安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>494号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------494号--2009.04.26------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「産地偽装事件」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 減反廃止ならコメ価格半値に 見直しで試算、農政改革チーム

 政府の農政改革特命チームは22日、コメの生産調整(減反)見
直しの試算を公表し、減反を廃止すればコメの市場価格が一時的に
現在の半値まで下落するとの見通しを示した。減反制度見直しに向
けて、廃止や緩和、強化した場合の計5つのケースについて、生産
量や米価への影響を調べた。

 麻生太郎首相はコメ政策に関し「選択肢」を示すよう指示してお
り、シミュレーションを基に今夏、基本的な見直し方向を決める方
針。今回は具体的な制度設計には踏み込まなかったが、現実的な選
択肢とみられる緩和のケースを中心に議論が進みそうだ。各ケース
とも2008年産の主食用コメの作付面積約160万ヘクタールを
前提に計算した。

 最も極端なケースの廃止では、作付面積が60万ヘクタール増加
すると想定し、市場価格が1年目で現在の約半値の7506円(6
0キロ)まで急落、10年目でも9721円までしか戻らないと予
測している。米穀取引業者によると、現在のコメ価格は60キロ当
たり1万5000円程度と、07年産米の年平均とほぼ同じ水準で
売買されるケースが多いという。

 一方、緩和のケースでは、減反実施農家への助成を手厚くした場
合と、抑制的にした場合の2通りを提示。手厚くした場合、作付け
は10万ヘクタール増え、価格は1年目で1万3804円、10年
目で1万3506円。抑制した場合は30万ヘクタール増で、1年
目1万648円、10年目1万1768円と予想した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/04/2009042201000866.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いつも思うのですが、こういう話に「生産者」が出てこないので
すよね。

 米の値段が下がりすぎれば、生産者は利益が出なくなります。ど
この世界に利益が出ない事業を継続する人がいるのかと思うのです
が、日本の農業ではそういう人が存在するのでしょうか。

 兼業農家なら平気だ、ということも言えますが、自家消費程度な
らともかく、兼業でも米を売っているのなら、売っただけ損をする
という行為をするものなのでしょうか。

 利益が出なくなれば生産が減り、自然と需給のバランスがとれる
ように動きそうなものです。ところがそうなる前に、政府からお金
が出たりして、話がややこしくなります。

 「価格が半減するのに作付け面積が増加する」という不思議な現
象を一度見てみたいです。カネの計算もできない人が農業をやって
いると思っているのでしょうか。

 何かあると国を頼る、という話は最近では農業に限らないことが
よくわかりましたが、それで増税には反対というのですから、よい
根性をしています。

 さて、いつもお世話になっている、「食品安全情報blog」に、こ
んな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ヨーグルトActiviaについてのお腹の調子を整える・便通を改善
する、Actimelの身体の自然な防御力を高める、という強調表示申
請を取り下げた。これはEFSAが正式に科学的根拠がないと判断して
発表されるとブランドイメージに大きなダメージになることが予想
されるため。ネスレやユニリーバなどもいくつかの製品について申
請を取り下げている。

 (EFSAの要求している科学的根拠の水準から判断したのであろう。
根拠の水準が低いのは日本のトクホ。多分日本のトクホはEUで申請
したらかなりの確率で却下される。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090423
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 カッコ内がうねやまさんのコメントです。やはり「トクホ」は甘
すぎる基準で認可しているというのが一般的な判断なんでしょうね。

 「トクホ」と言いながら、別に効果がなくてもかまわないという
感じです。私はいつも「健康食品は安全でさえあれば効果はなくて
よい」と言っていますが、わが国の政府も同じ考えのようです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今週は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「JAS法改正」
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 なんだかしょっちゅう改正していて、検索してもいつの改正の話
かよくわからない「JAS法」ですが、ごく最近また改正されてい
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

改正JAS法が成立 参院本会議

 消費者の「食の安全」を守るため、食品の表示違反に対する罰則
を大幅に強化する、日本農林規格(JAS)法改正案が22日の参
院本会議で可決、成立した。全会一致だった。早ければ5月末にも
施行の見通し。

 昨年の汚染米不正転売事件など食品偽装が後を絶たず、現行の
「JAS法は抑止力になっていない」との批判があったことに対応
した。

 改正法では、原材料を含めた虚偽の原産地表示をした違反者(個
人)に対し、2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科すこ
とができる。これまでは是正指示、命令を経た後でなければ罰則が
科されず、罰則も1年以下の懲役または100万円以下の罰金と軽
かった。

 違反者が法人の場合も、是正命令などを経ず、直接罰金を科すこ
とができるようにした。罰金の金額は1億円以下で変わらない。

http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009042201000416.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今回の改正は「罰則」の導入ということのようですが、どこを探
してもこれ以上の話は出てきません。農水省のサイトにも、この改
正の話は掲載されていませんでした。

 法律の改正の前に、今年から「指針改正」というのがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省は29日、食品表示偽装で是正指示の行政処分を受け
た業者をすべて公表するように、日本農林規格(JAS)法の運用
指針を改正した。

 食品偽装は農水省と自治体が是正指示を行う権限を持つが、農水
省から指示を受けた業者はすべて名前が公表されるのに対し、自治
体から指示を受けた業者は公表されないケースが少なくなかった。

 自治体が偽装業者公表よりも、地元産業への配慮を優先するのが
原因で、農水省は指針改正で、こうした自治体の対応を改めさせる
意向。

 JAS法は、農水省や都道府県などに、文書で偽装表示の是正指
示を出す行政処分権限を認めているが、業者名や偽装事実の公表方
法など、具体的な運用方法は、農水省が指針を定め、各自治体に示
している。

 農水省が改正したのは、この運用指針。偽装業者名などを「原則
として公表」としていたが、「原則として」を削除し、すべて公表
と改めた。意図的な偽装ではない場合などは口頭の「指導」にとど
め非公表にもできるが、そのための条件も厳格化。書類を故意に捨
てるなど隠蔽(いんぺい)工作を行った業者も、公表するようにし
た。

 旧指針では、「原則」という表現があることなどから、一部の都
道府県が「例外」を認める形で、偽装業者を公表しないことがあっ
た。農水省によると、こうしたケースは平成14年のJAS法改正
以降、19件に上ったという。

 農水省は複数県で営業する偽装業者しか処分できないため、1県
のみで営業する業者の処分権限を持つ自治体が業者非公表を決める
と、公表させられなかった。指針改正は、こうしたケースをなくす
のが目的。

 ただ改正後も、自治体が正式な文書で是正指示をせず、口頭指導
にとどめれば業者を非公表にできるうえ、指針に法的な強制力もな
いため、自治体の裁量で、非公表とされる偽装業者が出る可能性は
ある。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090129/biz0901291847011-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本は実は法治国家ではない、という話がありますが、「官治国
家」だというのはこうしてお役人が法律の代りをしていることをい
われるわけです。まあ法律もお役人が作っているようなものなので、
どちらでも同じということも言えますが。

 違反の横行は困ったことですが、罰則の導入でどの程度効果があ
がるのでしょうか。昨年の違反事例について、報告があげられてい
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 改善指示件数については、農林水産省(41件)、都道府県(77件)、
合計118件となり、平成15年7月、農林水産省消費・安全局発足、地
方農政局における消費・安全部の設置以降、最多となっています。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/090403.html


    計  農林水産省  都道府県
2000年 3       1      2 (67%)
2001年 94      39     55 (60%)
2002年 121      42     79 (65%)
2003年 57      14     43 (75%)
2004年 86      50     36 (42%)
2005年 68      34     34 (50%)
2006年 63      39     24 (38%)
2007年 84      24     60 (71%)
2008年 118      41     77 (65%)
 計  694      284     410 (59%)

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/pdf/090403-01.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 (カッコ内は私がつけた都道府県の占有率です。)

 部内の資料を画像でとりこんでPDFファイルとして公開してい
るもので、上記の数字は私が入力したものです。いつもながら、農
水省のお役人に情報の大切さを説教してやりたいものです。

 ニュースではこんな風に紹介されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省は3日、日本農林規格(JAS)法違反で2008年
度に国と都道府県が改善を指示・公表した件数が前年度比34件増
の118件となり、食品表示を所管する同省消費・安全局が発足し
た03年度以降で最多だったと発表した。約4割の48件が中国産
を国産と偽った産地偽装。都道府県別では福岡の11件が最多で、
大阪と千葉が8件で続いた。

 増加について同省は「JAS法の指針改正効果」とみる。同法で
は、違反業者の事業拠点が1都道府県なら都道府県が、複数にまた
がれば国が処分する。都道府県によって処分や公表を見送るなど対
応に差があったため、同省は「すべて指示・公表」に指針を改正。
昨年12月に通知したところ、それまで45件だった都道府県の指
示・公表が約3カ月間で77件に増えた。

 福岡については、アサリやタケノコなどの食材産地で、中国に近
く食品輸入業者が多いことが食品偽装多発につながっているとみて
いる。福岡以外の九州は、佐賀2▽長崎3▽熊本1▽大分6▽宮崎
1▽鹿児島1。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/87339
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは西日本新聞のサイトなので、「福岡が最多」というところ
に反応しています。この記事の中で、こう書かれています。

増加について同省は「JAS法の指針改正効果」とみる。

 どうも自分たちの仕事の成果としてアピールするのが目的だった
ようですね。

 「昨年12月に通知したところ、それまで45件だった都道府県
の指示・公表が約3カ月間で77件に増えた。」

 でもその前年も60件ですし、過去最多は79件なんですよね…。

 お役人の情報は頭が痛くなるのが多いです。さて、ついでに最近
の「産地偽装事件」を拾ってみました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 枢木水産(くるるぎすいさん)、誠水産及び高橋水産加工株式会社
が、中国産はまぐりを「大分県産」、「大分県杵築産」等に偽装し
て販売したことを確認しました。

 また、枢木水産及び誠水産が、1の販売にあたって、生産情報公
表JAS規格制度を悪用した資料等を流通業者に発行したことを確認
しました。

 このため、本日、農林水産省が枢木水産に対し、大分県が誠水産
及び高橋水産加工株式会社に対し、それぞれJAS法に基づく指示を
行いました。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/090325.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「生産情報公表JAS規格制度」というのは、いわゆるトレーサビ
リティというもので、以下のような説明があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 BSE(牛海綿状脳症)の発生や最近の食品の不正表示事件を背
景として、消費者の間に食品の安全に対する不安や食品表示に対す
る不信が生じており、消費者の「食」に対する信頼の回復を図る必
要性が高まってきました。

 このため、食品の生産情報を、消費者に正確に伝えていることを
第三者機関が認定する生産情報公表JAS規格が導入されることと
なり、まず、国民の関心が特に高く個体管理の体制が整備されてい
る牛肉について、この規格が制定された後、豚肉、農産物、一部加
工食品(豆腐及びこんにゃく)、養殖魚へと規格制定の範囲が拡大
しています。

 生産情報公表JASマークが付されている商品については、認定
生産行程管理者が識別番号ごとに生産情報を正確に記録・保管・公
表しており、一般消費者は、店頭での表示やインターネット、FA
X等を通じて、それらの生産情報を入手することができます。

http://www.jasnet.or.jp/rule/seido1-6.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで公開されている情報を使って、販売している商品の生産者
だと偽ったということなのでしょう。確かにこれは悪質です。

 もう一つ、山菜での偽装事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 県警から不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで21日家宅捜
索され、県からも同日、JAS(日本農林規格)法に基づく是正の
指示を受けた新庄市鳥越の山菜加工会社「斎藤食品工業」。同社と
製造委託を受けた計3社は昨年11月から県と国の立ち入り調査を
受けていたが、今月まで偽装を否定し続け、全国への販売を続けて
いた。【釣田祐喜、浅妻博之】

 県食品安全対策課によると、昨年11月、消費者から情報提供を
受け斎藤食品工業への調査を開始。同社には計9回立ち入り調査を
したが、斎藤淳社長は7回目にあたる今月7日の調査まで、偽装を
否定し続けた。

 また、斎藤食品から製造委託を受け、斎藤食品とともに是正の指
示を受けた「青山食品」(真室川町・青山鉄太郎社長)と「安西食
品」(最上町・安西正洋社長)も当初は偽装を否定した。

 県は、3社に対し仕入れ伝票や納品書の任意提出を求め、山菜の
輸入量と商品の量を突き合わせた。その矛盾を突かれて初めて斎藤
社長は偽装を認めたという。販売先は30都道府県に及ぶ。

 青山食品は全原料を、安西食品はゼンマイ以外の全原料を斎藤食
品から仕入れていた。

 県は、3社にラベルを張り替えるなどして適正な表示をすること
や、5月20日までに偽装の期間や原因を報告することなどを求め
ている。一方、外国産であっても有害ではないとして製品の回収は
求めなかった。

http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20090422ddlk06040042000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この事件の報道はちょっと錯綜していてわかりにくいのですが、
当の会社はすでに破産したらしいです。この山菜はロシア産だとい
うことです。

 少し気になるのが、「外国産であっても有害ではないとして製品
の回収は求めなかった。」という部分です。ちょっとした表示ミス
でも商品回収が行われていますが、あれはいったいどういうことだ
ったのでしょうか。

 不二家や赤福も、はっきりと有害なものを売っていたわけではあ
りません。山形県の態度はどうも不可解です。

 一々取り上げていたらキリがないのでしばらく掲載していなかっ
た「産地偽装」ですが、まだまだ続きそうな感じです。食品業界全
体の「常識」が変わらなければならないと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 ごらんの通り、今回はみなさんからのメールが一件もありません
でした。こんなことも珍しいです。10年もやっていると、飽きられ
てしまったかと、どこかのテレビ製作者のようなことを考えていま
す。

 ジャニーズ事務所の某タレントの逮捕事件ですが、酒の上の失敗
は大目に見るという日本の古くからの慣習は亡びてしまったのでし
ょうか。先日の某大臣のときもそう思いました。あまり誉められた
慣習ではありませんが、昔から日本人は理性を失った状態を大切に
してきたのですけれどね。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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