安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>465号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------465号--2008.10.06------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「鶏肉・ゴミ(Q&A)」「食糧自給率」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 読者の方からこんなテキストを送っていただきました。中国の新
聞の記事だそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

◆企業は一体誰に責任を負うのか(中国紙「南方都市報」)

 周知のように、市場経済社会では企業の存在と発展のカギは消費
者である。消費者がなければ企業は存立できず、それゆえ「消費者
は神様」と言われる。西側諸国では企業の製品に問題が生じたとき、
その企業は直ちに消費者に謝罪するとともに、その件を公表し、消
費者に対する補償あるいは賠償方法を素早く打ち出すのを、われわ
れは見ている。

 それでは、わが国ではどうだろうか。先の三鹿事件(メラミンが
混入された「三鹿」ブランドの粉ミルクを飲んで多数の乳児が腎臓
結石になった事件)で目にしたのは、西側企業の対応とは全く異な
る情景だった。

 三鹿集団(河北省石家荘市)は、同社の粉ミルクを飲んだ乳児が
腎臓結石になったことを知ったあと、消費者に直ちに知らせるので
なく、市政府に指示を仰いだのだ。こうしたやり方は、三鹿集団が
真っ先に負うべき責任の対象は、消費者ではなく地方政府であるこ
とを意味している。市政府はそれから1カ月余り経って今度は省政
府に指示を仰ぎ、それから1週間後、三鹿集団はようやく製品にメ
ラミンが含まれていることを認めた。だが消費者はその間、汚染粉
ミルクを飲み続けていたのだ。

 消費者から言えば、食品の安全は生命と健康かかわる問題だが、
地方政府から言えば、食品の安全はいつも政治問題であり、社会の
安定問題あるいは経済的利益の問題である。三鹿事件で地方政府が
本当のところ何を考えていたか知るよしもないが、食品の安全を消
費者の生命と健康にかかわる問題と見なしていなかったのは明らか
だ。

 三鹿集団はなぜ、消費者ではなく政府に責任を負おうとしたのか。
それはつまり、政府が三鹿集団の命運の大部分を握っていた、言い
換えれば政府の方が消費者よりも三鹿集団の生死存亡を左右できた
からである。政府の支持がなければ三鹿集団は存立も発展も難しか
ったし、「国家による製品検査の免除」や「中国の有名ブランド」
という表看板がなければ、三鹿は消費者から歓迎を受けるのも難し
かったのである。

 わが国では、多くの企業(とりわけ一部の国有独占企業)の存在
と発展は政府に依存している。これらの企業が消費者の利益に損害
を与えたとき、政府は常にこれらの企業のために言い訳をし、甚だ
しくは弁護する。われわれは(改革開放後)長年にわたり「政府と
企業の分離」を推進してきた。しかし今日の状況を見ると、多くの
企業は、形式上は政府と分離しているが、実際には切るに切れない
複雑な関係で結ばれているのだ。
(10月1日)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 送ってくださった方は「共産党独裁の中国でも、どっこいジャー
ナリズムは生きている、というちょっと嬉しい感想を持ちましたが、
甘い、でしょうか(笑)。」と言っておられましたが、私も同感です。

 「権力がカネになる」のは中国だけではないのでしょうが、中国
はそれが極端に大きくなって、いまや社会を根底から覆す要因とな
ろうとしています。

 この指摘は全くそのとおりとして、さて、これをどう変えていく
ことができるのか…。こんどは「権力は武力によって支えられてい
る」という顔が出てくるので、簡単にはいかないでしょうね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.山梨で障害者、農家等で鶏を飼っています。採卵していました
が、地元のワインを食べさせワイン鶏を作ってみました。烏骨鶏、
コーチン、地鶏等です。食鳥検査と処理が一体の処理場は県内に一
つですが、機械処理の為、決まった鶏種、サイズしか出来ないとの
事です。県外には小規模な検査、処理場が有ると読みました。

 首都圏辺りで処理の依頼が出来るところをご存じですか。2,3
0羽は出荷時期に成ります。取りあえず、食鳥検査は無理でも、成
分分析したいので処理を希望してます。よろしくお願いします。

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A.鶏肉は出荷時に獣医による検査が必要となり、その際に自動で
処理するラインを整備したと思います。

 ブロイラー以外の鶏ではサイズが小さいため、このラインで処理
するのが難しいのだそうです。

 でも、採卵鶏の処分などにも鶏肉の処理場は使っていますので、
必ずしも処理できないということはないと思うのですが…。和歌山
の処理場では、難しいといいながらも、何とか処理していました。

 本来は県に一つのその処理場が、相談に乗ってくれればよいので
すが、いずこも同じお役所仕事でしょうから、相手にしてはくれな
いのでしょう。

 規模の小さな処理場はこの制度の対象外ですので、検査せずに処
理しています。つまり昔ながらの処理方法をとっているわけです。

 具体的にどこにあるかというようなことはわかりませんので、あ
しからずご了承ください。

 ただし、せっかく育てた鶏を、そういう小規模なところに出荷す
るというのは、よいことなのでしょうか。私は疑問に思っています。

 この例外では検査の必要はありませんから、極端な話、自分でさ
ばいて出荷しても違法ではないはずです。でも、やはりちゃんとし
た設備を持ったところで処理すべきだと思います。

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Q.1日に国ででるゴミのは、どんなものが1番多いのですか?

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A.こういう質問では、よくインターネットで情報を調べたりしま
す。でも、「ゴミの種類」というような情報は見つからないでしょ
うね。私もよくわかりません。

 一番よいのは、自分でゴミの処理場に行って、どんなゴミが持ち
込まれてくるのかを調べることです。

 全部で何トンあるか?などということも処理場の人に聞けば教え
てくれます。それよりも大事なことは、実際にどんなゴミが出てい
るのかを、自分で見てくることです。

 絶対に勉強になりますので、ぜひ見てきてください。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「食糧自給率」
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 「自給率」について、こんなブログでの発言がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

農業経営者という月刊誌があります。

 農業を高度な産業とするべく、技術情報から政治情勢までを網羅
されいる、タイトルどおりの農業経営者向けの雑誌です。

 その最新号の10月号には、「インチキ食糧自給率」に騙されるな!
と少々過激なタイトルの記事がありました。

 以前自分のホームページのコラムに食糧自給率のことを書きまし
た。その時は食料自給率について何の疑いもなく 「40%」「低い」
「食糧難を回避しなくては」と考えていました。

 しかしこの特集記事の見出しには、

 ・国民の危機感煽れる自給率向上予算166億円
 ・「自給率栄えて国民滅びる」
 ・自給率を使っているのは日本だけの真相
 ・日本農業の潜在能力を矮小化するカロリー換算評価
 ・自給率向上政策でニッポンは世界の笑いもの
 ・自給率はエセ農業保護論者の延命措置
 ・「日本の関税は低い」の情報操作

 どれもショッキングな見出しばかりです。内容を読んでみてもデ
ータに基づいた説得力のあるもので、気になる方は是非読まれてみ
てはいかがでしょうか。

http://blog.livedoor.jp/organiccolors/archives/51026097.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 探してみると、その記事の載った雑誌がPDFファイルで公開さ
れていました。以下はそこからの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 低い食料自給率をテーマにした報道、特集が運日マスコミを娠わ
せている。自給率39%‐食料の6割以上を海外に依存する超輸入
大国!世界で食料争奪戦!ニツポンの食は大文夫か?「担い手がい
ない」農業崩壊寸前……。

 今年農水省が17億円の予算(前年ゼロ)を使って展開する自給
率広報戦略に、メディアが乗った。国民の危機感を煽れるテーマは
売れる。自給率向上対策を名目にした予算維持・拡大(今年166
億円、65億円の前年比255%)を狙う農水省とメディアの思惑
が一致した格好だ。従来から自給率向上運動を展開していた農協も、
国の予算激増に運動してその勢いを加速させている。

 国の自給率向上政策の目標を整理すると、「低い食料自給率(3
9%)←国民の食を守る←国内農業の保護・振興←輸入依存からの
脱却←食料自給率向上(2015年45%)と実現という構図にな
る。

 食の安全や国際的な食料問題、身近な食品価格上昇と相まって、
こうした自給率向上へ国民の期待や支持が高まっていくのは自然と
いえる。しかし、すべての根拠となる自給率という指標自体がいい
加減だとしたらどうか。

 図2をみていただきたい。主要先進4カ国の農産物輸入額の比較
だ。米国がトップで、ドイツに続き、日本と英国がほぼ同額で並ぶ。
日本は世界一の食料輸入国ではなかったのか? 国民一人当たりの
金額でみると、もっと事実がよくわかる。英国とドイツが並び、日
本はその半分、一番少ない米国とも大差はない。これだけみると食
料輸入大国の汚名挽回だ。それでは、39%の自給率って一体なん
なんだ?

 ご存知のとおり、カロリーをベースに算出した自給率のことだ
(金額ベースでは70%)。率の分母になるのが、国民一人一日当
たりの供給カロリー。国産に輸入を加えた国内消費仕向量を品目別
に熱量換算し、人口数で割る。そのうち、国産でまかなわれる供給
カロリーの比率が自給率だ。

 2006年、全供給カロリーが2548KCalで国産でまかなって
いるのが996KCalだという。996÷2548で39%というわ
けだ。

(略)

 仮に輸入がゼロになったとすると、国民が摂取できるカロリーは
半減する。なのに、農水省の計算式によると、自給率は100%に
なってしまう。へんてこりんだ。国産が増えようが減ろうが関係な
い。日本の国際的な経済力が弱まり、海外での食料調達に買い負け
すればするほど、何もしなくても自給率だけがどんどん高かまって
いく― 「自給率栄えて国民減びる」。


自給率を使っているのは日本だけの真相

 そもそも、こんな無意味な指標を国策に使っているのは、世界で
日本しかない。それ以前に、食料自給率を計算している国も日本だ
けだ(韓国が日本の真似をして計算しているが、賢明にもその向上
を国策にはしていない)。

 事実、自給率の低さを強調するために比較されている主要先進国
の自給率は、各国が算出したものではない。農水官僚がFAO統計
から導き出した代物である。しかも、その計算根拠は未公開.取材
で問い質したところ、「食料安全保障の機密上出せない」との信じ
られない回答が返ってきた。あれだけ日本の低さを強調するのに利
用しておいて、その中身を隠すのにはそれなりの理由があるからだ
ろう。

 自給率とは、自由主義・市場経済において過去のデータに過ぎず、
なんら政策の指標にはなりえない。このデータに意味があるとすれ
ば、国内外の消費・需要に対して各国生産者がどれだけ対応したの
か、新しい市場をどれだけ開拓したかの成果をカロリーベースで表
せる点だ。日本より外国産に頼っているドイツや英国が自給率が高
いのは、日本より海外顧客をたくさん持っているというという証明
でもある。(自給率の計算では、海外顧客向け生産分も国内供給カ
ロリーとしてカウントされる)。

 自給率を上げようとして、上がったのではない。各国が構造改革
をすすめ生産者も経営努力をした。その結果国際競争力が伸び、国
内生産力が引き出されたのだ。一部に先進国の輸出拡大は補助金で
伸びたという批判もある。それも結構だろう。そのおかげで一度売
り先ができれば、たとえ補助金が減る、もしくは無くなったとして
も、生産者、関係業者は顧客を維持拡大しようと必死に努力するよ
うになるものだ。

 他国の政策にケチをつけるぐらいなら、日本もWTOで輸出補助
金の上限が制限される前に、どんどん使ってしまうぐらいのしたた
かさがあつてもいい(だが今年の輸出促進予算は21億円。自給率
宣伝キャンペーン費とほぼ同額というのがこの国の農業政策の現実
だ)。

(略)

 一方、農業政策が一流、農業生産者も一流でも、自給率が減り続
けることは往々にしてある。自給率は産業発展とは何ら関連性のな
い指標だから当然だ。

 たとえば、競争力のない国産大豆や小麦の代わりに、日本が世界
に誇れる品質の果物や野菜、牛肉を増産したとしよう。輸出も増え、
農家も儲かつた。関連産業も伸び、村も栄えた。なのに自給率は下
がる。

 果物や野菜は穀物にくらベカロリーが低く、牛肉はカロリーは高
くても飼料自給率に乗じてカロリー計算されるからだ。米国に次ぐ
世界第2の食料輸出国オラングのケースがそれにあたる。

 過去30年、輸出額は750%も伸びた。その間に自給率は72
%から53%と20%近く減っている。13% ( 53%から40
%)減少の日本より7%も減り幅が大きい。自給率が減って大文夫?

 そんなことを心配するオランダ人などいるはずがない。オランダ
の自給率を「発明」したのはニッポン農水省の役人なのだから(笑)。

(略)

自給率はエセ農業保護論者の延命装置

 一番怖いのは今後「国民の食を守る」という錦の御旗を掲げたイ
ンチキ自給率向上政策が運呼、連発されていくことだ。国民の不安
を利用し、政策を神格化、対策予算を増額し、反対しようものなら
売国奴扱いされかねないぐらいの雰囲気を醸成していく。実際、国
民負担をもっと増やし自給率絶対擁護・堅持を訴える御用学者達が
連日、メディァに登場している。

 それもこれも、先進国でも最も低い自給率という印籠を使えば、
なんでも正当化できてしまうからだ。事実を歪出し国民の期待を裏
切ってまで、その正当性を高めようとする意図はなにか? すべて
は農業団体・農水省・御用学者の利益を誘導できるエセ国内農業保
護予算の延命を図ることに集約される。農民を弱者と位置づけると
同時に、食の「担い手」として神輿にかつぎだす。そして、我らが
「弱い農民」=「国民の食」を守っているという役割を国民に過大
評価させるのである。誠実な国民に危機感を煽り、農民は保護され
ても当然という誤った経営観を増幅させるこれらのメッセージ。そ
の象徴が、インチキ食料自給率である。国民も農業経営者も、騙さ
れてはならない。

http://www.farm-biz.co.jp/images/pdf/200810.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 全文はぜひ直接読んでみてください。この記事で言っているのは
以下のようなところです。

(1)食糧自給率の計算は日本の農水省が勝手にやっているもので、
国際的な標準などはない。

(2)「カロリーベース」の計算方法も恣意的なもので、農水省は
計算方法を公開していない。

(3)食糧自給率は計算の結果であり、その向上が政策目標となる
ような性質のものではない。

(4)食糧自給率(の向上)を課題として持ち出してくるのは、旧
来の農業政策の延命を狙うものである。

 なかなか衝撃的な内容ですね。私も計算方法の話は全く知りませ
んでした。「公開できない」計算方法が政策の根拠になるなんて、
ここは中国か?と思いました。

 そこでいきなり結論です。食糧自給率がどうとかいう議論には耳
を傾ける必要はありません。考えるだけ無駄というものです。

 農業の振興が必要ないと言っているのではありません。根拠には
なり得ない「食糧自給率」を語ることに意味がないと言っているの
です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「農業経営者」という雑誌は以前インタビューを受けたことがあ
ります。わざわざ家まで来ていただきました。妻がマスコミにも賢
い人がいるね、と感心していたことを思い出しました。記事を書か
れたのは副編集長だそうです。ここから議論が始まってほしいもの
ですが、どうなるでしょうか。

 週刊誌あたりがしり馬に乗ってくると面白いのですけれどね。

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