安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>504号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------504号--2009.07.05------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「生産者市場」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 渡辺先生、こんにちは。興味深く拝見しております。

 さっそくですが、今週のコンビニ弁当の飼料加工の話で、連想し
たことがあります。

 何年か前に、「豚にコンビニの残飯を食べさせたら、奇形児ばか
り生まれた。」などという話がありました。出所は新聞らしいので
すが、これは事実なのでしょうか。

私なりに検討したところでは、

(1)「コンビニ弁当が原因」はともかく、「添加物」と断定した
理由が不明である。  

(2)これだけの被害が出ながら、保健所等行政機関に通報もしな
かったのか。

(3)「養豚農家」「回収業者」「コンビニ名」がすべて匿名であ
る。「パニックの恐れがあるから。」などと言っているが、まとも
な理由とはとても思えない。

(4)(3)のような状況で、新聞記事にする神経がわからない、

(5)これだけの状況で、他の新聞やメディアの後追いも一切ない。
話が前へ進んでいない。

等々矛盾点、不審点が多すぎます。都市伝説の類と思って間違いな
さそうなのですが、どうしてこんな話が新聞にまでのったのでしょ
うか。 

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは西日本新聞の記事の話ですね。当該記事はもうネットでは
読めませんが、本にしたものがあって、まだ発売されているようで
す。
http://shop.nishinippon.co.jp/asp/ItemFile/10000008.html

 内容について、こんなブログで引用されていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 このネタもとというのが西日本新聞の食卓の向こう側・第2部
「命」つなぐために<3>中食 ラベルを見ていますか―連載とい
う記事です。

 二年ほど前、福岡県内の養豚農家で“事件”が起きた。

> 母豚のお産で死産が相次いだのだ。やっと生まれたと思ったら、
>奇形だったり、虚弱体質ですぐに死んだり。透明なはずの羊水は
>コーヒー色に濁っていた。

> 「えさだ」。ピンときた農場主は、穀物など元のえさに変えた。
>徐々にお産は正常に戻ったが、二十五頭の母豚が被害に遭い、農
>場主は生まれるべき約二百五十頭の子豚をフイにした。

> 母豚が食べたのは、賞味期限が切れた、あるコンビニの弁当や
>おにぎりなど。「廃棄して処理料を払うより、ただで豚のえさに
>した方が得」と考えた回収業者が持ち込んだ。期限切れとはいえ、
>腐っているわけではない。「ちょっとつまもうか」と、農場主が
>思ったほどの品だった。

http://hirohiro-6.seesaa.net/article/6526179.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

(1)「添加物」とした原因が不明というのは全くそのとおりで、
記事の内容は事実の紹介と、恐怖を煽るような「感想」のみです。
科学的に解明しようとする姿勢は全くありません。

(2)通報していない。(事件になっていない)以下は、たぶん記
事を書いた記者自身が、煽りに使えればそれでよいので、こんな話
がありますよ〜というレベルで記事にしたのだと思います。

 よくある話なので、同業者なら、たぶんピンとくるでしょうね。

 つまり、この記事の根拠となっている「事実」自体、疑わしいと
いうことです。自分の経営のズサンさを棚にあげて、こういう煽り
に使えるような話をでっち上げる人っているのですよね。

 そしてそれを新聞記者が、見てきたようなウソとして仕上げるわ
けです。その背景には、こういう告発は「正義」なのだから、ウソ
をいっても許されるという、マスコミ人の思い上がりがあります。

 百歩ゆずって事実だったとしても、豚の栄養も考えずに、残飯を
食べさせた経営者が馬鹿である、ということでおしまいなんですが。

 でも、そういう経営者に限って、ある程度異常があれば、役所に
泣きついたりするものです。

 だから、私はこの話の「事実」そのものがウソだろうと思ってい
ます。もちろん、そう断定する根拠があるわけではないのですが、
できるものなら、そういう事実があったという証拠を出してみろ、
というところです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.プラスチックについての質問です。ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、PETは特に安全だと拝見いたしました。

 その他のAS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、等々、いろい
ろ食品用のプラスチックがありますが、特に安全な4つ以外もどれ
も安全なのでしょうか?

 添加物として低分子の化合物が使われていること、重金属や有害
な有機物を含まないかを見る、とはどうやって見極めるのですか?
そういった悪いであろうものが使われた食品用のプラスチックはあ
るのでしょうか?

 ラップに関してはポリエチレンがよいとのことですが、現在2種
類のラップを使っていまして、1つ目はポリ塩化ビニリデンに脂肪
酸誘導体(柔軟剤)とエポキシ化植物油(安定剤)が入っているもの
を使用しています。

 普通に食用やレンジ使用したりして、体に何か影響はあるのでし
ょうか?

 エポキシ化植物油とは、缶に使用されるエポキシ樹脂と同じもの
ですか?だとすればビスフェノールAが関係してきますか?

 もう一つのラップはポリエチレン、ポリプロピレンに脂肪酸エス
テル(柔軟剤)が入っています。こちらの食用やレンジ使用も問題
ないでしょうか?

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A.プラスチックというのは、非常に巨大な高分子です。すべての
プラスチックは人間の体内で消化できないと思って間違いないです。

 微生物でも消化が困難なので、ゴミにして埋めたりすると、いつ
までも残って問題になったりしています。燃やしてしまえばきれい
に燃えるのに、東京都が馬鹿なことに燃やさずに埋め立てているの
で、いろんな誤解の元になっています。

 消化できないということは吸収もできませんので、人体に影響が
あるということはないのです。プラスチックが人体に悪いように思
うのがそもそもの誤解です。

 ただし、使っていて、内部から有害な物質が溶けだしてくるとい
うことは考えられます。プラスチックは高分子ですが、高分子に結
合しそこなった単体や切れ端のような分子だとか、添加剤として使
われている低分子、混入した金属類などを管理しておかねばなりま
せん。

 そのため、食品用プラスチックには、衛生基準が設けられていて、
テストに合格したものだけが、「食品用」として使われています。

 以下はその基準の一覧表です。
http://www.jpif.gr.jp/2hello/conts/anzen.pdf

 現在、食品用として売られているものに関しては、心配する理由
はありません。「悪いであろうものが使われた食品用のプラスチッ
ク」はないということです。もしあれば大問題ですよね。騒がれて
いないということは、不安を煽ることはできても、それ以上の「事
実」はないということです。

 エポキシ化植物油は植物油脂を「エポキシ化」したものです。エ
ポキシ基という特殊な結合をつけたものです。このエポキシ基を、
プラスチックを作るのに必要な結合部分として使ったものがエポキ
シ樹脂です。ビスフェノールAはそのエポキシ樹脂の原料ですから、
当然エポキシ基は持っています。でも、エポキシ基を持っているも
のがビスフェノールAであるということではありません。

 ビスフェノールAが有害である、というのもガセネタだったんで
すけれどね。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「生産者市場」
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 少し古い記事ですが、こんな話があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ルポ・JAファーマーズマーケット(2)

もっと活かそう食と農「提案」の場

JA紀の里(和歌山県)めっけもん広場

(略)

品質向上・品揃えの充実で年間24億円以上の売上

◆1日中来店者があるようにみんなで品揃え

 ここは和歌山県のJA紀の里のファーマーズマーケット「めっけも
ん広場」。登録生産者は約1500名。1日平均出荷者数は約500名。営
業時間は朝9時から夕方5時まで。来店客数は平日が2000〜2500名、
土日祝日は3000〜3500名だがこれはレジを通った数で、夫婦や家族
で来る人も多いので、この2倍近い人が来店しているのではないか。

 めっけもん広場がここにオープンして5年。いまでは年間24億円
以上(16年度)を売り上げる。なぜ、24億円もの売上げが上げられ
るのだろうか。

 一つは、開店から閉店まで品物をできるだけ切らさないようにし
ていることだ。生産者は朝6時半から8時半までにその日出荷する農
産物を搬入するが、その後は電話で自分の品物がどれだけ売れてい
るかを確認できる。そして品切れになりそうだと判断したら随時、
追加搬入することができる。オープン時から導入されている販売状
況を確認する電話システムは、1日に1000件も利用されている。そ
れは「一日中お客さんに来てもらおう。そのためにはみんなで品揃
えの努力をしようという意識があるからだ」と川原義史店長はいう。

◆“売れたらスカッとする”売れるものをどう作るか

 野菜や果物など生鮮品で売れ残った品物は、5時の閉店後に生産
者が引き取ることになる。そのときに「なぜ売れなかったのか考え、
売れるものをどうしたら出せるか考える」そのことでレベルがしだ
いに高くなってきていると川原店長。登録生産者は趣味的に作る人
からJAの共選を通して市場流通に出す人までさまざまだが、売れる
ものを作ろうという意識が多くの生産者に強くあるということだ。

 自らもめっけもん広場に出荷する石橋芳春組合長は「商いは飽き
ないですね。面白い。良いものを作り自分で値段を決めて出して
(店が基準価格は決めている)、全部売れたらスカッとします」と
いう。毎日、今日はどれくらい売れたとか売れなかったが分かり、
そこから消費者のニーズを考えることができるのが「消費者と直結
したファーマーズマーケットの一番いいところだ。市場流通ではそ
れは分からない」と大原稔販売部長。

 専業農家にとっては、JAの共選に出荷し市場流通させることは安
定した販売ができ安心だが、消費者と直結したファーマーズマーケ
ットにも出荷することで消費者の動向に直に触れ、何を消費者が求
め、それに応えるにはどうすればいいかを考える機会を持つことに
なる。ここだけに出荷する生産者も石橋組合長がいうように売れれ
ば嬉しいから、売れるものをどう作ろうかと考え工夫するようにな
り、全体としてレベルが高くなり、それが集客力の向上につながっ
ていくことになる。

(以下略)

(2006.1.25)
http://www.jacom.or.jp/archive02/document/tokusyu/toku183/toku183s06012504.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 長いので一部しか引用していません。なかなかよい記事ですので、
ぜひ全文を読んでみてください。

 この施設は私の家から近くて、ここに野菜を出荷している人も知
っています。ここに毎日野菜を持っていくのが生きがいだ、などと
言っています。

 売れなければ引き取ってくるのですが、野菜づくりの腕自慢にと
っては、こたえられない醍醐味があるのだそうです。

 とにかく、生産者の直売所としては全国で最も成功した例として
有名なところです。成功しすぎて、私などはあまりにクルマが多い
ので、めったに行きませんが。

JA紀の里ファーマーズマーケット めっけもん広場
http://www.ja-kinosato.or.jp/01_mekkemon/top.html

 何故いまごろこんな話を紹介したのかというと、こういう記事を
見かけたからです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 大都市の公園などにテントを張って生鮮野菜など農林水産物を消
費者に直売する「マルシェ」(朝市)のシステムを構築することに
より、農林漁業者にも消費者にも喜ばれる支援を行おうと、農林水
産省が今年度から「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」をスター
トさせる。マルシェ開催時間は土曜であれば10時から17時までの7
時間。平日は11時から19時までの8時間を目安にする。

 これは、政令指定都市など規模の大きい都市にある公園や駐車場、
地下街、ビルのエントランスなどを利用して、ここにテントやワゴ
ンなどの仮設施設を設け、農林水産物の直売事業の運営に対して、
マルシェ設立の費用や運営費用を助成するというもの。初年度は運
営軽費の全額を助成するという大胆なもの。

  農水省総合食料局では北海道から沖縄まで全国を4ブロックに
分け、1ブロックに1箇所から4箇所程度のマルシェを開設したい意
向。1マルシェあたり運営費の助成限度額として1億2000万円を予定
し、初年度は全国に10マルシェを見込んでいる。生産者と大都市の
消費者を生産物を通して直接結ぶ「マルシェ」が成功すれば生産者
の生産意欲向上につながることも期待され、同省では22年度にも
「マルシェ」増設のための予算を要求していきたいとしている。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0521&f=business_0521_012.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いつもながら農水省のやることは、誰か止める人はいなかったの
か、というようなことばかりです。どうしてこう次から次と、無意
味で無駄な企画を考えつくのでしょうね。

 少なくとも、採算性を無視しては意味のない、こういう企画は、
お役人が口出しすべき領分ではありません。儲かるのなら勝手に広
まっていくし、儲からなければそれまでの話です。

 だいたい結末は見えていて、年間数億から数十億のカネを数年間
無駄に使っておしまいです。中には成功例も出てくるでしょうが、
そういうものはお役人がカネを出さなくても成功するところです。

 逆にほっておけば成功する企画でも、補助金をもらうためにお役
人の言うことを聞いて、失敗するなどということの方がありそうな
話です。

 国会議員が立派だとは思えませんが、せめて法律を作って、議員
さんたちの承諾を得てからにしてほしいものです。お役人のお遊び
に税金を使われるのはたまりません。

 なぜこう断言できるのかというと、こういう活動は、主催者側の
智恵と努力がすべてだからです。

 そもそも「公園で」というところがもう既に失敗が始まっていま
す。今どき、駐車場もないような施設の売上で、事業が維持できる
と思っているのでしょうか。

 快適な売り場も提供しないで、人が集まってくれるとでも?

 建物も駐車場も、自分たちの力で確保してこそ話が始まります。
そういうところへの資金の提供の方法として、税金を使うのはある
と思いますが、補助金ではダメで、融資であるべきでしょう。

 補助金はお役人のおもちゃです。そしてお役人はその事業が失敗
しても責任はとらないのです。これは前回紹介した、「食品リサイ
クル」の16億円を見てもわかるとおりです。

 全く困ったものです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国語の試験も無事終わりました。意外と難しかったのですが、
落ちることもないだろうというところです。リスニングは自信があ
ったのに、3級と4級で同じ点でした。まさか4級でわからない問
題があるとは思いませんでした。うっかりしていて、問題が聞き取
れなかったのです。100点満点で85点ですので、悪い点ではあ
りませんが、4級では満点だろうと思っていたのが甘かったです。

 今回紹介した「めっけもん広場」の記事は「農協新聞」のもので
す。内容が立派なのに驚きました。思わずうなづいてしまう説得力
です。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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