安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>434号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------434号--2008.03.02------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「電子レンジ・水道水・起源原料・カレー・
プラスチック容器(Q&A)」「生協と中国産食品」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回紹介したメールの送り主から、こんなメールをいただきまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先日送ったメールを取り上げていただいてありがとうございまし
た。

 とんかつの件について、生協さんの検査で検出された値が餃子と
違い非常に微量であり、生協さんの検査の段階で混入するようなこ
とはなかったのかしら?と思ったりしました。

 あと、市場に出ているため、横浜市の判断は妥当であるとのこと
でしたが、市場に出ていないのであればこの商品はどう取り扱うべ
きだったのでしょうか?

 社内検査で行ったものと同じ結果が厚生労働省の登録機関でも検
出されたので、危険という判断になるんですよね?

 食品の回収の記事がこの残留農薬の件だけでなく非常に多くなり、
ほんとに回収しないといけないのかな?みたいに考えてしまいます。

 「基準を満たしていない」と「危険である」という間にあるよう
なものってないのかなと思います。

 安全なものを作ることはほんとに難しいですね。農産物をどう管
理すればいいのか中国だけでなく、国産の農産物に関してもこれか
らの大きな課題ですね。

 来週は新たに危険なものが出てこないように祈るばかりです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「「基準を満たしていない」と「危険である」という間」という
のは私も同感です。発表し、反省材料とするが回収はしない、とい
う対応もあってよいと思います。ただし、これが実現する可能性は
今のところあまりありません。

 何よりもそれを国民に伝えるマスコミが変わらないと、今のよう
な考える力のないような報道の仕方では無理というものです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.電子レンジで加熱した食材は、体に危険があるとの記事を読ん
だことがありますが、本当なんでしょうか?気になって電子レンジ
を使用しなくなりましたが、とても不便な思いをしています。

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A.私も電子レンジなんかはあまり使わない方だと思いますが、さ
すがに今となってはないと不便ですよね。

 電子レンジは電波(マイクロ波)によって、食品中の水分を加熱
して調理します。ビタミンなどの損失は通常の調理よりも少なくな
ることは知られています。

 世の中には何でも「危険だ」といいたがる人がいます。何か新し
いものには特にそういう声が聞こえてくるのですが、今まで何か被
害があったかどうかで判断してよいと思います。

 被害もないのに、「体に危険がある」というのはおかしいと思い
ませんか?

 電子レンジの普及から、もう充分時間が経過しています。電子レ
ンジの普及によって、増えた病気とか、健康被害の例を出してこな
い限り、いくら言っている当人は真剣でも、単なる妄想です。相手
にする必要はありません。

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Q.水道水について教えて下さい。WHOでは、トリハロメタンの
基準値を0・03ppm以下、ドイツなどは0・025ppm以下
にしているそうですが、それに比べて、我が国は「0・1mg/リッ
トル以下」と、基準がWHOよりも緩くなっています。なぜ、日本
はWHOの数値を採用しないのかわかりませんが、こういうところ
に安全性への不安が生じます。この点はいかがお考えですか。

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A.トリハロメタンの基準値については、こんな情報があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

WHOのガイドライン値

クロロホルム - 0.2 mg/L

日本

 厚生労働省が省令で定めた浄水における水質基準のうち、トリハ
ロメタンに関する項目を以下に掲載する。(2006年7月時点)

クロロホルム - 0.06 mg/L
ジブロモクロロメタン - 0.1 mg/L
ブロモジクロロメタン - 0.03 mg/L
ブロモホルム - 0.09 mg/L
総トリハロメタン - 0.1 mg/L

日本の基準は、WHOの基準よりも厳しいものとなっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/
%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「トリハロメタン」というのは、ここに書かれている4つの物質
の総称です。「トリ」は3という意味で、「ハロ」はハロゲン元素、
具体的には塩素と臭素です。メタンにそれぞれ塩素3、塩素2臭素
1、塩素1臭素2、臭素3が化合したものがあるわけです。

 このうち、毒性が最も強いのはクロロホルムです。

 また、「水質基準の国際比較」というページもあり、以下のよう
に記述されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

        WHOガイド  USEPA    EU指令  日本
        ライン値   飲料水基準     水質基準等
ブロモホルム     0.1               0.09(健康)
ジブロモクロロメタン 0.1               0.1(健康)
ブロモジクロロメタン 0.06               0.03(健康)
クロロホルム     0.2               0.06(健康)
総トリハロメタン   ※   0.08     0.1   0.1(健康)

(※各物質とガイドライン値との比の和が1を超えない)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1108-5g.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 前者はWikipediaですが、後者は厚生労働省の公式ページです。

 だから、ご質問の前提の数値がどうも違っていて、別に日本の基
準が甘いということではなさそうです。

 ご質問のような数値を書いているページはたくさんありますが、
全部浄水器などの販売を目的としたサイトで、根拠を示していませ
ん。

 信用するに足りない、と思います。

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Q.大変基本的なことで申し訳ありませんが、起源原料とは、どう
いう意味なのか、定義なのか教えて頂けたらと思います。起源原料
を日本で加工、抽出したら、原産国は日本という意味も出来たらお
願いします。

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A.定義はどうもよく分からないのですが、こんな使い方をする言
葉のようですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ワサビパウダーNLK

<成分>

カラシ抽出物(起源原料:カラシ)
シクロデキストリン(起源原料:馬鈴薯)

<食品への表示例>

◇カラシ抽出物  ◇香辛料

<特長>

天然系由来

http://www.kiriya-chem.co.jp/wasabi.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは食品添加物のメーカーのページです。日本のメーカーです
から、国内で製造しているとすると、「起源原料」がどこの国から
来たものであっても、国産品の扱いになる、ということなのでしょ
う。

 確かに、食品製造時に使用するすべての原料について、その起源
にまで遡って表示するというのは無理があります。カレーなんかだ
とすごい表示になりそうです。

 浮世離れしたマスコミ知識人は何でも表示すればよいとよく言い
ますが、現実的にはどこか妥当なところで線を引かないとやってい
られません。

 こんなところで回答になっていますでしょうか。

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Q.カレーやシチューを2週間くらい冷蔵庫に保存し、普段は堅く
なっているルウが、一時やわらかくなり、その後にカビが生えると
いう経験を何度がしています。細菌、胞子、ウィルス、何かしらの
微生物の作用なのでしょうか?

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A.カビが生えてくるのは原因ではなく、結果でしょうね。

 ルウが冷えると固まりますが、このとき水分を抱えたままで固ま
っています。

 時間がたつと水分が分離してきて、やわらかくなったように見え
るのだと思います。

 水分が分離した状態になると、カビが生えてくるのは自然なこと
です。それ以前は利用できる水分がないので、カビは生えられませ
ん。カビが生えるのはもちろんカビの胞子が空気中にあるからです。

 最近は一般にカビよりもたくさん水分を必要とします。だからカ
ビより先に繁殖することはありません。ウィルスは自力では繁殖で
きませんので、生きた細胞のない食品で繁殖することはありません。

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Q.在妊娠8ヶ月なのですが、先日弁当屋でマーボーナス丼を買っ
て食べたら容器に近い部分がプラスチックの溶けたような味がして
はじめ気つかず食べてしまいました。お腹がすいてて真ん中だけは
食べてしまったのですが溶け出た部分を食べてしまったことが胎児
に影響ないか心配です。大丈夫でしょうか。パッケージの裏にはプ
ラマークだけ書いてありました。 

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A.食品の容器となるプラスチックは、一定の検査基準があって、
有害な物質が出てこないことようなものを使うようになっています。

 プラスチック自身は毒性はないと言えますので、重金属とか、有
害な有機物を含まないかを見ています。

 プラスチックというのは高分子といって、巨大な分子を作ってい
る有機物です。生物の側から見て、端にも棒にもかからないという
やつで、とても消化できる代物ではありません。

 ゴミで埋め立てたりしたとき、いつまでも残って困るということ
が言われますが、あれもプラスチックを消化できる微生物がいない
ためです。

 あらゆる微生物が消化できないものですから、人間が食べてもそ
のまま出てくるだけです。問題はないと考えられます。ただし、食
品用でないプラスチックは、上記の検査を受けていないので、注意
が必要です。食品用と非食品用は厳密に区分するようにしてくださ
い。

 弁当屋さんでは当然食品用を使っていると思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「生協と中国産食品」
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 ブログにこんな記事を書きました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国産ギョーザ食中毒事件に関連して、不思議だったのが生協側
から「チャイナ・フリー」の話が出てこなかったことです。

 しかし、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

中国製ギョーザ中毒:中国製食品、販売中止へ 県内生協が相次ぎ
/新潟

 中国製ギョーザなどから有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検
出された問題を受け、該当製品を扱っていた県総合生協(新潟市)
は2月29日、組合員への宅配事業で3月31日以降、中国製食品
の取り扱いを中止することを決めた。殺虫剤を検出した冷凍かつを
扱った市民生協にいがた(同)も同24日以降、同様の措置をとる
方針。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080301-00000074-mailo-l15
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう意志決定に今までかかったのかと思いますし、他の生協
はどうなっているのか、とも思います。

 今までの生協の対応からすると、真っ先にこういうニュースが流
れてきてもよさそうなものだからです。

 先日も少し書きましたが、BSE問題でアメリカ産牛肉の輸入禁
止を主張したり、ほとんど意味がないと思われる「遺伝子組み換え
作物フリー」を訴えたり、何が悪いのかわからない「環境ホルモン
対策」などを言っているところが、実害のあった「チャイナ・フリ
ー」を主張しないのは筋が通りません。

 一部の生協では、中国製の扱いはない、というところもあるでし
ょうが、そうであればもっと宣伝してもよさそうなものです。

 それとも、マスコミが報道しないだけなのでしょうか。少し調べ
てみたい気もします。

http://www.kenji.ne.jp/blog/index.php?itemid=323
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、少し調べてみました。まず、事件の本家である日
本生協連から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本生協連のコープ商品による中毒事故という事態を発生させ、
多くの消費者、生協組合員のみなさまにご迷惑とご心配をおかけし
ておりますことを、深くお詫び申し上げます。現在、被害の拡大防
止のための対策を最優先し、商品回収を全力で進めております。ま
た、健康上のお申し出をいただいた該当商品の緊急農薬検査を、弊
会の商品検査センターで行っております。

 さて、弊会ホームページ「中国関連のコープ商品について調査を
進めています(第8報 2月8日)」でご案内のとおり、今回の中毒
事故を受けて緊急調査を進め、商品の安全性を確認していきます。
この緊急調査は、(1)中国関連商品265品の農薬検査、(2)原料産地
状況確認調査、(3)中国60工場緊急点検、(4)次回生産時立会い等
を総合的に実施するものです。

 その一環として、中国の旧正月明けとなる2月中旬から下旬にか
けて、会員生協代表と弊会担当者による緊急工場点検を実施します。
対象は、日本生協連のコープ商品のうち、中国で製造と最終包装が
行われている145品目を製造している、60工場です。現地で、薬剤
管理に関する使用実態なども含め調査確認を進めます。

http://jccu.coop/info/announcement/2008/02/6019213.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 中国産食品を扱わないという選択肢については考えていないよう
ですね。他の生協の情報もこんなところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1.輸入原料、輸入加工食品についての考え方

 日本の食料自給率は40%と低く、多くの食料を海外に依存しなけ
れば、国民の食生活は成り立たない状況にあります。パルシステム
は、国内の食料生産資源を優先活用することで、食料自給率を向上
させ、その上で国産・輸入・備蓄の適正なバランスを取るべきだと
考えています。このためパルシステムでは可能な限り国産品、国産
原料を使用しています。しかし、国産原料の不足、調達コストの大
幅な違いなどにより、特に加工食品などでは中国産原料や中国製造
のものも少なくありません。

 また、取り扱いにあたっては、ただ単に調達コストの低減だけを
追求するのではなく、現地の人々のくらしや、環境に配慮した生産
や流通関係を築いていくことが必要と考えており、上記の安全性に
加え、現地の環境への配慮、働いている方の労働条件や労働環境へ
の配慮なども考慮しています。

 現在、中国産原料や製品の安全性等に対する各種の報道が続いて
います。基本的には、国産・中国産を問わず、厳密な管理のもと、
取り扱っていくことが大切であると考えていますが、中国産原料・
製品に対す不安が大きいため、再度調査を実施いたします。

http://www.pal-system.co.jp/topics/2007/070801/index.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 生活クラブの消費材は本来、国産の原材料を原則としていますが、
国内での生産が難しいもの、また公平な取引によって輸入できるも
のに限り、外国産原材料にも取り組んでいます。生活クラブの消費
材登録をしている全加工食品・青果物のうち、中国産原材料を含む
消費材(製品配合比10%以上および配合比不明のもの)は64品目。
外国産原材料全体を見ても、製品配合比50%以上の消費材は189品
目しかありません。

http://www.seikatsuclub.coop/coop/news/20070803.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 グリーンコープはこれまでどおり、供給する商品の全ての「食の
安全と安心(信頼、信用)」を出来ることを精一杯に維持・継続・
向上させます。そして今、私たちの前に重大で解決すべき事実とし
て顕在化している「中国産の安全性」の問題については「国産化」
を含め出来ることを精一杯に行います。その様子は、その進捗に応
じてお知らせしていきます。

http://www.greencoop.or.jp/release/news/365.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どこもだいたい似たようなところで、やはり「チャイナ・フリー」
というような言葉が出てくることはないです。

 生協こそ、こういう問題には敏感であってほしいと思います。他
の問題では敏感すぎるほど敏感なのに、どうして中国産食品の問題
ではそうではないのか?というと、次の二つのことが考えられます。

(1)現実的には中国製から他のメーカーに振り替えるのが難しい。

(2)感情的に中国に対して親近感を持っている。

 さて、実際のところはどうなのか、現在の担当者の意見を聞いて
みたいものです。新潟の動きが全国に広まっていくのかどうかも気
になりますね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 昔は生協関係者はよく広州交易会に参加していたものです。まだ
交通が不便なころで、香港から入国するのだとかいう話でした。

 私も行きたかったのですが、何しろまだ新米だし、小さな組織に
いましたので、結局縁がありませんでした。その後生協をやめてか
ら働いた仕事の関係で中国に何度も行き、中国大好きになった話は
あちこちに書いています。そんな私が言うのは気が引けるのですが、
何故生協は中国産食品の輸入に反対ではないのか?という素朴な疑
問に答えるべきだと思うのです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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