安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>430号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------430号--2008.02.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「抗生物質・魚肉ソーセージ・中国産食品
(Q&A)」「中国産ギョーザ食中毒事件」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 中国産ギョーザ食中毒事件で騒がしいですが、その話は下の方に
書きます。

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 毎週、メルマガ楽しみにしております。

 さて、私はカニ加工会社に勤務しておりますが、御客様から「カ
ニの原材料名に、食塩、の表示はいらないの?」との問い合わせが
ありました。

 塩は海水に含まれているので味付け目的で入れなければ表示不要
と考えています。この場合、ブライン凍結(濃食塩水)の場合でも表
示不要なのか?との問い合わせがあり苦慮しております。

 ブライン凍結の場合の冷凍ゆでがに、冷凍生がにの剥き身の原材
料表示に食塩が必要かどうか見解をお聞かせ願えないでしょうか?

 またブライン凍結ではないが塩茹でした場合はどうでしょうか?
業界では冷凍ゆでがに、生ガニでも原材料名(カニ、食塩)との表示
は見受けられません。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そういえば塩ゆでしたものに「食塩」の表示がないのはおかしい
ですね。このあたりの表示については案外あいまいなようです。正
式なことはしかるべきところに問い合わせていただくしかありませ
ん。

 ところで、原材料表示に出てこないものの代表に、「水」という
のがあります。ヨーロッパでは「水」も表示するのが常識なので、
日本で「水」を表示しないのはおかしい、と言われているそうです。

 このあたり、水に恵まれた日本人の感性をあらわしていると思い
ます。吹田市にあるビール工場が上水道の最大の得意先であるとい
う有名な話があります。要するに日本ではビールも水道水から作ら
れているわけです。

 これに目をつけて、「天然水」ということをうたったビールがあ
ります。真に受けている人も多いのですが、実は「天然水」=井戸
水です。タネをあかせば何ということはなくて、井戸水で作ってい
るのです。

 食塩がときどき表示に漏れるのも、似たようなことだと思います。

 ブライン凍結というのは、凍結時に液体につけて凍結するのです
ね。真水作った氷ではなかなか温度が下がりませんので、塩水を使
うと聞きました。これで凍らせると、塩漬け状態になるのでしょう
か。

 現在、「水」の表示もするべきではないか、という検討がされて
いるようです。それと同じ意味で、「食塩」の表示もする方がよい
と思います。ただ、現状は黙認状態ですので、それこそお上のさじ
加減ということになります。とにかく、そちらの方で相談されるこ
とをおすすめします。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 コーデックスの規格においては、原材料として水を表示すべきと
の規定があるが、我が国の加工食品品質表示基準には水の表示につ
いての規定がないことから、ミネラルウオーター等を除き一般的に
は原材料として水の表示は行われていないのが現状である。

 水はなくてはならない原材料であるから表示が必要という意見も
ある。一方で、水の表示が消費者の選択にどれほど役に立つのかと
いう意見等もあり、水の表示に関しては賛否両論の意見がある。

 基本的に、国際基準があるのであれば、合理的な理由がない限り、
表示することが望ましいものの、上記のような状況から、水の表示
に関しては、今後の社会情勢を踏まえつつ、諸外国の表示実態や水
を原材料表示することに意味があるか、また、水の表示を実行する
上での問題点等を更に検討した上で整理することが必要ではないか。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0929-7c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.抗生物質にも色々な種類があるとおもいますが、寿命はどれぐ
らいなのでしょうか。やはり空気中では酸化してしまい効果かなく
なってしまうものでしょうか。クロラムフェニコールなどは副作用
もあるとのことですが、副作用もおこらなくなるのでしょうか。

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A.まず、基本的に抗生物質も有機物ですから、いつまでもそのま
まの状態でいることはないです。有効期限はあるというのが常識で
す。

 様々な種類の抗生物質には、それぞれの有効期限があります。表
示が義務づけられているそうなので、調べればわかると思います。

 以下は「バイオテロ」対策のページなんですが、抗生物質にも言
及しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

抗生物質は買い置きしていたほうがよいでしょうか?

 ● 炭疽菌のほかにも何種類も生物兵器として使われる可能性の
あるものがあり、すべてに有効な抗生物質はない。

 ● 抗生物質には有効期限がある。

 ● 副作用が人によって起こることもあり、必要なく飲むことは
薦められない。

 ● 必要なく飲んでいると、炭疽菌以外の一般の細菌の薬剤耐性
を誘発し、本当に必要な時に効かなくなる。

http://www.miami.us.emb-japan.go.jp/biotero.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「副作用」というのは「主作用」に対する言葉ですから、有効期
限が過ぎて、薬品としての主作用がなくなった時点で副作用はなく
なります。

 ただし、全く無害になるという意味ではありませんので、有効期
限が過ぎた抗生物質は服用してはいけません。(有効期限内のもの
はなおさら勝手に服用してはいけません。)

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Q.魚肉ソーセージの栄養を教えてください。妊婦にとっては良い
ものですか。

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A.魚肉ソーセージと言ってもいろいろなものがあるので、一概に
は言えません。昔はかなりひどいものがあって、「魚肉」と言いな
がら主成分は魚肉ではなかったりしたものです。

 現在、「魚肉ソーセージ」として売られているものは、それほど
ひどいことはないと思います。魚肉だけで作ったソーセージであれ
ば、かまぼこと似たような栄養成分になります。

 主成分は魚由来のタンパク質、食塩がかなり含まれているという
ところでしょうか。あとは原材料表示や栄養表示を見て判断してく
ださい。

 妊娠中に悪いものではないのでしょうが、やはり加工食品をおす
すめするのは気が引けます。

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Q.魚の骨を抜く加工を中国でやっていますよね。あれは、何か危
険な薬をかけられることはないのですか。安心して食べていいので
しょうか

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A.以前、テレビでやっていました。あれは全くの手作業なんです
よね。

 そういう意味で基本的に心配があるということではないです。た
だし、ギョーザの事件でもわかるように、どんな間違いで事故が起
こるかわからないということでもあります。

 また、時代の移り変わりとともに、中国でも人件費は上がってき
ているでしょうから、何か簡便な方法が考案されたりすることも可
能性としてはあります。

 加工度の高い食品は必ずそれなりのリスクがある、という認識で
間違いはないと思います。

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Q.初めまして。今、テレビ等で報道されている中国製餃子につい
て教えてください。生協の共同購入で買い、先日食べてしまいまし
た。私自身、特に不調は感じていませんが、実は5ヶ月の子に授乳
中なので、子供への影響がとても心配です。母乳への影響等、教え
てください。

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A.今回の事件は、一過性の事故である可能性が高いと思います。

 販売量と被害の様子から見て、危険があったのは一部の製品だと
みなしてよいです。

 毒物は一度に大量に摂取する急性の被害と、少量を少しずつ摂取
する慢性の被害があります。

 現在まで何もないのですから、急性の被害は免れたわけです。ま
た、その食品を食べ続けているわけではありませんから、慢性の毒
性を心配する必要はありません。

 急性毒性の現れない量を、一度摂取したからといって、慢性毒性
を心配する必要はないということです。

 ファンタジーや武侠小説の世界では、数年後に死ぬ、などという
毒薬がよく登場しますが、現実にはそんなものは存在しません。あ
くまでお話の中のものです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「中国産ギョーザ食中毒事件」
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 このところ大問題になっていますので、ニュースそのものは省略
します。

 さて、この事件は本当のところどういうことなのか?という推理
です。

 まず、非常に大量に輸入されたものですが、被害の状況からみて、
実際に害があったものはごく一部だろうと推測されます。

 その一部によってもたらされた被害が全国的に分散していること
から考えると、日本に入ってから毒物が混入または意図的に入れら
れたという可能性はありません。

 また、毒物は昨年まで農薬として使用されていたものですが、食
べてすぐに被害が出たということはかなりの濃度であったというこ
とで、野菜の残留農薬である可能性もないと思います。

 この薬品を工場で使用することはあったようですので、工場内で
の混入事故だろうというのが私の推測です。

 混入事故自体は珍しくはないのですが、こんな毒性の強いものが
混入するというのはなかなかないです。中国の国営企業の衛生管理
のずさんさがうかがわれると思います。

 今回の事件は、中国産食品の持っている潜在的なリスクが表面化
したものだというのが私の理解です。正直言って儲けのために入れ
られたものではないということでほっとしているくらいです。

 重量をごまかすために魚の腹に鉛を入れたり、タンパク質含有量
をごまかすために小麦グルテンにメラミンを入れたり、食塩の代り
により安い亜硝酸塩を売ったり…、というのは儲けのためには人が
死のうと関係ないという非常に悪質な問題です。

 実は中国産食品の事故というと、こういう悪質なものを予想して
いました。日本でこういう行為の犠牲が出る可能性はあると思って
いたのです。

 もちろん、今後のことはわかりませんが、今回の事件はそうでは
ありません。ギョウザに農薬を入れても、工場は損害を受けること
はあっても、利益を得ることはないからです。

 毎日新聞の記者からも質問を受けたのですが、この事件で中国産
食品を排除する動きについて、どう考えるかということについて書
きます。

 一人として実害を受けていない赤福や不二家の問題であれほど騒
いだのですから、今度の事件で大騒ぎするのは当然といえば当然で
す。流通の現場の判断では、中国産食品を売り場から撤去したくな
るのは間違いありません。

 マスコミがそういう動きをやりすぎであると批判するのなら、そ
の前に赤福に詫びを入れないといけないでしょうね。残念ながら、
そういうダブルスタンダードを持っている人がマスコミにはまだま
だたくさんいるようです。

 そうは言っても、国家レベルで中国産食品を輸入禁止にするとい
うのは私もやりすぎと思います。こういうことは戦争も辞さない覚
悟のときしかやってはいけないことだからです。隣国と仲良くする
のは当然のことです。

 とか思っていたら、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 民主党の菅直人代表代行は2日の民放テレビ番組で、中国製毒ギ
ョーザ事件について「(私が厚生労働相なら)事実関係がはっきり
するまで、自主的か強制かは別として、輸入禁止をするなり、販売
を止める。衛生上の問題があれば改善が終わるまでは輸入できない
ようにする」と述べた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080202/stt0802021753001-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アホな思いつきと無責任が身上の民主党ですが、やはり政治家と
してこういうことを言ってはいけません。これで人気をとれると思
っているのならどうかしています。

 ただ、「自主的か強制かは別として」というのは微妙な表現で、
食品業界が自主的に中国離れをする、という意味なら私も賛成なの
です。

 管氏の発言では「禁止する」ということと「自主的」ということ
が言葉の意味として矛盾しています。しかし「自主的に扱いをやめ
る」というのは禁止とは違います。やりたい人はやればよいのです。

 今、中国は非常に難しいところにいます。政府はかなり困ってい
て、真剣に対応しようという意識は見て取れます。ただ、腐敗の毒
はすでに全身にまわっていますので、国家としては全く機能してい
ない状況です。

 現に現地の河北省政府や国営企業側は責任回避と論旨のすり替え
に終始しています。国内の「謝罪会見」では意地悪な質問を連発す
るマスコミも、中国ではおとなしいものです。

 中国産食品の危険性で、一番被害を受けているのは中国人自身で
す。ただ、中国の国内では、どんなに悲惨な被害を出しても、カネ
と権力が結びついている限り、人々はそれに対して反撃することが
できません。

 裁判の結果も、カネと権力に左右されるのです。ましてや国家を
相手に堂々と訴訟できるような国ではありません。

 この状況を打開するためにも、食品業界は中国から手を引くべき
ではないか、というのが私の意見です。もともと、食品業界が中国
に進出したのは、利益の追求のためです。それを悪いとは言いませ
んが、もう充分儲けたでしょうし、こんなリスクがあることがわか
ったのです。少々の目先の利益がなくなっても、考え直す余地は大
いにあると思います。

 中国人の本当の幸福のために、あえて今は中国からの食品輸入か
ら手を引くべきだと考えてみたいものです。進出企業も、中国国内
で販売するもの以外は撤退してはどうでしょうか。

 中国産食品が入ってこなくなれば、食品の価格が上がって困る、
などという話も新聞では出てきますが、私はそれほどのことが起こ
るとは思いません。また、安全性の論議でそんなことを言い出すの
も変な話です。

 中国国内の現状については、京都生協のサイトにあったのですが、
以下のページの報告が詳しいです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

第1回『ほんとはどうなの?!輸入食品の安全性』
http://www.kyoto.coop/syoku/t_taisetsu.html

2007年9月29日土曜日に開催した連続講座の報告内容を記載しまし
た。

報告1:「残留農薬から見た中国の食品安全管理体制」

(株)アジア食品安全研究センター 青島中検誠誉食品検測有限公
司/佐藤 元昭氏
http://www.kyoto.coop/syoku/t_img/20070929_f1.pdf

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 事実関係については私もだいたいこんなところだろうと思います。
ただし、佐藤氏の報告の中で、こんな記述は非常に気になりました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 また、農民はひじょうに貧しいため都市部へ働きに出たいのです
が、上海や北京などの商業地帯あるいは工業地帯では産業がまだ育
っておらず収容能力がありません。都市へ人が大勢流れるといろい
ろな問題がおこります。そこで中国は人民一人ひとりが持つ身分証
明書を地元の自治体、政府がおさえることで人の移動を抑制し、混
乱が起こらないようにしています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 政府による露骨な人民差別を肯定しているのですね。私は未だに
近代文明の恩恵に浴さない生活をしている数億の中国人民に同情す
るもので、こんな見方はとてもできません。

 また、最後にはこんなことも書いてあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 先進国の良い面をどんどん取り入れ、中国は共産党の1党独裁の
もとで強制的に実施しています。中国の食品は怖い、危ないといっ
ていたら、数年後には、国の恥をさらさないように自国の農産物が
外国に売れるように必死に頑張る中国に抜かれていますよ。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは共産党賛美です。現実にはこれと反対のことが起こってい
るわけですから、どういう色眼鏡をかけたら、中国共産党を賛美で
きるのか、聞いてみたいものです。

 まとめてみますと、私の意見は次のようなものです。

(1)今回の事件は(多分偶発的な)事故によるものである。

(2)中国産食品のリスクの大きさが表面化したものと考える。

(3)食品業界が中国から撤退する方向になるのはやむを得ないし、
支持する。

(4)事件そのものは個別の問題であるが、現状では中国産食品を
擁護できる材料は何もない。国全体として信頼回復を実現できるこ
とを期待するが、しばらくは静観するしかない。

 さて、今回の事件では、被害を出したのが生協の商品であったと
いうことがあります。ミートホープ事件でも生協が扱っていて話題
になりました。

 それについて、やはり毎日新聞の記者から質問を受けたのですが、
この話は次回に譲ります。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 春休みに中国旅行を目論んでいたのですが、今回の事件で雲行き
が悪くなりました。危ないからダメ、と言われると反論できないの
がつらいです。

 新聞の取材の話はブログの方に書きました。次回のネタバレにな
りますが、興味のある方はごらんください。

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