安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>422号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------422号--2007.12.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「食品安全情報blogの記事」「ベジタリアン・プロセスチーズ・食
中毒菌・ラップ・たれ(Q&A)」「ウソの証言」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今週は紹介するメールがありませんでしたので、「食品安全情報
blog」の記事から、おもしろい文章を紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 臨床研究で効果がないだろうという結果が出たにも関わらず、が
ん予防のためにニンジンを食べるひとがまだいる

 1981年にNatureは食事由来のβカロテンをたくさん摂ることとが
んの発症率の低さが関連するかもしれないという総説を掲載した。
この論文は最初のページの下の方に、「注意」という編集者からの
特別なメッセージとともに掲載された。注意書きには「軽率な読者
は(もしいるとすれば)この論文を大量のニンジン(又は他の主要
なβカロテン摂取源)を食べるとがんが予防できることを示唆する
ものと考えてはいけない」とあった。

 この総説は期待の持てる疫学研究を紹介していたが、臨床試験の
必要性を繰り返し述べていた。1994年にそうした臨床試験の結果が
出た:βカロテンサプリメントは、ビタミンEと同時に与えると、
疫学研究から期待された結果とは違って肺がんを予防しなかった。
それどころかサプリメントは男性喫煙者の肺がんリスクを実際に高
める可能性が示された。

 このような科学的な転換は栄養研究にはよくあることで、しばし
ば食生活の混乱拡大の原因であると批判される。新しい研究によれ
ば、一般の人は毎年数百万をβカロテンサプリメントに支出してい
る。そして一部の科学者は信頼性の高い臨床試験のデータを無視し
て当初の観察による知見を保持し続けている。

(略)

 では何故一部の科学者は当初のデータを好むのか?Ioannidisは
一部は「希望バイアス」によると考えている。科学者は特定方向に
沿った一連の研究を進めていて、間違っていたことを信じたくない
だけである。これはあまりよろしくない感情である。しかしJan
Vandenbrouckeはバイアスについて結論するのは時期尚早であるか
もしれないと注意している。

(単なる金儲けのために古いデータにしがみついてる輩もいるけど。
引用文献が偏っている論文はよくある。

 研究者は仮説という名の予断を持って研究するわけで、希望的観
測に引きずられることはある。しかしながらデータを前にしたとき
に自分は間違っていたと認められないような人は研究者には向かな
いだろう。自分の考えや実験が間違っていることを指摘されて自分
自身が否定されたかのように傷つく人がいるけれど、不断の自己否
定が苦痛なら研究者など目指さないほうがいい。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20071205
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「がん予防のためにニンジンを食べる」人はまだいるのでしょう
ね。それはまだよいとして、そういうことをいまだに発言している
研究者が問題だというわけです。

 私はこういう問題について、一般市民の無知や誤解の問題だと思
っていましたが、最近そうではなくて間違った情報を流している研
究者の方に責任があるのではないかと考えるようになってきました。

 ということでこの文には同感です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.野菜全般、大豆、海藻類しか食べないベジタリアンです。今妊
娠5週目ですが、この先、赤ちゃんに影響がないか、とても心配で
す。肉や魚は昔から食べられません。

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A.栄養学的にいうと、やはり肉や魚も食べた方がよいのだろうと
思います。でも、食べられないのであれば仕方ないですよね。

 でも穀物も食べていないのですか?昔は「五穀断ち」という修行
もありました。でもこの修行では野菜も食べず、木の芽、草の根を
食べる「木食行」になります。関係ないですけれど。

 植物性のものしか食べないと、どうしても不足する栄養素があり
ます。そういうものはある程度補った方がよいと思います。

 お医者さんに相談してみてください。

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Q.冷蔵庫にあるプロセスチーズについて質問です。キャンディー
のように1コ1コ個装されてます(密封されてません)。大本の袋
(密封している)を開封してから10日ぐらいから変色が始りまし
た。色が濃くなってる部分があります(マーガリンの表面の色が濃
くなった感じ)。原材料はナチュラルチーズ、乳化剤、クエン酸鉄
Naです。味はじゃっかん落ちますが、ニオイは普通で十分食べられ
ます。

 これは食べても問題はないでしょうか?家族がよく買ってくるの
ですが、量が多くていつも最後の方は変色してしまいます。

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A.チーズが変色するという件で、一番近そうなのは以下のような
情報です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Question
 冷蔵庫の最上段にプロセスチーズを保管しておいたら、ボロボロ
になってしまった。これで、2度目なのだが、どうしてであろうか。
Answer
 原因は、
(1)0℃以下の保管でチーズ中の水分が凝固した、
(2)チーズを高温下で長時間保管しタンパク質が変質し油分が分
離した、
(3)作業ミスにより、仕上がったチーズを長時間放置したため硬
化、変色した、
(4)原料に硬質チーズを多量に使用したため油脂が分離したなど
が考えられる。

http://www2.tokyo-eiken.go.jp/foodcgi/qa_search.exe?0406+%A5%C1%A1%BC%A5%BA
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 チーズの変質や乾燥が原因のようです。密封していないものだと、
乾燥が原因のような気もします。当然このときにはタンパク質の変
質や油脂の分離ということもおこっているのでしょう。

 こういう状態のものを食べるのはあまり感心しないです。毒とい
うこともないのでしょうが、保証の限りではありませんし、第一も
うおいしくないのではないでしょうか。

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Q.食中毒の発症レベルが食中毒菌別に解る様なものは何かないで
しょうか?

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A.食中毒の話についてはネット上にたくさん情報があります。た
だし、わかりやすく一覧にしているものはあまり見ないですね。

 やはり一つ一つの食中毒菌について、調べていくしかないのでは
ないでしょうか。お役に立てなくて申し訳ありません。

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Q.ポリエチレン製のラップを使っているのですが、燃えるゴミに
出してよいのでしょうか?

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A.燃えるゴミに出さないで、どうして処分するの?と聞きたくな
りますが、地域によってはプラスチックは燃えないゴミということ
になっているところもありますので、そういうところにお住みでし
ょうか。

 プラスチックを燃えないゴミにしているのは、焼却炉の性能が悪
くて、炉を痛めるからというのが理由だったと思います。しかしそ
ういうことを言いながら、生ゴミの比率が高いとうまく燃えないの
で、重油を入れて燃やしていたりします。よほど大量でない限り、
プラスチック類は生ゴミと一緒に燃やすのが一番よいと思います。

 そこでラップですが、重量から考えると、いずれにしても問題に
なるような量のゴミではありません。私なら気にせず生ゴミと一緒
に捨てます。こんなものを分別しろというのはもう病気の世界です。

 同じ病気なら、ラップなんか使いませんという方がよほど整合性
があります。

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Q.たとえば、百年以上も続いている老舗のうなぎ屋さん。そこの
毎日注ぎ足しに注ぎ足して守り続けてきた秘伝のたれに賞味期限は
ないのでしょうか。

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A.もちろん賞味期限はありません。

 賞味期限は商品として出荷する際に、これくらいまでの期間は大
丈夫です、とメーカーが保証しているわけです。出荷しない原料や、
そもそも商品ではないものに賞味期限はありません。

 名前が一人歩きして、食べ物にはみんな賞味期限があるように思
われていますが、それは誤解です。どんな食べ物にも食べられなく
なるときはありますが、それは結果であって、あらかじめ期限が切
られているわけではありません。

 ものが食べられなくなるのは微生物の繁殖と食品自身の変質が原
因です。ご質問のようなものは、まず塩分などが働いて微生物の繁
殖を押さえています。乳酸菌などが作り出す酸なんかも働いている
と思います。

 変質の方はどんどんしているのでしょうが、その結果としての味
を求めているわけですから、無問題ということです。それでも本当
のところ衛生的にどうなのよ、と言われるとうーんと考えてしまい
ますが、私にはよくわかりません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ウソの証言」
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 食品の表示について、いろいろと問題が多発しています。例によ
ってマスコミは一度食いついた話題にはしつこいですから、連日の
ように報道されています。

 ところが何しろ次から次へ出てくるもので、マスコミのもう一つ
の特徴である健忘症の方も多発しています。

 メーカーで今までに問題の行動があったところは、今がチャンス
ですから洗いざらい公表して出直すのがよいですね。そういう意味
では食品業界は滅多にないチャンスを迎えたと思います。

 それでも利益や面子が大事なら、もう死ぬまでやっていろ、とい
うところです。はたして業界の自浄作用はどこまで働くか、注目し
たいです。

 さて、自浄作用が期待しにくいのがマスコミ、特に電波利権で守
られたテレビ局です。またこんなことをやらかしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 テレビ朝日は7日、日本マクドナルドの調理日改竄(かいざん)
問題について、11月27日放送の「報道ステーション」に証言者
として登場した女性に、当時すでに店をやめていたにもかかわらず、
マクドナルドの制服を着せて、店長代理のバッジを着けて出演させ
ていたことを明らかにした。同社は「証言者に無理強いしたわけで
はない。相談してそういう形がいいでしょうと決めた。証言そのも
のは改竄を裏付ける真実だととらえているが、視聴者に誤解を与え
るものだった」としている。

 この女性は、顔を隠したうえで赤白ストライプの制服姿で元店長
代理として登場し、サラダの調理日に改竄があったという内容の証
言をしていた。しかし、放送直後から、インターネットなどで「元
店長代理がバイトの制服を着ているのはおかしい」「モデルチェン
ジ前のユニホームでは」などと疑問視する声が出ていた。同社にも
視聴者から、おかしいと指摘があったという。

 7日夜放送の報道ステーションでは、古舘伊知郎キャスターが
「すみません。店長代理という女性の話を紹介しましたが、当時は
辞めており、制服を着せてインタビューを撮りました」と説明した。

 マクドナルドの改竄問題は、都内の4店舗で売れ残ったサラダの
調理日時のシールを翌日のものに貼り替えていたことなどが判明。
同社の原田泳幸会長兼CEOが記者会見して謝罪した。その後、材
料に賞味期限切れのものが使われていたことなどもわかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071208-00000901-san-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 あきれた行為ですが、こういうインチキをやっておいて、「証言
そのものは改竄を裏付ける真実だ」などという神経がさすがにマス
コミ人です。こういうのは「盗人猛々しい」などといいます。

 発言した状況に問題があれば、発言した内容も信用されないとい
うのは世間の常識ではなかったでしょうか?

 不二家のときもそうでしたが、こういう事件では「経験者の証言」
というのがたくさん出てきます。本当に経験したことでも、出てき
たときにすでに思い込みや誇張といったバイアスがかかっているも
のです。簡単に真に受けるものではないことくらいわかっていそう
なものですが。

 さてさて、次はマスコミだけが浮かれているのではなくて、一般
人の発言もアテにならないというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「ケンタッキーフライドチキン」の元アルバイト店員だという男
性が、自身のmixi日記上で「店内でゴキブリを揚げた」などと書き、
インターネットの掲示板で「気持ち悪い」などと騒動になっている。
運営する日本ケンタッキー・フライド・チキンは12月6日、「事実
無根の内容。5日夜に本人が、『いたずらで嘘を書いた』と保護者
同伴で謝罪に来た」と説明した。

 日記は、数カ月前までケンタッキーの店舗でアルバイトしていた
元店員が、5日付けで「(吉野家の「テラ豚丼」騒動が)おもしろ
すぎでしょ。バイトしてればそんなことやっちゃうよねー。ケン〇
ッキーでゴキブリ揚げてたムービー撮ればよかった」などと書き込
んだ。

 それ以前の日記にも、「ゴキブリは揚げてもなかなか死ない。衣
つけて圧力かけて揚げたら死んだけど。実験協力:ケン〇ッキー」
と書かれており、巨大掲示板やmixi、動画投稿サイトなどで「気持
ち悪い」と騒動に。同社にも電話やメールで問い合わせが寄せられ
ていた。

 同社は「食品を扱う者としてどう考えてもありえない内容で、事
実無根。当社が本人とコンタクトを取る前・5日夜に、本人が保護
者同伴で当社を訪れ、『単なるいたずらで嘘を書き込んだ』と謝
罪に来た」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071206-00000046-zdn_n-sci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは単なるウソなんですが、個人のウソというのは普通は友人
を騙すだけだったのに、インターネット時代になってから、ちょっ
としたウソが大きな問題になってしまいます。

 情報の発信が個人でもできるようになったというのは、インター
ネットの偉大な力です。このことによって未来にわたって人間の社
会は大きく変っていくことになると思います。

 しかしよいことばかりではありません。こうしたちょっとしたウ
ソもまた、今までよりは広がってしまうわけです。

 とにかく、ウワサに影響されるのはいけません。どの情報が信頼
できるもので、どれが単なるウワサなのか、見極めは難しいのです
が、それでも何とか見極めていくしかありません。

 「都市伝説」というのがあります。元関係者だといって、びっく
りするような話を語るのもその一つです。

 「ネズミの肉」や「ミミズの肉」はポピュラーになりましたが、
あやうく「ゴキブリ」も広がるところだったのか、それともさすが
にゴキブリまで書くとウソがばれるということなのでしょうか。

 いずれにせよ、「元関係者」の情報は「明らかなウソ」「思い込
みや誤解」が含まれているものです。現場の人間が自分のやってい
ることを理解していなかったり、冗談で「実は○○なのよねぇ」な
どと言っていたことが事実のようになってしまったりすることはよ
くあります。

 そういう情報を無視しろというのではなく、十分慎重に扱うべき
だということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 宮沢賢治学会のセミナーで花巻に来ています。この夏に買った新
しいミニノートパソコンを持ってきていますが、とても軽いのがよ
いです。その代わり文字も小さいので老眼鏡をかけないと画面の字
が読めないのが困りものです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
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