安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>417号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------417号--2007.11.04------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「BSE・水素水(Q&A)」「偽装表示」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 賞味期限をはじめ、食品の虚偽表示がマスコミを賑わしています。
そんな中で、当事者の方からメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 菓子製造販売会社の品管をしております。お菓子も年末の需要期
に向けて冷凍保管(−20℃以下)をしておりますが、三重県の老
舗店の事件でも明確な答えが出ていなっかたと思いますが、

質問1、冷凍した製品の賞味期限は、解凍した日を製造日としてそ
の日から起算してもJAS法には違反しないのでしょうか?

・解凍日から起算しても問題ないとした時
質問2、いつの時点を解凍日とみるのでしょうか? 冷凍庫から+5
℃とかの解凍室に移動した日・品温が何度になった時点?

質問3、180日賞味期限のあるパイ菓子について(メーカーの保
障期間)製造記号により製造日は分かりますが、180日内で賞味期
限を短く表示しても問題ないでしょうか?(製造記号は、同じで賞
味期限が90日・120日・150日後の三通りになること。)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私はこういう質問に責任を持って答える立場にないことはご理解
ください。その上で、無責任ながら、私の意見を書きます。

 製品の製造日はいつか?という問題ですが、最終的な商品の包装
をした日ということになると思います。赤福のときのように、包装
済みの商品を冷凍保存したのではやはり製造日を偽っていると言わ
れても仕方ありません。

 それに対して半製品を冷凍保存しておいた場合は、解凍する、し
ないにかかわらず、半製品から製品になった時点を製造日として問
題ないはずです。

 これから、クリスマスケーキの販売も始まります。クリスマスケ
ーキがしばらく前から製造され、販売日直前に解凍されて出荷され
ているのは天下周知の事実です。いくらマスコミがヘンでも、まさ
かこれを「事件」扱いはしないと思います。

 お正月用のかまぼこなんかもそうですね。

 こうしたことから、「解凍」の程度とか、温度とかはあまり関係
ないです。冷凍のまま出荷しても同じことですから。

 賞味期限の表示は「正当な根拠がある」限り、メーカーの自主性
にまかせられます。したがって、賞味期限を何通りか用意して使い
分けることも、法的には問題ないと思います。

 しかし、いったい何のために?という疑問はあります。180日
の賞味期限のある商品に、90日と書こうが勝手ですが、表示した
本人が本当は180日大丈夫ということを知っていれば、90日の
期限が迫ってきたとき、180日に書き直したくなりませんか?

 期限の設定自体は自由でも、いったん表示した期限を書き直すこ
とは深刻な違反行為です。何種類も使い分けると必ず現場で混乱を
招きますので、やめておいた方がよいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.BSE(BSEと変異型CJD)問題に関しての質問をさせてください。
(1)花の土等・・鶏糞・豚糞・牛糞・鳥豚牛骨粉・その他有機原
料を使用した日本国内で販売されている土(国内国外産)からの人
に対する感染リスクについて

(2)国内外産の花や農作物に付着する土からの人と畜産動物の感
染リスクについて(観賞用・食品・飼料等)

(3)食品添加物につかわれているアミノ酸・たんぱく質加水分解
物・動物性油脂・ゼラチン等(上記は国内外の業者製造の原料が添
加されていると考えられますが)からのBSE感染リスクについて
(アルカリ処理等による感染率低下が指摘されていますが国内外で
どこまでゆきとどいているのか含む)また、国内外生産の安価な食
品が出回っていますが安全性は・・

(4)(1)〜(3)の事項に関する国内流通食品の国と業界の取
り組みと個人的アドバイス&その現状について・・です。

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A.BSEの人に対するリスクは、日本では予想できるリスクの中
で最下位を争うことは間違いありません。だから、(1)〜(3)
のすべてにわたって、BSEのリスクを考えるのは時間の無駄とい
うものです。

 日本のようにほとんどBSEが発生していない国では、根源的な
問題である肉骨粉の飼料としての使用禁止、市場での抜き取り検査
による感染状況の監視、念のための処置である危険部位の除去、の
ポイントさえ押さえておけばリスクは限りなくゼロに近いです。

 ただし、日本ではと殺場に少し問題があり、国際的にはアメリカ
よりもBSEへの対策が遅れた国ということになっています。全頭
検査をする金があったら、と殺場の改善にまわせという意見はこの
あたりを根拠にしています。

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Q.水素水を飲むと体内で、トランス脂肪酸に変化する事はないの
でしょうか?若し、変化しないとすれば、化学的に、説明願います。

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A.水素水という言葉が意味不明なんです。「活性水素水」などと
いうものも出回っていますが、「水素」がどれくらい含まれている
かなどというデータは出たことはありません。

 活性酸素が体によくないから、酸素と結合して水になる「活性水
素」というものを想像したのだと思います。それを誰かが商品化し
たのです。

 そもそも水素の単原子というような軽いものが水の中に留まると
は思えません。「活性」というとイオン化されているということな
のでしょうが、単独の水素イオンというものが存在するとしたら、
それは陽子そのもののことです。陽子のサイズは桁外れに小さくて、
電気的な方法以外では容器に入れておくなどということはできない
と思います。水の中に陽子がどのような形で存在できるのか、想像
もつかないです。

 「水素水」そのものがはっきり言ってインチキです。それを「ト
ランス脂肪酸」と結びつけて考える想像力には敬服します。トラン
ス脂肪酸が「水素添加」によって生じるということからの連想なの
でしょうね。

 この場合の「水素」は実体のあるもので、水素を不飽和脂肪酸に
結合させて不飽和結合の一部を飽和結合に変えます。「水素水」の
中には実体としての水素はありませんし、結合に必要なエネルギー
が供給されるわけもありませんから、そういうことはおこりません。

 というか、根拠のないインチキ商品について、そういう心配をす
るのは時間の無駄だと思います。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「偽装表示」
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 偽装表示のニュースがどんどん出てきて、何だかインフレ状態で
すね。

 以前から世間の常識とは違う部分があった食品業界にとっては、
つらい状態ですが、ようやく正常化の時機が来たのだと考えてみた
いです。

 食品メーカーはこのあたりで今までのやり方では通用しないとい
うことを理解し、コンプライアンスということをもう一度考えてほ
しいと思います。

 ところで、ちょっと笑ってしまうニュースもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 比内地鶏の卵使用をうたった栃木県鹿沼市の菓子製造会社「三宝
製菓」(田谷日出男社長)の菓子4品が、比内地鶏以外の卵で製造
されていたことが3日わかった。菓子を扱う秋田市の卸売会社「秋
田県産」(大島紳司社長)は10月下旬から製品を自主回収し、秋
田県にも報告している。三宝製菓は比内地鶏仕入れを示す証明書を
偽造して秋田県産に送っていたという。比内地鶏をめぐっては、秋
田県大館市の食肉加工会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が鶏肉のく
ん製など15品目を比内地鶏と偽装していたことが10月、県の調
査で発覚。同社は同市に事業廃止届を提出している。

 秋田県産によると、偽装が発覚したのは「比内地鶏卵ケーキ」
「比内地鶏卵タルト」「比内地鶏の卵チョコインクッキー」「秋田
土産品クッキー」の4品。秋田県内の道の駅や土産品店など約30
店で販売されていた。田谷社長が1日、秋田県産を訪れ、事実を認
め謝罪したという。

 「秋田土産品クッキー」を除く3品は02〜03年にかけて、秋
田県産の仲介で秋田県大館市の鶏卵加工業者が三宝製菓に比内地鶏
の卵を供給する形で製造・販売が始まったが、田谷社長は秋田県産
に対し「比内地鶏の卵の注文や在庫管理が十分に出来ず、3、4年
前から通常の鶏卵を使うようになった」と説明したという。「秋田
土産品クッキー」は06年3月から、三宝製菓が独自に比内地鶏の
卵を仕入れると秋田県産に説明して製造していたが、実際は鶏卵を
使っていた。

 このほか三宝製菓が約5年前から製造している「酒の国秋田・地
酒ケーキ」が、大吟醸酒を使っていないのに外箱に「大吟醸」と表
示していたことも判明した。

 秋田県産は、「比内鶏」社の偽装発覚後、商品の原材料などを取
引先に問い合わせていた。大館市の比内地鶏業者から卵を納入して
いたとの証明書が三宝製菓から届いたのを受け、比内地鶏業者に確
認したところ「ここ3年は出荷していない」と回答があり、三宝製
菓に直接問い合わせ、証明書偽造が判明した。【岡田悟】

最終更新:11月3日17時23分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071103-00000015-maip-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 鶏肉で通常のブロイラーではなく、違う品種で、長期間飼育して
きたものを評価するのは理解できる動きです。それなりの価値があ
ります。

 でも、「比内地鶏卵」とはどういうことなのでしょうか。もちろ
ん、鶏がいるからには親がいて、卵を産んでいます。でも鶏卵とし
て出荷するほど、採卵鶏を飼っているのでしょうか。

 「地鶏」が長期間飼育しているといっても、普通は産卵をはじめ
る前に出荷します。「長期間」といっても完全に成熟するまで飼っ
ているわけではありません。卵を生み出した鶏は原則として鶏肉用
にはならず、「廃鶏」として処理されます。

 飼育期間はブロイラーで45〜60日程度です。「地鶏」として
出荷されるものはそれより長く、80〜100日くらいが多いはず
です。100日を越えると成熟がはじまり、牡は肉が固くなってし
まいますし、牝は産卵が始まります。120日、いくら長くしても
150日くらいが限界です。採卵鶏では120日くらいから産卵を
はじめますが、安定稼働に入るのは150日くらいを過ぎてからで
す。

 採卵鶏は450日くらいで限界に達します。強制換羽という処置
をして延命させても700日くらいで限界となり、廃鶏として出荷
されます。

 要するに肉になる鶏と採卵する鶏とは同じ鶏ではないのです。

 品種による違いは肉でこそありますが、卵を食べて違いがあると
は思えません。色やサイズは違うでしょうが、加工品の原料になっ
たとき、地鶏だからといって何かよいことがあるはずもありません。

 要するにこの「比内地鶏卵ケーキ」の類は初めから無理筋だった
のです。そもそも県外の業者にきちんとした供給体制もとれていな
いのに「比内地鶏卵」を紹介したことが悪いと思います。

 受けた業者も儲け話につられて受けたものの、「比内地鶏卵」を
使うことに意味がないことはわかっていますから、すぐに使うのを
やめてしまい、名前だけが一人歩きしてきたのでしょう。

 栃木県で作ったものを秋田みやげとして買っていた人が馬鹿を見
たわけですが、常識的に考えて「比内地鶏卵ケーキ」という商品を
見たら怪しいとわかると思います。怪しい理由をもう一度書くと、
(1)比内地鶏で採卵養鶏が行われているのか?(比内地鶏が採卵
にむいた品種なのか?)(2)地鶏の卵を使ったことで、何か違う
ことがあるのか?という2点です。

 「比内地鶏」のブランドイメージをみやげ物に使うことが目的だ
ったのでしょうが、初めから偽装表示になることは予想できたはず
です。

 もう一つだけ偽装事件を紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 香川県丸亀市学校給食会に、豪州産を「国産」と偽装した牛肉が
納入されていた事件で、同県警は1日、▽同市の食肉卸・小売業
「ふじや精肉店」店主、山下幸雄(62)▽同県三豊市の食肉総合
卸業「村食」社員、元木繁春(34)▽同社元社員、片山博行(3
2)の3容疑者を詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮
捕した。3人は容疑を大筋で認めているという。

 調べでは、山下容疑者らは共謀して、同給食会に、国産より安い
豪州産牛肉を納入して利益をあげることを計画。昨年12月4〜2
2日の間、牛肉計約1132キロを同給食会に納入する際、その大
半の産地を広島県、兵庫県などと表示した販売証明書などを悪用し
て国産牛と偽った疑い。また、この牛肉の納入で、同給食会から計
約166万8000円をだまし取った疑い。

 証明書などは、「村食」が保管していた牛の個体識別番号や産地
などを記した国産牛肉の証明書を使っていた。丸亀市教委によると、
偽装された牛肉は、同市内小中学校の給食に使われた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000057-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食品の偽装表示ではこのあたりが本丸です。根は非常に深いので、
この際徹底的に追求する必要があると思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「日本のBSE対策はアメリカより遅れている」これは国際的な
事実なんですが、マスコミではなかなか出てこない話です。毎日新
聞の小島記者の書いた記事以外では見たことがありません。

 国際的な基準から言うと、日本はBSE清浄国ではなく、BSE
が管理された国でもありません。要するにイギリスなんかと同じ、
まだまだ怪しい国なんです。国内の感染程度はごく低いのに、こん
なことを言われるのは、必要な対策を現場で実行できないという業
界の遅れが原因です。政府が悪いといえば悪いのですが、政府のせ
いにして問題が解決するとは思えません。偽装表示関連で食肉の話
も出てくるでしょうから、これから問題が大きくなっていくだろう
と考えています。

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