://www.jikeikai-group.or.jp/jsatoshi/kiso.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もっと珍しいものかと思っていましたが、「1万分の3」という
のは百万人で300人ですから、案外多いです。また、こういう数
字もあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 脊髄髄膜瘤(開放性二分脊椎症)の発生数は国内では年間約150名
といわれている。発生率で計算すると1万人に約1.3人ということに
なる。これは欧米の1/3 -- 1/7にあたり日本での発生率は世界的に
は少ないといわれていた。しかし、近年欧米諸国では脊髄髄膜瘤の
発生率が急速に減少してきている。これは、脊髄髄膜瘤発生に予防
効果が認められる葉酸の摂取が積極極的に勧められていることと関
係している.国内でも、厚生労働省により妊娠可能年齢の女性に葉
酸0.4mg/ 日の摂取が提唱されているが、充分に浸透されていると
は言えない状況である.

http://mymed.jp/di/riu.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 先天性の異常なのですが、「神経管閉鎖」というのは発生のごく
初期におこりますので、母親がまだ妊娠に気付かない時期に決まっ
てしまいます。したがって、医者としても発生を防ぐことはできな
いということになります。

 この症状の発生を減らすのに、葉酸が有効である、ということが
わかっています。日本ではまだほとんど話題になっていませんが、
対策を講じている国もあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 小麦粉にビタミンB、鉄、葉酸を添加する義務はカナダの食品の
栄養の質確保のために重要なものである。強化小麦は公衆衛生のた
めに必要である。

 全ての製造業者、輸入業者、販売業者には製品がカナダの規制を
守っていることを確認する責任がある。

 食品医薬品規制では全ての精白小麦粉と、パンやクッキーやパス
タなどの精白小麦粉を含む製品は添加されていなければならない。

 必ず添加しなければならないのはチアミン、リボフラビン、ナイ
アシン、葉酸、鉄で、オプションで添加するのはビタミンB6、パン
トテン酸、マグネシウム、カルシウムである。

 カナダでは無添加精白小麦粉の販売は認められていない。例外は
グルテン又は澱粉製造用の精白小麦粉である。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090903
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういうことをしているのですね。国がサプリメントの面倒をみ
ているわけです。同じようなことはアメリカやオーストラリアなど、
多くの国でも行われています。

 それをニュージーランドでも行おうとしたところ、ちょっとした
騒ぎになっているということです。長いですが全部引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■パンの葉酸:長い物語

 全てのニュージーランドのパン(オーガニックパンを除く)に葉
酸添加を義務づけることに関する議論はここ数週間に渡って長く荒
れ狂っている。

 葉酸添加に反対する人々は、製パン業者の経済的懸念の他にある
種のがんリスクがあるという健康上の懸念を強調している。一方賛
成陣営は世界中の国で使われていることや二分脊椎として最もよく
見られる神経管欠損症(NTD)予防効 果を挙げる。

 Science Media Centerはニュースで取り上げられた葉酸問題につ
いて時系列で並べた。

5月17日

 ニュージーランド政府がパンの葉酸添加義務化とりやめについて
検討すると発表した−これはオーストラリアとの食品基準合意の観
点からは微妙な問題である。

7月8日

 労働党が葉酸添加計画歓迎のプレスリリースを発表した。

 ニュージーランドの食品安全大臣Kate Wilkinsonと製パン業協会
がパンの葉酸添加に不信という点で一致した。大臣は葉酸の摂りす
ぎががんと関連するという研究を引用し、製パン業協会はNTD予防
効果は小さいと言う。

7月9日

 製パン業者がお金の無駄であるとして葉酸添加反対意見を表明し
た。

 緑の党は政府が葉酸添加についての立場を見直すべきだというプ
レスリリースを発表した。

7月10日

 製パン業協会は、オーストラリアとの食品条約によりニュージー
ランドは葉酸添加する法的義務があるというWilkinson大臣は間違
っていると主張。

7月13日

 John Key総理大臣は、ニュージーランドには葉酸添加する以外の
選択肢はないと言い、労働党のAnnette Kingを非難した。食品安全
評議会の会長Katherine Richはこの議論はAnnette Kingが決定を行
った当時はまだ知られていなかった根拠によるものであると述べた。

 二分脊椎症患者親子連合は葉酸添加が義務化されるべき理由を述
べたプレスリリースを発表し、反葉酸キャンペーンの言い分に反論
した。

 Otago大学の栄養学教授Murray Skeaffは葉酸にはがんリスクはな
いという未発表データからの新しい根拠を引用した。John Keyは9
月から葉酸添加は行われるだろうがすぐに中止されるだろうとコメ
ントした。

7月14日

 Kate Wilkinsonは葉酸とがんには関連がないという新しい研究に
も関わらず、葉酸添加反対の立場を変えていないため、10月にオー
ストラリアの大臣とこの問題について話し合うつもりだと述べた。

 ニュージーランド製パン業協会は9月に葉酸添加が義務化され、
10月にしか見直しされないなら業者には経済的負担が生じるという
プレスリリースを発表した。

 ニュージーランド自由党は全てのパンに葉酸を添加するのは過保
護国家のすることで個人の自由意思を尊重していないというプレス
リリースを発表した。消費者団体ヘルスフリーダムニュージーラン
ドもまた葉酸添加反対の声明を出した。

 製パン業協会はKate Wilkinsonが最初健康上の懸念から葉酸添加
に反対していたのに新しい根拠により安全性には問題ないと言って
いることに混乱すると述べた。

 John Key総理大臣はオーストラリアとの葉酸添加合意から離脱す
るために法的助言を求めたと報道されている。

7月15日

 オーストラリアがニュージーランドが望まないなら葉酸添加を遵
守する必要はないといった。

 Organics Aotearoa New Zealandが葉酸添加より教育がよいとい
う立場から葉酸添加に反対の声明を発表した。

7月16日

 ニューランド小児科学会が多くの健康影響と科学的根拠により葉
酸添加を強く薦めると発表した。

7月19日

 John Key総理大臣は政府はこの問題については2012年まで延期し
ニュージーランドのパンには9月からの葉酸添加を求めないと確約
した。しかし義務化ではなくともパン業者には任意で葉酸の添加
を要請した。

 障害者団体や長く葉酸添加を望んで活動してきた人たちはこの決
定に怒りを表明した。総理大臣の主任科学助言者であるPeter
Gluckmanもまたメディアでのこの問題の扱い方に非科学的報道が多
かったと異議を申し立てた。二分脊椎症患者親子連合のスポークス
マンであるLyall Thurstonは、葉酸添加反対キャンペーンは恥ずべ
きものだったと非難した。

 製パン業協会は最大50%のパンに葉酸が添加されるだろうと言っ
ている。

 労働党は食品安全大臣Kate Wilkinsonが葉酸の議論に関しては任
務を果たさなかったと批判した。

7月20日

 Lyall Thurstonは葉酸添加を2012年まで延期するという決定が発
表された日は、公衆衛生よりお金とデマの方が強いという悲しい日
であると言っている。

 葉酸添加は57ヶ国で行われており、いずれの国でもそれによる健
康上の問題は報告されていない。

 製パン業協会は決定を歓迎し任意の添加について協議すると言っ
ている。

 Kate Wilkinsonはパンへの葉酸添加を2012年5月まで延期すると
いう提案へのパブリックコメント募集を発表した。

7月21日

 怒れる小児科医たちは2012年まで延期することにより約一クラス
分の子どもたちの命と、健康上のコストが1000万ドル余分にかかる
だろうといっている。

(科学はメディアに、そして政治に負ける。公衆衛生の恩恵は多く
の人には実感としてはわからないから簡単に扇動される。日本は葉
酸に関してはそれ以前のレベルだけど。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090722#p11
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 議論が白熱している様子がわかります。日本と違ってマスコミは
結構冷静なようです。こういう議論を正々堂々とやれるというのは
うらやましいです。

 思い出す似たような例として、水道水にフッ素を添加するという
こともあります。いずれも、その効果は明らかなのですが、問答無
用で供給されるということについて、抵抗があるわけです。

 葉酸については、添加されることについてのリスクはさほど大き
くないようです。

 「葉酸添加より教育がよい」という意見が気になりますが、教育
の成果として、すべての女性が適切な食生活またはサプリメントを
とっていれば問題ないという立場でしょう。でも、これは全員とい
うわけにはいかず、底辺の階層にしわ寄せが行くことを認めるとい
うことでもあります。

 だから私は添加にどちらかと言えば賛成の立場なのですが、同じ
くらい議論もせずに、権力側が(善意からとはいえ)押しつけるの
も間違っていると思います。

 ニュージーランドでは議論の先行きが見えず、延期してしまった
ということですが、この議論が無駄にならないように願います。

 そろそろ日本でも考えたらどうか?と思いますが、その気配もな
いのはうねやまさんのご指摘どおりですね。でも日本でパンに添加
しても、全員が食べるわけでもなく、あまり効果があがりません。
さてどうすればよいのかという問題もあります。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回は少し長くなってしまいました。ご了承をお願いします。前
回は私も気付いていなかったのですが、「グリシドール」の件は毎
日新聞の誤報ということです。

 葉酸の話で、葉酸添加を実施しているのが世界で57か国もある
のですね。そしてその成果として、二分脊椎症の発生は確実に下が
ってきています。葉酸はホウレンソウなどの野菜に多く含まれ、日
本人はそれほど不足していないということはあるのですが、このま
までよいのかどうか、疑問に思うところです。

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