安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>459号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------459号--2008.08.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「りんご果汁」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今回は「人工霜降り肉」について、メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつもメールマガジンを興味深く購読しております。

 人工霜降り肉について記述がありましたので、その補足としてホ
クビーの「メルティーク」という商品を紹介いたします。

http://www.hokubee.co.jp/product/

 インジェクションにより牛脂を注射する際に、そのままだと固す
ぎて細い注射針の中を通りません。以前の人工霜降り肉は、牛脂を
柔らかくするために乳化剤を添加し、さらに乳化剤固有の「苦み」
を打ち消すために、大量に化学調味料を添加していました。

 ホクビーは苦みのない乳化剤を研究し続け、特許を取得して上記
商品を主力商品として販売しています。

 「有害か無害か」という問題でいうと間違いなく無害です。乳化
剤は天然由来の物質です。(天然だから無害とは言っていませんよ。)
それよりも大切なのは、従来は焼却処理されたり、その一部が加工
食品向けに使用されていただけの牛肉が、「安くおいしく」我々の
口に入るという大きなメリットがあります。

 というわけで、私自身はこの技術に非常に注目しております。ホ
クビーの技術担当の人も「堂々と人工霜降り肉だと名乗って売って
欲しい。恥ずかしい商品では絶対にない。」と言っています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一つ、今度は反対の意見です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 お答えは少し甘いと思います。その理由は牛脂を注入するときに
雑菌等の混入があるかもしれないからです。

 一般的に細菌は肉の外側にいますので、ステーキの焼き方がレア
でも表面さえ殺菌すればよいので安全ですが、メルマガのような加
工過程が入ると、外のものが中に入るので危険性が増すと思います。

 かつて、筋きりのために肉の塊を串刺しにする技術がありました
がそれも外のものを中に入れるためO157等の被害があったに聞
いております。ご一考を。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 適切に管理されていなければ、そういう危険もあるでしょうね。
でも、こういう面だけを取り上げると、串にさした鶏肉もダメです
し、いわゆる加工食品はすべて危険だということになってしまいま
す。

 生鮮品でも、何がしかの危険性があるわけですので、要は程度の
問題だと考えています。管理がわるければ危険であり、きちんと管
理されていれば危険ではありません。

 もちろん100%の安全性を保証できるわけではありませんが、
食べ物の世界ではそれは言ってはいけないお約束です。

 こういう加工をしたとたんに、刺身などと同様に保存性のよくな
い食べ物になってしまうという理解でよいと思います。つまり、加
工の直後に調理して食べてしまえばよいわけです。

 加工した状態で、生鮮肉のような顔をして売るのはやはりいけな
いでしょうね。安全性の問題もそうですが、たぶんだまして売るこ
とになりそうです。

 最後に、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 水道管や蛇口に磁石を取り付け、「水がまろやかになる」などの
効果をうたう「磁気活水器」が売られているが、残留塩素や有害物
質の除去・低減について、実際に効果はないことが20日、国民生
活センターの商品テストで明らかになった。

 磁気活水器の大半は、浄水器と違ってフィルターはなく、水には
直接触れない。磁力で水の味を変えるとして、インターネットによ
る通信販売や、訪問販売などが行われている。

 センターは、残留塩素や発がん性の疑いがあるトリハロメタンの
除去・低減をPRしている6機種について、6〜7月に商品テスト
を実施。価格は2800円〜23万円と幅広いが、テストの結果、
磁気活水器の取り付け前と後で、残留塩素やトリハロメタンの濃度
に変化はなかった。

 「除去や低減の効果はない」として、センターは業界団体に広告
・表示の改善を要望。公正取引委員会にも、事業者に対して排除命
令を出すよう求めた。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 磁気で水がどうかなると考える方がどうかしていますが、実際に
テストしてみるとは国民生活センターもご苦労さまなことです。

 当然ですが、水には何の変化もなかったということです。いろん
な「水」や「水をつくる器械」が売られていますが、本当に効果の
あるものはないと思います。

 というより、「水」に何を期待して、こういう高価な買物をする
のかがよくわかりませんね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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 今週はおやすみします。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「りんご果汁」
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 食品の産地偽装も、あまりニュースにはならなくなってきていま
すが、相変わらずたくさん発覚しているようです。

 りんご果汁でも、産地偽装があったというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 県は4日、弘前市のリンゴ加工業者「青森県果工」(佐々木隆夫
社長)が「県産リンゴ果汁使用」と偽り、輸入果汁使用のリンゴ酢
を販売するなど偽装表示を行っていたとし、日本農林規格(JAS)
法に基づき、同社に対し、適正表示や再発防止策を求める業務改善
を同日付で指示した。同社は同日までに製造を全面中止しており、
今後、製品の自主回収を行う。また、同社は同様に偽装表示した果
汁を業務用として大手メーカーなどに販売したことを認めており、
メーカーが自主回収を始めるなど、影響が県内外に広がっている。

 県によると、同社は2007年7月1日から08年6月30日ま
で、中国や南アフリカから輸入した濃縮果汁使用の「バーモントリ
ンゴ酢」(80%リンゴ果汁入り飲料)を「県産りんご果汁使用」
と表示し、約5キロリットルを販売した。また、「ストレート」と
表示したリンゴジュース「あおもりアップル」「あおもりりんご1
00」「アップルストレート100」「あおもりりんご100ふじ」
の一部に国内産の濃縮果汁を混ぜ、少なくとも112キロリットル
(計約11万3千本)を販売していた。同社製品は主に県内で流通
している。

 県は今年7月18日、東北農政局青森農政事務所から情報提供を
受け、同25日から今月3日まで同社を立ち入り調査し、偽装表示
の事実を把握した。県の調べに佐々木社長は「国産の原料が手当て
できなかった。(加工品の)酸度調整のために輸入果汁を使った」
と認めている。

 県は同社に対し、JAS法に基づき、4日付で(1)すべての加
工製品の表示点検と適正表示による販売(2)全役員と従業員に対
し、食品の品質表示制度啓発と順守の徹底(3)原因の究明・分析
と再発防止策―を指示。また、これらの指示に同社が取った措置を
まとめ、9月3日までに県知事へ報告するよう求めた。

 さらに同社は、輸入濃縮果汁を使用したリンゴジュース、濃縮果
汁、リンゴペーストのリンゴ原産地を「青森県」と書類に記載し、
大手メーカーなどに販売していたことを認めており、県が確認作業
を行っている。

http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/08/3026.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関して、こんな報道もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 弘前市のリンゴ加工会社「青森県果工」(佐々木隆夫社長)が商
品の産地を偽装した問題で、同社の取締役工場長の40代男性が死
亡していることが5日、明らかになった。関係者らによると、男性
は出勤する予定だった3日に死亡。自殺とみられている。

http://mainichi.jp/area/aomori/news/20080806ddlk02040055000c.html?inb=yt
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 命をかけるほどのことなのか、とツッ込んでやりたい気持ちです
が、お気の毒なことです。

 この果汁を原料にしたものでも、回収などをしているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

マルシマ「純りんご酢」
前田産業「プレミアムチューペット砂糖を使っていない国産果汁
100」
キユーピー「キユーピーベビー飲料」
和光堂「ベビー紙パック飲料」

http://recall-navi.com/modules/cclinks/index.php?CatID=1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 工場としては、表示違反のものを回収するのは当然なのでしょう
が、なんだかもったいないですね。

 表示違反のペナルティと、食品として食べられるからどうかは分
けて考えることはできないのか、と思います。

 「国産原料ではなかったのか…、今度は買わないでおこう。」と
か、「ふーん、まあいいか…。」などというのが普通の人の反応だ
と思うのですけれどね。

 それが人の命まで奪うところまで行くのはとてもつらい気がしま
す。

 オレンジ果汁というと、ブラジル産が世界を席巻しています。り
んご果汁では中国産がチャンピオンらしいです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 一例として、中国のりんご果汁輸出を見てみると、中国は世界最
大のりんご生産国であり、年間生産量は約2,200万トンで世界全体
の5割近くを占めていると言われている。

 北米・欧州の果汁消費は、非炭酸飲料の消費増に伴って増え続け
ており、濃縮りんご果汁は混合果汁の主要成分のひとつである。欧
州・北米の果汁生産はコスト高から生産が伸びず、需要の伸びをま
かなうため輸入に頼っている状況であり、中国の果汁輸出の拡大を
もたらしている。

 中国の果汁輸出の9割はりんご果汁であり、2005年1〜10月のりん
ご果汁輸出量は43.4%増で価格も6.8%上昇している。他の農産品
輸出が苦戦する中、りんご果汁は笑いがとまらない状態である。

http://www.maff.go.jp/kaigai/2006/20060120beijing04a.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記の回収リストに、「チューペット」というのがありました。
これは個人的に思い出のある商品で、できるだけ果汁の割合を高め
て、果汁50%というのを作ってもらったことがあります。

 最終的には100%にしたかったのですが、今ではもう市販され
ていたのですね。

 糖分を入れずに、果汁100%で作れば、絶対においしいと思い
ます。あのころは果汁は多すぎてもいけない、という見解が主流で、
くやしい思いをしたものです。

 ところで、あの手の商品には「グレープ」「オレンジ」「りんご」
などなど、いろんな種類がセットになっていることが多いのですが、
たいていはりんご果汁を使っているのだという話でした。果物の種
類は色と香料で演出できる…。

 しかも濃縮果汁を使いますので、5倍濃縮の果汁でしたら、20
%使ってあとは水でも、果汁100%になります。

 濃縮のときに揮発性の成分が失われるので、香料を補う必要はあ
るのです。

 今にして思えば、あれも中国産りんご果汁だったのでしょうか。

 「国産」と「輸入」に関しては、こんなこともあるのだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「トロピカーナ」果汁に使用している果実は、種類や収穫状況等
によって各々異なりますが、主に外国産です。海外でジュースに適
した糖度・酸度となった果実を収穫後、直ちに搾汁し、冷凍状態に
して輸入しています。そして、国内の工場で解凍後、殺菌して充填
しております。

 原産国表示については、“景品表示法”(不当景品類及び不当表
示防止法の略称)において定義されています。この中で、「トロピ
カーナ」等の海外ブランドが果実または果汁を輸入して日本で商品
化する場合には、“国産”と表示することが義務付けられており、
これに従っているものです。

http://www.koiwaimilk.com/contact/q_softdrink.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 輸入果汁なのに「国産」表示というのは変ですが、そういう規定
になっているのです。製品そのもの(パッケージ)が輸入されてき
たのか、国内で製造されたのかを見分けるためらしいですが、何と
もややこしいことです。

 で、私が言いたいのは「輸入果汁で何が悪い?」ということです。

 輸入果汁が悪いというイメージは、国産がよいということの裏返
しです。はたして本当に国産果汁は優れているのでしょうか?

 たとえば「みかん」の果汁は生産県では大量に作っています。そ
の原料は普通に出荷するみかんの選外になったものです。ジュース
原料として安くても売れるようになるまでは、出荷できずに破棄さ
れていたものです。

 そこで県が補助金を出して、選外のみかんをジュース工場で安く
買い入れ、果汁にしています。農家の経営には大きくプラスになる
事業です。

 普通に出荷して、よい値がつくみかんでジュースを作ったことが
あります。これは同じ果汁とは思えないほどおいしいのです。

 ところが1リットルで千円程度という途方もない値段になってし
まい、全然売れませんでした。

 選外の果実を原料にせざるを得ない国産と比べ、輸入のものはた
いていは農場の生産した果実をみんな果汁にしています。だから原
料からして国産はハンデがあるのです。

 みかん(オレンジ)の果汁は、安くておいしい輸入ものがよい、
というのが素直な判断だと思います。

 国産ジュースの工場では、いろんな商品を開発して、付加価値を
つけたり、輸入ジュースとブレンドしたりして努力しています。

 だから一概に国産がよくないと思っているわけではありませんが、
国産がよくて輸入がダメという根拠はないのは確かです。

 輸入果汁には農薬が…などと思っている人もいると思いますが、
国産であれ、輸入であれ、栽培時には農薬を使っています。危険な
ほど残留していなければそれでよいのですが、輸入時に農薬の検査
でひっかかったという話は聞きません。(果汁ですから当たり前な
のです。)

 過度の国産信仰が、またまた不正表示を生み、人の命まで奪って
しまった、ということなのではないでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 ソウルから無事帰って来ました。はじめての韓国でしたが、なか
なかよかったです。キムチはおいしかったですが、韓国料理はやっ
ぱりもう一つですね。思っていたよりはおいしくて、食べられない
ようなことはなかったですが。

 食べ物以外では、街はきれいで静かで、中国と比べれば断然文明
国です。似たようなものと勝手に思っていましたが、やはり行って
みるものです。

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