安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>427号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------427号--2008.01.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「きのこ(Q&A)」
「ブルセラ病・ヨーネ病」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 しばらく前に話題になった、ペットフードで被害が出た事件に関
して、メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ペットフードで騒がれたメラミンですが、アジアでは肥料原料と
して使用されているとのこと。農水省の関係者によると、日本では
肥料原料として認められておりません。異物にあたるそうです。

 ただし、窒素成分分析では、肥料原料として認められている窒素
と同じようにカウントされるそうです。つまり、意図的に窒素成分
を高めるため混入され、混入事実が記載されていないと、規制をす
り抜ける可能性が高いようです。

 行政関係者は、意図的な混入と見ているようです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 肥料に関しての話ですが、「メラミンの肥料的価値」については
どうなんでしょうね。肥料として使っている国もあるということで
すから、価値がないわけではなさそうです。

 また、肥料として認めない国もありますから、他の(尿素とか)
窒素肥料原料と比べて価値が低いのだとも思います。

 ペットフードの事件では、メラミンはタンパク質の含有量を多く
みせかけるために使われていました。簡便なタンパク質(アミノ酸)
の含有量を知る手段として、食品中の窒素を計ることがよくありま
す。アミノ酸は必ず窒素を含みますし、アミノ酸以外で窒素を含む
ものは食品中には少ないですので、窒素分とアミノ酸(タンパク質)
量はだいたい比例するのですね。

 ところがメラミンは栄養素ではありませんが窒素を大量に含む物
質です。このためメラミンを添加しておくと、窒素分を多く見せか
けることができるわけです。全くのインチキの手段です。

 中国産食品が問題になっているのは、こうした意図的な危険性が
あることが最も大きな理由です。違反率そのものはそれほど大きく
ないのですが、ものすごく悪質なものがときどきあるのですね。こ
れもその一例です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.マッシュルームなどきのこ類のいしづきの根の部分(黒いとこ
ろ)ですが、通常は、食するときに切り取りますが、取り損ねて食
べてしまっても問題ないものでしょうか

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A.きのこ類はカビの仲間(真菌類)です。きのことして出てきた
部分だけを食べますが、「根」のところから下が本体のカビの部分
(菌糸)です。

 食べても安全かどうかというと、別に問題はないと思います。き
のこの部分に毒がなくて、菌糸にだけあるということもないでしょ
うから。

 きのこ自身の持っている毒性以外に、食べてはいけない理由は思
い当たりません。しかし菌糸の部分は普通食べないですよね。これ
はどうしてなのでしょうか。

 そう考えると、野菜でも、根から葉の先まで、全部食べるものは
珍しいです。要するにおいしい部分だけを食べるというのが私たち
の食べ方なんだと思います。

 だからいしづきの部分は普通とってしまってから食べるわけです。
そのことと害があるかどうかというのは別の問題だと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ヨーネ病・ブマセラ病」
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 新春の毎日新聞「記者の目」欄に、小島正美記者が食品廃棄問題
について書いていました。要旨はこのごろ多発している表示や賞味
期限の問題で、食品として充分食べられるものが、違反だからとい
う理由で破棄されていることに、もったいないと思わないのか、と
いうものです。

 これには私も同感です。危害分析でリスクが評価されるようなも
の(細菌汚染や異物の混入など)はともかく、表示が間違っている
という理由で破棄するのはやりすぎだと思います。

 また、問題はあるにせよ破棄する理由に疑問がある例として、次
のようなことも書かれていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

記者の目:新年に思う 国も企業も沈黙続ける食品廃棄
=小島正美(生活報道センター)

 モッタイナイの典型例が昨年秋、福島と神奈川で発生した牛乳の
ケースだ。福島県では流産などを起こす家畜伝染病のブルセラ病に
感染した疑いの乳牛が見つかり、その乳を原料にした可能性のある
製品約33万個が回収・廃棄された。最終検査で感染なし、という
おまけ付きだ。

 神奈川県でも、慢性的な下痢を起こす家畜伝染病のヨーネ病に感
染した疑いの乳牛が出て、約30万本の牛乳が廃棄された。これも
最終検査で感染なしだった。

 そもそも牛乳は加熱殺菌されているため、たとえ乳牛が感染して
も、牛乳自体は安全だ。農水省によると、ヨーネ病は西欧や米国で
日本以上に大発生しているが、牛乳が回収されたことは一度もない。

 厚生労働省監視安全課は食品回収について「食品衛生法9条で感
染した牛の乳製品の販売禁止を定めているが、最後は都道府県が決
めることだ」と自治体の判断を強調する。これに対し、自治体側は
「国から法律違反だと言われれば、回収命令を出さざるを得ない」
と国の判断が先だと反論する。責任回避の堂々巡りだ。

 ヨーネ病の乳牛が年間約500頭も発生する北海道では、牛乳を
全国に供給しているだけに、このままだと大規模な回収・廃棄の事
態さえ予想される。

 こうした中で、不思議にも、10月の騒ぎ以降、搾乳中の乳牛で
はヨーネ病の発生は確認されていない。聞くと、回収・廃棄を恐れ
た自治体が搾乳中の乳牛を検査対象からはずし、検査規模を縮小し
たのだという。「検査の目的は感染牛を排除することなのに、検査
を縮小すれば、逆に感染の拡大を招く恐れがある」(農水省動物衛
生課)。本末転倒とはこのことだ。

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20080108ddm004070120000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛の病気は確かに問題なんですが、殺菌して飲用する牛乳自体は
別に問題ではないわけです。

 日本は細かいことまでお役人が支配し、監督している社会なんで
すが、その悪影響がこんなところまで出ていると思います。別にお
役人が悪いというのではなく、何か問題があると「政府の責任」だ
とばかり言っているマスコミも悪いのですけれどね。

 小島記者にはぜひこういう問題がおこった時点での報道で、「破
棄処分は問題だ」ということを伝えて行ってほしいと思います。

 毎日新聞に限らず、マスコミはこういう事件の報道で、冷静な情
報を伝えることが嫌いです。ここは何とか改善してほしいところで
す。

 ところで、「ブルセラ病」や「ヨーネ病」というのはあまり聞き
慣れない言葉です。いずれも家畜の病気で、「法定家畜伝染病」だ
そうです。

 まず「ブルセラ病」について調べてみました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 本病は、不妊を主徴とし、妊娠6〜8ヶ月には流死産を呈し、牛
の生産性の低下にもつながることから重要な法定伝染病、また人に
も感染する人獣共通感染症の一つです。

 本症はわが国を含めて、一部清浄化に成功している国はあります
が、広く全世界に分布しています。特に、胎盤は原因菌が増殖しや
すく、流死産胎子、胎盤、悪露、汚染した敷料などにより、経皮・
経口感染、または保菌雄牛を介した交尾感染などにより発症します。
原因菌は乳汁にも排泄されるので、公衆衛生上および食品衛生上か
らも重要な疾病です。

 主な症状は、前駆症状を伴わないで、突然、妊娠6〜8ヶ月に生
じる流死産です。流死産が牛群に引き続いて生じる場合には注意が
必要です。また、不妊を呈することもあります。成牛で死亡するこ
とはまれで、子牛の感染はほとんどみられません。

 諸外国ではワクチン接種による予防が実施されていますが、わが
国では定期的な検査を実施し、感染牛、保菌牛の早期摘発と淘汰が
図られています。

http://tksn.syskyo.or.jp/illness/c10.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ブルセラ」というのは細菌の名前(ブルセラキャニス)から来
ているのだそうです。世界的に分布している病気ですが、日本では
牛には発生していないそうです。

 だからこそ「感染した疑い」で騒ぎとなるのです。

 犬にブルセラ病が発生したという事件があったそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 大阪府ブルセラ病感染犬等救援本部は、犬ブルセラ病は、犬に対
して感染力が強く、人への感染は稀であるとは言え人畜共通感染症
であり、一度ブルセラ病に罹患した犬はキャリアとなり、現在ブル
セラ菌を根絶する根幹的治療法は無く、再発の可能性は免れないこ
とから、犬類へのブルセラ病の感染拡大防止と、人社会への公衆衛
生予防の観点から、ブルセラ病陽性犬の安楽死処分を決定しました。

http://www.ican.zaq.ne.jp/brucelladoghelp/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛でも基本的に治療は行われず、殺処分になります。乳牛は子牛
を産まないと搾乳できませんから、流産してしまうというのは致命
的なことでもあります。

 犬の場合はペットですから、避妊してそのまま飼えばよいという
意見もあったようですが、やはり病気の流行を恐れて殺処分となっ
ています。このあたりの事情は上記サイトに詳しいです。

 次に「ヨーネ病」ですが、こちらは日本でも発生しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1 原因(病原体)

 ヨーネ菌(Mycobacterium Paratuberculosis)

2 感受性動物

  牛、めん羊、山羊、(反芻動物)

3 症状

 1〜2週間を周期とする下痢の後、慢性的な水様性の下痢を繰り
返し、急激に痩せる。主に子牛期に感染し、3〜5歳に発病。一般
に症状は分娩後に顕在化する。腸の粘膜は肥厚し、皺状に隆起する。

4 発生状況

(1)国内
   昭和5年、英国からの輸入牛で初発生。
(2)北海道
   昭和53年、輸入したホルスタイン種で初発生。

年次 北海道 乳用牛 肉用牛
53     5   5   0
60    74   25   49
1     89   47   42
7    187  121   66
8    266  164  102
9    534  239  295
10    731  459  272
11    725  362  363
12    601  320  281
13    406  248  158
14    307  195  112

 我が国では、昭和5年に英国からの輸入牛で初めて発生しました。
北海道では、昭和53年に輸入したホルスタイン種で発生がみられ
て以来、輸入牛及びその関連牛を中心に発生し、その後、肉用牛で
も発生が増加しました。

 そのため、道では、それまでの発生農場だけを対象とした検査だ
けでなく、全戸全頭の一斉検査を平成10年、11年の2年間で実施し
ました。

 一斉検査の結果、平成10年には、それまでで最も多い731頭の発
生がありましたが、その後は、発生農場における定期的な検査と消
毒の実施に加え、指定助成事業の自主とう汰事業等を活用すること
により順調に減少しています。

http://www.agri.pref.hokkaido.jp/kaho/yone/yone.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 発生件数も多く、深刻な病気のようです。畜産というのは病気と
の戦いでもあり、苦労の種はつきないものですね。

 牛乳を生で飲んではいけないのは、こういうことからしても当然
です。これらの細菌も完全に殺菌してから、飲用牛乳として出荷さ
れています。

 だから食品のリスクとしてはたとえこれらの病気に感染している
乳牛が出したものであっても、牛乳として飲んで全く問題はありま
せん。

 ところが、なぜ牛乳が「回収・破棄」されたのでしょうか?これ
も元記事は小島記者が書いたものですが、毎日新聞のサイトからは
なくなっていますので、ブログに引用されていたものを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 これまでは、疑似陽性と判明した時点で酪農生産者が搾乳と出荷
を止めただけだったが、厚労省が今年10月、「回収は検査日まで
さかのぼる」との見解を初めて示した。

 焼却処分された約30万本の量を約30万リットルと仮定し、年
間の感染牛の発生数をかけると、約35万キロリットルで、このま
までは年間牛乳生産量(06年約370万キロリットル)の1割弱
に相当する廃棄が予想される。

 家畜伝染病を所管する農水省動物衛生課は「回収を検査日までさ
かのぼれば廃棄量が増え、日本では牛乳が食卓に上らなくなる恐れ
がある。こうした例は欧米ではない」とヨーネ病を回収対象から外
すよう求めている。

 これに対し、厚労省監視安全課は「食品衛生法の条文がある限り、
疑似陽性でも回収せざるを得ない」と話す。

 この問題は10月末の食品安全委員会でも取り上げられた。獣医
師の見上彪委員長は個人的な意見としたうえで、「疑似扱いでの回
収・廃棄はゼロリスクを求めるもので、もっと科学的な判断を重視
すべきだ」と訴えた。

http://blogs.yahoo.co.jp/a_uehara0522/26747475.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「今年10月」とありますが、2007年10月、つまり昨秋の
ことです。

 牛乳は集乳車で集められ、工場のタンクに入れられます。感染牛
から出た牛乳だけが破棄されるのならたいしたことはありませんが、
現実にはこのタンクの単位で破棄するわけです。

 疑いの段階で、しかも検査時ではなく搾乳時に遡って破棄すると
なるとかなりな影響が予想されます。

 厚生労働省のこうした方針に対して、現場サイドは検査対象を縮
小するという「対策」を出してきているというわけです。これは記
事にもありますが、まさに本末転倒です。この結果、感染が拡大し
たら厚生労働省も農林水産省も、どう責任をとるのでしょうか。

 厚生労働省のアホ役人を更迭し、回収指示を撤回させることがで
きないものなのでしょうかね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 わが家には息子が盛岡で拾ってきて、飛行機で連れて帰って来た
猫が一匹います。息子の拾ったものを親が押しつけられたのですが、
ずっと家の中で飼うように言われています。外に出歩くと病気をも
らってくるので、家から出さない方が健康にはよいのだそうです。

 よく窓から外をのぞいていますが、別に外に出たいというわけで
もなさそうです。ちょっとかわいそうにも思うのですが、その代わ
り家の中では乱暴者で、よく噛まれたりひっ掻かれたりしています。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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