安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>501号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------501号--2009.06.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「食品表示違反」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回話題に出た、「食品安全委員会」に関連して、こんなニュー
スがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 体細胞クローン技術で生まれた牛、豚などの食品利用について国
の食品安全委員会は8日、国民からの意見募集結果を公表した。同
委が3月に出した「食品として安全」との評価書案に賛成との意見
は約15%にとどまり、安全性を懸念する批判的な意見が大半を占
めた。同委は「科学的に出した結論であり変更はない」として、早
ければ6月中に厚生労働省に答申する方針。

 同委の新開発食品専門調査会で、国民から寄せられた336件の
意見が公表された。「安全とのリスク評価に賛成」との内容は51
件。賛否の見解がわかりにくいものもあったが、多くは「長期間の
生存率や出生率が低く、安全とする根拠が理解できない」「数十年
後も安全だとなぜ断言できるのか」など批判的な内容だった。

 専門調査会はこれらの意見に対し、「健全に発育したクローン牛
や豚は、従来の繁殖技術による牛や豚と食品としての安全性は変わ
らない」などとの回答案を作成、近く公表する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090608-00000087-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 あちこちで「反対意見が多いのに、食品安全委員会が無視してい
るのはけしからん」という声があるようです。

 しかし問題は科学の領域で、科学というのは多数決を問うものと
は違うのですね。素人の「意見」をいちいち聞いていても仕方あり
ません。

 私の意見がたとえ反対であったとしても、私は専門家ではありま
せんので、私の意見に同調してほしいとは思いません。判断を下せ
る専門家が責任を持って判断し、それを評価できる力のある人が評
価すればよいのです。一般の国民は、その全体を見て判断します。

 食品安全委員会が、そういう仕組みの中心になればよいと思って
います。

 専門家の判断というのは、たとえばこんなこともあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 新型インフルエンザの警戒度を現行の「フェーズ5」から、世界
的大流行(パンデミック)を意味する「6」へ引き上げた世界保健
機関(WHO)は11日、「第2の感染の波に備えるべきだ」(マ
ーガレット・チャン事務局長)と警告するとともに、途上国への支
援を呼び掛けた。

 チャン事務局長は11日の会見で、「ウイルスは医療体制が貧し
い地域で広がっている」と、新型インフルエンザが途上国で重症化
している点に憂慮を示したうえで、「6に上げたのは、途上国を含
め世界が連帯して感染拡大を防ぐべきだという国際社会へのシグナ
ルだ」と述べた。

http://mainichi.jp/select/world/news/20090612dde007040035000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今さら何を言っているんだ感が強いですよね。もういい加減に今
回の対応は最初から間違っていたと認めたらどうだと思っていまし
た。でも、途上国での疑念を持ち出してくるあたり、なかなかした
たかです。

 専門家というのは、自分が手をつけた仕事をなかなか客観的に見
ることができないという欠点も持っています。個別の判断は専門家
にまかせるが、総合的に判断するのはあくまで一般人だということ
は忘れないようにしたいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.玄米茶は玄米ではなく上白米を使用し焙煎しているのに、何故、
玄米茶もしくは玄米と原料表示ができるのでしょうか?

 また、玄米酢なども玄米のままで処理するのでなく、玄米のまま
では原料処理がしずらく、少し削って使用するみたいですが、これ
では玄米と言えないのではないでしょうか。

 玄米を多少なりとも精白すれば、玄米と表示するのはおかしいと
思います。玄米の定義とは何でしょうか?

------------------------------------------------------------

A.玄米茶は本当は玄米を使っていないのですよね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 一般的に「玄米」といえば、稲の穀粒を穂から離しただけのもの
や、モミガラを取り除いたものを指しますが、玄米茶に用いられる
炒り玄米は、実は玄米を精白したもの、つまり白米を使用します。

 その理由は、一般的な玄米を用いて焙煎すると、香りが弱く、ど
す黒い仕上がりの炒り玄米になってしまうからです。市販の玄米茶
のように、こんがりキツネ色の炒り玄米に仕上げるためには、精白
した白米を使用する必要があるのです。

 このことから、正しくは炒り白米茶ということになりますが、な
ぜ玄米茶と呼ばれるようになったのかは定かではありません。

http://kajishouten.jp/brownrice/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 したがって、厳密にいえば不正表示です。ただ、ほとんどすべて
の製品がそう表示しているため、取り締まる側としては手のうちよ
うがないのだと思います。

 法律と現実の間には、こういう部分もあるのですよね。こういう
話が世間に広まって、おかしいじゃないか、という意見が多数を占
めるようになれば、また違ってくるのでしょうが。

 「玄米」ではなく「米」とだけ表示しておけば、問題はないのに
とも思います。

 玄米酢については、こんな情報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

玄米酢
・未精白の玄米を使用。ちなみに材料100%の米であるものを
「純米酢」と表示できる。

http://www.ichi777.com/archives/2005/08/post_238.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ところがこれは間違っているのです。現場を知らずに書くと、よ
くこんな間違いをします。

 酢を作るには、まずアルコール発酵をさせます。米はそのままで
はアルコール発酵しませんので、麹をつけてでんぷんを糖に変えま
す。その麹が難しいのですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 玄米の表皮に少し傷が付く程度に軽く精米して玄米の酒を仕込み
ます。それを伝統的な製法で発酵させ醸した玄米酢です。

http://foodios.com/season/su/iio.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはご指摘どおりのものです。正直に書いているところは少な
いですが、まずこんな製法です。また、こんなものもあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 みふね酢の特徴は玄米酢なのですが、玄米では麹が付かないため
寺田本家では精米して麹を付けています。そのためみふね酢では精
白してできた米ぬかを樽にどぶろくと一緒に仕込んでいます。

http://www.kagimoto.com/site_wakayama/xhp_flavor/p_gennmaisu.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また、麹は別のものを使って、玄米は「掛け米」だけ、というこ
ともあるようです。この場合は「純米酢」ではありませんが。

 いずれにせよ、このようなものを「玄米」と称するのは間違いで
す。でも実害がないので、取り締まるということにもならないので
しょう。

 このあたりに「健康(によさそうな)食品」のいかがわしさがは
っきりと出ています。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「食品表示違反」
------------------------------------------------------------

 食品表示に関して、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品表示に違反があったとして農林水産省が2008年、小売業
者などに日本農林規格(JAS)法に基づき行政指導や厳重注意を
したケースは879件あり、うち公表したのは110件だけで、残
る769件を非公表にしていたことが、同省への情報公開請求で分
かった。

 国が把握した表示違反の9割近くは消費者に知らされなかったこ
とになる。農水省は「悪質と判断して是正を指示したケースは公表
したが、過失や一時的な違反まで公表すると、業者が受ける社会的
打撃が大きい」と説明、消費者よりも業者への影響に配慮した姿勢
が浮き彫りになった。秋の消費者庁発足を前に、食品をめぐる情報
公開の在り方が問われそうだ。

 違反業者を指導する権限は都道府県にもあり、公表されていない
違反はほかにも多数存在する可能性がある。

 共同通信が農水省と各地の農政局、農政事務所に08年の食品表
示違反に関する指導や注意の文書を情報公開請求し、開示された。
具体的な業者名や販売店舗名、商品名は黒塗りされていた。

 開示文書などによると、非公表とした違反事例には中国産ウナギ
を「大分産」「鹿児島県産」「国産」▽養殖のアユを「天然」▽ホ
ルスタインを「松阪牛」▽07年産コメを08年10月に袋詰めし
「新米」▽1度パック詰めした肉を詰め直して消費期限を延長−な
ど、明らかに事実と表示が違うケースがあった。

 農薬や化学肥料使用が厳しく制限されている有機作物についても、
国指定機関の認定を受けていないのに「有機」や「オーガニック」
と表示していた野菜やコーヒー豆などの事例が少なくとも80件あ
った。違反件数は関東農政局管内が266件と最多で、近畿農政局
管内の154件が続いた。

 農水省が非公表としたケースでも、業者が自主的に新聞広告など
で消費者に謝罪、返金に応じた例がある。

 農水省は今年1月、表示違反に関する指示は公表するが、指導と
注意は非公表とする内規を策定した。

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009060702000129.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 指導とか指示とか、まるで柔道のようですが、単に「違反」とい
っても中身はさまざまです。中には単に賞味期限を間違えて印字し
た、というようなことも多いのは、「リコール情報」などを見ると
よくわかります。

 だから今までは「悪質と思われるものを公表する」ということだ
ったのでしょう。ちょっとした印字ミスで、マスコミの血祭りにあ
げられてはたまりませんからね。

 ただ、これでよいかというと、私はやはり問題があると思います。
お役人が公表の基準を判断するのは間違っていると思うのです。

 誰かがその違反について、どのような措置がよいか判断しなけれ
ばならないのですが、何でもお役人がやってしまうのが日本の社会
のよくないところです。

 やはりお役人の仕事は全部公表すべきという原則は持ちたいもの
です。しかし、それをすぐにやるには、今のマスコミが馬鹿すぎる
のですよね。馬鹿な騒ぎを恐れる、お役人の気持ちもよくわかりま
す。

 マスコミが馬鹿というのは、それを受け入れて喜んでいる国民が
馬鹿ということでもあります。

 国民全体が、マスコミの馬鹿な報道に踊らされることがなくなれ
ば、また違ってくるというのが私の希望なのですが。

 さて、食品表示というか偽装問題に関連して、こんなニュースも
あります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 田辺市内の学校給食を調理供給している「城山台学校給食センタ
ー」に平成19〜20年に納入された食肉が産地偽装された問題で、
農林水産省近畿農政局は4日、偽装していた同市の業者2社に対し、
牛トレーサビリティ法に基づく表示の是正勧告などの行政指導を行
った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090605-00000053-san-l30
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは和歌山の事件なのですが、給食で使う肉の産地が偽装され
ていたというものです。これだけ聞くとなんだか悪質そうですが、
この事件そのものは、実はこんなことです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 田辺市の学校給食で使われていた牛肉と豚肉に、産地偽装と指定
部位以外の不正混入があったことが4日、分かった。2007年9
月の学校給食センター(同市城山台)開設時からで、これまで6ト
ン近くの肉が指定された肉と異なっていた。昨年9月には、ミニト
マトの産地偽装が発覚しており、センターを運営する市教委のチェ
ック体制が問われている。

 市教委は4日、市議会の文教民生委員会(山本紳次委員長、7人)
で報告した。

 産地偽装と規格外違反をしていたのは、同市上の山のフードショ
ップ「ベネ」と同市新庄町のスーパーマーケット「Vショップ滝内
店」。納品規格に合致しない食材を納入したとして、市は両業者を
3カ月の指名停止処分とする。

 ベネは、給食センターが開設された07年2学期に、納入規格が県
内産牛肩肉425キロのところ、実際は130キロだけが同規格で
そのほかは牛肩ロースや牛モモ肉、牛サーロイン、牛リブロースな
ど異なった部位の肉を混入。県外産牛肩ロース74キロも県内産と偽
装していた。

 さらに3学期には納品規格が県内産牛肩ロース1438キロのと
ころ、同規格は95キロだけでほとんどが牛モモ肉だった。県外産の
牛モモ肉も含まれていた。

 08年2学期には、県内産豚ロース2074キロの中に県外産豚ロ
ース850キロを混入。県内産牛肩ロース1254キロの中には県
内外の異なる部位10種類の肉を含んでおり、規格通りの肉は130
キロしかなかった。

 一方、Vショップ滝内店は、08年の1学期に、納品規格が県内産
牛肩ロース1576キロとあったのに、同規格は195キロだけで
7種類の異なる部位の肉や県外産を混入していた。2学期には県内
産豚モモ肉3489キロに、県内産豚肩肉894キロを混入させて
いた。

 本紙の取材に対して、ベネは「鮮度や質の良い肉を子どもに食べ
てもらいたくて、脂身を削ったりして指定部位が足りない状況にな
り異なる肉を入れた。入札額よりも高い価格の肉を入れる場合もあ
った。ルールを守れずに申し訳ない」と回答。Vショップ滝内店は
「落札したものの納入時に県内産の指定された肉が足りない状況が
でてきた。指摘があり、すべて明らかにした」と答えた。

 給食センターによると、食肉の入札は市内の登録業者を対象に、
学期ごと部位ごとに実施している。県内産があればその応札の中で
低価格の業者を、県内産の応札がない場合には県外産の応札で低価
格を提示した業者が落札しているという。

(2009年02月04日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=161754
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 肉に関しては、どうしてもこんな問題がつきまといます。困った
ことではあるのですが、肉や魚や野菜のような生鮮品を、完全に規
格どおりに流通させるのはなかなか困難なことなのです。

 今までは閉ざされた世界の中で、事情をわかっている専門家の間
で適当に処理されていたことが多く、外から見るとかなりいい加減
な状態が普通だったと思います。円滑に動かしていくためには、あ
る程度いい加減にしないとうまくいかない、という認識があったの
ではないでしょうか。

 それが時勢で、外の世界からの批判にさらされるようになってき
たわけです。これは仕方ないことで、業界も変わっていかざるを得
ないと思います。

 ただし、それでコストは確実に上がりますので、コスト分は堂々
と請求するべきです。これが現実的にはできないので、業者の側は
やらずぶったくりにあったような状態になっているのではないかと
心配しています。

 それから、この事件では、「県内産」を要求した教育委員会側が
最もいけないと思います。ちょっと調べればわかりますが、和歌山
県は果樹ばかりやっていて、畜産では全国最低クラスです。県内で
はと場もろくにない状態で、県内産などほとんどないのに「地産地
消」などという言葉遊びに乗ってしまったのが間違いの元だと思っ
ています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日の夜にネットにつながるところにいないので、1日前に配
信予約しています。

 今年から「西国三十三カ所」の霊場巡りに行くことになりまして、
今回は滋賀県の方です。琵琶湖の竹生島には行ったことがないので、
船に乗りに行ってきます。われながらよく遊んでいるなと。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-501号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4110名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/