安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>445号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------445号--2008.05.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「お米・プラスチック容器・歯・お茶(Q&
A)」「野菜工場」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「脂肪酸」について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 マーガリン中のトランス脂肪酸よりも、不飽和脂肪酸(リノール
酸など)の過剰摂取が問題ではないでしょうか。J-LITでは食事指
導を受けた方が心臓病高かったはすですが。

 高脂血症に対する栄養学
http://hb8.seikyou.ne.jp/home/pianomed/428.htm

 日本脂質介入試験(J-LIT)は、高コレステロール血症患者にシン
バスタチンで介入した研究である。これには対照群がなく、その目
的で開始したのがJ-LITの地域対象追跡調査だ。健診でTCが220-299
mg/dlの4918名を1993年に登録し、94-99年まで追跡。その間に各施
設での指導や治療は妨げず、その意味では無介入である。6年間に
32例の心筋梗塞と4例の突然死があり、驚くべき結果が出た。調査
開始時に食事指導をすると、Coxハザードモデルで2.30倍、多変量
解析で2.89倍危険率が有意に高くなったのである6)。

 換言すると、高コレステロール血症患者に食事指導を行うと心筋
梗塞が増えたのだ。この理由としてリノール酸の過剰摂取が考えら
れる。当時の指導には、必ず下記の2点が含まれていた。

・動物脂肪はコレステロールを上げるので、できるだけ減らし、植
物油に代えましょう。リノー ル酸の多いものにしてください。

・バターはコレステロールを上げるので、ソフトマーガリン
(リノール酸がかなり含有)をお勧めします。

>脂肪の過剰摂取にも問題があることから、マーガリンを避けるよ
り、脂肪摂取量を減らすよう努力すべきである。

日本の脂肪摂取量は適正量では。脂肪摂取の制限で糖尿病発症率減
少などエビデンスは有るんでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「日本の脂肪摂取量は適正量」というのはそうなんですが、日本
人全員が適正というわけではなくて、あくまで平均値の話です。と
くに若い女性で低カロリーでがんばっている人も多いですし、逆に
適正とはいえない摂取量になっている人も多いと思います。

 書き方が悪かったのです。「脂肪の摂取量が多い人は」という言
葉を前につけなければいけなかったですね。

 次はこんなメールです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカ産輸入牛肉への日本の対応についてのご意見、共感を覚
えます。

 現在の日本では、危害意識を高める情報はあふれています、しか
し「リスクとして考えるとどうなのか」という情報が少なく、教育
もされていません。

 その意味で、渡辺様のBSEをリスクとして考えると、リスクは低
いのだよというお教えは貴重です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.プラスチックの容器にお米を保存していたのですが、お米に水
が入ってしまいました。数日後からお米同士がくっついたり、いつ
もと違う匂いがしていたのですが、洗って炊けば大丈夫だろうと食
べていました。すると水が入って1週間後にお米の一部が黄色に変
色しました。やはりカビでしょうか?

 さすがに黄色に変色してからは食べずに廃棄しましたが、水が入
ってから6日間ほどはそのお米を食べ続けてしまいました。ネット
で黄変米などのことも知り、発がん性やその他の体に対する影響が
心配です。食べてしまったことにはしようがありませんが、1歳の
子供もいるだけに不安でたまりません。今のところ家族に腹痛、下
痢等の症状はでていません。

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A.変色した時点ではカビが生えていたのでしょうね。それまでは
おっしゃるとおり、洗って炊けば大丈夫だったのではないでしょう
か。

 時間とともに状態は変化していきます。どの時点から食べない方
がよいかという判断は難しいのですが、最終的に食べられないもの
になったからといって、最初から食べてはいけないということでは
ありません。

 変色した時点で食べないようにしたのは賢明な判断だったと思い
ます。それまではまあ仕方なかったのではないでしょうか。これか
ら先どうなるか、予想がつかなかったわけですから。

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Q.ハンバーグのソースをプラスチック容器に入れて、冷凍してい
たので電子レンジで温めました。加熱後に、表面がジリジリと音が
していて、かなり容器も熱くなっていたのですが、その後、ソース
を食べてしまいました。

 食べた後に、そのプラスチック容器を洗ったときに、気づいたの
ですが容器の中が、小さい泡のようにボコボコに変形していて溶け
てしまったような跡が残っていました。加熱したときに、気にはな
っていたのですが食べてしまった後も、ずっと後悔してて、癌にな
るのでは?と心配しています。大手の会社製造のプラスチック容器
だったので、大丈夫・・・という気持ちで、加熱してしまった過信
で、こんな心配ことができてしまいました。やはり、プラスチック
製の容器の加熱は、健康に害を及ぼすのでしょうか?

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A.何度も書いていますので、過去のQ&Aも見てください。

 一般に、プラスチック類は毒ではありません。こういうと不思議
な気がするでしょうが、プラスチックというのは単位分子が非常に
大きな数でつながった、巨大分子です。生物の体内で消化吸収され
たりするものではないのです。

 だから逆に廃棄物としてはいつまでも腐らないので困った存在で
あるわけです。有機物ですので燃えます。だから燃やすのが正しい
処理方法です。東京など一部の自治体でプラスチックを「燃えない
ゴミ」にしているのは本当にどうかしています。

 プラスチックを構成する単位分子や、原料物質、添加物などは必
ずしも安全というわけではありません。食品容器に使うプラスチッ
クは、それらが一定以上検出されないことが条件となっています。

 したがって、食品容器用のプラスチックは食べても害がないと考
えてよいです。食べるものではありませんが。加熱したといっても、
形が変わる程度でしたら、分子そのものは影響ないと思います。

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Q.まだまだ妊娠初期ですが、ずっと以前に治療した歯のつめもの
が外れてしまい、食べ物といっしょに飲み込んでしまいました銀色
のつめものでしたがそれが銀かどうかはわかりません体内で溶けて
しまうようなことはありますか?あかちゃんへの影響が心配です。

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A.歯のつめものといっても、材質はいろいろあります。治療を受
けた歯医者さんで聞いてみるのが一番です。

 常識的に考えて、飲み込んでしまって具合が悪いものを、歯の治
療に使うはずがないと思います。

 人間はどんなものでも消化吸収できるわけではありません。飲み
込んでも素通りして出てくるだけです。出てきたものをチェックし
たりしませんから、気がつかないでしょうが。

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Q.ペットボトルの飲み物(お茶)を飲みかけで車の中にうっかり
放置してしまいました。カビのようなもので膜がかかった状態だっ
たので、「早く捨てなくては」と忘れないように見えるところに置
いたところ、一瞬目を離した隙に誤って2歳の息子が飲んでしまい
ました。車内へのペットボトルの放置期間は1ヶ月くらいです。た
だ、途中真夏日もあり、車内は相当暑かったと思います。誤飲後、
すぐに指をつっこんで吐かせ、お茶を飲ませました。その後、誤飲
してから10時間ほど経った頃、一度嘔吐がありました。下痢も腹
痛もないようなので、このまま普通にしておいてもよいのかな、と
も思いますが、いかがなものでしょうか?

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A.ちょっと危なかっただすね。応急措置はよかったと思いますが、
その後、医者に見せる方がよかったと思います。

 今さら医者に診てもらっても、たぶんどうしようもないでしょう。
様子を見ていて、心配だったら医者につれていくぐらいでしょうか。
それとも安心のために病院に連れて行きますか?

 私なら様子を見ているうちに忘れてしまいそうです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「野菜工場」
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 中西準子先生が「野菜工場」について記事を書かれていますので
便乗させていただきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最近、野菜工場がかなり増えてきているという話しを聞く。野菜
工場とは、野菜の水耕栽培である。屋内で、水に栄養素を加え、照
明をし、外から虫などが入らないようにして、野菜を育てるもので
ある。
 
ここまできたか

 こういう感想を持つのは、市民の方を対象にした講演会で、これ
までも何回か、この種の動きになるだろうなと思わせる質問があっ
たからである。

 一番鮮明に覚えているのは、もう30年も前になるだろうか、水の
話しをしていた時に、何故、川の水を飲み水に使うのか、という質
問である。

「川の水って、汚いではないですか」

 「農業用水が川に入るとすれば、農薬も入るし肥料も入る。どう
して、何も入らない山の水を東京に持ってこれないのですか?」

 私は慌ててしまったのを思い出す。多分、このような答えをした
と思う。

 「川の水は、いろんな目的に使うのです。生き物も使うし、土壌
を維持するためにも必要、そして、農業にも使うし、工業にも、我
々の水道水にも使う。その間で、何回も使うのです。

 1回限りで終わりにしていいのではない。何かの目的に使われた
水を、つぎに誰かが使わなくてはならない。飲料水に使う水はでき
るだけきれいなものを選ぶ努力はするが、山の水、例えば谷川岳の
水を東京に持ってきて、使って捨てれば良いというのではない。

 そんなことしたら、すごいエネルギーが必要になるし、1回しか
使えないので、水が足りなくなるのです。飲料水は大切だから、そ
れを優先するとしても、我々は下流に住んでいるので、基本的には、
下流にきた水を飲むことになるのです。下流の権利と下流の遠慮が
ある。」

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak426_430.html#zakkan428
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このあと、「野菜工場」についての感想が続きます。引用はここ
までにしますので、上記ページでぜひ読んで見てください。

 引用部分はこんな質問をした人たち、たぶん生協組合員と係わっ
てきた経験のある私としては共通の思いがあります。

 彼女たちの考え方は基本的に「二分法」で、「よい」か「悪い」
かしかありません。何でも「悪い」方に入れてしまうと、「よい」
が極端に少なくなってしまいます。これが「山の水を直接東京へ」
という考え方になってしまうのです。こんな話は東京の奥様方と話
しているとよく聞いたものです。

 現実には中西先生のおっしゃるように、そんなことは不可能です。
だからあきらめて現実的に生きていくしかないのですが、考え方は
変わらないので、ちょっと困ったことが起こります。

 「おいしい話」を持ってくる人にだまされてしまうのです。

 私もいろいろだました口なんですが、要するに「無添加」とか
「無農薬」とかいう例の宣伝のことです。

 中西先生は「自然は安全という信仰から、自然は危険、だから隔
離というこの変化について考えたいのである。」と書かれています。

 「無農薬」などというときに持っていた自然指向的考えと、自然
から切り離した環境での「無農薬」ということは違うのではないか、
という指摘です。

 しかし、実は同じ人の中で共存できる考えなんだと思います。そ
の根拠は、どちらも真面目に考えているわけではない、ということ
です。

 最初の「二分法」の考えで、「よい」に入れられるようなものな
ら、矛盾していても別にかまわないのですね。それは「二分法」で
二分する根拠がはじめから論理としては成り立っていないというこ
とです。

 「自然のままで育てたから」「無農薬で栽培したから」などと、
耳当たりのよいことを言っていればだまされてくれるというわけで
す。

 もちろん、生産者側は信念を持っていますので、自然派と隔離派
が同じ人であるということはありません。最近、「野菜工場」にビ
ジネスチャンスがあると考えた人が増えているということです。

 さて、私は「野菜工場」をどう考えているかというと、ある意味
歴史的な流れであろうと思っています。

 人間が食糧を得る手段は、長い間自然から調達するしかありませ
んでした。農業が成立してから、その効率がよくなり、高度な文明
を育てることができるようになってきたのですが、自然環境に基盤
があるということ自体は変っていませんでした。

 しかし、産業革命、エネルギー革命を経て、今私たちは自然環境
から離れたところで食糧を調達することができるようになろうとし
ているのです。

 今までは自然の中から、私たちの食糧となるエネルギーを調達し
てきました。ところが、日本では農業はすでにエネルギー的に言う
と、エネルギーを消費する方になってしまっています。

 農業に投入するエネルギーの方が、農作物から得られるエネルギ
ーより大きい、つまりエネルギー的には赤字なのです。

 同じエネルギーを投入して食糧を生産するのなら、もっと直接的
に(工業的に)食糧を生産してもよいではないか、というのが野菜
工場の思想的な背景にあります。

 穀物などの大規模栽培ではまだまだ無理ですが、野菜程度なら、
安全確実に栽培できるというわけです。SFマンガで見た、未来社
会の食糧生産現場がもう目の前に現れようとしているのです。

 気になるのは投入するエネルギーの方で、化石燃料の枯渇が心配
されているのに、本当に大丈夫なんだろうかと思います。

 食糧の問題がエネルギーの問題になってしまいそうですが、エネ
ルギー問題が解決しさえすれば、自然災害などはなくなるわけです。
エネルギーさえ調達できれば、飢えることはないというのは案外重
大なことです。

 詩人宮沢賢治はこういう詩を残しています。

新たな詩人よ
雲から光から嵐から
透明なエネルギーを得て
人と地球によるべき形を暗示せよ
 
新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系を解き放て

衝動のやうにさへ行はれる
すべての農業労働を
冷く透明な解析によって
その藍いろの影といっしょに
舞踏の範囲にまで高めよ

 昭和初期の、不況と不作に痛めつけられていた農民を前に、賢治
が願ったのことが今、実現しようとしているのではないか、そうい
う気がしてなりません。

 私の「野菜工場」に対する意見は次のようなものです。

(1)エネルギーの問題はあるものの、食糧調達の未来的な手段で
あり、否定することはできません。

(2)野菜工場のメリットを「無農薬」や「安全」に重点を置いて
訴えるのは、消費者対策としては有効なのでしょうが、あまり品の
よい方法ではないと思います。堂々と価格と品質で勝負してもらい
たいものです。

 ところで、読者のみなさんは「自然派」の方が多いのかもしれま
せん。私も個人的な趣味の問題としてはそういう立場です。このあ
たりのご意見をお聞かせいただければと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国の地震とミャンマーのサイクロンで、重大な被害が出ていま
す。自然災害はいつの時代にもおこるものですが、世界が狭くなっ
た分、ニュースの量も多くなります。中国からの情報量がミャンマ
ーと比べて圧倒的に多いのは、やはり情報の「距離」の違いなので
しょう。

 その中国で、愛国的な動きが盛り上がり、被災者支援活動なども
自主的に行われているそうです。変わらないようで変っていくのが
時代というもので、中国も(よい意味で)変わりつつなるのだな、
と感じています。ミャンマーや北朝鮮はまだまだ先の話ですが。

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