安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>448号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------448号--2008.06.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「食品添加物(Q&A)」
「うなぎの産地偽装」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回のBSE関連の記事について、こんなメールをいただきまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/080530.html

これは「新たに認定された国」という意味ではないですか?

見直したらこうなったとは違うと思うのですが?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはおっしゃるとおりで、私の勘違いでした。おわびして訂正
します。

 以前からの認定は以下のようです。( )は今回認定の国です。

無視できるリスク

 オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、シンガポー
ル、ウルグアイ、(フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ス
ウェーデン、パラグアイ)


管理されたリスク

 アメリカ、カナダ、チリ、ブラジル、スイス、台湾、(オースト
リア、ベルギー、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニ
ア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イ
タリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オラン
ダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキア共和国、スロベニア、ス
ペイン、イギリス、リヒテンシュタイン、メキシコ)

不明なリスク

 上記以外の国

 イギリスに負けているのはどうにも納得できませんが、日本が最
下位のランクであることは間違いありません。

 全頭検査などという(無駄な)ことをやっていて、国際獣疫事務
局(OIE)が要求していることに手が回らないというのが問題なの
だと思います。

 以下は韓国のニュースですが、日本も似たようなものと思ってよ
いのでしょう。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

狂牛病ステータス評価、韓国は米国以下=OIE

 「韓国は資料を提出していないので狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)
ステータス評価では“不明なリスク”の国に分類されているが、韓
国も資料を提出し、狂牛病ステータス評価を受けなければ、国民を
安心させることはできないはずだ」

 米国産牛肉問題で広く知られるようになった国際獣疫事務局(OI
E)のジャン・ルック・アンゴ事務次長が今月16日、韓国メディア
とのインタビューで発言した内容だ。OIEの評価によると、狂牛病
に関する限り、米国は「管理されたリスク」が存在する国であり、
韓国は資料の未提出により米国以下の「不明なリスク」の国という
評価を受けているのだ。

 これについて農林水産食品部は、「われわれも昨年11月にOIEに
審査を要請したが、今年1月に資料の再提出を要請された」と説明
した。

 狂牛病ステータス評価に関する審査は、大きく四つの基準を満た
さなければならない。(1)狂牛病にかかった疑いのある牛をどれ
だけ検査したのか(2)牛などの反すう動物を原料とする動物性飼
料を再び牛に食べさせなかったか(3)狂牛病についての教育・届
け出・検査などがしっかりと行われているのか(4)政府がOIEの規
定に全般的に従っているか−だ。

 韓国は24万点中9万7000点で点数不足となり、また動物性飼料禁
止措置についての説明も不十分で、資料の再提出が求められたと農
林部は説明した。神経系統に異常があると推定される高リスクの牛
に対する検査が不十分で、点数が低くなったということだ。

http://www.chosunonline.com/article/20080521000048
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今、韓国ではアメリカからの牛肉輸入問題で大騒ぎしています。
いったん妥結した交渉をやり直そうというのですからたいへんです。
その裏にはこういうツッコミもあるのですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.食品添加物を勉強しているものです。ちょっと教えてください。
日本の添加物とWHO(JECFA)のリストでかさなるのが30
0とありましたが、JECFAのリストを見てみたいのですが、ど
のようにして調べられたのですか?教えていただければ助かります。

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A.こういう質問が来るとドキッとします。何しろ自分の書いたこ
とをよく覚えていないもので…。

 あせって調べてみたら、案外簡単に見つかりました。「JECF
A」で検索したら、最初にこんなページが出てきました。

指定添加物(規則別表一)のJECFAによる安全性評価
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

 日本の食品添加物に指定されている物質で、JECFAの安全性
評価に記載されているもののリストです。今は368まで番号がつ
いていますね。

 もう10年もやっているので、情報が古くなっていることはご容赦
ください。

 ネットをやっておられるのなら、この程度のことは簡単に調べら
れるはずです、と偉そうに言っておきます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「うなぎの産地偽装」
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 事件自体はだいぶ前に発覚していたのですが、逮捕者が出たとい
うニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2008/05/29-13:08 東海澱粉元所長を逮捕=台湾産ウナギを国産偽
装−鹿児島県警

 静岡市の食品総合商社「東海澱粉」が台湾産ウナギを国産と偽っ
て販売していたとして、鹿児島県警は29日、不正競争防止法違反
の疑いで、静岡県藤枝市高柳、元大隅営業所長片山眞(46)、鹿
児島県鹿屋市新川町、同鈴木禎之(43)両容疑者を逮捕した。容
疑を認めているという。

 県警は中国産のウナギも国産と偽って販売したとみて、捜査を進
める。

 調べによると、2人は共謀し、2006年9月から12月までの
間、約15.8トンの台湾産ウナギを国産と偽り、加工業者に約2
440万円で販売した疑い。約420万円の不正利益をあげたとい
う。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最近めっきりと姿を見なくなった「中国産」のうなぎですが、や
はりこうして偽装されて売られているのではないかという疑問はな
くなりません。

 関連ニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 台湾産ウナギを国内産と偽って販売したとして、不正競争防止法
違反容疑で社員2人が逮捕された東海澱粉(静岡市)が、偽装用に
台湾や中国から輸入したウナギは、29日までの鹿児島県警の調べ
で、志布志港と福岡県内の港で陸揚げされていた。志布志港のウナ
ギ陸揚げは最も多い月で100トンを超えるが、同社の偽装が発覚
した今年2月には輸入量が激減、大隅営業所(東串良町)が営業を
停止した3、4月はゼロとなっている。

 長崎税関鹿児島税関支署志布志出張所や財務省貿易統計によると、
志布志港に成魚のウナギが輸入されるようになったのは2003年
11月からで、多い月は80トンから100トンが輸入されている。

 しかし、東海澱粉の偽装が発覚した08年2月は7トンと前月の
55%に落ち込んだ。宮崎で産地偽装が発覚した07年9月にも前
月の約5分の1の6.8トンに減り、翌10月はゼロとなっている。

 養鰻最大手の鹿児島鰻(うなぎ)−大崎町−の斉藤和昭社長は2
年前、「生産地の大隅に成鰻(まん)の輸入があるのはおかしい」
と県に調査を求めた。「輸入成鰻を国内で加工し外国産として売っ
ているはずがない」と偽装を疑ったからだ。別の生産者は「県など
第三者によるチェックを厳しくするなどブランドを守る体制が大切
になってくる」と訴えた。

 一方、東海澱粉は偽装を隠すため福岡県と熊本県の2卸業者と架
空取引を行っており、逮捕された元大隅営業所長ら容疑者2人が卸
業者にウナギ1キロ当たり20−50円を手数料名目で支払ってい
た。県警は卸業者の関与についても調べる

http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=10907
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 毎月100トンのうなぎが国産に化けていたわけですね。いった
い国産うなぎの生産量はどれくらいあるのだろうと思っていたら、
こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いよいよ夏本番、うなぎの季節だが、わが国で流通しているうな
ぎのどれぐらいが国産かご存じだろうか。

 2004年度、わが国に流通していたうなぎ商品(約13万トン)
の内、国産品(約2万トン)は約15%(生鰻換算)。

 しかし、近所のスーパーや生協を覗くとわかるが、どこも国産と
の表示が圧倒的だ。

http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/07/post_9fc7.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 少し古い記事で、このあと、捏造のウワサ話がつづきます。国産
品が15%程度というのはそんなものなのでしょう。今のスーパー
で売られているのを見ると、やはりなんだかおかしいです。

 レストランで売られているものについても、こんなニュースがあ
りました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

仙台のホテルでウナギの産地偽装
 「台湾産」を「静岡浜名湖産」に

 仙台市青葉区中央の「ホテルメトロポリタン仙台」(紺野純一総
支配人)を経営する「仙台ターミナルビル」は31日、ホテル内の
日本料理店で、台湾産ウナギを使った「うな重」を、昼食メニュー
に「静岡浜名湖産」と誤って表示していたと発表した。

 産地の誤表示は、日本料理店「はや瀬」で昼食用に販売した、来
店客用の「うな重」(2300円)と、持ち帰り用「うな重」(2
000円)の2種類。

 同ホテルは、静岡・浜名湖産のウナギの白焼きを仙台市若林区の
卸業者から仕入れていたが、2005年10月、1串の単価が80
円値上げされたため、それよりも単価が低い同区内の別の業者に仕
入れ先を切り替えた。台湾産だったが、発注担当の男性社員が浜名
湖産と思いこんだ。06年10月、メニューで産地の表示を始めた
際も、産地を確認しないまま「静岡浜名湖産」と誤って記載した。

(2008年6月1日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20080601-OYT8T00073.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このホテルは事件を自主的に公表したもので、隠すのではなく、
公表するようになってきたのはよいことだと思います。

 ただ、事実関係はあまり感じのよいものではありません。仕入れ
先からの値上げ要請⇒仕入れ先の変更という動きですが、このとき、
産地の確認をしなかったという言い訳はやはりひっかかるものがあ
ります。

 中国産だと知っていただろうというのではなく、おそらくは確認
すると安いものが手に入らないので、わざと確認しなかっただろう
と思うのです。

 ピンとくる人もいるかもしれませんが、生協が産地偽装などでよ
くだまされるときと同じなのですね。

 突っ込んで真実を目前にするといろいろとヤバいので、あえて事
実にまで到達しないというのです。売る側もその辺の事情はわかっ
ていますので、うまくごまかしてくれます。

 さて、偽装はとてもいけない行為ですが、国産でないといけない
というのもどうも困った考え方ではないかと思います。

 何を根拠に国産の方がよいと考えているのか、よくわからないの
です。

 以下はうなぎのニュースを拾ったブログの記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食糧自給率を向上させなくてはならない理由として政府が挙げてい
るのは、はだいたい以下のようなものだ。

1)食品の安全のため
2)戦争、天災などの有事のため
3)世界的食糧不足のため
4)日本の文化を守るため

では反論。

1)は国産食品が安全とういう考え方に基づいているが、これ自体
が迷信である。そのようなデータは少なくとも僕が知る限り存在し
ない。むしろアメリカの輸入通関で、国産食品のほうが中国産食品
より違反率が高いという信頼性の高いデータがある。それから判断
するとむしろ食品のリスクが高まるということ。つまり1)の理由
は国民の錯覚に基づいたものでしかなく、デタラメと言ってよい。

2)について。
今時、戦争によって日本が世界から孤立して食糧が輸入できなくな
るなどとは考えられない。孤立する可能性が極めて低いうえに、仮
にそうなったとしても、莫大な食糧のお客さんである日本に売らな
いということは、輸出国にとって大打撃になるためあり得ないと言
っていい。天災にしても、日本に入ってこないほどの世界的天災な
ど想定できないし、自給率を向上させ狭い日本で生産されたほうが、
天災によるリスクが高まるぐらいである。

3)について。
国のボーダレス経済が広がる中にあって、食糧も基本的に高く買う
方向に流れる。最近、一部の国に輸出規制の動きがあるが、それは
国内価格と輸出価格に大きな違いがない場合だけ。日本の食糧輸入
量の上位3カ国はアメリカ、中国、オーストラリア。これらの国は
食料輸出が巨大産業であり、高く売れる日本に輸出しなくなるとい
うことは、とても想定できることではない。

4)について。
具体的には、日本の食文化を守ろう、日本の稲作などの栽培技術や
景観を守ろうということ。

 確かに、文化というのは、一度消えてしまうと、復活させるのは
困難なので、絶やしてはいけないという面では賛成できる。ただし、
既に日本の稲作を守るためには莫大な税金が投入されていることも
忘れてはいけない。

http://unagi-kiken.seesaa.net/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は基本的にこの意見に賛成です。このブログ、おもしろいです
から、ぜひご覧下さい。

 勇気を持って、「中国産」表示で、どこに出しても恥ずかしくな
いうなぎを販売してほしいものだと思います。以下に紹介するのは
少し前のものですが、中国のうなぎ工場の紹介です。日本の工場で
ここより衛生的なところはほとんどないと思います。

中国の鰻蒲焼事情
http://www.salmon.co.jp/Topics/Topics64-Unagi1.htm
http://www.salmon.co.jp/Topics/Topics65-Unagi2.htm

 ここでもこんなことが書かれていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ”表示”の問題に絡んでもうひとつ。最近、市場で「四万十川産」
などという表示の鰻が売られているが、これは99%ニセモノ。これ
を大々的に販売していた業者もあったが、この会社は最近倒産した。

 四万十川の天然鰻が蒲焼の状態で出回るなどという事はあり得な
いし、四万十川にはシラスから養殖している業者は1社しか存在し
ない。現在の法律では、元は中国産鰻でも、何日か池入れしておけ
ば「静岡産」や「愛知産」の表示をしてもOKなわけで、要するに
インチキ。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 偽装を産む根本原因は消費者の「国産信仰」です。そして業界の
モラルの低さが事態をより悪くしているということなのでしょう。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 食べ物の世界で、「国産品信仰」は諸悪の根源だと思っています。
こういうものがあるから、それに乗っかってウソ八百が通用してし
まいます。また、問題があったとき、それを隠そうとする圧力が働
きます。せっかくの改善のチャンスを逃してしまってきたのが食品
業界の今の姿です。この責任は「国産品信仰」なんかを持っている
消費者の側にもあると思うのです。

 土曜日から花巻に行き、温泉に泊まっています。このため、この
メールマガジンは土曜日の朝に配信しています。よい週末をお過ご
しください。

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