安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>467号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------467号--2008.10.19------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「和定食(Q&A)」「冷凍インゲン」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「食糧自給率」についてはなかなか反響が大きかったようです。
「農業経営者」の編集長からもメールをいただきました。

 11月号から、この問題について、連載が始まったようです。冒
頭こんな文章から始まっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 自民党総裁選で5人の候補者が一様に向上を訴えたカロリーベー
スの食料自給率。その計算のインチキ加減を前号特集(10月号24〜
26頁)で例証した。政府が国策として向上目標を定めるもうひとつ
の自給率がある。金額ベースだ。今回、その虚構性を証明する。

自給率に貢献できない罪悪感

 前号の「インチキ食料自給率に騙されるな!」で、カロリーベー
スの自給率計算式そのものの無効性とその向上政策の有害性を例証
した。

 ある読者から「おかげで悩みが解消されました」と予期せぬ反応
が寄せられた。

 「作っているのは燃料を大量に消費して、カロリーが低い農産物。
食料がたいへんな状況になりそうなのに、自分は自給率にぜんぜん
貢献していないんじゃないかと……」。

 彼はお客様にいいモノを届けたいと一生懸命な若手経営者である。
そんな彼に、無用な罪悪感を起こさせるような暗く陰湿な政策など、
さっさと止めてもらいたい。

 別の方からはこんなご意見をいただいた。

 「他の先進国の海外依存もこんなに高かったのか。金額ベースで
日本は約7割も自給率があると知って自信がもてた。農水省は国際
競争力の指標になる金額ベースを全面に出すべきだ」

 ごもっともだと思い、取材してみた。結論は上の表1である。驚
くことなかれ! 日本の金額ベース自給率は主要国のなかで、すで
にNo.1である。国は2015年の目標として現在の66%から76%ま
での向上を掲げるが、世界でぶっちぎりNo.1を目指しているという
ことか? 否、金額ベースの指標にもカロリーベースと同様、農水
省の巧妙な罠が仕掛けてあったのだ。罠に気付いた経緯を説明しよ
う。

 日本と海外の金額ベース自給率を比較しようと農水省のホームペ
ージで調べてみた。いくら探しても出てこない。省自給率担当に尋
ねたところ、「計算したことがない。海外は正確なデータもないし。
今後調べるつもりがあるかどうかも、回答できない」とわざわざ念
を押す。これは怪しすぎる。

 カロリーベースの場合、「主要国で最低水準」と日本の低さを強
調するために、さんざん比較していた海外の自給率。膨大な計算を
要する主要10カ国のカロリーベース自給率を昭和36年分から公開し
ておいて、単純に出せる金額ベースの計算をしていないはずがない。

http://www.farm-biz.co.jp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 続きはぜひ雑誌でごらんください。

 これについて、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深くメルマガを読ませていただいています。

 特に、最近の食料自給率に関する記事は考えさせられます。

 私も食糧安全保障上、自給率は高くしておかないと、と思ってい
ました。しかし、食糧が入ってこない状況ではエネルギーも入って
こないという視点が欠けていました。

 安全保障を言うならやはり、そのような状況を招かないための努
力が第一ですね。

 それでも、私は食料自給率は一定程度向上させなければならない
(どのくらいが一定程度かわかりませんが)と考えています。その
理由は、

 お金のある国は食料を買い集めて、
 お金のない国(の庶民)は食料が手に入らない、

というのは決して理想的な状況ではない、ならば何らかの改善を考
えないと、ということです。

 WTOは、(意図していないにしても)上記の状況を目指してい
るように見えます。しかし、食料は直接生命を支えるものです。他
の工業製品と同じ扱いでよいのでしょうか?

 お金のある国は、そのお金を工業の発展にだけでなく、食料の生
産にも振り向けて、世界全体の食料供給基盤をより安定なものにす
る責務を負うべきではないでしょうか。(もっとも、日本国内での
生産向上よりも、技術開発で他国の生産に寄与した方がよいかもし
れませんが)

 ひとりで考えているとどうしても偏った考え方になりがちですの
で、渡辺様の考えもご紹介いただけるとうれしいです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 都市生活者が食糧について考えると、どうしても「食糧はお金を
出して手に入れるもの」となります。

 でも「お金のない国(の庶民)」は大部分が農民です。農民が豊
かになるためには、農産物を売るしかありません。高く、たくさん
買ってくれるに越したことはないと思いませんか?

 WTOが目指しているのは「自由で公平な貿易」によって、そう
した農業国の産物が流通していくことだと思います。

 そのためには先進国は農業に対する保護政策をやめ、食糧自給率
を下げるべきなのではないか?という考えはいかがでしょうか。

 少なくとも「お金のある国が食糧を買い集める」ことは悪いこと
ではありません。逆に先進国が全部食糧を自給自足してしまったら、
発展途上国(農業国)は売るものがなくなるではありませんか。

 大食漢の欧米人と違って、日本人の食生活はどうも慎ましすぎる
のですよね。その結果が最初に紹介した記事のようなことになって
います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.東京出身ですが現在、富山在住です。昔の和食定食が富山では
食べることが出来ません。麦飯・味噌汁・焼魚・梅干し・漬物(タ
クアン)の組合せです。採算が取れないから、ないのでしょうか?
偽物の食材などをいくら加工しても不味い!ファミレスは何でも油
で揚げることしか考えないのでしょうか?本物の昔の朝飯と言うも
のを食べたい(食いたい)!漬物・梅干しの専門店がない!

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A.ご希望のメニューは探せばあるような気がしますが、富山は豊
かなところですから、案外少ないのかもしれません。せっかく富山
に住んでいるのですから、日本海の幸を楽しまれることをおすすめ
します。

 漬物や梅干は必ずしもレストランで食べるものではないと思いま
すよ。

 自分で作れというわけではなく、どこにでも売っていますので、
買ってきて家で食べればよいだけのことです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「冷凍インゲン」
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 すでに大騒ぎになっている、冷凍インゲンのニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 冷凍食品大手「ニチレイフーズ」(東京都中央区)が輸入した中
国産冷凍インゲンから、食品衛生法の残留農薬基準(0・2ppm)
の3万4500倍の有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出され
たことが14日、東京都の検査でわかった。

 この商品は、大手スーパーのイトーヨーカドーの系列店で「いん
げん」(250グラム)として販売されており、厚生労働省や都福
祉保健局は、輸入したニチレイフーズや販売店に商品の回収を要請
した。

 都によると、今月12日午後9時30分ごろ、八王子市内の50
歳代の女性が、この商品を使ってバターいためを作り、味見をした
ところ、石油のようなにおいや舌のしびれ、胸のむかつきを感じて
吐き出した。女性は町田市内の病院で診察を受けて一晩入院して1
3日に退院した。その後、目立った健康被害は出ていないという。

 都健康安全研究センター(新宿区)が調理に使わなかった同じ商
品を分析したところ、14日夜、食品衛生法で残留農薬基準を0・
2ppmと定めているジクロルボスが、最大6900ppm検出さ
れた。また調理済みのものからも、4100ppmが検出された。
ただ、店頭にあった別の1袋を検査したところ、ジクロルボスは検
出されなかった。

 女性は八王子市内のイトーヨーカドー南大沢店で商品を購入。賞
味期限は「2010年1月7日」で、都によると、製造年月日は賞
味期限の約1年半前という。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081015-00000003-yom-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この事件の後、他からも被害が出ているようなことも言われてい
ましたが、これらはすべて「勘違い」だったようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国製冷凍インゲンから高濃度の有機リン系殺虫剤ジクロルボス
が検出された問題で、17日も各地の保健所に健康被害の訴えが相
次いだ。厚生労働省のまとめだと、問題発覚後に関東の6都県で検
査が行われ、25件が不検出。2件が検査中となっている。

 厚労省によると、訴えは問題のインゲンを食べた後、何らかの症
状が出たという内容で群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川の保
健所に寄せられた。「食べて8時間後にしびれた」「発疹(はっし
ん)が出た」といった有機リン系農薬中毒にはみられない症状が多
かった。

 一方、食べた直後に瞳孔が縮んで視力障害が出たり、けいれんが
起きるといった中毒特有の症状は1件もなかった。すでに問題のイ
ンゲンは店頭から撤去されたことから、厚労省は「健康被害が拡大
する可能性は少ない」(監視安全課)とみている。今年1月の中国
製ギョーザ中毒事件では、健康被害が確認された後に全国で約10
00人が医療機関を受診したが、すべて中毒は否定された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081017-00000579-san-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに、騒ぎが大きい割には、ジクロルボスが検出されたもの
は最初の一個だけのようです。

 その袋について、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 輸入元のニチレイフーズによると、袋にはもともと空気の膨張を
防ぐため、筋状の5〜7ミリの通気口が2カ所開いている。

 警視庁が肉眼で袋を調べた際には通気口以外の穴や傷は見当たら
なかったが、科学捜査研究所で詳細に調べた結果、約1ミリの穴が
見つかった。被害者の主婦(56)は袋をはさみで開封しており、
穴は切り取られた部分にあった。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081017/crm0810171806025-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 注射器か何かで袋に直接、ジクロルボスを注入したと推理できま
すね。検出された濃度が異常に高かったのも、これで説明できます。

 すぐに気付いたからよかったけれど、もし普通に食べていたらか
なり危険だったはずです。

 この経緯からすると、農場や工場でのことではなく、もっと後の
注入だった可能性が高いと思います。一般に原因が上流にあるほど、
影響範囲は広くなります。

 ギョーザ事件では、全く別の流通ルートを通ってきた、違う商品
から同じ毒物が検出されましたので、二つの商品が同じ場所にいた、
中国の工場で混入したことは明確でした。

 今回の「インゲン」では、原料の生産地で混入したことはあり得
ないです。少なくとも袋詰めの工程以降です。

 工場で混入した可能性も少ないように思います。工場で毒物を入
れるとき、製品一個にだけというのは考えにくいですから。

 おそらく、工場を出て、家庭に届くまでのどこかで故意に混入さ
れたのではないでしょうか。店頭に並んでからのことなのかもしれ
ません。

 何となく「中国産」ということに目がいっていますが、そうであ
ればどこの生産物であるかは全く関係ありません。

 中国産の農産物の評判をさらに落すため、故意に毒物を入れた…
あまり考えたくないですが、そんな可能性もありそうです。

 そうであれば、現在のところマスコミの論調は犯人の思い通りに
なっています。なぜ最も考えつきやすい店頭での犯罪に考えが行か
ないのかが不思議です。

 犯人がつかまれば、殺人未遂罪が成立するのでしょうね。

 生産する側から見た「食品の安全」とは本質的に関係ないと思い
ますが、食べる立場からすればやはりこれも安全性の問題です。

 食事に睡眠薬を入れたり、毒きのこで中毒したり、いろいろと食
べることに関係する事件もおこっています。気を付けるといっても、
具体的にどう気を付けてよいのかわからないことも多くて、悩まし
いところです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日は最近行きだした中国語教室の「歓迎会」に出席していま
した。習っている先生が新任のため、その歓迎会です。万年初心者
を脱して、上級者を目指してがんばる予定です。

 このところ毎日料理を作っています。週末だけと違って、毎日と
なるともっとレパートリーを増やさせば…などと思っています。そ
れにはやはり基礎に戻って勉強しないといけないですね。

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