安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>480号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------480号--2009.01.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ウソバスター」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 こんにちは。いつも読ませていただいております。

 少し前に、朝日新聞の投書欄で農家の方がこんな感じの投書をし
ておられました。

 新聞を廃棄してしまい、実際の記事を見ながらではなく、私の記
憶です。細かい語句の使用法などは違っています。

「野菜は農薬をかけないで栽培すると、対虫毒素を生産する。この
毒素は農薬より危険なこともある。」

 だから適度に農薬を使用した野菜の方が安全・・・だったか、農
薬を適度に使用していくべきだ・・・みたいな主張だった気がする
のですが。

 寡聞にして「対虫毒素」なるものは初めて聞いたのですが、検索
してもよくわかりませんでした。

 どんなものかご存知でしたら教えてください。
 
 私はある程度の農薬使用は仕方ない、と思っている人間です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 植物が食害を受けると、毒素となるような物質を生産するという
のは本当にあるそうです。

 狭い場所に木の葉を食べる動物と、エサになる木を置いておくと、
まだ木に葉があるのに、動物が食べられなくなって飢えてしまうと
いうことがあるのだ、と本で読んだことがあります。

 ただし、本当に一般的なことで、野菜などでも同様のことがおこ
るのかどうかはよくわかりません。

 常識的に考えて、ありそうな話ではありますが、その毒素で人間
に被害がおこるということまであるのでしょうか。

 一方的に(根拠なく)農薬が怖いと騒いでいる人たちへのアンチ
テーゼという意味あいが強いのではないかと思います。

そろそろ無農薬/有機栽培野菜に対する盲信を見直してはどうか
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20080817/1218954695

 このブログなんかがその典型的なものです。「無農薬 毒素」で
検索して見つけたのですが、その前後は「デトックス」などどいう
怪しげなサイトでいっぱいです。

 農薬が怖い人というのは、科学的な根拠がどうであるかについて
は無関心なので、こう言われても納得しないでしょうね

 でも、一般の人はどう考えるのでしょうか?そこのところは私に
はよくわかりません。

 私は農薬を使ったものも、家庭菜園でつくった虫食いだらけのも
のも、同じようにありがたくいただいています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ウソバスター」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 きのう(1月10日)朝日放送系の特番「ウソバスター」を見まし
た。常識のうそを明らかにしようという内容です。

 この中に食品のうそが出ていたのですが、食品の仕事をしていて
も間違うことがあるんだな、勉強が大切だと思ったしだいです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この番組については、「インターネット上にはびこるウソ」とい
うコーナーで紹介したブログが、捏造であったということがバレて、
問題になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

視聴者の皆様へお詫び
                    2009年1月13日

 2009年1月10日(土)19:00〜20:54 に放送し
ました「情報整理バラエティー ウソバスター!」の中で視聴者の
皆様に誤解を与えかねない表現がありました。

 番組終盤の「ネットバスター」コーナーで、ウェブサイト上から
得られた情報を紹介するに際し、発信元に対し連絡が取れないなど、
ウェブ画面の撮影の許可を最終的に得ることができなかったため、
番組側でイメージ撮影用にブログを作成しました。本来なら該当映
像部分にイメージ映像であることを明確に表現すべきでしたが、そ
れがなかったため皆様に誤解を与えかねない表現方法となってしま
いました。

 誠に申し訳なく心よりお詫び申し上げます。

                         テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/usobuster/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 聞けば「あるある大事典」なんかも作っていた会社なんだとか。
こういう捏造体質はテレビの本質的な問題です。

 さて、この番組は私も見ました。4つのテーマのうち、1つだけ
が本当で残りはウソである、という主旨の問題がいくつかあり、そ
のうち食品については、以下の4つでした。

A.生食用のカキの方が、加熱用のものより鮮度がいい。
B.みかんはもむと甘くなる。
C.ごぼうはあく抜きが必要。
D.寿司飯を作る時、うちわであおぎながら酢を加える。

 Aは鮮度の問題ではないのはすぐにわかりました。ただ、説明で
産地でカキを殺菌しているところを映していましたが、この問題に
対する回答としては落第点です。正しくは以下の内容をごらんくだ
さい。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 生食用かきの規格基準は、食品衛生法で次のように定められてい
ます。

・成分規格

1. 細菌数が1g中5万以下
2. E・coli(特定の大腸菌群)の最確数が100g中230以下
3. オキシテトラサイクリン(抗生物質)が0.10ppm以下

・加工基準

1. 大腸菌群最確数が海水100ml中70以下

・保存基準

1. 10℃以下
2. 衛生的な容器にパック

 このように、かきは内臓ごと食べるため、かなり厳しい基準があ
り、各自治体の保健所で定期的に検査されています。

 また、産地によっては生食用として出荷するための工夫もされて
います。

・国内産かきの7割を占める広島の生食用かき

 生食用海水基準内海域で養殖し採取。保健所の許可を得た加工場
で加工、出荷。

・特殊な製法による人気の的矢かき

 紫外線を照射しながら殺菌した海水を12〜24時間近くシャワーし
続け、ほとんど無菌状態にして出荷。

 今回、厚生省、保健所、産地の漁協、また築地市場など、さまざ
まな専門機関に問い合わせた結果、回答がまちまちのこともあり、
生食用の規格基準はあるものの、加熱調理用との区別の明確化は非
常に難しいことがわかりました。

 また、独自の厳しい販売基準を設けながらも、貝自体のウイルス
の心配から生食用は扱わないという大手スーパーもありました。

 反面、台湾や中国などから塩素消毒されたものが国内産に混入さ
れ出回っているという情報もあり、選別は非常に難しいのが実情の
ようです。

http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/note/105.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一般的ではない、「特殊な製法による人気の的矢かき」のみを取
材してきたわけです。「生食用海水基準内海域」について全く触れ
なかったのはどうしたことでしょうか。

 このあたりでこの番組がかなり怪しいことはわかりました。

 Bについては、みかんの糖度が上がるということはあり得ないの
で、不正解ですが、ストレスを与えると酸は減るので、甘く感じる
という意味では全くの間違いではない、とか言いながら見ていまし
た。

 Cがいちばんわからなかったのですが、酢水につけるというのは
よくやるので、これが正解かな、という感想でした。

 Dは番組でもやっていましたが、酢を混ぜるときにはあおがない
ですよね。

 したがって私の予想はCで、まさかと思うがBも可能性はあるな
あ、というものです。

 番組ではBが正解でした。

 Cについては、「アク」を蓚酸と決めつけて、ゴボウには蓚酸が
ほとんどないので、アク抜きは必要ないと言っていました。

 ただ、酢水につけるのは、変色を防ぐためだと説明していました
ので、これも広義の「アク抜き」に入るのではないでしょうか。

 酢水の色が変わるのはポリフェノールが出てくるからで、もった
いないなどと言っていましたが、「ポリフェノール=色素」である
ということには全く触れません。

 変色を防ぐ目的なら、それで何の問題もないはずです。不正解と
するためにかなり強引な論法です。

 Bについては、私の悪い予想どおりでした。

 確かにストレスを与えれば酸を消費して、甘く感じます。しかし
北海道や東北の人ならともかく、みかんの味は糖度でけではなく、
糖と酸のバランスが大切だと考える和歌山県民としては納得し難い
話です。

 酸が抜けた状態の味は俗に「ぼけた」味です。みかんを選ぶとき、
比較的小さいものを選ぶとよいのは、大きいみかんの方が甘いこと
が多いのですが、ときどき「ぼけた」のがあるからです。

 「ぼけた」みかんがおいしいとは、みかんの味を知らないのにも
ほどがあります。

 また、保存についても全く触れられていませんでしたが、揉むこ
とは保存にはマイナスなのです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 みかんを揉む

 「甘くなる」というより、酸っぱさ(酸味)が少なくなることで、
甘く感じる、というのが正解。みかんに衝撃をあたえると、みかん
自身がキズを修復するため、すっぱい成分であるクエン酸を修復に
あてて消費するので、甘く感じるようになります。

 ただし、これは食べる直前にやらないと、衝撃を受けたみかんは
腐りやすくなるので、食べる直前に揉んだり、ポンポンと両手でや
さしくキャッチボールするといいかも。

http://www.n-koi-mikan.com/001/index3.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、私の意見は以下のとおりです。

 Aカキについては、この表現で「間違い」の判定はよいが、説明
がなっていない。

 B「もむと甘くなる」ではなく、せめて「もむと甘く感じる」程
度の表現であるべき。こう言えばすぐに正解とわかりました。

 C「ごぼうはあく抜きが必要」では「あく抜き」の意味が正確で
はないので、「ごぼうはえぐみを取るため、酢水につける」などと
いう表現でないと評価できません。

 このままで問題なかったのはDくらいでしょうか。

 氾濫するウソ情報を整理する、という触れ込みなので、テレビ局
も少しは心を入れ替えたか、と思って見たのですが、はっきり言っ
て期待はずれでした。

 その上捏造問題まで発生して、散々な結果でした。

 捏造問題については、こんな指摘もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 テレビ朝日が、番組用に自作したブログで、1か月もウソ情報を
流していた。その結果、ブログに影響された書き込みもみられ、ウ
ソを信じ込まされた人もいたようだ。番組ではネット上にあふれる
ウソを見破るとうたっていた。にもかかわらず、自らのウソをネッ
トのせいにしていたのだ。

■ネット上では、ウソを誤解した人も

 テレビ朝日側が仕込んだブログ6作の一つに、「NEWSの意味は?」
というエントリーがある。2009年1月10日夜放送のバラエティ番組
「ウソバスター!」で最初に紹介されたものだ。エントリーでは、
NEWSの意味をこう紹介してある。

 「実は、『North,East,West,South』のアタマ文字から取った言
葉だったんです 東西南北、様々な場所からの情報を扱っている
からだと納得できるよね」

 ところが、この情報はウソだった。番組でも、実は、フランス語
のヌーベルがNEWSの語源だと紹介している。このエントリーは、08
年12月10日に書き込まれており、1か月後にテレ朝側の書き込みが
発覚して削除されるまでネット上で垂れ流されていた。

 このように、6作のうち、「地下鉄にカーブが多いのは運転手の
いねむり防止のため」「サケとシャケの呼び名は加工前と加工後で
違っている」といった内容の4作がウソだった。いずれも、同じ12
月10日のエントリーで、テレ朝側は1か月の間いくつものウソをネ
ット上でばらまいていたことになる。

 実際、ウソを誤解した人がいたようだ。コメントには、「たしか
に、『地下鉄に乗って』って映画の中に出てくる映像はやたらウネ
ウネしてたかも…」といった書き込みも見られた。番組を見なけれ
ば、ウソを信じ込まされた可能性もあったわけだ。

 テレビ朝日広報部では、J-CASTニュースの取材に対し、ネット上
でウソを流した自らの非を認め、「ブログは番組のために作ったも
のですが、そういう見方もできなくはありません。ご指摘に対して
は、公に見られるところでしてしまったことに反省しないといけな
いと思っています」と話している。

■「ネット上にあふれるウソ」根拠が薄弱

 テレ朝の番組「ウソバスター!」では、ネット上にあふれるブロ
グなどのウソを見破るとうたっていた。同社広報部では、「実際に
元になるブログはネット上にあり、撮影許可が得られなかったり、
連絡がつかなかったりして、撮影用に同じ趣旨のブログを作った」
と説明している。

 とはいえ、元のブログが何なのかについては、「敢えてそこまで
お答えする必要はありません」と説明を拒否している。

 そこで、グーグルでキーワード検索してみると、いくつか同様な
趣旨のブログが見つかった。テレ朝のブログ6作のほとんどで、Q&
Aサイト「ヤフー知恵袋」に同様な質問があり、これをネタ元にし
て該当のブログを捜したらしい。

 では、ネットにウソがあふれている証拠はどこにあるのか。

 ヤフー知恵袋でNEWSについての2008年7月18日付質問では、東西
南北が語源というのはウソとベストアンサーで回答されている。ブ
ログでは、例えば、「ヒマジンの家〜いつも頭のすみっこに」の11
月5日付エントリーで、「NEWSって north east west south の略
なんですか?」と書き込まれている。が、翌日付のコメントには、
「ガセだったよね確か」などとあった。

 同様な趣旨のブログには、間違った情報を伝えているケースもも
ちろんある。が、ウソの可能性があることや単なる伝聞を書いてい
ることを明記していることが多い。ネット上にウソがあふれている
と言うには、あまりにも根拠が薄弱なのだ。

 テレ朝の広報部では、こうした点について、「経緯を細かく検証
しており、対応を協議しています」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000006-jct-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ネット上のウソをあばくなら、「デトックス」などと言って怪し
げなものを販売しているサイトを取り上げてほしいものです。

 あちらはスポンサーになる可能性があるから無理なのか…。

 まともな薬品メーカーまで「デトなんとか」を宣伝しているくら
いですからね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 カキについては、生食用表示の有無にかかわらず、生で食べるの
はやめた方がよいと考えています。

 生で食べる食品の「細菌数が1g中5万以下」というのは案外難しい
のですよね。実際にはほとんど無視されているのではないでしょう
か。昔、冷凍のタラコで困ったことがあります。

 あれもそのまま食べるものなので、基準を満たさないといけない
のですが、なかなか難しい…。生で食べる魚については、誰も細菌
数などは測っていないのが現状です。だいたいそんなことをしてい
たら時間がかかって食べられなくなります。

 おまけにウィルスによる中毒も多発しています。そろそろ生で食
べること自体をあきらめるべきです。

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