安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>481号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------481号--2009.01.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「Q&A」「中国製ギョーザ中毒事件」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の記事について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深く拝見しています。

 今日の「植物が持つ毒素」の話ですが、論文をお送りします。こ
れを書いたAmes博士はトキシコロジーの世界的権威です。

 野菜や果物は多くの種類の化学物質を持っています。そのほとん
どが害虫や細菌から身を守るためのものです。人間はこれを漢方薬
や、香料や、色素剤などに利用しています。

 エイムズ博士は野菜や果物が持つ何千という化学物質のうち、52
種類の毒性を調べました。すると、驚いたことに、27種類に発ガン
性があったのです。

 ニンジン、ジャガイモ、ナス、セロリ、パセリ、キャベツ、カリ
フラワー、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、パイナップル、ゴマ、
キノコ、オレンジジュース、コーヒー・・・すべて発ガン性化学物
質を持っています。

 米国人の食事から計算すると、私たちは平均して毎日1.5グラム
の天然農薬を食べています。

 野菜や果物の化学物質のために、私たちがすぐにガンにならない
のは、野菜や果物には、ガンを抑制する化学物質も入っていること
と、1種類の野菜に入っている化学物質の量が少ないためです。

 「ガンを防ぐために、多くの種類の食べ物を少しずつ食べなさい」
といわれます。逆に、「同じ種類を食べ続けると危険」という根拠
が、ここにあります。

 エイムズ博士の教訓は、「無農薬野菜の無意味さ」です。野菜や
果物がもつ化学物質のうちたった1万分の1が人工の農薬で、残り
の9,999が天然の化学物質です。

 「天然の化学物質ならいいはず」と言う「天然信者」の人もいま
すが、植物が作る毒はたくさんあります。人工農薬と天然農薬は、
化学構造も、その作用も、よく似ています。ただし、人工農薬には
発ガン性があるものはありませんが、天然農薬の約半分は、発ガン
性化学物質です。

 この論文は1990年に書かれ、私は1998年にパリでの国際学会でエ
イムズ先生から直接この話を聞きました。「無農薬野菜が健康にい
い」という根拠はゼロ! これは、科学の世界では10数年前から常
識なのです。

 無農薬で栽培すると、天然の化学物質が増えるという話しはあり
うるとは思いますが、論文が見つからないのでわかりません。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 添付されていた論文は原語のものでしたのでパスしています。で
もエイムス氏のこの論文は有名なものですね。

 問題は「無農薬で栽培すると、天然の化学物質が増える」という
ことの真偽ですが、はたしてどうなのでしょうか。ありそうな話で
すが、問題にすべきことなのかどうか、疑問もあります。

 次は「カキ」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私は牡蠣に携わっている者です。産地や業者によるのかもしれま
せんが、私が関わっている牡蠣に関して言えば細菌検査は毎日行わ
れています。それも海域毎にです。1g中5万以下の基準もクリアし
てます。

 牡蠣は昔からあたると言われ、取り扱い基準をどんどん厳しくし
た結果、現在の基準に至っています。

 ただ、あたる原因は衛生面以上にノロウイルスや貝毒、召し上が
る方の体質によるところが大きかったわけですが、一度決まった基
準は変わりません。

 結果、従来の基準に新しい基準が追加され、今では必要以上に細
菌検査やノロウイルス検査ばかり行われているのが現状です。(お
そらく魚の検査態勢とは随分と状況が異なるのではないでしょうか?)

 なお、生食は極力控えた方が良いというのは同感です。

・牡蠣に限らず鮮品は検査結果が出る頃にはお腹の中です。(現在
の検査は現状の把握とその後の対策のために行われています。)

・基準は役所が管理をするために設けたもので、必ずしも基準値以
下は安全で基準値以上は危険とは言えません。(日々検査をしてい
ると、加熱用の方が細菌数が少ないなんてこともざらにあります)

・実際あたるか否かは個体差や召し上がる方の体質・体調によると
ころが大きい。

 各産地とも様々な安全への取り組みをしていますが、それでも上
記の理由から100%安全とは断言出来ないからです。

 メールにもありましたが、安全が保証できないという理由で生食
用を販売しないスーパーもあります。

 一方、生食はしないが鮮度がよいと思い込んで生食用に拘られる
消費者もまだまだ大勢いらっしゃいます。

 日々数字に追われる販売する側からすれば背に腹は替えられず難
しいところだと思います。

 こういう部分こそ、マスコミがきちんとした知識を付け、正しい
報道を行って欲しいものです。

 昨今の安全第一の風潮からすると、生食を安易に推奨するような
生食用販売は止めて、生食は自己責任という形が一番良いと思って
います。

 消費者庁なんてものが本当に消費者のためを思っているのかどう
か、、そのあたりの規制如何でも見て取れるように思いもしますが。。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 前回、私の書き方が悪くて、カキの細菌数が信用できないように
とられた方もいると思います。あくまで生食する食品全般の話です
ので、ご了承お願いします。

 「消費者庁」については、残念ながらおっしゃる方向には進まな
いと思います。これは単なる役人の領土拡張で、期待する方が間違
っているというのが私の感想です。

 役人が権益を放棄して、民間に任せるというのなら、信用しても
よいのですが…。

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.自家製生落花生を今月沢山頂き、豆大好きの私は調理もせず生
のまま毎日スーパーのビニール大1袋程を今日迄1週間弱食べてい
ました。

 いつ頃収穫した物か(古いのか)保存状態が悪かったか、殻を割
るとカビみたいな青黒い粉の付着も確認出来ましたが、そのまま薄
皮ごと食べました。

 〜今日ナッツのカビ毒について読み、不安になりメールします〜

(1)自家製落花生で勿論検査等未実施ですが、日本国内生産だし、
アフラトキシンの心配は無いでしょうか?

(2)カビ付を生のまま大量に1週間食べましたが今日迄体調に異
常感じられません。今後も体内に蓄積されたまま発病等の原因にな
る可能性ありますか?

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A.何度も書きましたが、食べてしまったものは仕方ないです。次
からは気を付けるようにして、今回のことは忘れた方がよいですね。

 現在体調に異常がないのなら、心配することに意味はないです。

 アフラトキシンは日本ではそういう毒素を作るカビはいないとい
うことなので、可能性は低いと思います。

 今後のことは誰にもわかりません。人間いつかは発病するでしょ
うし、最後には死んでしまいます。今回のことでは、心配するとい
うことが一番よくないと思います。

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Q.はじめまして、いつも楽しく読ませてもらっています。いきな
り質問させていただきますが、トレハロースと言うのは食品、添加
物どっちなんでしょうか?糖類の一種だそうですが食品表示を見て
いるとメーカーによって食品に分類されていたり、添加物に分類さ
れていたりまちまちです。

 そもそも食品と添加物の線引きと言うのはどのようにしているの
でしょうか?

 単独で食されないが食品に添加されるものが添加物と言うのであ
ればブドウ糖やでんぷんなどは添加物に入ると思うのですが、これ
は食品になるようです?何だか良く分かりません。

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A.食品添加物はリストがあって、そこに記載されているもののこ
とを言います。指定食品添加物と既存食品添加物があり、トレハロ
ースは既存食品添加物の方に載っています。

http://www.ffcr.or.jp/zaidan/ffcrhome.nsf/Fm01?OpenForm

 指定食品添加物は化学合成などで作られた、いわゆる添加物らし
いものです。既存食品添加物は以前、天然添加物とか言われていた
もので、自然に存在するものです。

 こちらの方が安全と思われるかもしれませんが、現在のところ、
指定食品添加物にできるほど、安全を保証するデータがないという
ことで別扱いになっています。将来的には指定食品添加物の方に移
していくのだそうです。

 トレハロースは元々自然界に存在しますし、きのこなどで私たち
がふだん食べている物質です。安全性に心配はないと思いますが、
食品添加物であることには違いありません。

 既存食品添加物にも指定されていないものを、食品の原料として
使うこともよくあります。酵母エキスなどはいかにも食品添加物の
ように見えるものですが、食品添加物ではありません。

 こちらは既存食品添加物よりもっと安全性の保証はありませんが、
そもそも本体の食品の安全性は誰も保証していませんので、それで
別に問題はないのです。

 工場で大量に使用する場合、できるだけ安全性を確保するように
考えられた制度です。運用面ではなかなか微妙なものがあるのは事
実ですね。

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Q.スーパーで鳥のもも肉を購入し、水炊きにして食べたのですが、
噛んでる内に石油臭さを感じました。全てではありませんが、家族
全員とも石油のような味がしたとの意見でした。スーパーや卸業者
に聞いても原因が分からないととの解凍でした。こういった事例は
あるのでしょうか?またどういった理由からこういった味がするの
でしょうか?ご存知でしたら教えてください。

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A.具体的なことまでわかるわけではありませんが、鶏肉で臭いの
問題といえば、やはり鮮度なのかな、と思います。

 鶏肉はもともと、ある程度の臭いはするものです。ふだんはそれ
ほど気にならないが、少し臭いの強くなったものを食べると気にな
ったのではないでしょうか。臭いが強くなるのは、元々の肉の臭い、
処理の具合、そして鮮度などが考えられます。

 その中でも、やはり鮮度が問題だという記事を紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 鶏肉のにおいの元は鮮度の善し悪しで決まります。鶏肉は豚肉や
牛肉に比べてはるかにアシが早く鮮度が悪いと鶏独特の臭気が発生
するのです。初期の段階ならば氷を多めに入れた水道水で軽くもむ
ように洗い、冷蔵庫にしばらく入れて水を切りましょう。これであ
る程度臭みを取ることができます。あとは、鶏肉の臭いの元から消
すのではなく生姜やニンニク、醤油など香りの濃い調味料で臭いを
気にならなくする方法もありますよ。でも鮮度の良いものに勝るも
のはありません。スーパーなどで上手に選ぶよう心がけて下さいね。

http://www.viva-cheers.co.jp/cheers/cook/soudan2_1.html#q3
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「中国製ギョーザ中毒事件」
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 もう忘れかけていた、「毒ギョーザ事件」ですが、こんなニュー
スがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

中国製ギョーザ、省政府が横流し斡旋 新たな中毒も

 一昨年12月に起きた中国製冷凍ギョーザによる中毒事件後、製
造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が売れ残った大量のギョー
ザを、地元政府の斡旋(あっせん)で同省内の鉄鋼工場に横流し、
新たな中毒事件を引き起こしていたことが24日までに分かった。
「中国国内での毒物混入はない」と断定した中国当局の発表を信用
したためで、同省関係者もギョーザを食べた従業員も危険性につい
て認識していなかったようだ。

 河北省の国有企業幹部によると、日本との取引を中止され経営難
に陥った天洋食品を救済するため、地元の国有企業を管轄する同省
国有資産管理監督委員会は、同じ国有企業の同省鉄鋼グループに対
し、売れ残った10万食以上のギョーザの購入を持ちかけた。ギョ
ーザは同グループ傘下の唐山、承徳、張家口など各地の子会社で無
料配布されたが、それを食べた複数の従業員が下痢や嘔吐(おうと)
などの中毒症状を訴えたという。

 「唐山鉄鋼」の50代の男性従業員は「昨年5月ごろに会社から
ギョーザを数袋もらったが、同僚の中にギョーザで体調を崩し入院
した人もいるため、しばらくして回収された」と証言した。配布さ
れた際に「日本で中毒事件を起こしたギョーザ」と社内でうわさに
なったが、多くの従業員は気にせずに食べたという。

 日本での中毒事件は中国でも報道されたが、中国公安省は昨年2
月に記者会見で「中国国内での毒物混入」を否定したため、「日本
での混入説」はほぼ既成事実として中国で認識された。多くの中国
メディアは「工場内の安全管理に問題なし」として「天洋食品」を
事件の被害者のように報じたため、一般市民からも同情が集まって
いる。横流しを斡旋した地元政府は、ギョーザの危険性についてま
ったく認識していなかったと関係者は証言した。

 鉄鋼工場で起きた新たな中毒事件について、中国当局は昨年夏ご
ろにはすでに把握し、外交ルートを通じて日本に伝えた。しかし、
中国国内では、その事実は伏せられ、まったく報道されておらず、
工場周辺では、未だに「日本人犯人説」が一人歩きしているのが現
状だ。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/090124/chn0901242024004-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 よく読むと、これはこのごろ起った事件ではなく、昨年5月の話
です。今まで秘密にしていた事件が表に出てきたのには、次のよう
なウラがあるようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ギョーザ中毒事件で元従業員を拘束、聴取 中国当局

 中国製ギョーザ中毒事件で、中国公安当局は製造元の天洋食品
(河北省石家荘市)に勤めていた男性従業員ら3人前後を容疑者と
して絞り込み、事情聴取していることが17日までにわかった。中
国筋が明らかにした。男らは容疑を認めていないが、当局はさらに
徹底した捜査を継続する方針だ。

 容疑者の一人は、ギョーザを冷凍庫で保管する段階にかかわる従
業員とみられ、昨年秋の時点ですでに拘束されていた。当局は絞り
込んだ男らが共謀した可能性を視野に入れているもようだ。しかし
供述は二転三転するなど、あいまいだという。

 当局は、延べ約1000人から事情聴取し、管理記録や出勤状況
を調査したほか、監視カメラの映像などを分析してきた。さらに、
家族や友人、同僚らも聴取するなどし、その結果、昨年秋から冬に
かけて3人前後に絞り込んだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/090117/chn0901172056002-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いよいよ犯人の逮捕・処刑などということが現実になりそうです。
当初予想していたとおり、「事故ではなく事件」ということで結着
しそうです。

 ここに至って、事件が中国内でおきたことを明白に立証する、横
流しギョーザでの中毒事件が表に出てくるようになったのでしょう。

中国当局幹部「ギョーザ事件は人為的混入」と強調
http://sankei.jp.msn.com/world/china/081203/chn0812032109003-n1.htm

 などという記事もありました。

 横流しの流れというのは、以下のようなものだと思います。

(1)事件が発生するが、責任を負いたくない当局が中国国内での
問題はないと主張した。

(2)中国内では報道規制のため、その情報だけが流された。

(3)ギョーザが安全なものであると信じた別の当局者が、横流し
を画策した。

(4)当局者は企業からカネをせしめ、企業は従業員にタダで配っ
た。

(5)中毒発生。

 これをきっかけに公安当局は、「事故ではなく事件」とする方向
を固めたようです。

 一連の記事の中で、こんな言葉が印象に残りました。

 「なぜ日本のお古を中国人が食べなくてはいけないのか。日本人
は中毒になるけど、中国人なら大丈夫ということか」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090124/chn0901241513003-n1.htm

 お気の毒ながら、そのとおりとしか言いようがありません。何し
ろ人の命の値段が違うのです。

 独裁政府の元では人民はいつもそういう目にあいます。これはし
かし中国人自身の問題であると、私はやはり思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回はたくさんメールをいただきまして、掲載しきれない分があ
りました。よろしくご了承お願いします。

 さて、いよいよ中国に行く日程が決まりそうです。3月頃に行き
先は大連です。一週間中国語の勉強をします。この時期に中国とい
うのは物好きだなあ、と自分でも思うのですが。

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