安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>428号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------428号--2008.01.20------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「農薬・化学肥料(Q&A)」「エコ偽装」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日頃よりメールマガジンを拝読させていただいております。

 読者から寄せられるいろいろな質問に丁寧に回答されて、他の食
べ物情報サイトから引用されているようですが、どのように検索さ
れているのでしょうか?

 インターネット上にはいろいろな食べ物情報サイトがあります。
その中には一般的に信頼のおける情報もあれば、個人的な見解に偏
っていると思われる情報もあると思います。

 いろいろある情報の中からどのように分別されてますか?どのよ
うな基準で分別されているのかお聞かせください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 検索はいつもgoogleを使っています。あの検索エンジンは本当に
よくできています。ついでながら、私のサイトの中の検索もgoogle
のサイト内検索を利用しています。

 検索したサイトの選別ということですが、まず検索の目的により
ます。

(1)事実(法律や事例など)を知りたいとき。

 できるだけ客観的な記述をしているサイトを選びます。このとき
は公的な機関や業界団体などのサイトが多くなります。企業のサイ
トでも、客観的な記述をしているときは気にせず選びます。

 客観的な記述かどうかは、「事実」と「意見・解釈」がはっきり
と読む側にわかるように書いているかどうかで判断します。

(2)質問の内容に対する答を探しているとき。

 これは検索の仕方の方にテクニックがあります。検索した結果、
質問内容に近い内容のものを見つければ、それを紹介します。

 私の知識には限りがあるというか、専門的な知識はありません
ので、質問に関しては私が答えるというより、検索代行のような
ことになるのは、ご存じのとおりです。

(3)私の意見やニュースについて、補足として紹介するとき。

 このときは自分が納得する内容を書いているサイトを遠慮なく
紹介しています。事実ではなく、意見・見解を紹介することにな
りますが、私の見解もほぼ同じようなものであると理解していた
だいていると思います。

 一般的に言って、商品販売目的のサイトはなるべく避けるよう
にしています。でもときどきはそういうところしかなくて、紹介
してしまっていますが、商品の紹介は本意ではありません。

 販売している商品と、書かれている情報が一致している場合は、
どんなに怪しげな情報でも、書いている本人は幸せなんだろうな、
と思います。ただ、全く同じ文章があちこちのサイトに出てくる
ことがよくあります。これは裏で指導?している人がいて、要す
るに詐欺師の手先(意図しているかどうかは別にして)であると
判断してよいと考えています。

 同じウソを書くのでも、自分の言葉で書けよな、というのが私
の感想です。

 メーカーのサイトはきちんと作られているものについては避け
る理由はないと考えています。やはり情報量は豊富ですしね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.地球規模での環境保全とは:

 知的美女の高木美保氏が、ホームページで「もっと地球全体を考
えた農業を国が奨励してほしいと思います」として、生産性を高め
る農薬・化学肥料の使用を批判しております。
http://www.wendy-net.com/nw/person/153.html

 そこで質問です。地球全体つまり世界の人口を養う食料生産は、
農薬・化学肥料なしで可能でしょうか?

 小生は疑問に思っております。日本で使用されている飼料は、ア
メリカで農薬と化学肥料を使用して栽培された穀物。その糞尿を有
機栽培で使用している。糞尿の原料となるこの飼料をどう確保する
のか。

 またモンゴル草原の砂漠化は、粗放・放牧畜産(有機畜産)の一
つの結末だからです。

 ラジオパーソナリティーのアイ・モーリー氏は、有機農業で食料
は確保できるという主張を引用しております。
http://i-morley.com/blog/

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A.まず、農薬や化学肥料が何故良くないかということを、もう少
し考える必要があると思います。

 私は宮沢賢治のサイトも運営していますが、宮沢賢治の生きた時
代は、農薬や化学肥料がようやく実用になってきた時代です。また、
その基礎となる土質や植物の生理についての知識も徐々に蓄積され、
旧来の経験だけに頼った農業から脱皮しようとしていました。高等
農林出身の賢治は、そうした新しい知識を普及することに命をかけ
てがんばっていたのです。

 賢治が夢見た時代が来たのだ、と思っています。

 その後、「有機栽培」に代表されるように、農薬や化学肥料をよ
くないもののように考える人が出てきたのには、いくつかの理由が
あります。

(1)安易な使用によって弊害が発生したこと。

 これは宮沢賢治が恐れていたことです。正しい知識と試行錯誤の
蓄積によって克服されるべき問題です。この点では農薬や化学肥料
を普及する側に責任があり、ある程度の批判は正当であると思いま
す。

(2)反近代・反科学的な主張に沿っていること。

 懐古趣味というのでしょうか、そういう主張をする人はいわゆる
知識人にもよくいます。趣味の領域でいるうちはよいのですが、マ
ンガの原作者がデタラメを垂れ流したり、それを真に受けたりする
ようなこともあって、困ったことだと考えています。

(3)政治的に利用されたこと。

 日本の戦後の政治の歴史で、反体制側がある程度の勝利を収めて
きたのは「公害」の分野でした。水俣病を代表とする、公害事件は
たしかに悲惨なもので、資本主義の悪しき面をあらわしていたと思
います。

 しかし公害反対運動が勝利し、基本的な問題は解決されてきまし
た。運動側は新しい争点を探すようになり、このため、原発から環
境ホルモンまで、いろんな題材がとりあげられてきました。

 農薬・化学肥料がこの文脈の中で批判の対象になってきたという
ことは事実です。

 「有機栽培」などの方法で、生産者側が付加価値をつけるために
やることについては私は支持していますが、どうしても政治的な色
彩を帯びることはありますね。

 さて、食糧の生産という面から見たとき、「反農薬・化学肥料」
側の意見は全く無意味なものです。

 日本の「有機栽培」の実績が農業生産の0.1%以下ということ
を考えると、「必要な食糧生産が可能かどうか」という疑問に答え
る必要すらないと思います。「生産できるかどうか」ではなくて、
「栽培できるかどうか(農薬・化学肥料なしで誰が栽培するのか)」
ということがクリアできないからです。

 農業が自給自足の手段であった時代ははるか昔に過ぎ去り、農業
も経済活動の一環となった現代においては、食糧生産も需要と供給
の原則に従います。

 だから、「農薬・化学肥料なしの生産」が優れたものであり、品
質と価格でそうでないものを凌駕するのなら、だまっていても増え
ていきます。(現に「遺伝子組み換え作物」でおこっていることで
す。)

 「農薬・化学肥料なしの画期的な新技術」が登場してくれば、そ
れは歓迎すべきことだと思います。現在でも「可能である」と主張
するのなら、やってみればよいだけのことです。

 「可能である」「やるべきである」と言う人は多くても、実際に
は誰もやらないのは、そういうことが妄想の領域にあるということ
です。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「エコ偽装」
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 年賀はがきから始まって、世の中で売られてきた「再生紙」がウ
ソの固まりであったことがバレてきました。以下は私のブログに書
いた記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 年賀はがきの問題から、「再生紙」の古紙利用率が全面的にウソ
だったことが問題になっています。

 ウソの表示で売っていたわけですから、当然メーカーに責任はあ
ります。しかし、私はメーカーに同情的です。

 そもそも「再生紙が環境によい」というのは証明されていない命
題です。そして生産現場の事情を無視して、古紙使用率が高く、色
もきれいで使い勝手のよい紙を求めたということ自体に無理があり
ました。

 メーカーもそんなことは無理だ、と言えばよかったのですが、日
本のメーカーの通例として、無理にでも引き受けてしまったわけで
す。

 古紙利用率を維持するためには、原料事情と製品の品質という二
つをクリアしなければなりません。

 よい品質の再生紙を作るためにはよい品質の古紙が必要となりま
す。

 紙は使えば当然劣化しますので、使っていない紙を原料にすれば、
品質がよく、古紙利用率が高いものができます。

 実は昔の品質のよい再生紙はそうした「使っていない古紙」を原
料にしていたのだそうです。今でも、いったん紙にしたものを原料
にすれば、いくらでも品質と古紙使用率は両立できます。

 それが資源の無駄遣いであることは言うまでもありません。つま
り、再生紙はいつでも資源保護に役立つというわけではないのです。

 「使っていない紙」が製紙原料になるというのは、印刷工場など
で発生する、未使用の紙です。当然、そういうものには数に限りが
あります。サンプルとしては作れるけれども、実際に売れだすとと
ても足りるものではありません。

 さらに最近では古紙原料は輸出されたりするそうですので、そも
そも使える古紙がなかったはずです。そういう事情は知らない顔を
して、古紙使用率が守られていなかったと責めても仕方ないです。

 責任は「古紙使用率が高く、品質のよい再生紙はこれ以上生産で
きません」と言えなかったメーカーにあります。でも、何だかなあ、
と思うのは私だけでしょうかね。

http://www.kenji.ne.jp/blog/index.php?itemid=293
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件はこれ以上言うことはないのですが、ちょっとびっくりす
るような話題がありました。(私が知らなかっただけかもしれませ
んが)

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 冷蔵庫の消費電力量の測定方法が改定され、消費電力量の表示が
変わりました。

 冷蔵庫の消費電力量の測定方法は、国際規格(ISO規格)に整合
した日本工業規格 (JISC9801)に定めた「JIS年間消費電力量」が
採用されてきました。

 しかしながら、庫内温度の設定、設置条件及び周囲温度の影響な
どによるヒーター動作の違いなどにより、現状の消費電力量の測定
方法では使用実態と乖離してきており、実使用時のエネルギー消費
量を表すには、必ずしも適当な方法ではないことがわかってきまし
た。

 そこで、昨今の使用実態を反映した新しい測定方法になるよう平
成18年5月1日にJISが改正されました。

http://www.sharp.co.jp/support/kurasi/hn/sj7.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ふーん、と言って見過ごしそうなことですが、今までこんな宣伝
がよくあったことはご存じと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 さて、最新の冷蔵庫の省エネ達成率はどの位の数値であるかとい
う部分が重要になるわけですが、401〜450Lクラスの冷蔵庫の平均
値で222%、最大値で294%もの省エネ率を達成しているのです。単
純計算で、国の基準値になる100%の製品に比べた場合は、電気代
は約1/3になるということがお分かりいただけますでしょうか。

 「電気代が1/3」と申し上げましたが、比較対象が何年も前の製
品に付いてはこれには該当しません。なぜならば何年も前の製品の
場合、現在の省エネ基準に大幅に満たない物ばかりだからです。つ
まりは、古い機種から最新の冷蔵庫に買い換えた場合の節電効果は、
それよりもさらに大きなものになるということです。

http://allabout.co.jp/family/yarikuri/closeup/CU20060219A/index.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私の家でも、昨年、20年ほど使った冷蔵庫が冷えなくなり、新
しい大型の冷蔵庫を買いました。買ったときは私もこんな記事を真
に受けていたのです。

 ところが、どうもこれは間違った情報だったらしいのです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ところが新しく購入した冷蔵庫(カタログでは年間消費電力量2
10キロワット時)は、実際に測定してみると年間740キロワッ
ト時相当の数値になりました(三月―四月にかけて465時間測定)。
カタログ数値の約3.5倍。これまでより年間200キロワット時
(約37%)も増えることになります。

 測定結果では、新しいタイプの冷蔵庫に買い替えても、ほとんど
消費電力量は減らないか、場合によっては増えています。消費電力
量は室温によって大きく変化し、三〇度あった七月の測定では、カ
タログ値の五倍近い数値もでています。

 Aさんは言います。「測定結果には、本当にがっかりしました。
十年前のより消費電力量が増えるような冷蔵庫を作っていていいの
か、といいたい。販売店では“省エネ基準を大幅に超過達成。すご
い省エネの商品ですよ”などと売っている。実際には新しい冷蔵庫
に買い替えても、電気代は安くならないし、温暖化防止にも役立た
ない。消費者をだましています。消費電力を増加させているさまざ
まなヒーターは本当に必要なのかどうかも含めて、検討する必要が
あるのではないでしょうか。本当の省エネ製品をつくってほしい」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-08-06/2005080610_01_2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事は共産党の「赤旗」の記事です。何故共産党?という疑
問は次の記事でわかります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1990年代より、「現在の冷蔵庫は可変電圧可変周波数制御インバ
ータの採用や機構の改良などによって省エネルギー化が進んだため
に、1980年代頃のものの数分の一の消費電力ですむようになってい
る。」といった宣伝がメーカーによって盛んになされた。

 しかし、2005年時点のJIS規格では、結露防止や野菜室の保温と
いった保証ヒータ、自動製氷機といった昔の冷蔵庫にはなかった部
品・機能を通電させない状態で消費電力を測定することになってい
たため、実際に家庭環境で使用された場合の消費電力はそれほど変
わっていないにも関わらず、カタログ上では2〜4分の一程度の消費
電力として掲載されるという状況があった。

 2005年6月にしんぶん赤旗で報道されたことをきっかけとしてこ
の問題が認知されるようになると、各メーカーが一斉にカタログス
ペックと実際の電力消費とが異なる旨の注意書きを表示したり、各
自治体が「省エネラベル」表示をやめたりするなどの変化があった。

 これを受けて資源エネルギー庁は、新しい測定方法の検討を同年
9月から開始、2006年5月から正式に、実際の電力消費に近づけた測
定法での計測を行うよう改めた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E8%94%B5%E5%BA%AB
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 事実を整理すると、次のようになります。

(1)近年、モーターやコンプレッサの改良などにより、規定の消
費電力測定方法では大幅に低い数値が出るようになった。

(2)これを受けて「省エネラベル」などの制度で、新型を奨励す
ることが多く、ニュースにもなっていた。

(3)ところが新型の冷蔵庫はヒーターなどの使用により、全体と
しては必ずしも消費電力は低くなっていなかった。

(4)「赤旗」の指摘により、より実態にあった測定方法に変更さ
れた。

(5)今でも、「新型の方が省エネ」という記事を見かけるが、こ
れは情報が古いだけ。

 「ヒーター」というのがありますが、冷蔵庫で何故ヒーターが使
われるのかという疑問があります。

 これは野菜室が問題らしいです。新型はたいてい一番下が冷凍室
で、野菜室はその上、冷蔵室と冷凍室にはさまれたところにありま
す。

 上下から冷やされるので、野菜室の冷えすぎを防ぐため、ヒータ
ーで温めているのだとか。

 なんだかなあ、という話ですね。

 昨年は食品の偽装表示問題が大きく取り上げられました。今年は
「エコ偽装」の話題が多くなりそうな予感がしています。ネタは充
分すぎるほどあるので、テレビではおなじみの「騙されていた!」
が連発されそう…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「引用」の話題が出た週に、「赤旗」の記事を引用してしまいま
した。共産党は嫌い(というより向うが私を嫌い)なのですが、冷
蔵庫の消費電力の件に関しては素直に功績を認めておきます。それ
以上の他意はありません。

 食べ物とは直接関係のない話題になってしまいましたが、冷蔵庫
は食べ物には書かせない存在ということで、ご容赦ください。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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