安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>45号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------45号--2000.09.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     「生ジャム」「たんぱく質」
     「ファミレス(Q&A)」
     「米」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回のQ&Aの話の中で、「生ジャム」に関して、つぎのような
メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 生ジャムは、加熱して作るのではなく、高圧をかけて作ります。
そのために風味がよいとメーカーで言っております。詳しい内容は
わかりませんが、多分5年以上前に開発されていると思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 教えていただいて、どうもありがとうございます。

 なるほど、加圧で作っているから、「生」なのですね。生ビール
が加熱殺菌の代りに濾過で微生物を取り除いているようなものです
か。

 私は加圧殺菌のオレンジジュースを飲んだことがありますが、加
熱していないと、確かにフレーバーは違います。


 それから、こんなメールもいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

★たんぱく質が欠乏すると具体的にどーゆう症状がでるんですか?
例えば肌荒れとか・・・簡単に教えてください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そういえば、「ビタミン欠乏症」ということはあっても、「たん
ぱく質欠乏症」というのは聞いた事がありませんね。

 これは基本的に、普通に食事をとっている限り、おこり得ないこ
とがらだからです。

 というより、食事の目的が「エネルギーとたんぱく質を補給する
こと」である、といった方が話は早いです。

 それでは、たんぱく質が欠乏すると、具体的にどのような症状が
出るかというますと、発育不良、栄養失調、全身衰弱から死に至る、
というところでしょうか。

 三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)については、欠乏症
といわないのは、このように、欠乏が即致命的であるからだと思い
ます。

 なお、たんぱく質はそのままで体内に入ると、人体の免疫機構か
ら、「異物」と判断され、攻撃の対象になります。これをアレルギ
ー反応といいます。通常は消化器で分解され、構成単位であるとこ
ろの、「アミノ酸」として吸収され、体内で身体をつくるたんぱく
質に再度合成されます。

 このたんぱく質を合成するときの設計図にあたるのが、最近よく
話題になる、「DNA」です。

 体内でたんぱく質を合成するときには、各種のアミノ酸の必要量
は決まっているのですが、私たちの身体が要求するアミノ酸のバラ
ンスと同じようなアミノ酸の組成を持っているたんぱく質が良質の
たんぱく質です。

 卵のたんぱく質を最高として、牛乳、蓄肉類などが良質とされて
います。植物性のたんぱく質は大豆を除いて、質的には劣りますの
で、ベジタリアンの人には、この辺が注意事項ということになりま
す。

 肌荒れの原因として、コラーゲンなどのたんぱく質が不足する、
ということもあるようです。ただし、この場合もコラーゲンそのも
のを食べてもあまり効果がなく、コラーゲン合成を助けるビタミン
Cなんかの方が、効果が高いといいます。

 これは、コラーゲンの材料自身は体内で不足していない、という
ことが前提ですが、通常の食事をしている場合は、まず不足するこ
とはありません。

 極端なダイエットなどでは、深刻なたんぱく質不足が起こって、
肌荒れがひどくなったりします。まあ、そのうち肌荒れどころでは
ない状態になりますが、意志の力でそこまでやるとは、見上げた根
性の持ち主といえないこともないです。

 「健康のためなら死んでもいい」という人もいますが、「美しく
なるためなら死んでもいい」という人の気持ちの方が、まだわかる
ような気がします。

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--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.この間私が読んだ本にファミレス、ファーストフードの事が書
いてあったのですが、「ここで販売している食べ物は食品添加物の
固まりだ。」みたいな事が書いてありました。

 たとえば、おかわり自由のコーヒーは、少ないコーヒー豆で何百
杯のコーヒーを作るために、香料や添加物などを沢山添加して、に
せのコーヒーを作っているとか、フライドポテトにも、さくさく感
や冷めてもまずくならないように、色々な添加物を、添加している
とか、味付けにも色々な化学調味料を使っているなど・・・色々な
事が書いてありました。

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A.コーヒーに添加物ですか、私は聞いた事はないですが、香料の
添加くらいなら、ありそうな話ではあります。

 コーヒーは安い豆を深煎りして、それを薄いコーヒーにするとい
ちばん安くつきます。世間ではこれは「アメリカン」などといって、
コーヒーの苦手な人も飲めるということで、割と人気があるもので
す。

 ファミレスなどのコーヒーもそれに近いのでしょうが、私が飲ん
だ範囲では、美味しいとまではいかないけれども、まずまずの味だ
ったと思います。喫茶店なんかの方が許せないほどまずいものを出
す店があります。
(「珈琲専門店」でも、美味しいとは限らない・・)

 原価から言うと、コーヒーというのは、どんなに高い豆を使って
も、たいしたことはないのです。200グラム1000円として、
40杯とれれば、1杯あたり25円です。まさかこんな高いものは
使わないでしょうから、実際は10円程度の原価で、300円ほど
取るわけです。私は高すぎる、という批判は持っていますが、原価
を無理にケチらねばならないような商品ではない、と考えています。

 「おかわり自由」のファミレス商法も、こういった点に根拠があ
るように思います。

 一般的に言って、ファミレスなどのチェーン店では、原料の大量
確保と調理方法の画一化でもって、安く販売することをねらってい
ます。

 加工食品などでは、メーカーに特注品を発注したりしていますの
で、確かに市販ではないようなものが使われている可能性はありま
す。(一般の加工食品の原料などでも、同じことです。)

 たとえば、ケチャップなどは市販ではJAS特級のものしか目に
しないのですが、ファミレスチェーン用のオリジナル品では、JA
S標準のものだったりします。こういったものは確かに添加物は多
いこともあります。

 また、フライドポテトなど、一つ一つに安く、美味しく、を追求
したノウハウがあることでしょう。(私はよく知りませんが)

 全体として、ファミレスで食事をすることは、家で加工食品中心
の食事をすることと同程度のリスクはあると思います。

 もちろん、このリスクはどんな食堂でもあります。大衆食堂から
高級レストランまで、ファミレスとは違う事情はあるのでしょうが、
基本的には添加物などは使用しているはずです。

 もし、一切の食品添加物を拒否したいのであれば、

(1)外食は一切しない。
(2)加工食品は一切購入しない。

という2点を守る必要があります。調味料だけは購入しなければい
けませんが、これは無添加のものを探すしかないでしょう。(たと
え「無添加」表示があっても、加工食品はやめておいたほうが無難
です。)

 私としては上記のような生活の方針ははっきりいってお勧めでき
ません。やっぱり、たまには美味しいものを食べたいですよね。

 で、どこで食べても、安心して食べられるようにしてほしい、と
は思いますので、こんな情報作りなんかをしているわけです。

 ファミレスというのが(ファストフードと同様に)よく攻撃対象
にされるのは、いったいどうしてでしょうか?私はこれが不思議で
す。

 お読みになった本で、どうして「ファミレスは・・」と書いてあ
るのか、わかりましたか?

 「高級フランス料理店では・・」と書いてくれれば(実態は似た
ようなものです。)私たちも納得して、あんな店にはいかないでお
こう、と思えるのに・・。(狐とブドウみたいですね。)

 私の理解としては、大手のもの、有名なもの、をやり玉に上げる、
というやり方は、センセーショナリズムという手法からは、当然の
ことですから、こういう言い方になるのだ、と思っています。

 かくて、マクドナルドやすかいらーくやセブンイレブンは、こう
いう「正義の味方」の攻撃対象であり続けるのです。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「米」
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 前回に続いて、米について。

【稲刈り】

 そろそろ稲刈りのシーズンです。「早場米」の地域以外でも、9
月になれば、どんどん稲刈りが始まります。

 私の住んでいる和歌山では、まだほとんどの田が稲刈りにはほど
遠いです。全国的に、北海度、東北、北陸の米の産地では、5月の
連休のころに田植え、9月に稲刈りというスケジュールですが、西
南日本では、早場米を作る地方以外では、6月田植え、10月稲刈
りという日程になります。

 この早く稲刈りする、というのが、米の産地が北上していった、
大きなポイントです。夏のまだ暑いうちに、米が熟す、というのは
冷害の対策にもなっているわけです。

 兼業農家では、5月の連休に田植えし、秋の彼岸に稲刈り、とい
うのはなかなか良いスケジュールですので、これからだんだんとこ
うなっていきそうな気がします。

【米の品種】

 稲の品種では、コシヒカリ全盛時代が長く続いています。このコ
シヒカリは福井県の農業試験場でできた品種ですが、私は生みの親
である石墨博士の話を聞いた事があります。

 氏の話では、コシヒカリの一番良いところは、低肥料分に耐える
ということだ、といっていました。倒伏しやすいコシヒカリにとっ
て、栄養過多は害になる、ということでした。

 確かに、コシヒカリは普通は良くないとされる砂や礫の多いよう
な土壌で、美味しいものがとれる、ということを農家の人に聞いた
ことがあります。

 米の品種改良の歴史は東北の「亀の尾」から始まります。これは
田の中で、他の稲より1週間ほど早く稔った変わり穂を選抜して育
てたもので、最初はこうした選抜による育種でした。

 その後、こうした品種を交配して新しい品種を作る努力がなされ、
宮沢賢治の時代には、「陸羽132号」などが登場しています。

 味の良さで知られた「農林1号」や「農林61号」などという品
種は、現在の美味しい米の先祖になっています。

 日本が台湾を領有していた時代、台湾からイモチ病に強い品種が
導入されました。この系統は多肥に耐え、増産にもむいていました
ので、大いに普及しましたが、これがよく悪口を言われる、「まず
い米」の先祖ということになります。

【米不足】

 実際、日本は1930年頃から、1960年ころまで、米不足に悩んでい
ました。最近の米余り現象は、その後の増産と米の消費量の減少と
の両方が原因になっています。

 最近では、1993年の不作による輸入米の騒ぎが印象に残っていま
す。あのとき、私は断固として輸入米を購入したのですが、確かに
まずくて、家族には大不評でした。

 ところが、あの年と同じ収穫量でも、今では米は不足しない、と
いいますから驚きます。確か2割ほど、米が不足していたと思うの
ですが、10年足らずのうちに、米の消費量はそれ以上減ってしま
ったのです。

 ここまでくれば、大幅な米の減産しか方法はないと思うのですが、
なかなかそうはならないようです。

【米の流通】

 米の収穫は今ではコンバインが主流です。米の主産地では、コン
バインで脱穀された米(籾)をそのままカントリーエレベーターと
呼ばれる貯蔵施設に持ち込みます。トラックで持ち込んで、床の穴
に投入する、という荒っぽいやり方ですが、そのまま自動的に乾燥
され、貯蔵されます。こうした米は出荷もバラ出荷されることがほ
とんどのようです。

 米の乾燥はたいへん大事なことで、普通水分量15%程度まで乾
燥します。水分が多い方が美味しいのですが、保存性が悪くなりま
す。また乾燥しすぎると、胴割れがおきたり、まずくなったりする
そうです。

 昔は田で自然乾燥したものですが、この自然乾燥した米を、すぐ
に食べるのは、やはり最高に美味しいものです。

 和歌山の米は収穫量も少ないし、味の評価も全然ダメなのですが、
地元でこうした米を頂いて食べると、やはり本場のブランド米より
明らかに美味しいと思います。米は動かさない方が美味しい、とい
うのはこういうことか、と思いました。

 米の産地・産年・品種を明記するのは、今や当然のこととして求
められていますが、はっきりいって全く信用できないのが実情です。

 「魚沼産コシヒカリ」がどれだけ出回っているか考えると、世に
インチキの種はつきない、という感じです。

 全くのウソ、ということでもないので、高い米はそれなりに美味
しいものです。要するに、ブランドに惑わされないで、価格と食味
を比べて、納得できるものを買う、ということしかないと思います。

 「減農薬」「有機肥料」などという表示も、特別の流通ルートを
確認できるもの以外は、信用しない方が賢いと思います。減農薬の
定義は実にいい加減なものですし、今時化学肥料だけで育てている
米なんかありませんので、ことさら「有機」という言葉を持ち出す
のもどうかと思います。(本当の「有機栽培」と混同しないでくだ
さい。)

【玄米食】

 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」という詩に、「一日ニ玄米四合ト…」
というところがあり、それが戦後の教科書に載ったときに「三合」
に値切られた、というのは、有名な話です。今時三合の玄米も食べ
られる人はほとんどいないと思いますが、戦時中は二合半ほどの配
給米を、白米にしないで玄米で食べることを本気で推奨していたん
だそうです。

 玄米食は趣味としては悪くない趣味ですが、何か特別な意味があ
る、というものではありませんので、私はあまり関心がありません。

【米のとぎ汁】

 米をとがずに炊ける「無洗米」というものも登場していますが、
欠点は食味が少し落ちることだと思います。(これは改善されてい
くのでしょうが。)

 「米のとぎ汁をきれいにするにはお風呂何杯分の水が…」という
言い方をよく聞きますが、あれはかなり悪質な言い分です。水中の
有機物を排水基準に適合する水準まで薄めるための比率はその通り
なのですが、もし現実にそのようなことが必要だったら、世界中の
海は排水中の有機物であふれてしまっています。

 有機物は自然界では時間とともに分解されていきます。それを効
率よく行うための施設が下水処理施設です。米のとぎ汁だけに薄め
るしか方法がないような言い方をするのは、何か特別の意図がある
のでしょうか。

 米のとぎ汁くらい、自由にさせていいじゃないか、と思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールに助けられました。毎回こうですとうれ
しいので、これからもよろしくお願いします。

 生ジャムに関しては、貴重な情報をありがとうございました。何
しろ、基本的に資料を調べたりせず、全部記憶モードで書いていま
すので、間違いや情報不足はあると思います。読者の方から補足し
ていただくとたいへん助かります。

 サイト内の文書量も増えてきました。とくにメールマガジンのバ
ックナンバーは見るのもたいへんと思いますので、圧縮ファイルに
して、ダウンロードできるように考えています。いっそサイト全部
のダウンロードも、と考えたのですが、それだけの価値があるかど
うかが?なので、やめておきます。

 サイトの掲示板に、前回書いた、雑誌文藝春秋の牛乳についての
記事のことへのご批判をいただきました。それで、次回くらいには、
ちょっとまとめてこの件について書いてみようと思っています。
(どうせたいしたものではありませんが・・)

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