安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>444号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------444号--2008.05.11------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「リキュール・自家製ハム・ポリプロピレン
(Q&A)」「中国産食品」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 今回はいただいたメールが少なかったのですが、前回掲載した記
事について、こんなお礼をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 早速、お答えいただき、ありがとうございます。よくわかりまし
た。

 不安をあおり、それを商売ネタにする、これはトランス脂肪酸に
かぎったものではありません。メディアの責任も大きいのですが、
広告をとっているかぎり、ある意味、仕方がないことかもしれませ
ん。

 としたら、「正しい」あるいは「納得できる」意見や知見を知る
ことができる、このブログはほんとうに大切です。がんばってくだ
さい。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもありがとうございました。

 それから、前回掲載を忘れてしまったのですが、本の紹介をいた
だきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

=====================================食品工場長の仕事とは===

■■   「食品工場の点検と監査 」
■■■               2008年4月22日発行 
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

おはようございます。河岸です。同文舘からシリーズ三冊目の本が
出版されました。

「食品工場の点検と監査 」 河岸宏和/著  
出版社名 同文舘出版 (ISBN:978-4-495-57991-3)
発売予定日 2008年04月21日    予定価格 1,785円(税込)

 食品工場の原料購買担当者、スーパー・生協のバイヤー、外食産
業の購買担当者など、食品を購入する立場の人が、それらを点検・
監査する際のポイントをビジュアル解説しています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一般向けとは言い難いですが、このメールマガジンの読者には、
業界の方も多いようですので、紹介しておきます。

 消費者の方も、生産者が何を考え、どういう苦労をしているのか、
読んでみるのもよいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.賞味期限がある柑橘類(エキス)や黒酢を混ぜた本格焼酎べース
のリキュールは賞味期限の表示がありません。賞味期限がある果汁
などの素材を使用した場合は通常表示義務が必要と思うのですが。
同じリキュールの缶チューハイなどは缶底に賞味期限表示がありま
す。日本酒やビールは賞味期限がある素材を使用した場合は賞味期
限表示が必要と聞いたことがあります。法的にお酒は賞味期限がな
いと聞いていますが、賞味期限がある素材を混ぜた場合のリキュー
ルの賞味期限表示について教えて下さい。

------------------------------------------------------------

A.酒でも賞味期限を表示したものは見かけますが、基本的に表示
義務はないようです。表示している場合は自主表示という扱いなの
でしょう。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q5 お酒に賞味期限はないのですか。また、表示しなくてよいので
すか。

A 酒類については、他の食品と同様に、その製造工程から最終製
品として販売されるまで、食品衛生法の適用を受けることになりま
す。

 食品衛生法では、食品について、消費期限又は賞味期限をその容
器又は包装に見やすく表示することとされていますが、酒類につい
ては、その期限の表示を省略することができることとなっています。

 なお、保存方法に注意を要する酒類については、「清酒の製法品
質表示基準」(平成元年11月国税庁告示)や公正競争規約において
下表のように、賞味期限や保存上の注意事項等を表示することにな
っています。

 また、業界の自主基準等により、賞味期限等を表示することとし
ているものもあります。

清酒(生酒に限る。)
保存若しくは飲用上の注意事項
清酒の製法品質表示基準

ビール 輸入ビール
賞味期限及び保存方法
ビールの表示に関する公正競争規約及び輸入

http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/11/43.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なぜ、酒は賞味期限表示がないのか?というと不思議な感じがし
ます。アルコールのせいで他の食品よりも長く持ちますが、缶詰に
でも賞味期限を表示している世の中で、少し変な気もします。

 酒が嗜好品であり、味を見て飲むかどうか決めればよい、という
ことも考えられます。古くなってまずくなることはあっても、健康
被害が出ることはないですからね。健康被害といえば酒はどんなに
うまくても健康被害を出しますし。

 それからもう一つは上記のページが国税庁のものであることから
わかるように、税金の問題です。他の食品とは桁違いに税金を収め
ていますので、特別扱いしているというわけです。

 原料に賞味期限があるかどうかは問題ではありません。原料の賞
味期限が製品に影響を与えるわけではないからです。

------------------------------------------------------------

Q.自家製ハムのボツリヌス中毒について教えていただきたくメー
ルしました。ヨーロッパでは自家製ハムによる食中毒事例があると
いうことですが、実際どの過程が問題なのでしょうか?

 自家製の鶏ハムの作り方は以下のとおりです。

 砂糖・塩・こしょうを肉にすり込み袋に入れ空気を抜いて冷蔵庫
で2日ねかせる→30分間水につけて塩抜き→沸騰した湯に入れそ
のご炊飯器の保温モードで8時間→湯から出し、荒熱が取れたら冷
蔵庫で半日ねかす

 いろいろ調べてみたのですが、ボツリヌス菌が空気を嫌うので真
空保存しているときが危ないということしかわかりませんでした。
過去に食中毒の事例があるということは、どこかの過程で菌が繁殖
し毒素を形成しやすい環境、すなわち空気が遮断されている過程が
あるということですよね。

 上記の過程で完全に空気と遮断しているところといえば水にさら
しているときくらいで、その前の段階である空気を抜いて冷蔵庫で
2日寝かせるというところは、ビニール袋の空気を抜くくらいでは
真空状態にはなりえないと思うのです。

 実は先日作った自家製のハムがおいしかったので、また作りたい
と思うのですが、ボツリヌス中毒の予防のために何に気をつければ
いいのかわからず、躊躇しています。

 そこでもし作る場合、どのような点に気をつければよいのか考え
をお聞かせ願えませんか。

------------------------------------------------------------

A.幸いなことに、日本では食肉製品によるボツリヌス菌中毒はお
こっていません。ハムのボツリヌス菌中毒はヨーロッパの風土病と
いえるものです。

 日本ではどちらかというと、魚介類によるものが多いのです。

 ただし、何事にも注意が必要です。嫌気性の菌なので、表面だけ
でなく、中心部分まで充分加熱することが大切です。ご質問の作り
方だと、中心部分の温度が上がりきらない可能性があるのかもしれ
ません。

 ボツリヌス菌中毒に関しては、単純かつ決定的な防御策がありま
す。食べる前に加熱することです。

 ボツリヌス菌の芽胞はかなりの高温に耐えるやっかいなものです。
ところが最強の毒素であるボツリヌス菌毒素は熱に弱いのです。

 つまり、加熱して食べれば心配ないのです。ヨーロッパでハムの
食中毒が問題になるのは、加熱しないで食べる習慣があるからなの
でしょうね。

------------------------------------------------------------

Q.現在妊娠初期ですが、主人がポリプロピレンのふたが電子レン
ジに入っているのに気付かず食パンを加熱しました。その食パンを
私が少しですが食べてしまいました。

 食パンの異様な臭いに気付いて電子レンジの中を確認すると直径
5cm位のふたが半分くらい溶けていました。

 主人に確認すると電子レンジを開けた瞬間煙りが吹き出したとの
ことでその後部屋の中がプラスチックの溶けた臭いでいっぱいにな
りました

 どうして食べてしまったのかと後悔でいっぱいです。高齢出産な
ので老化卵子は遺伝毒物の影響を受けやすいと聞きあかちゃんが心
配ですご解答お願いします

------------------------------------------------------------

A.ポリプロピレンはよく出てきますが、かなり安全性の高いプラ
スチックです。食品容器用の場合、添加剤なども使われていません。

 ポリプロピレンの溶けたものを食べても、何事も起こりませんか
ら、安心してください。バリバリ食べても別に毒ではありません。

 また、遺伝毒物の影響を受けるのは、卵子になる前であって、受
精卵は(薬品の影響を受けることはあっても)あまり関係ないので
はないかと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「中国産食品」
------------------------------------------------------------

 ちょっと古いニュースですが、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、千葉県警は31日、中毒
を起こした千葉市の母娘が食べたギョーザが入っていたパックの未
調理品から、最大約2万ppmの極めて高濃度の有機リン系殺虫剤
「メタミドホス」を検出したと発表した。

 同県市川市の一家が吐き出したギョーザの3580ppmを大き
く上回り、ニラの残留基準値(0・3ppm)の6万倍以上になる。
県警は「残留農薬とは到底考えられず、製造から袋詰めの間に人為
的に混入された可能性が高い」としている。

 鑑定では、未調理の3個の皮から1490〜1万7680ppm、
具から410〜1万9290ppmを検出。母娘が吐き出した調理
済みギョーザでは、皮から1470ppm、具から1240ppm
が検出された。

 内閣府によると、体重50キロの人が一度に摂取しても健康を害
さないとされる量は0・15ミリ・グラムで、今回の濃度をギョー
ザ1個分に換算すると最大約260ミリ・グラムになる。

 本山直樹・千葉大教授(農薬毒性学)の話「原液を直接かけない
とあり得ない濃度。子供なら1個、大人でも2個食べると死ぬ可能
性がある」

(2008年3月31日23時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080331-OYT1T00597.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「人為的に混入」ということはほぼ確定のようです。それも事故
というより事件の可能性の方が高そうです。「間違って混入した」
可能性としては、工場での殺虫剤の使用か、原料の保管段階での混
入か…と思っていましたが、それではこんな高濃度にならないよう
な気がします。

 事件の方は予想どおり、中国側に調べる気がないようで、迷宮入
りという感じです。ウソでも犯人逮捕!などとやっていれば、中国
側のダメージはずいぶん違ったと思います。

 影響は結構大きくて、こんなニュースが出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省が7日発表した植物検疫統計(速報値)によると、4
月第4週まで(3月30日〜4月26日)の中国産野菜の輸入量は、
前年同期比42%減の2万6505トンだった。中国製冷凍ギョー
ザ事件の影響による需要の冷え込みが続いており、3月(45%減)
に比べても落ち込み幅はほぼ同じだった。

http://mainichi.jp/life/food/news/20080508ddm003020142000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 2月から今まで、中国産野菜の輸入は半減しているということで
す。

 スーパーの店頭でも、原産地表示が目につくようになってきまし
た。もちろん、「中国産」という表示のものはほとんど見当たりま
せん。

 加工用はある程度輸入されているが、店頭に並ぶ市販用は激減し
ているということなのでしょう。

 中国側の要因としては、雪の被害による減産、輸出検査強化によ
る出荷能力の低下などもありそうです。今後、少しは回復するので
しょうが、目に見える範囲で「中国産」と書かれてしまうと、買い
控えする人が多くて、販売側は商売にならないと判断するのではな
いでしょうか。

 要するに市販用は当分復活しないだろう、ということです。それ
に対して、国産野菜には「特需」状況が発生しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ニンニク出荷量で全国の約8割を占める青森県。中でも田子(た
っこ)町のニンニクは品質の良さで全国的に有名だ。

 地元卸売市場で取引されるニンニクの最高値は1月は1キロあた
り2100円だったが、ギョーザ事件をきっかけに急騰。4月には
3700円をつけた。

 「一部の組合員が農協を通さず、市場に直接出荷するようになっ
た」とこぼすのは、田子町農協にんにく課の新井田文雄係長(49)
だ。同農協は農家の経営安定のため「固定客」を重視。形式上は全
農(全国農業協同組合連合会)や首都圏の卸売市場を通すが、実際
は年間を通じて特定の顧客に決まった価格で売る契約栽培に近い方
式だ。それが「市場に出せば農協の倍の値で売れる」(地元農家)
ようになり、浮足立つ農家も現れた。

 6〜7月には今年産の収穫も始まるが、販路や価格はほぼ決まっ
ている。目先の利益を追って顧客との約束を破れば、せっかく築き
上げてきた信頼関係が崩れる。農協にとって今の高値はむしろ頭痛
の種になっている。

 一方、今秋の増産には消極的な農家が多い。約1.5ヘクタール
のニンニク畑を持つ田沼誠一さん(58)は「面積を広げるには人
を雇う必要があるし、新しい畑は1、2年はいいものが取れない」
と話す。種子を買えば10アールあたり60万〜70万円かかるな
どコストも大きい。

 安い中国産に押され、90年代に一時、1キロ300円台にまで
値下がりしたニンニク。最盛期に500戸以上あった田子町のニン
ニク農家も約230戸に激減した。その経験から得た答えが、高品
質のものを固定客に売る現在の手法だ。「高値は長続きしない。中
国産が減っても、いずれ別の国から入ってくる」(田沼さん)とい
う警戒感が、農家の慎重姿勢の根底にある。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20080506k0000m020078000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ちょっと高値がつくとすぐに目先の利益に走るのが、農家の共通
の欠点です。高値の方に出荷するということと、取引の信頼関係を
維持するということの調整がとれないのですね。値下がりすればこ
んどは平気で農協に泣きついてくるのです。

 「食糧自給率」の議論で、「国産食品を食べましょう」というキ
ャンペーンがいかにむなしいかわかります。問題は生産側にあって、
消費の側ではないのです。

 さて、中国についてはその後、チベットでの事件やオリンピック
関連など、さまざまなニュースが交錯しています。国家主席も来日
して、いろいろと変化の目はあるようです。

 このところ目につくのは、中国人の間で熱狂的に流行している、
「愛国主義」の流れです。何か異常に中国人が盛り上がっているの
ですね。

 孫文が「中国人は砂のようだ。手にとると、指の間からパラパラ
とこぼれ落ちてしまい、ちっともまとまらない」と言ったことは有
名ですが、その砂がまとまろうとしているのでしょうか。

 理由はともかく、国民的な結束が生まれるのなら、それは結構な
ことだと思います。共産党の独裁も、結局は団結せず、権力におも
ねる中国人自身の招いたことだと思うのです。

 それはさておき、日本人からは見放された観のある中国産食品で
すが、中国産食品を輸入してきた日本側の企業も、生産に携わる中
国側も、共に悔しい思いをしていることでしょう。

 まじめにやっていたところが多いだけに私も同情してしまいます。
しかし、現在の状況は日本側の偏見や差別ではなく、中国自身が招
いてしまったことです。それを挽回するのも中国側の努力次第にか
かっています。

 現在の、政府が勝手なことを言って責任逃れに終始しているよう
な中国の状況では、信用を回復することはできません。日々の実践
も大切ですが、国家としての信用を回復する手段を考えないといけ
ない状況です。それはパンダを贈ったりすることではなく、民主的
な国家建設への苦しい道を歩むことであると思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 連休中に映画「カンフーハッスル」をテレビで見て、中国熱がぶ
り返しています。お馬鹿なコメディーなんですが、どうも感動して
しまったのはやはり武侠小説の読みすぎなのでしょう。

 久しぶりに中国に行きたいのですが、妻がイヤがっていて、一緒
に行ってくれそうもありません。この間のニュースを見ていたら、
無理もないのですが…。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-444号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数4938名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/