安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>488号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------488号--2009.03.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「体細胞クローン」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今週は紹介するメールがなかったので、前回書けなかった、いた
だいたメールについてのコメントを書きます。

>申し訳ないのですが今回の記事の内容は酷かったです。勢いに任
せて書いていますが、内容の裏付けを取っているのでしょうか?

>広域事業者にパルシステム生協は入っていますか?広域事業者と
はどこの4業者か分かっていますか?

>調査に入ろうにも警察が書類を押収している段階で何ができます
か?

>生協以外の販売者で何かを公表しているところがありますか?

>捜査権もないのに警察の捜査以上の結果が出てくると思われます
か?

>3ヶ月「も」経ったことが能力の不足のように書かれていますが、
長崎地検の起訴を受けての対応です。単に時間の経過の話ではない
ですが…。

>国産表示について、生協以外が見抜けましたか?

>結局は巧妙な偽装(キャセイに搬入時に既に箱が変わっている)
は別件の詐欺罪の公判過程でようやく分かったのではないでしょう
か?

 どうも私の書いた意見とは関係ないことを言われているように思
います。私がいいたかったことは、次の2点です。

(1)産地偽装は業者側の背信行為だが、仕入れ(生協)側の姿勢
に、暗に背信を助長するような点がなかったのか?

 これは無理を承知で?国産品であることを要求したりする場合、
阿吽の呼吸で業者がそれを飲み込んで、ウソを言うことによって仕
入れ側の顔を立てたりすることがよくあるので言っています。

(2)事件発覚後の対応として、1/4返金というのはあまりに変
ではないか?

 これは責任の所在ということを考えてみるべきです。生協は組合
員に対して、ウソのない商品を届ける責任があります。半分ウソだ
ったから半分返金というのはあり得ないでしょう。

 全部国産と言っていて、国産が半分だった場合、どこの世界にウ
ソは半分だけだったという理屈が通るでしょうか。

 だから半分でも充分おかしいのです。それを「価格が半分だから」
1/4だけ返金するというのはまさに噴飯物というやつです。

 組合員にウソをついた責任を全く感じていないですね。

 このあたりをどうお考えか、聞かせていただきたいものです。ま
あ、実際のところは、次のメールの方が言われるように、

>上記の返金の仕方にも、問題はあるとは思いますが、告知し、一
部であれ、返金してるだけマシ・・・と言えなくもありません。

 というところなのかもしれませんが。

>アンモニアの臭いを嗅いだことがない方がなかなか珍しいように
思います。例えば、トイレで尿を外にこぼした後ほっとくとに後日
臭ってきませんか?夏場に汗をかいた服をちょっと放っておくと臭
いませんか?

>これは尿素や汗が細菌で分解され発生するアンモニアによるもの
です。すごく衛生的な生活されていたらわかりませんが・・

>アルコール臭もわかるような気がしますが・・・

>かんすいのアルカリ臭を嗅いだ経験がなく、アンモニアのような
という抽象的な表現をしたのではないのでしょうか?アンモニアの
臭いがするとは書いてないような気がします。青酸カリをそのもの
の匂いがするとは言う人はおらず、よくアーモンドの匂いというよ
うな感じじゃあないですか?

 これは私もそう思いますが、元々のメールをいただいた方も、そ
うお考えと思います。だからたぶん誤解に基づくご意見です。文章
の具合が悪かったのかもしれませんが、元々の本意はおっしゃって
いることと同じです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.生の蟹のポーションを急速冷凍しているって商品を食べました。
焼いた所、なんだかすっぱい匂いと食後なんだか舌に残る苦味があ
ります。(他の家族はおいしいと食べてました)蟹に付いていた氷?
霜が原因の気がするのですが、なにか添加物や薬品を使っている物
なんでしょうか?

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A.市販のカニはたいてい輸入の冷凍ものです。これはカナダやア
ラスカで水揚げ後、急速冷凍したもので、国産の生鮮カニより鮮度
がよいことも多いものです。

 山陰や北陸に冬に行って食べるカニも、やはり冷凍ものが多いは
ずです。だから冷凍ものといっても、別に悪いわけではありません。

 添加物というと、カニ類は解凍後、黒く変色してきますので、変
色防止剤として、亜硫酸塩などがよく使われています。

 その他に保存や色、調味などの添加物は使われていないと思いま
す。したがって、ご質問の件は添加物のせいというのではありませ
ん。

 詳しくはわかりませんが、一番該当しそうなのが、以下のような
回答です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 魚介類を加熱処理しないで保存すると、脂質が酵素により脂肪酸
とハイドロキシ化合物に分解され、これらの分解物が酸味・渋み・
不快な刺激臭の原因となる。

http://www.pref.aichi.jp/shokuhinkensa/soudan/suisanbutu/ebi.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 全員が感じたわけではないということですから、それほどたいし
た量ではなく、敏感な人が感じるくらいだったのではないでしょう
か。

 とりあえず、心配するほどのことはないと思います。家庭用の冷
凍庫では、生鮮品の冷凍ものを長期に保管するのは難しいですね。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「体細胞クローン」
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 前にも紹介した「体細胞クローン」動物の食品としての安全性に
ついて、食品安全委員会から見解が出たようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「体細胞クローン技術」で生まれた牛や豚の肉について、消費者
の間に安全性を懸念する声がありますが、国の食品安全委員会は、
12日、科学的には安全性に問題ないとする見解を示しました。

 「体細胞クローン技術」は、皮膚などの細胞を使って同じ遺伝子
を持つ動物を作り出すもので、品質のよい牛や豚を効率よく生産で
きる技術として注目されています。国の食品安全委員会では、この
技術で生まれた牛や豚の肉などについて、食品としての安全性を専
門委員会などで議論してきました。

 12日の会合では、委員から「今後、消費者の不安や誤解にてい
ねいに対応してほしい」という意見が出されましたが「体細胞クロ
ーン技術で生み出された牛や豚とその子孫について、通常の牛や豚
と同じだ」として、現時点で安全性に科学的な問題はないとする見
解で一致しました。

 今後、食品安全委員会では来月10日までの間、一般の人たちか
ら意見を聞いたうえで厚生労働省に提出する最終的な答申をまとめ
ることにしています。

 体細胞クローン技術をめぐっては死産や生まれてすぐに死ぬケー
スが多いなど、消費者の中には安全性を懸念する声もあります。食
品安全委員会の見上彪委員長は「科学的な評価に絞って結論を出し
た。消費者に不安があるのは承知しているので、今後内容について
よく説明をしていきたい」と述べました。

 これについて、厚生労働省は「食品としての安全性に問題がなけ
れば、食品衛生法上は原則として自由に流通・販売できるが、最終
的な答申がまだ出ていないので正式なコメントはできない」として
います。

 一方、日本消費者連盟の山浦康明事務局長は「クローン動物の異
常について、どうしてそうなるのか解明してからでないと認められ
ない。われわれの持つ不安感を科学的には重要でないと考える人も
いるかもしれないが、こうした基本的な感覚を大切にしたい。食品
安全委員会はそういう気持ちに答えていない」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/t10014720681000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはNHKのサイトからの引用です。

 最後に「消費者団体」からの疑問を書いて、それでおしまいでは、
純真な読者は何か隠された問題があるのではないか?などと思って
しまいます。

 「クローン動物の異常について、どうしてそうなるのか解明して
からでないと認められない。」

 などと言っていますが、これはちゃんと説明されています。以下
はその食品安全委員会が出した文書からの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q4体細胞クローン家畜では死産や生後直死が多い原因は何ですか。

 体細胞クローン牛や豚で認められる出生前後の高い死亡率は、体
細胞を移植した後の再構築胚における全能性の完成度などによるも
のと考えられており、具体的な死亡の原因は、従来の繁殖技術によ
る牛や豚でも認められているものです。

 従前から、死亡したり、法で定める疾病にかかったり、その疑い
がある牛や豚は、体細胞クローン技術で産出した家畜であるか否か
にかかわらず、食用とすることが禁止されており、食用に供される
ことはありません。

 また、体細胞クローン牛や豚は遺伝子を組換えたものではないこ
とから、新規の生体物質が産生されるものではなく、元来、牛や豚
に食品として摂取した場合に、その構成成分がヒトに毒性や病原性
を有することは知られていません。

 更に、体細胞クローン牛や豚、それらの後代(子供)の肉や乳に
ついて、栄養成分、小核試験、ラット及びマウスにおける亜急性・
慢性毒性試験、アレルギー誘発性等について、従来の繁殖技術によ
る食品と比較したところ、安全上、問題となる差異は認められてい
ません。

 従って、「現時点における科学的知見に基づいて評価を行った結
果、体細胞クローン牛及び豚並びにそれらの後代に由来する食品は、
従来の繁殖技術による牛及び豚に由来する食品と比較して、同等の
安全性を有すると考えられる。」とされたものです。

http://www.fsc.go.jp/emerg/clone_qa.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ポイントは「再構築胚における全能性の完成度」で、今話題のiPS
細胞の研究などで、この問題は今正面から研究されています。

 iPS細胞の研究では、普通の細胞に「全能性」を獲得させようと
するわけですが、一般の体細胞クローンでは、そこまで難しいこと
をやっているわけではありません。

 「全能性」は元々の受精卵そのものにはじめからあります。しか
し、遺伝子を途中で入れ替えた受精卵が「再構築」する過程で、う
まくいかないことがよくあるのです。

 何故うまくいかなかったが分かっていれば問題は解決ですが、そ
こは未だわかりません。しかし、どうしたら解決できるかは分かり
ませんが、何が起ったかは分かっているとこの文書では言っていま
す。

 「具体的な死亡の原因は、従来の繁殖技術による牛や豚でも認め
られているものです。」

 上記の文書を要約すると以下のようです。

■体細胞クローンでは、死産や生後直死が多い。

■その原因は「再構築胚における全能性の完成度」で失敗があるか
ら。

■その結果、死亡することがあるが、直接の死因自体は新奇なもの
ではない。

■無事生育したクローン動物は、一般のものと何も変りがない。

■後代の世代には全く異常はない。

 こうはっきり書かれているのに、「食品安全委員会はそういう気
持ちに答えていない」と言っています。「消費者団体」のこういう
コメントは、反対している当の発表を読んでいないということです。

 あるいはそんな「事実」は無視して、何とか消費者の不安を煽っ
て運動を盛り上げたいということなのでしょうか。

 NHKも「公平」を装って、こういう馬鹿げたコメントを大きく
扱うようなことはやめてほしいものです。それともやはり確信犯で、
同じ穴のなんとかなのでしょうか。

 この記事を書いた記者も、食品安全委員会の発表なんか実は読ん
でいないのだろうと思います。

 今は便利になりまして、以下のサイトに行けば、みんな読むこと
ができます。

http://www.fsc.go.jp/emerg/clone_03.html

 意見の募集などということもやっているそうです。

http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_shinkaihatu_clone_210312.html

 さて、体細胞クローン技術への私の感想ですが、どうもあまりよ
く思っていません。こういうことをやる必要が本当にあるのか?と
疑問に思っています。

 しかしチャレンジのないところに進歩はありませんので、やりた
いという人が出てくるのも仕方ないのかもしれません。

 だから、行き過ぎないように調整しながら進んでいくしかないの
だと思います。

 それにつけても、変に不安を煽るような行動は調整すらできなく
なってしまうことを考えてほしいと思うのです。

 「食べる」ということに関しては全く問題ないのに、無理やり反
対するためには、そこで煽るしかないというのは、反対派の方針と
しては破綻しています。

 「クローン技術を使う必要」について議論するのなら、私も反対
派の肩を持ちたいのですけれどね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 NHKといえば、昨年の「篤姫」は面白かったですね。第一回目
は見逃したのですが、以降は全部見て、すっかり宮崎あおいのファ
ンになりました。それにひきかえ今年のは最低。

 今日の朝の飛行機で大連に出発です。次回は大連からお届けしま
す。

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