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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------472号--2008.11.23------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「伊藤ハムの事件」「アルミ箔(Q&A)」「クレンブテロール」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回も紹介した、伊藤ハムの事件について、中西準子先生のサイ
トでこんな情報が紹介されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 伊藤ハム(株)は、10月25日、東京工場(柏市)で製品製造に用
いている地下水中に、「シアン化物イオン及び塩化シアン」が水道
水質基準値の0.01 mg/L を超える0.02〜0.03 mg/L の濃度含まれ
ていたことから、操業を停止し、商品の回収をすると発表した。

 WHOの水道水質ガイドラインは、シアン化物に対して0.07 mg/Lな
ので、危険というレベルではないが、気持ちの良い話ではない。

 多くの人が、近くに工場があるのではとか、廃棄物の埋め立て地
があるのではないかと考えたと思うが、08.11.17のアエラには別な
説が紹介されている。

真柄さんの説明

 タイトルは、“なぞが多い伊藤ハムの地下水汚染「塩素消毒で毒
発生」説”となっている。そこに真柄泰基さんの意見が紹介されて
いる:「塩素は水中に含まれる有機物や窒素と反応し、塩化シアン
を発生させることがある。伊藤ハムのケースも、塩素消毒による化
学反応が原因だろうと思う」。

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak451_455.html#zakkan453
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 検出されたのが元々の地下水からなのか、塩素消毒後の浄水から
なのかで、この説の成否は判断できます。原水になくて、浄水から
検出されたのなら、この説のとおりに違いありませんし、逆に原水
から検出されていたのなら、この説は外れです。

 私のカンでは、原水から出ていた方に一票ですね。いずれにせよ、
近いうちに本当のことはわかると思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.現在妊娠4ヶ月です。アルミ箔で仕切った梅干をプラスチック
の容器に入れ冷蔵庫に保管していたのですが、アルミ箔が溶けてい
たことに気づかずに梅干を食べてしまいました。人体に影響はない
と聞きますが胎児に影響はないのでしょうか?

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A.「人体に影響はない」というとき、必ず胎児への影響もないこ
とになっています。もし少しでも胎児に影響が考えられるときは、
絶対に「人体に影響はない」とは言わないものです。これは言葉の
意味から言っても当然ですね。

 アルミは地球上でも最もありふれた元素で、あらゆる食品に含ま
れています。不思議なことに、生物の体内であまり積極的な働きは
していないようですが、別に毒ということではありません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「クレンブテロール」
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 「クレンブテロール」という聞き慣れない物質で、中毒事故が発
生しているというニュースがあります。毎度おなじみの中国での話
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国浙江嘉興でこのほど、メラニンより毒性が強いとされる「ク
レンブテロール」による集団食中毒が発生した。10日昼から嘉興中
茂会社の従業員が食堂で食事してから、体に異常を感じ、計70人病
院で診察を受けた、診断の結果「クレンブテロール」を混じった角
煮による食中毒と分かった。

 診察を担当した医師によると、中毒患者は70人で、心拍が加速、
吐き気に嘔吐、眩暈、息苦しくて全身が震える、手足がだるく立ち
上がれないという。そのうち、症状の重い者は20人。

 担当医師によると、他の病院で治療を受けた患者もいるが、その
大部分はすでに退院し、中毒症状が重い者も命に別状はないが、後
遺症が残るかどうかは現段階ではわからないという。

 「クレンブテロール」は喘息を治療用医薬品である。豚にクレン
ブテロールを混入した飼料を食べさせると、赤身が三倍も増やす。
分解は172度の高温が必要であり、通常の調理法では毒性を消すこ
とはできない。長時間にわたり、大量に豚の飼料に投入していた上
に、代謝が遅いため豚の体内に多く残留する。このような豚肉を人
間が食べ、人体に摂取すると、長期の場合、悪性腫瘍を誘発し、高
血圧、糖尿病などの患者には危険であるという。一度大量に摂取し
てしまうと、中毒或いは死に至るという。

 豚の成長期を短縮させるために、「クレンブテロール」のほか、
数多くの化学添加物を飼料に混ぜることは中国の業界では暗黙の了
解であるという。

 1998年以来、「クレンブテロール」による食品中毒は18件もあり、
被害は1700件以上に上り、少なくとも1人の死者が出ている。

 乳製品にメラミン、豚肉にクレンブテロール、それ以外に毒米、
過酸化水素水で軟化したフカヒレ、工業用アルコールでできた毒酒、
農薬が標準値を越えた毒野菜、スーダンレッドを添加した味卵、工
業用化学原料で作られた黒酢、及び偽薬と毒薬が中国で氾濫してい
る。

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/11/html/d30670.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 紹介したサイトは「大紀元」というところで、ここは中国国内で
弾圧されている「法輪功」という宗教団体の関連サイトです。

 そういうこともあって、オカルト色も強く、頭から信用してはい
けないところもあります。ただ、ニュースに関しては案外正確な報
道をしていて、他に先駆けて流した情報が、後に正しかったことが
確認されることもよくあります。

 この事件は他にも報道があり、事実としては間違いないところで
す。

 「中国の危ない食品」という本にも、このことは書かれていまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 もともと中国人は、脂ののった豚肉を好んだが、1980年代の改革
開放政策以降、嗜好が変化し豚の赤身肉を好むようになった。脂の
少ない赤身肉は高値で取引されるようになったが、赤身肉の豚は飼
育が難しい。

 そこに登場したのが「痩肉精」だ。その正体は塩酸クレンブテロ
ールという薬品。本来はぜんそくの治療薬として開発された。この
薬品を出荷前の豚に投与すると、肉が赤身となり高値で売れる。

 「北京を例にとると、60年代は厚い脂身肉が一級品であり、一斤
(500グラム)の単価は0.95元、(中略)脂層が1ミリ以下の肉は
三級品で一斤0.75元であった。これが80年代はじめになると、北京
ではまだ脂身肉のほうが高かったが、香港では赤身肉一斤が11香港
ドルで売れているのに対して、脂身肉一斤は0.8香港ドルにまで下
がり、その差は10倍以上に開いた。現在の北京市場では、赤身肉一
斤8元前後に対し、一斤2、3元もしない脂身肉を買う人はわずかと
いう変わりようだ

(中略)

 ところが出荷の10日から20日前に普通の豚に肉赤身化剤を使うだ
けで、赤身肉タイプ豚に『速変』するのである。肉赤身化剤のコス
トは豚一頭わずか八元なのに、利益は22元に達し、利益率は275パ
ーセントとなる。仲買業者も、見栄え良く、売れ行きのいい赤身肉
タイプの豚だけを指定買いするようになった。なかには肉赤身化剤
をみずから携えて養豚家にやってきて、『青田買い』をする仲買人
も出てきた」(本書pp.59〜60)

 しかし、塩酸クレンブテロールには動悸、めまい、手の震えなど
の副作用がある。薬品で赤身肉化された豚を食べた者の間で、この
ような症状の集団中毒が発生し、社会問題となったのだった。

 著者によると、もともと赤身化剤は米国で開発されたが、1990年
にスペインで中毒が起きたことからその危険性が認識されるように
なった。ところが中国では1990年代後半からその使用が一般化し19
98年ころから赤身化剤の中毒が報道されるようになった。2001年に
広東省で相次いで数百人規模の中毒事件が発生し、赤身化剤の毒性
が広く認識され、当局による取り締まりが始まった。

 しかし、取り締まりにもかかわらず、赤身化剤の使用は一向に止
む気配がないという。肉赤身化剤の使用は、豚の尿を調べることで
分かる。著者は、検査を行う研究者が、比較対象用の肉赤身化剤を
使っていない豚の尿を入手するのに苦労していると書く。当局の規
制の一方で、それほどまでに肉赤身化剤の使用は一般化しているの
だ。

 官僚制度特有の縄張り意識が円滑な取り締まりを阻害していると
いうこともある。しかしそれ以上に問題なのは、官僚の腐敗である。

 「河南省のある地方の担当官がほろ酔い気分のときにうちあけた。
『われわれみたいに年じゅう農民と付き合っている役人は、年じゅ
う貧乏だ。だからなんとかしなくてはね。ここでは、市場の赤身肉
の売行きがいいと、業者が大勢産地に押しかけてきて、肉赤身化剤
を使った豚を指定買いしたり、肉赤身化剤持参で養豚家と直接交渉
したり、肉赤身化剤の豚を高く買い上げている。われわれもメシを
食わねばならない。国の規制以来、ここはまだ一度も肉赤身化剤事
件が見つかっていない‥‥。これであんた、わかっただろうね』」
(本書pp.73〜74)

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/bookreview/34/index2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この本もちょっと煽動的な部分はありますが、日本の「危ない…」
系の本とは違って、自分で取材してきた内容が多く、事実の報道と
いう面の強いものです。

 この「クレンブテロール」という薬品は、豚だけでなく、人間に
も効果があるようで、ドーピング防止検査の対象にもなっています。
筋肉増強剤のような働きがあるのだそうです。

 動物の藥ですが、「農薬」にも指定されていて、こんな基準があ
ります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

農薬和名: クレンブテロール
農薬英名: CLENBUTEROL
主な用途: 動物薬・成長促進剤
検出限界: 検出限界は0.00005ppm

牛の筋肉 0.0002
豚の筋肉 不検出 ・検出限界は0.00005ppm

http://www.fcg-r.co.jp/pesticide/linkpes.cgi?p216800
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛だと検出されてもよいが、豚だとダメ、という基準です。この
あたりの違いが何によるのかはよくわかりません。豚に使われるこ
とが多いことを見越して、禁止しようという意図なのでしょうか。

 ついでに中国ネタをもう二つ紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国食品科学技術ネットが17日に伝えたところによると、山東省
平度市のある製粉工場が長期にわたり滑石粉(タルカムパウダー)
を小麦粉に混ぜ入れており、半月に10トンの滑石粉を使用していた
という。管理部門が立ち会い、警察が取り調べたところ、現場の倉
庫から200袋余の滑石粉及び未出荷の小麦粉200袋余が発見された。

 滑石粉は、滑石という鉱物を粉砕加工し、タルク・パウダーとし
て化粧品や製紙、チョークなどに使われる。胆のう結石を誘発しや
すいだけでなく、滑石粉に含まれる重金属が人体の血液や神経系統
を損傷する可能性があるとされ、米国では1994年に発がん性物質と
して警告表示を求める請願書が出された。

 自由時報の記者が買い手を装い平度市の良金製粉工場で調査を行
った。社長は「我々の小麦粉は値段が安い」と話したという。この
工場は操業6年で、作業員は10数人、一日平均8トンの小麦粉を生産
しているという。作業員の話では社長の弟が滑石粉を入れる担当だ
と話している。

 作業員はさらに、小麦粉の等級は混ぜる滑石粉の量により分け、
例えば特一級の小麦粉は50kgの小麦粉に2・5kgの滑石粉、3番小麦
粉は50kgに10数kgの滑石粉を入れていたという。付近の村民は皆こ
この工場が小麦粉に滑石粉を入れている事を知っており、この工場
の小麦粉を買うものはいないという。

 警察は、この工場から200袋以上の滑石粉、滑石粉を混入した小
麦粉200袋あまりと攪拌機を押収した。

 滑石粉は1トンわずか180元。完成した滑石粉入り小麦粉の主な
販売先は周辺地区の食堂、小規模食品加工工場である。悪質工場
が添加した滑石粉はおもに増白剤として使用され、小麦粉の見た
目を良くする役割をしている。

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/10/html/d54920.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国浙江省慈渓市滸山鎮の私立・体芸幼稚園で、園児過の半数を
占める200人以上が、リンパ腺の数値は正常値より遥かに高く、腸
のリンパ腺が腫れているという同じ症状が診断された。その後の検
査により、同幼稚園の昼食の調理に使われているパーム油は融点40
度のもので、石鹸製造の原料であることが判明した。

 ある親の証言によると、たまたま調理場に入った親がドロドロで
半分固まっている調理用油を発見した。また、調理場は非常に汚く、
ゴキブリ、ハエが這い回っていた。怒った親たちはわが子がこれま
でに頻繁に腹痛したり、下痢したりしているのは偶然ではないと警
戒して、こどもを病院に連れて診査してもらった。B超音波検査の
結果、園児の過半数を占める200人以上が腸のリンパ腺が腫れてい
ると診断された。

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/10/html/d82429.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いずれも「大紀元」のニュースです。ここまでくるとニュース自
体に信憑性が疑われますので、話半分で聞いておいてください。

 小麦粉に滑石というのは傑作ですが、「融点40度のパーム油」と
いうのはどうなんでしょうか。それほど有害だとは思えないのです
が。

 「トランス脂肪酸のないマーガリン」というのは、こういう油脂
(融点の高いもの)を使っています。これも有害なんでしょうか。

 中国では最近こういうニュースが多くなっています。しばらく前
からやっていたことが問題になっているのです。この理由として、
ここにきて被害が出るほどひどくなったということと、以前はニュ
ースにならずに隠蔽されていたものが、漏れてくるようになったと
いうことの両方であろうと思います。

 社会の腐敗はほぼ極限に達したということなのでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 こんなニュースを見ていると、中国に行くのが怖くなってきます。
実は来年の春に「短期留学」で一週間ほど中国に行くつもりでいる
のですが、大丈夫なのか心配になってきました。とりあえずは反対
されるのを防ぐため、妻には内緒にしておこうと思います。

 これでもまだ行きたいというのは我ながら物好きなものです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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