安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>512号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------512号--2009.08.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「エコナクッキングオイル」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 米の価格について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

産経新聞の記事です

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090822-00000553-san-pol

読んでいて「??」と思います。

「能勢町の専業農家、加堂芳次さん(62)はこう憤る。十数年前
の米価は60キロあたり2万4千円弱だったが、最近は6千〜7千
円下落。採算がとれず、年金で不足分を補っている。」

 どうしてもっと儲かる作物を作ろうとしないのでしょうか?商店
で言うならかつて高値で売れたが価格が暴落しもはや利益のでない
商品を仕入れ続けると言うことになると思うのですが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは私も常々疑問に思っているのですが、米を「商品」や「作
物」と考えるとたぶん意味は見えてこないのだと思います。

 昔、武士の俸祿は米で支払われていました。貨幣経済が充分発展
した後も、これは変ることはなかったのです。この結果、武士階級
は経済的には没落していったのですよね。

 戦後の経済発展の時代には、こんどは「米価」が形を変えた農村
への所得移転として働いたのです。

 経済発展と都市での生活の豊かさに、農村が置き去りにされない
ように、米価を釣り上げることによる農村所得の補償をおこなった
のだと考えることができます。

 非常に変則的な方法ですが、結果は素晴らしい成功でした。世界
中でもめったに実現しない、「豊かな農村」が実現したのです。

 経済情勢の変化と、「米離れ」によって、この方式もうまく行か
なくなってきたのは事実です。しかし、それに代わる有効な農村対
策はまだ生まれていないのです。この記事はそれに対する不満を述
べたものだと思います。

 要するに、「政策米価」を復活させて、農家の収入を保証しろ、
ということです。でも、これから先、そうなることは難しいです。
だから、いつまでそんなことを言っているのか?という感じはつい
てくるわけです。

 次は「インフルエンザワクチン」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 介護マネジャーさんが強く勧めるので、毎年母にはインフルエン
ザの予防接種を受けてもらっていますが私は受けないことにしてい
ます。

 私は、小中学生の頃、毎年学校で接種されてましたが、接種した
後で高熱を出して苦しんだ記憶があります。

 もしかしたら接種が原因で高熱が出たのでは?と疑っています。
大人になってからは一切接種していませんが、風邪をひいても熱が
出ることは滅多に無く、10年ほど前に熱を出した時も37.5℃以下で
病院にいく前に自然に治ってしまいました。

 タミフルもインフルエンザ予防接種も、製薬会社の金儲けの道具
ではないかと疑っています。インターネットでも、真偽の程は不明
ですが、色々な意見が流れているようです。

http://union-milme.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-437a.html

 新型(鳥?豚?)インフルエンザのワクチンは超特急で作り十分
な審査もせずに接種するとテレビのニュースで聞いたので効果も不
明・副作用も不明な、危険な博打に思えるので絶対避けようと思っ
ています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私も予防接種には苦しんだものです。ほとんど病気なんかしない
元気な子でしたが、予防接種の次の日はよく熱を出しました。ふだ
ん熱なんか出ないので、朝から熱があっても、おかしいな、などと
思いながら学校に行くのです。それでよく昼前に帰されたりしまし
た。

 大人になってからは、予防接種と健康診断は受けない、というの
が信条です。自分が受けるのはイヤだけれど、他人が受けて、結果
として流行の規模が小さくなればラッキーであると、身勝手なこと
を考えています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.日本で、じゃがいもには許可されていると書かれていましたが、
近所のスーパーで買った北海道メークインは、1ヶ月ほど保管すると
芽が出てきます。 処理されていないものも多いのでしょうか?

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A.ジャガイモについては、以下のような状況です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本では、北海道にある1施設のみで、放射線によるじゃがいも
の発芽防止処理が行われています。現在、この処理は、国内の生食
用(調理用)じゃがいもの供給量が減る3月下旬から4月くらいへの出
荷に備えて行われています。

 放射線照射されたじゃがいもはすべて生食用(調理用) として出
荷され、加工用としては流通していません。平成17年度の出荷実
績は約8000トンで、これは国内生産量の約0.3%になります。

 なお、輸入品についても表示の無いものの流通は禁止されており、
輸入時に検疫所が監視指導しています。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/netforum/faq/faq/faq018.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ちなみに、日本の生産量は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

日本の生産量は275万トン(世界シェア0.85%)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 出荷時は箱に表示されています。ばら売りになってしまうとわか
りませんが、私たちが直接買ってくるジャガイモに混じってくるこ
とはまずないと思います。

 端境期に業務用として使われているというのが実態です。「士幌
町農協」という表示があれば、たぶんそれなんですけれど、見つけ
るのは難しいでしょうね。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「エコナクッキングオイル」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 以前にも質問されていたようなのですが、昨日、食品安全委員会
が花王の「エコナ」についての安全性を調査する旨のニュースを見
ました。

 いままで「エコナ」の安全性に問題があることなど全く知らなか
ったので、びっくりするとともに、不安になって質問させていただ
きました。

 少し前ですが、たまたま「エコナ」を数本いただく機会がありま
した。普段であれば、特定保健用食品の有効性など信じておりませ
んし、なにより他の食用油に比べて高価なものなので使用はしない
のですが、いつも使っている食用油が切れてしまったこともあり、
この「エコナ」を使用してしまいました。

 ここで、気になったのは、私や主人が食べてしまったことではな
く、1歳2ヶ月になる息子も、ホットケーキや卵焼き、ハンバーグ等
を作り、毎日食べてしまっていたことです。1歳になるかならない
か位から油を使うメニューを作り始めたので、3ヶ月弱くらいの間、
ほぼ毎日摂取してしまったことになります。

 このエコナについての安全性はどうなのでしょうか?また3ヶ月
という短いスパンですが、小さい子が連続して摂取してしまったこ
とについての安全性はどうなのでしょうか?今からやめるという形
で間に合いますか?

 食べてしまったものはしょうがないとは思うのですが、心配で夜
も眠れない状態に陥りそうなので、ご回答をよろしくお願いいたし
ます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今、わが家でも貰い物のエコナを使っています。使っている分に
は普通の油です。ご質問の件は、以下のニュースに関連したもので
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

<エコナオイル>安全性を調査 食品安全委(毎日新聞)

 食品安全委員会の専門調査会は24日、特定保健用食品「健康エ
コナクッキングオイル」(花王)などに含まれる可能性のグリシド
ール脂肪酸エステルの安全性を検討することを決めた。調査会は、
エコナクッキングオイルなどジアシルグリセロール(DAG)を高
濃度で含む食品の安全性を調べており、近く中間報告を出す。今回
調べるエステルはDAGを主成分とする油に多量に含まれるとの報
告がある。安全に関する情報も少なく、発がん性があるとされるグ
リシドールに体内で変わる可能性も否定できないという。花王は
「安全性については問題ないと考えている」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090824-00000080-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「エコナ」は「ジアシルグリセロール」を主成分とした製品です。
ジアシルグリセロール(DAG)はグリセリンに脂肪酸が2つ結合
したもので、「ジグリセリド」と呼ぶこともあります。

 通常の脂肪は、「トリアシルグリセロール」で、グリセリンに脂
肪酸が3つ結合したものです。

 グリセリンは3価のアルコールですので、3つ結合しているもの
が普通なのですが、わざと一つ脂肪酸を少なくしています。

 3つの水酸基(アルコール基)のうち、真ん中のに脂肪酸がつか
ない「1、3ジアシルグリセロール」は、消化吸収されにくい性質
がある、というのですね。

 安全性については、食品安全委員会で一応の結論が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 反復投与毒性試験及び遺伝毒性試験の結果、いずれもDAG 油の投
与に関連した毒性は認められなかった。また、マウス及びラットを
用いた2 種類の発がん性試験の結果、いずれもDAG 油の投与に関連
した腫瘍発生は認められなかった。

 また、その他、急性毒性試験、生殖発生毒性試験、消化管内容物、
血清及び糞便中の1(3),2-DAG 量の測定試験、消化管粘膜組織及びヒ
ト大腸由来細胞を用いたPKC 活性測定試験並びに加熱処理(じゃが
いも片連続8 時間又は8 時間×3 日間加熱)DAG 油の安全性試験
(急性毒性試験、反復投与毒性試験及び遺伝毒性試験)の結果が報
告されているが、特段の影響はみられていない。さらに、ヒトを対
象とした試験においても、被験者の血液及び身体上の検査項目に問
題は認められていない。

 通常の食品健康影響評価においては、これらの試験の結果からは、
適切に摂取される限りにおいては、安全性に問題はないと判断され
るものである。

http://www.fsc.go.jp/senmon/tenkabutu/t-dai74/tenkabutu74-siryou1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ジアシルグリセロールの安全性について、当面の判断としては問
題ないというのが結論です。

 今回の件は少し意味が違います。

 「グリシドール(2,3-エポキシ-1-プロパノール)」という特殊
なアルコールがあって、「ヒト発がん性の可能性がある物質」とさ
れしいます。

 吸入試験などでは、確かに無視できない毒性があるそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2年間にわたるグリシドールの吸入投与(全身ばく露)によるが
ん原性試験の結果、ラットの雄では、鼻腔腫瘍と腹膜腫瘍の顕著な
発生増加、雌では、鼻腔腫瘍と子宮腫瘍の発生増加が認められ、こ
の結果はグリシドールのF344/DuCrj(Fischer)ラットの雌雄に対す
るがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。マウスでは、雄に鼻
腔腫瘍、皮下組織腫瘍および抹消神経腫瘍の発生増加、雌に鼻腔腫
瘍、子宮腫瘍および乳腺腫瘍の発生増加が認められ、この結果はグ
リシドールのCrj:BDF1マウスの雌雄に対するがん原性を示す明ら
かな証拠と考えられた。

http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/kag/bio/gan/ankgd14.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 グリシドールもアルコールですので、脂肪酸とエステル結合して、
脂肪類似の化合物を作ります。この「グリシドール脂肪酸エステル」
が通常の油脂に含まれる可能性があるという報告があったそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 精製植物油からCVUAがグリシドール脂肪酸エステルを検出した。
現時点で利用可能な方法では正確な定量はできない。グリシドール
脂肪酸エステルからグリシドールがどれだけ遊離するかは不明であ
る。グリシドールはヒト発がん性の可能性がある物質に分類される。

 精製植物油が乳児用ミルクに使用されることやグリシドールに有
害な可能性があることからBfRはCVUAの発見を重く受け止め、健康
リスクがあるかどうか評価した。

 グリシドール脂肪酸エステルからグリシドールが完全に遊離する、
乳児がミルクのみを飲む、脂肪1kgあたり1mgのグリシドールを含む
という最悪シナリオでは健康への影響が否定できない量の摂取にな
りうる。乳児にはミルク以外の代替食品はないので製造業者にはで
きるだけグリシドール脂肪酸エステル含量を減らす努力が必要であ
る。そのためにはグリシドール脂肪酸エステルの定量法が緊急に必
要である。

 現時点でのグリシドール脂肪酸エステルの存在は3-MCPDのリスク
評価に関する声明に影響はない。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090415/p9
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 調べられているグリシドールの毒性は、グリシドール単独で吸入
させたものです。「グリシドール脂肪酸エステル」からグリシドー
ルが遊離し、毒性を発揮するかどうかはわかっていません。

 現在のところ、それ以前に、「グリシドール脂肪酸エステル」を
定量分析する方法を研究している段階です。つまり、あるかどうか
をどうして調べるかということが未解決なのですね。だから研究し
ていこうという話です。

 この報告は「精製植物油」に「グリシドール脂肪酸エステル」が
含まれる可能性がある、と言っています。別にエコナだとか、ジア
シルグリセロールだとかに限定した話ではありません。

 私たちが使っている油脂や油脂を使用した食品全般についていえ
ることなのです。

 それでは何故、食品安全委員会が「エコナ」について調査しよう
としているのかというと、別にエコナに疑わしい点があるからでは
ありません。エコナの安全性調査が食品安全委員会の権限内にある
からです。

 ここで思い出してほしいのは、食品安全委員会は食品の安全一般
について責任や権限があるわけではない、ということです。

 私たちが食べている食品は、誰かが安全を保証したりはしていな
いものです。安全であろうとなかろうと、昔から食べてきたものな
のですから。

 何かエコナだけに問題があるような報道になっていて、エコナに
とっては迷惑な話ですが、「お墨付き」をもらった手前、仕方ない
ことでしょうね。

 いずれにせよ、現時点で想定される危険性は、グリシドール脂肪
酸エステルが油脂中に存在しているにせよ、それほど大きなもので
はないと思います。また「エコナ」と通常の精製油脂とでその危険
性に違いがある可能性も少ないです。

 自分で使っていて言うのも何ですが、こういう特殊なというか、
新発明のものにはやはり「邪道」の臭いが少しついてまわるもので
す。

 長い年月を経た後にはそんなことはなくなるのでしょうが、現在
のところ、どうしても一部の反動的に人たちから攻撃の対象にされ
るということはあります。

 逆にこういうのを有り難がる人もいます。私に言わせると、両方
はとてもよく似ているのです。「情報過敏症」と言えるのではない
でしょうか。

 ここは食品安全委員会の仕事を冷静に見ておくだけでよいという
のが私の結論です。何か新発見があれば、そのときにまた話題にな
りますから、当面は心配する意味はありません。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 金曜日に日帰りで東京に行ってきました。以前「食生活」という
雑誌に連載していた記事を、本にしていただけるという話になりま
した。「食生活」の編集長と、担当の編集者の方に会ってきました。

 何か久しぶりに「書く」気になっています。その他の原稿や講演
の依頼なども、引き受けますので、よろしくお願いします。

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