安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>442号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------442号--2008.04.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「紅天(Q&A)」「アメリカ産牛肉」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今回もいただいたメールを紹介します。まず「着色料」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深く拝読しております。

 着色料について、下記のくだりは、私にはよく理解できません。

>  食べ物に着色はいらない、ということだけでよいのではないでし
> ょうか。
>
>  しかし、ものごとはそれほど簡単ではなく、着色したものを買う
> 人がいて、生産物に着色料を使う人もいます。私は感心しませんが、
> だからといってそういう普通の人を見下げてものを言うのもおかし
> いです。

 人を見下すことはしませんが、自然の食べ物であれば、着色の必
要は無しと考えます。

 たとえ、多少色褪せても、私は構いません。食品メーカーに、か
つて、こう言ったことがあります。『着色料を使う代わりに、「着
色料不使用の為、多少色褪せることがあります」とのコメントを入
れて下さい。』

 食品メーカーは、消費者に対して、もっと啓蒙活動をする必要が
あると思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 自分の価値観を持つというのはよいことなのですが、それと他の
人の価値観とをどう折り合いをつけていくかということです。

 「啓蒙」という言葉は「蒙を啓く」という意味です。「蒙」とい
うのは「無知蒙昧」の「蒙」ですよね。

 自分の意見を人に伝えるのは当然の行為です。でもそれだけが正
しいという態度がよい結果を産むとは思えません。

 「易」にこんな言葉があります。「我童蒙を求むるにあらず。童
蒙来りて我に求む。」昔の知識人の意識ですので、今の時代にその
ままではあてはまりませんが、これが自分の価値観を基準に人を見
下しているのでなければ幸いです。

 次も似たようなことについて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも興味深く拝見してます。最近の話題や質問内容を見ての感
想を述べさせていただきます。

 世界的な食糧や水の問題、将来は空気まで販売される時代が来よ
うとしている時代ですので、話題は科学から環境、経済問題に至る
まで関連し、なかなか回答を出すのも難しいですね。

 今回の着色料問題のように、最近は特に…「○○だから心配」と
の質問も多いようです・・・例えば、「新鮮×古そう?」「安心×
怪しい?」「美味しそう×まずそう?」…など、私たちは食品を見
る目利きや判断基準に戸惑いますが、それは、いかにも美味しそう
なTV画面や美しいパック包装など、どうやら、企業や商品宣伝の
効果、食品情報などによる先入観が影響しているように思われます。
 肉や魚、野菜などを見ても「何が自然の色で、香りで、味なのか
が分からない」=これは、食害や安全性とは違う問題ではあります
が、味覚音痴=現代の便利さが、食材・食味に対する経験を乏しく
してしまったからではないでしょうか。

 人間は、自分の病を感じ取るのと同様に…動植物をていねいに観
察〜栽培(家庭菜園)などしていると、成長過程や寿命、また好き
嫌いな環境がある事などが読み取れます。

 そのような日頃の経験値は、食の安心を自分で感じ取るための身
近な方法(遠回りではありますが)に通じますし、実際には、極力、
自然のままの食材を一度味わってみることをお勧めします。

 「甘い・辛い・酸っぱい・苦い・渋い…」(これらの味こそ、必
須栄養素やミネラル成分の素でもありますが)など、舌の味覚細胞
だけにとらわれず、食材ごとや部位ごとの味わいの違いを体験して
みると、「香料や甘味料、調味料などの使用品」と「本来の色調や
香りなどの食感」の違いが分かるのではないかと思います。

…と、こんな方法で味覚を肥やし、自分なりの「食の安全値」の判
断や感を養うのも楽しいものです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後は「重イオンビーム」についての感想です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 こんにちは、毎週楽しみに拝読しています

 品種改良のお話で重イオンを使った技術に触れられていましたが
品種改良の多くは放射能による突然変異だと聞いたことがあります。

 これとは少し違うのでしょうが、やはり遺伝子組み換えとどちら
が怖いのかと問われれば、同じようなものだという気がします

 冒頭の着色料とおなじく、食べる安全性と、種の多様性や保全の
話は切り離してきちんと扱っていくべきだと思います

 先日、環境美化のために菜の花を播いている人に会いましたが、
タネが高いので鳥の飼料を播いているといっていました。

 食用ではないナタネは遺伝子組み換えの選別をしているのでしょ
うか?食用の是非より、こうした話の方が深刻だと私は思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 鳥の飼料のタネで発芽するのでしょうか。何だか心許ないです。
それに「環境美化」というのと、「菜の花をまく」というのをそん
なに簡単に結びつけてはいけません。

 「遺伝子組み換え技術」についても、どうも基本的な情報に混乱
があるように思います。

 みなさん、どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.現在妊娠していて、6ヶ月に入ったところです。先日、祖母が
作った焼きそばを食べたのですが、食べ終わったあとに口の中がす
ごく苦いかんじがしました。

 不思議に思って原因を探ってみると、まな板に洗剤が付いていた
ことがわかりました。そのまま野菜を切って焼きそばを作ったよう
です。

 その洗剤というのは、台所の換気扇などを掃除するもので、成分
は、
  界面活性剤(1% アルキルアミンオキシド)
  泡調整剤
  アルカリ剤

 以上のものが入っており、液体はアルカリ性です。

 もう食べてしまったものはしかたありませんが、胎児に影響がな
いか心配でたまりません。よろしくお願いします。

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A.酸というものは酸っぱいものです。同様にアルカリというのは
苦いものですので、「苦い感じがした」というのなら、やはりその
洗剤が残っていたのでしょうね。

 というのは、食べ物はほとんどが酸性で、アルカリ性のものは本
当に少ないのです。アルカリの強い食べ物は「アク」があるとかい
って、だいたいが不人気です。また、体にもよくない物質が多いの
ですね。

 換気扇などの洗剤は、界面活性剤の力もありますが、固まった油
脂を分解するのに、アルカリの強いものが多いです。

 植物の作るアルカリ性の物質は毒性のあるものがありますが、単
純なアルカリ剤なら、中和すればどうということはないです。胃の
中は強い酸性ですので、胃が影響を受けることもないと思います。
たぶん口の中ですでに中和されている程度でしょう。

 界面活性剤もあまり多量に食べてはいけませんが、今回のような
場合は痕跡程度ですので、心配するほどではないです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「米国産牛肉」
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 馬鹿馬鹿しいので無視しようかとも思ったのですが、やはり話題
になっているニュースですので、とりあげます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省と農林水産省は23日、輸入された米国産牛肉に、B
SE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱
(せきちゅう)が混入していたと発表した。

 問題の牛肉は、伊藤忠商事が昨年8月、ナショナルビーフ社カリ
フォルニア工場から輸入。牛丼店を展開する吉野家が購入し、埼玉
県内の工場に保管していた。同社社員が今月21日夕、バラ肉とし
て買った700箱(約17トン)の中に骨付きの腰部の肉が1箱
(約27キロ)混じっているのを見つけた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080423-00000050-yom-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 吉野家の牛丼といえばバラ肉(ショートプレート)です。バラ肉
はお腹の方の肉ですから、背骨がついているはずはありません。だ
からショートプレートとして出荷した肉の箱の中に、他の部位が混
じっていたということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 4月22日、輸入業者から農林水産省及び厚生労働省に対して、昨
年8月に輸入し、食肉加工業者に転売した米国産牛肉700箱(シ
ョートプレート)に、米国農務省発行の衛生証明書に記載のないも
の(ショートロイン(骨付き))が1箱混載されていたとの連絡が
あり、また、同日、食肉加工業者からも、同様の内容について、加
工施設を所管する自治体に対し、連絡がなされたところです。

※ショートプレート:ばら肉、ショートロイン:腰部の肉

貨物の概要

出荷施設:ナショナルビーフ社カリフォルニア工場

(カリフォルニア州)

品目:冷凍ばら肉(ショートプレート)

輸入数量:700箱(約17トン)

輸入業者:伊藤忠商事株式会社(東京都港区)

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/080423.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どういう経緯で混入がおこったのかは調査中ということでわかり
ませんが、これで大騒ぎすることは不思議です。

 お約束の役人の対応は次のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本に輸出された米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の特定危
険部位に指定されている脊柱(せきちゅう)が混入した問題で、厚
生労働省は24日、米国産牛肉に対する検査体制を強化するよう検疫
所に指示した。

 米国産牛肉の輸入を再開した2006年7月以降、日本への出荷量が
累積で1000トンを超える工場から出荷された肉に対しては、「全く
何の問題もなかった」(舛添要一厚労相)ことから、厚労省は昨年
12月、これらの工場からの検査で抜き取り率を1〜2%に緩和してい
た。今後は10%に引き上げる。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080424-00000044-jij-pol
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また馬鹿なことをやって、税金の無駄遣いをしていると思います。
そう考える理由は、以下のとおりです。

(1)これは加工ミスではなく、出荷ミスです。

(2)10%の検査率を50%にあげても、稀におこる出荷ミスを
捕捉することはできません。(捕捉するには100%の検査が必要)

(3)輸入されてくるのは「原料となる肉の塊」です。そのまま市
販されるものではありません。市販する商品とするとき、必ず箱を
開け、中身を取り出します。そのときに違う肉が入っていて気付か
ない職人はいません。要するに何もしなくても、最終的には100
%チェックされるわけです。

 現に700箱の中に一つだけ混じっていた他の部位の肉を、吉野
家では簡単に見つけています。気付かないはずはないのです。それ
なのに何のために税金を使って検査する必要があるのでしょうか。

 細菌検査などの、特殊な技術を使う検査と、見ればわかる検査と
いうかチェックをわざと混同させて、役人が得意の仕事を増やす技
を使ったのだと思います。もちろん、マスコミ得意の不安を煽る技
との合わせ技です。結果は税金を無駄遣いされる国民の一人負けで
す。

 もちろん、出荷ミスを犯したメーカーには責任があります。この
分については返金や謝罪の報告書が必要にはなるでしょう。度重な
るようでしたら、ペナルティや取引の停止なども問題となってきま
す。でもこれは当たり前の話ですよね。

 牛肉といって羊肉を送ってきたとか、肉の中に鉛が仕込んであっ
たというのとは違い、悪質でもなんでもない単なるミスです。間違
って入っていた肉も、写真を見る限り普通の肉ですし、正しい出荷
先に届けられれば普通に食べられるものです。

 そもそもアメリカ産牛肉をBSE問題で心配することに何の意味
もない、という単純な事実があるわけですが。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

死亡数 (人口10万人あたりの年間の死亡数)

飢餓(世界全体)       1460
喫煙(喫煙者)        265
がん             250
肥満             140
心臓病・血管関係の病気    127
アルコール飲料        117
自殺              24
発ガン物質(職業上)      17
交通事故            9
窒息              6.9
転倒・転落           5.1
地震(阪神淡路大震災)     5
ディーゼル微粒子        2.8
入浴              2.6
火事              1.7
他殺              0.52
ダイオキシンなどの有害物質   0.3
コーヒー            0.2
自然災害            0.1
HIV/エイズ           0.04
航空機事故           0.013
食中毒             0.004
残留農薬            0.002
落雷              0.002
一酸化炭素中毒(パロマ関連)  0.0008
サプリメント・痩せ薬      0.0008
食品添加物           0.0002
原子力関係の事故        0.00008
BSE             0.0000001

http://www.yasuienv.net/RiskSortedbyDeath.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 2006年の記事ですから、今ではもっと低い評価かもしれません。
BSEの死亡者数は「1000年に1名」で計算しているのだそうです。
この数字にどんな根拠があるのかはよくわかりませんが、とにかく
計算するのも困難なほど低いということです。そしてそれを上回る
リスクは世の中に万ではきかないほどあります。

 そして日本の牛肉に比べてアメリカ産が危険であるという根拠は
どこにもありません。国際的な評価では日本の方が低いのはかねて
お知らせしているとおりです。

 と、いつものような話になるので、何だかなあ、と改めて思いま
す。わが国のマスコミには学習能力はないのか、などと思ってしま
いますが、変な対応をするのはマスコミだけではないようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今月上旬から米国産牛肉の扱いを全店に広げたばかりのダイエー
やマルエツは同工場から調達した商品を撤去。マルエツでは「商品
には自信をもっているが、お客さまの不安を考慮した」と話す。

 大手スーパーのユニーはすべての米国産牛肉の販売を中止した。
一部商品をナショナルビーフ社から仕入れていたが、問題の牛肉を
出荷した工場とは別で、独自の安全管理体制も取っていた。しかし、
約150店舗で開店前に全商品を撤去した。

 肉売り場でも告知しており、「自分たちが考える以上にお客さま
は食の安全に対してデリケート。最大限の配慮をしたい」としてい
る。

 一方、同工場から納入された牛肉を関西などの60店舗で販売し
ていた西友は「厳格な検査で安全性は確保している」として、販売
を継続している。問い合わせたなどには対応するが、店頭告知など
はしない方針という。

 イトーヨーカ堂では同日朝から生産履歴などをチェックし、ナシ
ョナルビーフ社からの調達はないことを確認した。米国産の販売は
続けているが、「消費者の反応を見極めたい」と不安を示す。イオ
ンは依然、米国産の販売再開自体を見送っている。

 政府も同日から検疫検査を急遽(きゅうきょ)、強化した。厚生
労働省による輸入牛肉の検疫での抽出率を従来の約1%から約10
%に当面引き上げる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080425-00000000-fsi-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 流通業界がこんなことでは「風評被害」はいくらでも発生してし
まいます。日本の消費者はそこまで馬鹿ではないと思うのですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 いつも思うのですが、実際に被害者が出た中国産冷凍食品の輸入
禁止についてはいろいろと異論が出るのに、単なる風評被害である
アメリカ産牛肉について、ほとんど異論が出ずに、怖いもののよう
に言われているのはどうしてなのでしょうか?

 先の大戦でアメリカに負けたことをいまだに根に持っているせい
だ、という意見がありますが、はたしてどうなのでしょうか。

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