安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>421号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------421号--2007.12.02------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「産地偽装」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「ヘキサン」の記事について、コメントをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 全体的にわかりやすい説明です。しかし、上記の説明ですが、ヘ
キサンは単純な炭化水素化合物で、溶解力ではそれほども強くない
ので、「うっかり手につくと----」的なことはありません。プラス
チックやゴムなども材質により溶かすことは出来ますが、すいすい
溶けるものではないでしょう。引火の可能性はあります。吸引して
も麻酔性は無いと思いますが、ヘキサンは匂いもなく、製造現場や
家内工業の皮革製品を接着する現場では、以前、高濃度のヘキサン
を長期間吸引していると末梢神経障害が発生した事例があり要注意
です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は掲示板への書き込みですが、ワインについての補足説明をい
ただいています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ひとつ気になったのですが、ワイン項目の記事中に「フランスで
はこういった『加糖』は禁止されていますが、ドイツなどでは普通
に行われています。」とありますが、ドイツでもq.m.p.クラ
スのワインの補糖(加糖)は禁止です。豪州やカリフォルニア、オ
ーストリアは中級以上のワインの補糖は法で禁止されていますので、
「ドイツなどでは普通に行われています」という記事の書き方は、
「フランスワイン以外は全て補糖処理したワインだ」と知らない人
に誤解を生ませるのでは?と思いました。

 ちなみにフランスですが、地区によってや条件により、法で補糖
が認められていたりしています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもありがとうございました。

 毎日新聞にBSEネタで次のような記事が載っていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

BSE:食品安全自治ネット「全頭検査継続は無意味」

 全都道府県と2政令市の食に関する実務担当者が集まる「全国食
品安全自治ネットワーク会議」が22日、東京都内であった。BS
E(牛海綿状脳症)の全頭検査継続について「継続は無意味」との
意見が大勢を占めた。同ネットは「今後、消費者らに検査の科学的
意味を伝える必要がある」と確認した。

 会議は非公開で、42都道府県と1政令市の担当者計68人が出
席。「全頭検査の必要性と継続の是非」が論議になった。終了後の
会見で議長役の小澤邦寿・群馬県食品安全会議事務局長は「2、3
県を除く全担当者が『科学的に意味のない生後20カ月以下の検査
を続ける必要はない』との意見だった」と説明。「実務者レベルの
科学的判断と世論の動向を気にする政策判断の開きが大きいことが
分かった」と述べた。 厚生労働省は生後20カ月以下の牛のBS
E検査については、来年7月末で検査費用の補助を打ち切る方針だ
が、補助額の大きい北海道などは継続を求めている。【小島正美】

毎日新聞 2007年11月22日 20時27分

http://mainichi.jp/life/food/news/20071123k0000m040105000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 例によって小島記者の記事です。BSE検査をやっている人たち
の間でも、「全頭検査は無意味」という認識は共通してあるようで
す。

 現場も科学者たちも、政府までそう認識しているわけです。世界
的にもそうですから、科学的な話としてはすでに決着がついていま
す。

 あとはマスコミの人たちがこうした冷静な思考を理解し、報道し
てくれれば問題は解決するはずです。しかし、マスコミと「市民運
動」の人たちの頭はますます固く、聞く耳を持たないようです。

 「運動家」たちは政府を批判すること、アメリカを批判すること
自体が目的なので、科学的な結論などは眼中にないのはわかります。
しかしマスコミが同じ考えというのは全く理解できません。

 マスコミといっても小島記者のような人もいるのですが、全体と
しては困ったものです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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(今週は休みます)

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「産地偽装」
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 このところの食品関係の不正続出で、Yahoo!に「食品の偽装表示
・不正表示」という特集ページができています。

 今週もマクドナルドをはじめ、そういうニュースが相次いでいて、
なかなか収まりそうにないです。

 その中で、ちょっと気になるニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ウナギ産地偽装:表示義務、業者間にも 九州農政局が改正JAS
法説明会 /鹿児島
11月29日17時2分配信 毎日新聞


 宮崎県内のウナギ業者による産地偽装などを受けて、九州農政局
はこのほど、業者間取引の際も食品の原材料名や消費期限などの表
示義務を設ける方針についての説明会を熊本市で開いた。九州各県
の食品製造、卸売、輸入業者のほか農協、漁協などの生産者、消費
者団体などから約250人が参加した。

 日本農林規格(JAS)法ではこれまで、加工食品の原材料名や
原産地、消費期限、保存方法などの表示は、消費者向けに販売され
る時だけ義務づけられていた。しかし、ウナギ業者の偽装や北海道
のミートホープ社の牛ミンチ偽装事件など、中間業者による偽装が
相次ぐ中で、農水省は業者間の取引についてもJAS法の品質表示
義務を適用する方針を決めた。今月から全国で説明会を開き、来年
4月の施行を目指している。

 熊本市の熊本市民会館で開かれた九州ブロックの説明会では、九
州農政局消費・安全部の畠幸司部長が「毎日のように食品の偽装が
報道され、食品表示に対する消費者の信頼は大きく揺らいでいる。
信頼回復のためにも皆さんの協力をお願いしたい」と訴えた。九州
農政局は今後、各県でも周知するための説明会を開く。【笠井光俊】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071129-00000284-mailo-l46
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「中間業者による偽装」というのは確かにたくさんあったと思い
ます。生産から消費までの流れのうち、どこかで誰かがウソをつく
ことで、モノが化けてしまうわけです。

 極端な例ですと、農家は普通に野菜を栽培して出荷しているのに、
中間業者が「無農薬」などと言って売っている場合もありました。
小売りの生協などもそれに騙されたことにしてしまえば、例えウソ
が発覚しても、責任の所在はあいまいになってしまいます。

 ということで、お役人得意の「規制強化」がまたまた画策されて
いるようです。国民の支持の具合からすると、やむを得ない面はあ
ると思いますが、何か問題があると「規制強化」で対応するという
のはそろそろやめにしてほしいと思っています。

 何でも「お上」の規制が幅をきかせているからこそ、不正もなく
ならないのだと思うのです。社会正義を実現する責任が「お上」に
あるから、「下々」はその間隙をついて利益追求に走る、という構
図です。

 一人一人の国民、そして企業自身に、社会正義を実現する責任が
あるという理解が広まってほしいので、あえてこういう規制強化に
は反対を表明しておきたいと思います。産地表示がよくないという
のではなく、規制によって表示義務があるからするのではなく、積
極的に表示していくことが何故できないのか?ということです。

 次の例は単なる「詐欺」に類することですが、やはりこの業界の
病気は根深いと思わされるところがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

三輪そうめん・産地偽装:県警が容疑の3人送検 /兵庫
11月28日18時1分配信 毎日新聞

 県警生活経済課などは27日、大阪市淀川区十三東3、会社役員、
高橋浩幸被告(47)ら3人を不正競争防止法違反(誤認表示、産
地偽装)容疑で神戸地検に送検した。ほかに送検されたのは、とも
に卸売業の直本治郎被告(62)=大阪府貝塚市堤=と加藤弘行被
告(46)=同。

 調べでは、3人は07年7月、長崎県南島原市産のそうめんを
「手延べ三輪そうめん、極寒造り」などと書いた木箱に入れ替え、
産地を偽装した疑い。3人は中国産そうめんを国産と偽装して販売
した疑いで逮捕、起訴されていた。【武内彩】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071128-00000316-mailo-l28
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 昔の話になりますが、三輪そうめんの産地に何度も行ったことが
あります。手延べそうめんと機械そうめんの違いは理解していまし
たが、手延べの方はほとんど三輪の産地では作られていないという
ことを知ってたいへん驚いたことがあります。

 島原あたりで手延べそうめんが生産されるようになって、三輪そ
うめんのブランドで売られている手延べそうめんもほとんどが島原
産だというのです。

 その後、表示の適正化に着手して、奈良県産でないものに「三輪
そうめん」とつけていいけないことになっているはずなのですが、
実態はなかなか一筋縄ではいかないようです。以下に紹介するのは
問題になった当時の記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2002年7月30日
三輪素麺

 農水省は24日,デパートやスーパーなどで三輪素麺の販売を全国
展開している奈良県桜井市の製麺業3社に対し,長崎県などで製造
された素麺を『三輪そうめん』と表示する販売を20年以上にわたり
常態化させてきたとして改善を指示し,同時に業者名を公表した.
公表されたのは大手の「池利」「三輪そうめん山本」「森井食品」
の3社であるが,この他にも表示を偽っていた業者があり,読売の
続報によると全部で14社が昨年,奈良県三輪素麺工業協同組合(117
業者)から自主脱退したり,除名処分を受けたりしたという.上の
骨子にある「消費者への迅速な情報提供を図る観点から、必要な
ときに公表することを可能とするようにする」というのは,公表し
ない限り事態が改善されないと判断される相手の時には公表すると
いうことである.実際には,悪質な3社以外の業者名は公表されて
いないが,これは上記の改正JAS(日本農林規格)法の初適用で
あり,これまでとは違うぞという農水省の意気が感じられた事件で
ある.

 ところが,である.驚天動地の事態が起きている.奈良県農政課
は残る製麺業者の調査を始めたが,他の中小業者に同様の違反が見
つかっても「改善が第1の目的。それが達成できれば、改正JAS
法の適用や業者名の公表は必要ない。県には行政の裁量権がある」
《Yomiuri Online 7/29 14:56 》として公表しないことを決めたの
である.農水省品質課は奈良県に足並みをそろえるよう求めたが,
県は拒否したという.県の農林部長である増井勲・奈良県副知事は
「家内工業のような零細な業者もおり、改正JAS法をすぐに適用
すると影響が大きい。適用前の啓発が大切ではないか」《Yomiuri
Online 7/29 14:56》と説明した.

 高飛車に「適用前の啓発が大切ではないか」とは聞いてあきれる.
啓発してこなかったからこそこうなったのではないのか.恥も外聞
もなく奈良県が農水省に抵抗する理由は何か.偽装表示は他の業者
も常態として行っていると告白したも同然である.これでデパート
等の進物売場から三輪素麺は姿を消すことになるだろう.奈良県は
業界保護のつもりだろうが,県内の伝統ある素麺製造業を結果的に
つぶすことになる.農水省もここで引いては困る.断固として他の
業者についての調査結果を公表し,もし中小業者で偽装表示に手を
染めていない社があるなら,県に楯突いて潔白宣言をするがよい.
悪質業者を市場から退場させ,自社のシェアを拡大する千載一遇の
大チャンスだ.会社の規模が小さくて生産量が少ないなら,希少と
いう付加価値がつく.私が経営者ならそうする.

http://homepage3.nifty.com/ksmansaku/site1/zatsuji_20020730d.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今回のニュースは中国産のそうめんを偽装していた犯人たちが、
国産のものでも偽装をしていたとして摘発されたわけです。この状
況では、他のものでも疑わしいものはあるのではないか?と思いま
す。

 奈良県の手延べそうめんの生産量が回復したという話は聞きませ
んから、市場で売られている「三輪そうめん」のブランドはどうな
っているのか、やはり疑問です。全部ではないとしても、不正の入
り込む余地はまだまだあって、今回の件はその一角だと思います。

 あのころ、奈良では成立しない手延べの作業が、島原では成立す
ると聞いて、国内でも地域格差はあるのだと驚いた記憶があります。

 「宇治茶」というブランドで売られているお茶に宇治産はほとん
どないことは有名です。一時問題になったりしましたが、宇治の茶
問屋がブレンドして出荷しているのだから問題ない、と開き直って
いたと思います。

 但馬牛のときも出てきましたが、「産地」と「ブランド」とは必
ずしも一致した概念ではありません。このあたりをどう最適化して
いくのかが問題です。

 三輪地方(奈良県桜井市あたり)で手延べそうめんが生産できな
くなったとき、「三輪そうめん」のブランドは滅びるべきなのかど
うか、考えてみてほしいと思います。

 ちなみに私はそのころ、桜井市郊外で手延べそうめんを生産して
いる現場に何度も行きました。今でも生産はなくなってはいないと
思います。しかし三輪そうめんの販売量ほども生産はありませんか
ら、相変わらず不正?の疑いはあるわけで、今回の摘発はその一端
です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週はQ&Aに質問がありませんでした。

 先週から見ているのですが、「市民のための環境学」というサイ
トのブログでおもしろい「論争」?があります。すでに終息に向か
っているようですが、さのサイトの主催者安井氏と、「リサイクル
反対派」の武田氏との確執が、ブログのコメント欄に反映されてし
まっています。
http://mntrav.cocolog-nifty.com/kankyo/2007/11/index.html

 私のブログでも何度か感想を書いています。

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