安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>43号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------43号--2000.08.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     「木酢液」
     「Q&A」
     「パスタ」
     「合成着色料」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 先週の記事で、「木酢液」について、メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今週の木酢液についての記述はショックでした.体にいいものと
何となく信じて,子供(幼児)のしっしんなどにぬっていました。
洗面器の水に数滴たらした程度なので,それほどの量ではありませ
んが、農薬のほうがマシと聞いてはさすがに不安です。人体に使う
ことでどのような害があるのでしょうか?

 また,竹酢液についても同様なのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、Q&Aと同じように、返信しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 木酢液というのは、木炭を焼くときにできる副生物です。木炭と
いうのは、木を蒸し焼きにして、炭化させるわけですが、煙として
出てくる中に、いろんな成分が含まれています。強い酸性を示し、
殺菌力も強いものです。また、強烈な臭いを持っていて、虫などの
忌避剤としても使われています。

 成分については、私は詳しいことは知らないのですが、恐らく誰
も知らないと思います。原料や製造時の環境によって、同じものは
できませんので、厳密にいえば、分析は不可能、ということになり
ます。

 竹酢液というのも、竹炭をつくるときのものでしょうから、基本
的に同じと思います。

 ただ、その効果からして、かなり毒性の強いものであることは想
像できます。食用にしない場面、たとえば、キャンプ地のテントの
まわりに撒いておく、などという使い方をするのには問題はないと
思いますが、農薬のように使用するのは危険です。

 市販されている木酢液は、自然のままでは危険すぎるので、ある
程度精製しているという話です。要するに有害成分を取り除いてい
るらしいのですが、もともとの成分が不明のため、成果のほどは疑
わしいと思います。

 害についてはわかりません。食用でも、薬品でもありませんので、
だれも安全性の実験はしていないと思います。

 安全であるという保証はない、ということだけは間違いないです。

 ついでに言いますと、安全性の保証、というのは、実はほとんど
のものにないのです。「食生活は生存をかけた冒険である」とどこ
かで書いている人がいましたが、全くそのとおりです。

 まあ、今まで伝統的に食べてきたものは、それほど危険ではない
だろう、と推測はできます。だから、遺伝子組み換え作物などの安
全性は気になるところなのです。

 ところが、今はやりの「海洋深層水」なんかだと、新奇なものな
のに、安全性の確認はほとんどされていないと思います。このへん
の「ダブルスタンダード」(=二重基準。世の中を先験的に敵と味
方に分けるという考え方をする人が、敵側に厳しい判断基準を用い、
味方側には甘い判断基準を用いること。)にも問題があるようです。

 ご質問の背景にあったのは、

農薬=身体に悪い
木酢液=農薬ではない(農薬の代替品として勧める人がいる)
故に 木酢液=身体に良い

という3段論法なのでしょうが、この論理の欠陥はつぎのところに
あります。

(前提1)世の中の物すべてが身体に良いもの(A)と悪いもの
(B)に分けられるとします。

(前提2)農薬が身体に悪いということが正しいとします。

(前提3)農薬は(B)に属します。
(問)それでは農薬以外のものは(A)に属するでしょうか?

(答)農薬以外のものは(A)(B)いずれの可能性もあります。

ということで、私はつぎのように推論したわけです。

農薬=身体に良いものではないが、安全性の審査は受けて、合格し
ている。
木酢液=効果の確認の話は聞いても、安全性の審査を受けた形跡は
ない。
故に 木酢液=農薬以上に危険である。

(理由)安全性の審査をうけているかどうかを基準にして判断して
います。

 このようなものを幼児の身体に塗る、というのは私の想像を越え
ています。ちょっと返答に困りますので、お医者さんに相談してみ
てはいかがですか?

 その木酢液の現物を持って行かれたら良いでしょう。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

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--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.水で洗い流すだけで食べられるタイプの麺類があります。どう
して のびたりしないのでしょうか?個人的には あれだけ腐りや
すいはずの物を火も通さず食する気にはなれません。

 コンビニで見かける冷やし中華やざるそばなどについても鮮度と
食感を(それなりに)保てる理由を知りたいです。

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A.麺類というのはその状態で、「生麺」「茹で麺」「乾麺」と分
類されます。

 生麺は一度も加熱していない状態ですから、このままでは食べら
れません。

 茹で麺は、一度ゆであげた麺で、これはそのまま食べられます。
(冷凍麺も実はこの一種で、ゆであげた直後に冷凍したものです。)

 乾麺は一度ゆでた麺を乾燥させたものです。(インスタント麺も
この一種で、乾燥のさせ方が違うので、食べる時に素早く水分を吸
収するようになっています。)

 で、ご質問の麺は上記の「茹で麺」です。普通に売られている麺
は、この茹で麺で、実はそのままで食べられるものです。

 家で茹で麺を食べるときは、もう一度茹でますが、あれは温めて
いるだけです。従って、ちょっと気持ち悪いですが、冷たいまま食
べるときは、水で洗い流すだけでも、食べることはできます。

(茹で麺を再加熱するのは,麺の品質を劣化させることでもありま
すので、あまり加熱するのはよくないのです。うどん屋さんでも、
生麺を使用しているところは、結構長時間茹でていますが、茹で麺
のところでは、さっとお湯に通すだけです。)

 コンビニなどで売られているものは、そこで開き直って、そうい
う食べ方を指定しているようです。

 食感をよくするために、プロピレングリコールは使用していると
思いますが、これも市販の茹で麺と同じです。市販の茹で麺の賞味
期限というのは、2〜3日のことが多いので、ご質問の麺なども同
様だと思います。

 日持ちをよくする工夫としては、酸類を使用すること、などはあ
るかも知れません。やりすぎると酸っぱくなってしまいますが、有
機酸(クエン酸など)を茹でるときの湯に入れておく、などという
ことです。

 包装の形態にも工夫があるようです。

 のびた状態ということでは、茹で麺は全体にのびた状態になって
います。冷凍麺が美味しいのは、茹でた直後に冷凍してしまうので、
のびていないためです。

 麺は茹で上げた直後は、周囲に水分が多く、芯の部分は少ない状
態になっています。このため、表面はつるっとしていて、噛むと歯
ごたえがあるのです。のびた状態というのは、この麺の中の水分が
全体に均一になってしまったものを云います。

 で、結論としては、決して美味しい食べ方ではありませんが、ご
質問のような麺を作ることは技術的には可能だということです。

 ただ、そういうものに関して違和感があるのは事実です。

 私も一度、そういうのを買ってきたことがありますが、気持ち悪
いので家で茹でました。でも、よく考えると、そのまま食べる容器
に入っているものを買ってきて、家で容器から出して、茹でている
なんて、馬鹿なことをしている、という感じでした。

 若い人たちは、そんなのは平気なのでしょうね。

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Q.天然着色料のように合成着色料にも、〜色素とか種類があるん
ですか?教えてください!!

 ところで、かき氷に使われているいちごシロップなどは、合成着
色料なんですか?

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A.「食品添加物を調べてみよう」というサイト

http://fcg.japan-site.com/additive/index.html

で検索してみると、ずいぶんたくさん出てきます。そのうち、いわ
ゆる合成着色料と呼ばれているのは、以下のものです。番号からも
想像できるように、実はもっとたくさんの種類があるのですが、現
在使用できるのは,これだけで、あとは使用禁止になっています。
(食品天物以外の用途では使われているものもあるようです。)

食用黄色4号
食用黄色5号
食用青色1号
食用青色2号
食用赤色102号
食用赤色104号
食用赤色105号
食用赤色106号
食用赤色2号
食用赤色3号
食用赤色40号
食用緑色3号

 赤色102号、黄色4号、青色2号なんかがよく見かけるものです。
これらはタール色素といって、化学的には親戚筋にあたるらしいの
ですが、詳しいことはよく知りません。いずれも、石油などからの
合成品であることは違いないです。

 見た目にも毒々しくて、食品添加物の代表のように言われていま
す。あまりどぎつい色の食べ物はなんだかぞっとしないのですが、
世間ではどうしてこんなものに人気があるのだろう、と思ってしま
います。

 私は毒性の問題よりも、趣味の問題として、これらの色素はきら
いですね。

 かき氷のシロップについては、あれが合成着色料の典型的な使い
方です。

 イチゴ(赤色)レモン(黄色)メロン(緑色)といったものをす
ぐ思い浮かべますが、最近はなんという名か忘れましたが、青色の
ものもあるようですね。

 あのあざやかな色は、天然系のものではなかなか出ないのです。
食べ物にあんな色をつける必要があるのかとも思いますが、なぜか
かき氷の場合は、色あざやかなものが好まれるということはありま
す。

 かき氷程度に目くじらたてることもないのですが・・。

 他では漬物でも、みやげ物なんかにしている色鮮やかなものによ
く使われています。野沢菜の緑、紅しょうがの赤、たくあんの黄色、
とならべると、上記のシロップと同じですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「パスタ」
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 パスタというのは、スパゲティ・マカロニ類のことです。麺類は
中国が発祥の地のようで、イタリアのパスタはその昔、マルコポー
ロが伝えたものだ、という説があります。(真偽のほどは明らかで
はありません。)

 パスタは他の麺とはかなり違ったものになっています。一番大き
い違いは、原料として、普通の小麦粉ではなく、「デュラム小麦の
セモリナ」というものを使うことです。

 「デュラム」というのは、小麦の品種です。強力粉より、さらに
たんぱく質の含量が多く、「超強力粉」といった品種です。系統的
には、普通の小麦とはかなり違った種だということです。

 「セモリナ」というのは、挽き方のことで、「荒挽き粉」といっ
た感じの、ひきぐるみの粉です。

 「国産小麦のスパゲティ」などというものが売れられいますが、
国産強力小麦を使用したものは、本来の意味でのパスタ(スパゲテ
ィ)ではありませんし、食べてみても、外見が似ているだけの話で
す。

 基本的に乾燥麺ですので、保存性も良く、添加物などの心配もな
いと思います。茹でるのに時間がかかるのが欠点ですが、忙しい人
は細めのものを選ぶと、ずいぶんと茹で時間が短くなります。

 私のいた生協でも、「国産小麦のスパゲティ」という話はないで
もなかったのですが、私は断固反対していました。

 国内でデュラム小麦を作ればよさそうなものですが、理由はよく
わかりませんが、日本ではデュラム小麦はできないんだそうです。

 デュラム小麦の産地はヨーロッパとカナダです。ヨーロッパ、と
くにイタリアのものはあまり輸出されていないようで、日本ではカ
ナダ産が主なものです。

 20年ほど前は、国産のスパゲティはほとんどデュラム小麦と強
力粉のブレンドで作られていました。「デュラム100%」という
ことで、美味しいスパゲティを作ってもらっていたものです。

 その後、日本が「経済大国」になるにしたがって、国産でもデュ
ラム100%のものが当たり前になってきました。それでも、輸入
品のほうが美味しいような気がするのは、偏見なのでしょうか。

 麺の作り方も他の麺とは大いに違います。普通の麺は「伸ばす」
「切る」という方法で作りますが、パスタ類は「圧力をかけて押し
出す」という方法で作ります。

 パスタ特有の、透明感のある感触は、そのせいでできるのだそう
です。独特の歯ごたえのある食感も、この圧力のかけかたと関係が
ありそうです。

 ずいぶん前の話になりますが、チェルノブィリ原発事故の影響で、
パスタからも放射能が検出されて問題になったことがありました。

 もう10年以上前のことですので、影響はほとんど残っていない
とは思いますが、パスタのように大量に食べる食品では、やはり心
配はありました。

 ただ、放射能の数値というのは、重量あたりでの放射能を持つ核
種の量で計りますので、乾燥物であるパスタは不利な数字になりま
す。

 当時問題になったのは、香辛料や乾物などの乾燥物が多かったの
ですが、食べるときには水分を吸収した状態で食べるわけですから、
製品としての重量あたりの比率を比べても意味はないのです。

 このテクニックは、昨年、「ニュースステーション」で、野菜の
検査(ダイオキシン)といいながら、乾燥物である茶の葉の数値が
混じっていたのを、数値だけを公表して、物議を醸したことで有名
になりました。

 水分をたくさん含んだものと、乾燥させたものでは、当然、重量
あたりの水分以外の成分の重量比は違ってきます。

 ニュースステーションのダイオキシン報道事件は、たぶん検査機
関の故意によるデマ宣伝と思いますが、チェルノブイリ事故当時の
放射能検査でその辺が問題にもされなかったのは、故意なのでしょ
うか、無知によるものなのでしょうか、理解に苦しむところです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 前回、雪印の食中毒事件について、「脱脂粉乳原因説」のこと
を私は「ガセネタ」ではないか、と書きましたが、その後の捜査
はその方向で進展しているようです。

 私としては、問題の脱脂粉乳が特定され、大阪工場だけで食中
毒がおこった理由が明らかになれば、ガセネタ説は取り下げざる
を得ません。

 まもなく、明らかになりそうですが、どうも北海道に飛び火し
た、ということにはひっかかりを感じています。

 読者の方から、今回の食中毒事件を政治がらみの陰謀である、
というような内容の話を(転載して)いただきましたが、裏にそ
んなことがあっても不思議ではないような、ちょっと不自然なも
のは感じています。

 ということで、この件に関しましては、事態が完全にあきらか
になった時点で、またコメントさせていただきます。今回は、と
りあえず、私の不用意な「ガセネタ説」は取り下げる、というこ
とで、前回の記事をおわびして訂正させていただきます。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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