安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>500号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------500号--2009.06.07------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「BSEに関するあれこれ」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 何気に500号を迎えました。今年の暮れには満十周年になりま
す。日頃のご愛読に感謝します。

 さて、前回の後記で「日食」のことを書いたら、こんなメールを
いただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」 参考にしております。多分、他の人から
も指摘があったとおもいますが、

1)1963年7月の皆既日食は、北海道の一部(網走〜知床)で
見られただけでした。
http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEplot/SEplot1951/SE1963Jul20T.GIF

2)残念ですが、南大東島は皆既食帯に入っていません。
http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEmono/TSE2009/TSE2009fig/TSE2009-fig05.pdf

 今回は、屋久島〜吐喝喇列島〜奄美大島での日食ツアー騒動を、
遠くで眺めていようかと思っていたんですが、杭州に行くことにな
ってしまいました。ブカレストに行って以来、10年ぶりの日食見
物です。

 2035年9月2日には、富山〜水戸のラインで皆既日食が見ら
れます。東京は、ギリギリのところで皆既食帯外です。

http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEgoogle/SEgoogle2001/SE2035Sep02Tgoogle.html


 皆既日食は、おおまかには4年間に3回起こります。移動さえす
れば、それほど苦労せずに見ることができます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 あまり知らないことを書くのはよくないですね。お詫びして訂正
しておきます。

 今年は杭州に行く人が多いらしいですが、杭州はよいところです。
私もまた行きたいと思っているのですが…。

象潟や雨に西施がねぶの花 芭蕉

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.現在妊娠4週目です。妊娠以前からピーナッツが大好きで柿ピ
ーやバターピーナッツなどを大量に食べていました。またナッツ類
は身体にいいと思っていたので、あまり気にしていませんでした。
今日もピーナッツを一袋(100g)食べてしまったのですが、食べ
終わった後、中国産であることに今更のように不安になってしまい、
こちらで質問させて頂いております。妊娠初期は器官形成に影響の
出る大切な時期です。農薬の残留物やカビなど、胎児にどんな影響
が出る可能性があるのでしょうか?

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A.輸入食品に関しては、以下のサイトで違反例が報告されていま
す。
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/ihan/index.html

 ピーナツはよく出てきます。カビ毒のアフラトキシンが検出され
ることが多いのですね。ただし、中国だけではなく、アメリカ、イ
ンドなどからの輸入品からも検出されています。

 市販されているものは、一応検査を通ったものなので、ここに出
てくる違反例のものを食べているのではありません。だからあまり
心配することもないはずです。

 いずれにせよ、ピーナツを大量に食べるということ自体、どうな
のでしょうか。別に中国産でなくても、問題があるように思います。

 いつも言いますが、食べてしまったものは仕方ありません。心配
するだけ身体によくないですから、きっぱり忘れましょう。

 人間は意外と丈夫にできていますので、心配する必要はないと思
いますよ。

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Q.家庭菜園をしていますが、水道水は塩素が入っているので菜園
にはよくないと聞きました。浄水器の水を畑に使用しても大丈夫な
のでしょうか?

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A.浄水器というのがあまり意味のない道具である、というのが私
の意見です。したがって、お答えは、別にかまわないけれど、もっ
たいないと思いませんか?ということになります。

 そもそも「水道水が菜園によくない」ということが根拠もないウ
ワサの類です。いちいち騙されていてどうするのですか。

 普通の人は気にせず水を使っています。そのまま飲める水を庭に
まくのはもったいないという意見もありますが、家に井戸でもない
限り、水道水しか使える水がありませんからね。

 でも、浄水器の水を庭にまくというのは、いかにも常軌を逸して
います。それしか使える水がない(水道水がすべて浄水器を通って
出てくる)ようになっているのならともかく、もったいないという
ことも少しは考えてみるべきです。

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Q.小児歯科で虫歯予防に行われているフッ素塗布やシーラントは
有害なのでしない方がいいという情報がありますが、どうなのでし
ょうか?

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A.そういうことは歯科医に聞いていただきたいですが、普通に歯
医者で使っているということは、別に問題がないからだと思いませ
んか?

 歯科医師が責任を持ってやっていることに、素人があらぬウワサ
をもとに疑問を感じても、意味がありません。

 何事にもメリットとデメリットがあります。総合的な判断で使用
するかどうか決めるわけですが、そのわずかなデメリットのみを強
調して言うことがあり、不安を感じるわけです。

 「病院でもらった薬が…」などというのも同じです。この手の話
には、その後に怪しい薬を売りつけるという目的があったりします
ので要注意ですが。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「BSEに関するあれこれ」
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 6月3日の朝、こんなお怒りのメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今朝の道新の社説です。もうめちゃくちゃだ。いまだに事実を何
にも知らべもせず記事を書いている。ああ、朝から頭が痛い。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もっといろいろ書いてあったのですが、個人的なこともあるので
省略しています。お怒りの原因は以下のような記事です。北海道新
聞の社説なので、北海道の方ですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

BSE検査 基準の緩和を急がずに(6月3日)

 牛海綿状脳症(BSE)の発生を監視している国際獣疫事務局
(OIE)が、日本を「BSEのリスクを管理している国」に認定
した。日本のBSE対策は信頼できるというお墨付きを得たという
ことだろう。

 これを受け、政府は国内の検査基準を緩和する方向で検討を始め
る。だが、国際機関の評価と国内基準の見直しは、そもそも別の話
だ。

 食の安全にかかわる事柄である。拙速は許されない。消費者の不
安や生産現場の混乱を招かぬよう、慎重な対応を政府に求めたい。

 日本のBSE検査は、生後21カ月以上の牛を対象としている。
厚生労働省は、これを31カ月以上とする案を念頭に置いている。

 検査基準を見直すのは、国内で若い牛がBSEに感染する危険性
は低いとの判断があるためだ。

 2007年度以降、国内で感染が確認された牛は5頭にとどまり、
いずれも生後65カ月以上だった。

 しかし、03年には生後21カ月の牛の感染例が報告されている。

 肉骨粉飼料の禁止などの対策が進んでいるとはいえ、若い牛が感
染するリスクはゼロとはいえない。

 人間の脳を海綿状にするヤコブ病との関連や、BSEの発症・感
染の仕組みも解明されていない。

 それなのに、なぜ今、基準の緩和が必要なのか。納得できる政府
の説明が聞きたい。

 OIEは、BSE検査の資金に乏しい途上国に配慮し、最小限の
安全基準を設けているとの見方もある。その評価が、日本の消費者
が求める基準と合致するとは限らない。

 国内でBSEの発生が確認された当初、国は全頭検査を行ってい
た。05年に対象を生後21カ月以上に緩和し、昨年からは都道府
県への検査費用の補助も打ち切った。

 このため、大半の都道府県は自前で全頭検査を続けている。消費
者の安全志向にこたえるためだ。

 国産牛肉の安全性は、都道府県による全頭検査によって担保され
てきたといえる。

 とくに畜産基地の北海道では、生後20カ月前後で出荷されるホ
ルスタイン種の雄牛の生産量が多い。

 道は、全頭検査の費用として、本年度は約2800万円を計上し
た。道産牛肉の消費量も増加傾向で、消費者の信頼も深まりつつあ
る。

 この時期に、国が安易に検査基準を緩和すれば、せっかく培った
消費者の信頼が揺らぎかねない。

 北農中央会は、基準見直しは「消費者の理解を踏まえ慎重に進め
るべきだ」との声明を発表した。

 生産者の声に、政府は真剣に耳を傾けてもらいたい。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/169160_all.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで一番の問題は、「国産牛肉の安全性は、都道府県による全
頭検査によって担保」されてきか、という認識です。安全性に関し
ては、全頭検査どころか、検査をいっさいしなくても問題はない、
というのが科学的に承認されている事実なのです。

 もちろん、検査すべてが無意味ではなく、現状を把握するための
調査は必要です。しかし、若い牛を検査しても見つかる可能性はほ
とんどないので、30ヶ月以上とか、そういう高齢の牛だけで充分
なわけです。

 若い牛から見つかる可能性がほとんどない、というのは、若い牛
は感染しないということではありません。潜伏期間が非常に長い病
気ですので、感染していても、まず見つからないだろうということ
です。

 感染していること自体が危険なのであれば、検査しても見つから
ない可能性がるのですから、検査が安全性を保証しないことは明ら
かです。

 感染していても、食べれば危険なほど病原体が増えていなければ
よいのであれば、やはり検査に意味はありません。検査する部分は
特に病原体が多いところです。そこで見つかるということと、食べ
る部分(肉)に病原体があるということは別の話です。

 したがって、BSEによる人体への被害を避けるためには、もし
BSEに感染していた場合でも、病原体を摂取することがないよう
に、危険な部位を取り除き、処理の過程で病原体が肉についたりし
ないような手段を講じることが必要なのです。

 今回、そのあたりの措置について、日本もようやくきちんと処理
できているという認定をもらったわけです。

 「若い牛が感染するリスクはゼロとはいえない。」こういものの
言い方は、無制限の対策を求める人の常套です。もちろんこれはそ
のとおりなのですが、上記の対策を講じている限り、人が被害を受
けることはありません。

 検査の結果を受けると、国内で二次感染がおこったときの牛はま
だわずかに生き残っていますので、今しばらくはごく少数が発見さ
れるでしょう。

 また、散発的は発症があるようなので、BSEが完全になくなる
ことはないと思います。これはエサなどから感染しなくても、自然
に発生するという意味です。

 「人間の脳を海綿状にするヤコブ病との関連や、BSEの発症・
感染の仕組みも解明されていない。」これも何を言っているのか、
書いている本人もわかっていないようです。

 自分が理解していないことを「わかっていない」と言って、相手
に不安を持たせたり、理不尽な要求を通そうとしたり、また荒唐無
稽な主張で悦に入ったりするわけです。

 まあひどいものですが、一番問題なのはこの主張をしている人が、
「正義」だと思って書いていることです。こんな「正義」もありま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品安全委人事、参院が吉川東大教授に不同意で白紙に

 参院は5日午前の本会議で、政府が提示した6機関15人の国会
同意人事案を採決し、内閣府の食品安全委員会委員に吉川泰弘・東
大教授を起用する案を民主党など野党4党の反対で否決し、不同意
とした。

 預金保険機構理事など、ほかの14人の人事案は同意された。衆
院は15人全員に同意しているが、人事案には衆参両院の同意が必
要で、吉川氏の人事は白紙に戻った。

 野党4党は、吉川氏が2005年、BSE(牛海綿状脳症)問題
に関し、食品安全委のプリオン専門調査会座長として米国・カナダ
産牛肉の輸入再開を条件付きで容認する答申案をまとめたことを
「リスク評価の姿勢に問題がある」と批判していた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090605-OYT1T00489.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関しては、以下のブログに私の意見を書いています。

政治か科学か? 民主党のファシスト体質
http://www.kenji.ne.jp/blog/index.php?itemid=575

 自分たちの主張に合わない科学者を排斥しようという、とんでも
ない政党が日本にはあるのです。

 二十一世紀の科学者が、ガリレオの悲哀を味わうことになろうと
は…。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

国民の健康と安全のために。

 食品安全委員会は、国民の健康の保護が最も重要であるという認
識の下、食品を摂取することによる健康への悪影響について、科学
的知見に基づき客観的かつ中立公正に評価を行う機関です。

http://www.fsc.go.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「科学的知見に基づき客観的かつ中立公正に」評価したら、民主
党からは「リスク評価の姿勢に問題がある」と言われるわけです。

 アメリカが悪い!という意見に合わないからでしょうね。

 でも、BSEに関して、日本がよくてアメリカが悪いというのは、
事実に基づく限り、絶対に出ない結論です。

 日本では残念ながら二次感染まで確認されていますが、アメリカ
ではカナダから入った牛での例だけで、二次感染は防ぐことができ
たようです。

 アメリカが隠しているのだ!と思っているのかもしれませんが、
その割りには同じように隠しているかもしれない、または調査すら
できていない国のことは言わないです。

 国際的には、こんな決議が実情を物語っています。。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛海綿状脳症(BSE)の監視基準などを策定する国際獣疫事務
局(OIE)は29日、パリで開会中の総会で、BSEに関連し輸
出入できる牛肉の条件から「30カ月未満の骨なし牛肉」という月
齢条件を撤廃、「全月齢の骨なし牛肉」とする内容を盛り込んだ決
議を採択した。

 日本はこれまで月齢20カ月以下の米国産牛肉に限って輸入を許
可し、条件撤廃には反対していた。今回の決議採択により、月齢で
輸出入を制限する根拠が薄れることになった。日本に市場開放を求
める米国がさらに圧力を強めるのは必至だ。

http://mainichi.jp/life/money/news/20090531k0000m020098000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 民主党の意見に従うなら、OIEもWHOも脱退しなければいけ
ませんね。

 以下は2006年2月に私が書いた記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

民主党の「視察」

 こんな記事があります。「米最大手の食肉加工業者が民主党に怒
る理由」(日経ビジネス)
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/422/422452.html

 内容は要するに、民主党がアメリカの処理場を視察して、帰国し
てからいろいろと悪口を言ったことに、当の処理場から抗議がきて
いるというのです。民主党議員団はろくに見学もせず、また質疑の
際も一切質問や批判はせずに帰って来ているそうです。その上、聞
いていても恥ずかしくなるような素人丸出しの「印象」批評で、悪
口を言っていました。

 私も悪口を言っている会見を見て、これはちゃんと見学してきて
いない素人だな、と思っていました。やはりこういう「印象」は当
たるものですね。

 「特定危険部位とされる脊髄の残存も顕著であったとも指摘」
(米調査団報告)などと言っていますが、たかが40分の見学(しか
もほとんど会議室で話していただけ)で、どうして「脊髄の残存」
が確認できるのでしょうか。しかもこの議員さんたちが「脊髄」と
はどんなものか見てわかるとは思えません。

 「小泉純一郎政権を糾弾するために、最初からアラを探しに来た
だけではないか」と見学を受け入れた側に言われているそうです。
ミもフタもない話ですが、まさしくそのとおりでしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日経ビジネスのリンク先は今でも読めますので、ぜひご覧くださ
い。

 こういう流れで、アメリカを悪者にすることで人気を得ようとし
ていた民主党にとって、アメリカ産牛肉輸入再開の道を開いた科学
者は許せないものなのでしょう。

 この科学者たちは、別にアメリカの味方をしたわけではなくて、
事実に基づいて科学的に評価したらそうなっただけなのですけれど、
彼らには政治的に意見とは別に、科学的事実が存在するということ
すらわからないようです。なにしろ「正義」ですからね。

 私たちは忙しいのだから、「正義」などあの世へ行ってから実現
してくれよ…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 最初にも書きましたが、500号に到達しました。ご愛読ありが
とうございます。

 この間、一回も休んでいないのが自慢なのですが、どうも私は健
康には恵まれているようです。これもなるべく医者には近づかない
方針がよかったのかも…。健康診断も昨年は行かされましたが、今
年からは受けません。

 BSE関連の話題が二週続きました。それだけ世の中平和だとい
うことなのでしょうか。

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-500号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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