安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>496号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------496号--2009.05.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「次亜塩素酸水」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも拝読するのをたのしみにしています。5/3配信の下記ト
ピックについてです。

(引用略)

 個人的には、↑と同じ感覚で、風邪やインフルエンザなどにかか
ったら、ゆっくり休んで、医者にはいかないことが体に一番いいと
思っています。

 インフルエンザの予防接種もしません。単に医者・注射嫌いなだ
けか・・・。

 とはいえ、あまりのつらさに耐えきれず、医者に行って、もらっ
たタミフルがよく効いて助かったこともあります。

 閑話休題。私は素人で、専門家からのつっこみではありません。
ちょっと疑問に思ったものですから、お便りしてみました。

 東京都も予防内服用としてタミフル、リレンザ7000人分を保
健所や感染症指定医療機関等に配布したそうです。

 実際問題として、今回どの程度必要性があるかはわかりません。
(発症してもほとんどが通常のインフルエンザ程度かそれ以下の症
状と報道されていますので)

 しかし、保健・医療関係者が防護措置なしに患者に接した場合に
は、予防服用は必要なのではないでしょうか?

 例えば、手指や器具を消毒するのと同じようなことでは?

 目的は、本人の健康保持と発症による感染拡大防止・・・でしょ
うか?

 ともかく、長野県だけの突飛な対応ではなく、ほとんどの自治体
の計画に組み込まれたものと思います。

 そのこと自体の評価はもちろん別とは思いますが。

 ちゃんとした知識のある方のご意見はどうなのでしょうね。今忙
しくてそれどころではないでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 インフルエンザの対策は、予想段階では間違っていないと思いま
す。でも、相手が違っていたのですからそろそろ修正してもよいの
にと思っています。予想ではものすごく猛烈なやつを相手にするつ
もりでしたからね。

 現状では感染力は強くなくて、症状もたいしたことはないという
ことですから、普通のインフルエンザと同じ扱いで問題ないようで
す。

 でも、日本のお役所は徹底的にリスクを嫌いますので、過剰な対
応を誰も止められないのです。現在、過剰な対策をとっているのは
日本と中国(韓国も?)くらいです。

 中国はものすごい過剰対応をしています。日本よりもっと官僚主
義の国ですからね。

 豚肉の件ではこんな情報をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 豚肉の殺菌発言についてはいくつかのメールが入ると思いますが、
石破農水大臣の発言には勘違いがあったようです。

 と畜後の枝肉を冷やし込む前に洗浄水に次亜塩素酸ナトリウムを
添加したり、電解水(HACCPER水)で洗浄している実体があ
り、これをもって殺菌と言ってしまったようです。

 次亜塩素酸ナトリウムは80〜100ppm程度ですので表面に
付いたウイルス程度なら有効性があるでしょう。

 つまり、減菌程度の効果に対して「殺菌」と言ってしまったのが
現状のようです。なお、有機畜産物の日本農林規格において、畜産
物の品質の保持改善目的のために使用することのできる資材として
「次亜塩素酸水」が「別表10」に掲げられてます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「生肉に殺菌はおかしい」と書きましたが、次亜塩を使うのも殺
菌でしたか。どうもありがとうございました。

 インフルエンザは「飛沫感染」するといわれているのは、モノに
ついた状態では短時間で死滅するためです。豚肉以外でも、食品か
ら感染するというとはまずあり得ないと考えてよいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今週は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「次亜塩素酸水」
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 上記のいただいたメールに、「次亜塩素酸水」というのが出てき
ました。これは最近食品添加物に指定されたもので、「電気分解し
た水」という特殊なものです。

 このごろは流行しているのかどうか知りませんが、「アルカリ性
水」「酸性水」というのがありました。水を電気分解する装置がよ
く売られていました。

 妻の実家に置いてあったときは本当にびっくりしました。という
のは、妻の実家は山村で、山から湧き水を引いて使っていたのです。

 ものすごくおいしい水でしたので、それをわざわざ変な装置を使
ってまずくしているのに驚いたのです。

 当時は「アルカリ性水」の方がよいと信じられていたようです。
「酸性水」はたぶん捨てられていたようですが、こちらを殺菌に使
うというアイデアがありました。

 「電解水」とか「強酸性電解水」とか言っていましたが、これを
食品添加物に指定するとき、「次亜塩素酸水」という呼び名を使う
ようになったのです。

 実際に殺菌力を発揮するのは、電解によってできた次亜塩素酸イ
オンであることが確認されたからです。

 要するに電気分解によって次亜塩素酸を作っていたわけです。

 以下はその解説記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

小史

 1987年に強酸化水オキシライザーが誕生し、開発された水である。
強酸性電解水は厚生労働省によって、生成装置とのセットで1996年
に洗浄消毒、1997年に内視鏡洗浄消毒、2002年に次亜塩素酸水とし
て食品添加物に認可された。2004年には、市場規模は27億円で、食
品分野を中心に市場が形成されている。

概要

 強い殺菌作用を持ち、機能水の1つとされる。主な成分は次亜塩
素酸で、他の有効塩素として塩素と次亜塩素酸イオンを含む。この
殺菌作用は電極より発生するラジカル種は関与していないと考えら
れている。

 次亜塩素酸を含む強酸性水は食品添加物用途に利用され次亜塩素
酸水と呼ばれている。

 通常の消毒液で用いる次亜塩素酸ナトリウム溶液はアルカリ性の
為、ClO-が主成分であるのに対して、中程度の酸性である強酸性水
ではHClOが主成分であり、10から20分の1の濃度で十分な殺菌力が
ある。

 食品・医療・農業といった産業分野での採用がすすんでいる。日
本で食品に使用する場合は、最終食品の完成前に除去することと厚
生省告示により定められている。

 布を洗浄したところ漂白作用がみられ、次亜塩素酸ナトリウムに
よるものと考えられた。

 次亜塩素酸ナトリウムのように規定濃度に希釈する手間が省ける。

殺菌作用

 酸性を示す以外は、瞬時の殺菌作用、幅広い殺菌スペクトルなど
塩素殺菌と同様な特徴がある。ただ、その殺菌能力は血液など有機
物によって減ってしまうので、殺菌を行う前に有機物を除去するよ
うに洗浄しておくことが重要である。

 有機物では失活するという特性はむしろ安全だという利点でもあ
る。従来の消毒液より、人体への安全性も高いと見られている。手
荒れも起こりにくい。安価に生成でき、環境への負荷が低い点が評
価されている。薬剤のように残留することもない。

 うがい薬や食中毒予防のためなどにも使われている。4℃でも殺
菌力があるが、10℃以下ではバチルス属に対する殺菌力が低くなる。
便器に散布すれば、殺菌できるため雑菌の繁殖を防止し防臭が可能
となる。

 農産業では、減農薬、病害対策、連作障害に応用されている。畜
産動物の消毒にも用いられる。

 生野菜を除菌する効果は、水道水との比較で強酸性水のほうが明
らかに除菌効果が高かった。O-157を殺菌可能である。

 酸性であるので、歯を浸潤させエナメル質を溶かす程度を計測し
たところ、確かに歯を脱灰させるがその程度は少ないため、通常の
洗口では可逆範囲である。洗口剤として利用した強酸性水は、水道
水より著しく口臭の発生を抑制し、生理食塩水よりも歯肉ポケット
内のプラークを殺菌することが確認された。歯の根管の洗浄液とし
て臨床で応用が可能であるという研究報告がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E9%85%B8%E6%80%A7%E6%B0%B4
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こちらはメーカーからの情報で、食品添加物指定に至る経緯です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

平成12年11月30日 厚生省発生衛 328 号

 強電解水企業協議会と森永乳業(株)が申請していた強酸性電解
水と微酸性電解水(=これまでの弱酸性電解水)に関して厚生大臣
から電解水の指定について食品添加物調査会への諮問

平成12年12月14日

 食品衛生調査会毒性・添加物合同部会審議

平成13年10月25日

 食品添加物調査会(広瀬政雄 座長)の審議結果「個別に添加物
指定の要請がなされた両酸性電解水は、本質が同じなので1つの添
加物として取扱うこと適当である」

平成13年11月6日

 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会審議
(黒川雄二 毒性部会長・山崎幹夫 添加物部会長)。→「酸性電
解水の指定を可とし、食品衛生分科会に上程する」

平成13年13月21日

 パブリックコメント終了 その後、 FSG 会議(食品輸入円滑化
推進会議)への説明、WTO 通報(世界貿易機関協定に基づく通報)

平成14年3月18日

 WTO通報意見提出期限

平成14年3月27日

 薬事・食品衛生審議会(山内充 会長)審議・答申(坂口力 厚
生労働大臣)薬食審 0327004号
→ 電解水については、人の健康を損なうおそれはないことから、
食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当
たっては、名称を「次亜塩素酸水」とし、別紙1のとおり使用基準
及び成分規格を設定することが適当である。

平成14年6月10日

 厚生労働大臣(坂口力)名で食品添加物指定正式認可(官報第
3378 号)厚生労働省令 75 号

 厚生労働省告示第 212号 食品衛生法施行規則の一部改正:百二
十五 次亜塩素酸水

http://kyoden.fwf-aew.jp/shokutenn/keii.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私が「強酸性水」と呼ばれていた当時、その話を知ったのは、卵
のサルモネラ対策でした。鶏舎の清掃に使うと有効である、という
研究がありました。

 生成したイオンが効果を発揮しますが、残留するものではないの
で、比較的安全であろうということでした。現在ではかなり普及し
ていて、食品の安全を支えるものの一つになっています。

 ところで、同時に生成する「アルカリ性水」の方ですが、こちら
については以下のような話がついてまわります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

起源

 1950年代、日本にて、諏訪方季がつくった電気分解水機器にてア
ルカリ性の水を生成すると、その水は奇跡のような治癒効果をもた
らす云々ということが小さなブームとなった。当時は「シンノオル
液」と呼ばれた。

 この水が本当に医療的臨床効果があったのかどうかは定かでない。
ところが、一定のブームが起こり、「シンノオル農法」という造語
が作られたり「シンノオル液医学薬学研究会」が設立されたりした。

医療機器として

 乱立する電気分解水機器メーカーや業界団体がさまざまな活動を
した結果、1965年(昭和40年)当時の厚生省が電気分解水機器を医
療用具「医療用物質生成器」として一度は承認した(薬発第763号)。

 アルカリイオン整水器にはかつて以下の効果効能がうたわれてい
た。このとき、乳酸カルシウムを添加した水の分解という制限がな
され、標榜が認められた効果は「慢性下痢・胃酸過多・制酸・消化
不良・胃腸内異常醗酵」であった。しかし、この生成水がそういっ
た効果効能を持つことが臨床的に証明されているわけではなかった。

効果の検証

 1992年(平成4年)には、国民生活センターによって、「胃腸薬
の効果を期待するには10リットル以上の飲用が必要」といった効果
を期待するには現実的ではないと思われる報告が行われた。

 これに対して、1993年には業界団体が京都大学の医学部に調査を
依頼した。163人に対して二重盲検法などによる臨床研究を行った。
その結果、総合的な症状には明瞭な改善は見られなかったが、アル
カリイオン水の使用者で消化器症状の改善の割合がやや多いとの発
表が行われている。

 薬発第763号は、1998年3月30日、医薬発第318号によって廃止さ
れた。同時に生成される酸性水のアストリンゼントによる美容効果
を表示することができたが、改正薬事法では表示不可となった。

 現在では、アルカリイオン生成機は医療機器に該当するため製造
販売するためには厚生労働大臣の承認が必要となる。また、承認さ
れた効果・効能はアルカリ水に対して「胃腸症状改善」である。

 生成水の効果効能は、登場当初はさまざまなものが謳われたよう
である。薬事法違反となる医療効果を明示的・暗示的に標榜する製
品や浄水器がたびたび現われ、マルチ商法や催眠商法が行われたた
めに、厚生省(後の厚生労働省)はしばしば通達を出して規制をし
なければならなかった。

 厚生省は業界団体の形成を促して自主規制を作るよう仕向けた。
これらの指導により、次第に、あたかも奇跡の水であるかのごとく
効果を謳う商品は淘汰されていった。

その後

 このような薬事法による厳しい規制がかせられた後も、業者は増
加している傾向にある。薬事法を無視した「奇跡の治癒水」を売る
業者はいまだ跡を絶たない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83
%AA%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E6%B0%B4

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「水の効用」という話はみなさん本当に好きです。水に何か効果
を期待すること自体間違っていると思うのですが、「奇跡の水」と
かいうのは何か待望されているようでもあります。

 いろんな宗教で、「水」を象徴的に使います。きっとそういうこ
とも関係しているのでしょう。

 また、詐欺師側からすると、コストはかからないし、別に毒では
ないのでリスクも少ないと、格好のネタではあります。

 世の中には蛇口に磁石をとりつけて、納得している人もたくさん
いるのです。「イワシの頭」ですので、納得しているのならそれで
よいのですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 連休は天気予報が大ハズレでした。ここにきてやっと暖かくなっ
てきました。4月から5月はじめにかけて、本当に寒かったです。
おかげで「水の事故」のニュースもあまり聞きませんでした。

 私は白浜でパンダを見てきました。昨年生まれたパンダの子ども
が二匹いて、とても可愛かったです。雨のせいで案外混んでいませ
んでした。

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