安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>414号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------414号--2007.10.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「鉛・甲類焼酎(Q&A)」「賞味期限」

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ブログ毎日?更新中

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 菓子のメーカーの方からこんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 菓子メーカーで原料規格書の管理をしているものです。いつも参
考にさせていただいておりますが、現場の意見をお伝えしたくて初
めてメールさせていただきます。

 本日の一つ目の質問のチーズケーキの添加物ですが、増粘多糖類
は原料のチーズ由来と思われます。私の知る限り、工場にて原料と
して使用できるクリームチーズ(ナチュラルチーズ)には全て増粘
剤、安定剤等が使用されているため、それを製品にも表示されたも
のと思います。

 また、ホイップクリームは乳業メーカーで製造したコンパウンド
クリーム(乳製品や植物油脂を原料に作った生クリーム)を購入し
て使用しますが、その製造に乳化剤やリン酸塩、香料は欠かせない
ものです。乳脂肪のみの生クリームは高価ですし不安定なため、冷
凍ケーキやお手頃な価格で販売する製品の製造にはコンパウンドク
リームを使用しております。添加物を使用しない製品もありますが
価格と求める風味の選択肢が少ないことで添加物を使用した製品が
一般的です。

 実際のケーキ製造では添加しなくても一括表示に記載する必要が
あると判断すれば原材料由来の添加物も記載しなければなりません。
現在の表示方法では原料由来と製造時の添加を区別して表示するこ
とはできませんので誤解されるのはしかたありませんし、実際の製
品に含有されていることは間違いありませんのでむきになって否定
することも不毛ですが。

 簡単ですが、現場のやるせなさを多少でもお伝えできればと思い
まして書かせていただきました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 菓子などに添加物を使うのは、使わないものが「高価ですし不安
定なため」なんですよね。使わずにでも作れるということは家庭で
はそうであっても、工場ではなかなか難しいと思います。

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.最近、中国製のレジ袋のロゴ部分から鉛が検出されたというニ
ュースを見ました。先日CDを買った袋のロゴ部分が、カバンの中
の摩擦で携帯電話の角に付着していました。すぐふき取ったのです
が、そのインクに鉛などの有害金属が使われていたのではないか、
と不安に思っています。この携帯電話を仮に乳幼児がなめたりした
ら、危険でしょうか。鉛中毒などのニュースも聞こえてくるので不
安です。

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A.これはいくら何でも心配のしすぎです。

 鉛が有害でなることは事実ですが、別に毒薬というものではなく、
長期間大量に摂取することはよくないので、食器や子どものおもち
ゃなんかから溶けて出てくるといけないとされています。

 しかし、そういうものであっても、短期間であれば別に問題はお
きませんし、そもそもさわっただけで毒性があるようなものではあ
りません。

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Q.焼酎甲類は体に悪いと聞きました。病気になったりするなど・
・・。いろいろとネットで調べてみましたが、悪いと言っている人
と大丈夫だといってる人といますが、実際はどうなんでしょう??

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A.これは体に悪いに決まっています。お酒つまりアルコール飲料
は人間の食べ物の中では最高の毒性を持っています。

 これで話はおしまいなのですが、どうも情報元に問題があるよう
ですね。

 焼酎は「甲類」と「乙類」に別れます。製法によって違うのです
が、伝統的な「芋焼酎」などというのは乙類になります。甲類はど
ちらかというと「醸造用アルコール」のようなもので、ほとんど不
純物を含まない、味のあまりないものです。

 梅酒を作るときに使う「ホワイトリカー」なんかは甲類です。ま
たカンチューハイに使われるのも甲類です。「ウォッカ」と表示が
あったりしますが、製法的にウォッカと甲類焼酎はほぼ同じものだ
と思います。

 さて、世の中には「乙類焼酎」が好きな人がいます。各地で個性
豊かな焼酎がつくられていますので、これは当然です。比較して甲
類焼酎の方が好き、という人はほとんどいないでしょう。

 ここからが「ひいきの引き倒し」になります。乙類焼酎を持ち上
げようとして、「甲類焼酎が体に悪い」などと言ってしまう人がい
るのです。ネット上でのことですから、そういう言い方をする動機
は乙類焼酎を売ろうとしてのことであることも多いでしょう。

 食べ物に関する情報をややこしくするのは、だいたいこうした情
報です。こういうウソ情報が氾濫しているのもインターネットの特
色です。ウソ情報は止められませんから、そのウソを見抜く眼を持
たないといけません。そういう情報に接したら、「例のアレだな」
と感じるセンスがいるわけです。 

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「賞味期限」
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 賞味期限について、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 メールマガジンのなかで、「賞味期限の付け替えは違反行為です
が、」と仰っていますが、間違いないでしょうか?賞味期限の付け
替え(=期限の再設定という意味に解釈いたしましたが)に関して
は、「合理的根拠をもって適正かつ客観的に行なわれた場合には」
違法ではない。との見解が一般的と思いますので、ご意見をお伺い
します。 
 
 また、賞味期限の切れたものを加工原料として使用する場合にも、
同様に品質的に問題ないことを確認すれば、違法ではないと思いま
すが、この場合は如何でしょうか?

 また素朴な疑問で大変恐縮ですが、賞味期限の定義「定められた
方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化
にともない安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限
を示す年月日をいう。」を考えた場合、冷凍食品(定められた方法
=要冷凍−18度以下)には、そもそも期限設定が可能であるのか??
と思います。アイスクリームには期限設定が必要ないわけですし。

 もちろん、脂の強い鰻蒲焼や、てんぷらなどの油調品は、冷凍し
ても品質劣化が早いですし、商品のパッキング形態により冷凍焼け
もあるでしょうが、そのあたり問題の無い商品であれば、定義どお
りの期限を設定することが、はたして現実的なのか?と疑問に思い
ます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一つめの再設定については、再設定そのものは問題なくても、一
度出荷した、または出荷できる状態になった商品に表示している賞
味期限を書き直すのはよくないと思います。

 二つめの原料の賞味期限については原則はそのとおりなのですが、
最近の報道によると政府側は好ましくないと考えているようですね。

 三つめのすべての商品に賞味期限がいるのか?という疑問はそう
いう気もしますが、あくまで法律の規定ですので、法律の運用の都
合からいうと、例外は少ないほどよいということなんだと思います。

 缶詰に三年程度の賞味期限がついているのは、できれば買い換え
てほしいメーカー側の都合もあるのでは?などと思ったりします。

 賞味期限表示になってからはまだましな方で、製造年月日表示の
ときは一年もしたら捨てられたりすることも多かったと思います。
このあたりは新しいものを喜ぶ日本人の民族的な趣味も関係がある
と思います。

 さて、最初の「賞味期限の再設定」について、今問題となってい
るニュースがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 伊勢神宮土産として古くから知られる和菓子「赤福餅」を製造す
る菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)が、店頭に並ばなかった
製品の包装紙を新たなものに包み変え、消費期限も再設定する「ま
き直し」と呼ばれる行為を日常的に行っていたことが分かり、農林
水産省は12日、JAS(日本農林規格)法違反で同社に改善を指
示した。

 同省によると、こうした行為は1973年から34年間にわたっ
て続けられていた。最近3年間では、製造された製品の18%にあ
たる約600万箱で虚偽表示が行われていたという。

 関係者によると、同社は製造しながら店頭に並ばなかった商品を、
廃棄せずに冷凍保管。後日解凍し、包装紙を新たなものに取り換え、
解凍日を製造日、その数日先を消費期限として再設定し、出荷して
いた。

 本社工場だけでなく、大阪営業所などでも同様の行為が行われて
いた。三重県、大阪市保健所などは商品の品質も調べたが「衛生的
に問題のある状態ではなかった」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071012-00000044-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 赤福といえば歴史的な銘菓で、みやげもののチャンピオンです。
販路も伊勢みやげにとどまらず、名古屋から大阪まで広く売られて
います。

 ご存じない人はいないと思いますが、小さなもちに練り餡をたく
さんつけたものです。この餡があまり甘くなくておいしいのです。
また小さいのですぐに食べてしまえるのも特徴です。

 「うまいものは宵のうちに食え」と言われるとおり、日持ちのし
ない菓子です。販売店には日に何回か、赤福から直接運ばれてきて、
売れ残ったものは回収していると思います。

 その赤福がやり玉にあがっています。冷凍保存しておいて出荷時
に賞味期限(この場合は消費期限ですが)をつけるのは他の食品で
も普通に行われていることで、別に問題ではありません。

 問題なのは商品の包装をやり直していることです。

 赤福は前述のように、商品の販売に関してはかなり厳格に考えて
行動しています。そのため、余分な商品は店におかないという姿勢
で、売れ行きによっては店に置かずに持ち帰ることも多いのでしょ
う。これをそのまま冷凍しておいて、出荷時に包装をやり直してい
たということですが、売れ残って回収してきたものと区別がつかな
い可能性があります。

 出荷前の商品の賞味期限を再設定することと、出荷後の商品の賞
味期限を付けなおすということはやはり違うと考えています。赤福
の場合はグレーゾーンなんですが、後者と区別がつかないのが理由
でアウトと判断されたのでしょう。

 冷凍保存してから出荷すること自体が違法なように報道している
ことも多いですが、これは単なる誤解というか無知です。保健所側
もそのこと自体は了解しているはずです。ここはきちんとしておか
ないと、あらゆる食品メーカーがやり玉にあげられる可能性があり
ます。

 赤福の方も、そういう事情があるのは当たり前なのに、そこは知
らない顔をして、早朝から手作りしているコマーシャルを流したり
していたのはまずかったですね。イメージも大切でしょうが、過度
なイメージアップのために足元をすくわれました。

 何度も書いていますが、賞味期限の設定はメーカーの責任範囲で
す。責任を持てる範囲で、自由に設定してよいものです。

 ただし、いったん出荷した、または出荷できる状態になった商品
は、一度手を離れたもので、賞味期限をいじるのは違反です。この
ことはぜひ守っておかないと、ひどい目にあうことは明白です。

 その上で、出荷前の状態で冷凍保存しておくことは問題ないとい
うことを、食品業界全体でもっとアピールしておいた方がよいので
はないでしょうか。

 食品メーカーはマスコミの大スポンサーなのに、いつもマスコミ
にいじめられています。もう少し賢くふるまってもよいのではない
かと思います。

 ポイントは「自分だけはよい子になろうとしない」「事実を素直
に伝える」です。「無添加」「手作り」「自然派」などのイメージ
作戦は結局自分の首を締める行為であると気付いてほしいです。

 赤福にもそこのところは反省してほしいと思います。あとは馬鹿
なマスコミが必要以上にさわがないように祈っています。どこかに
おいしいエサがあって、そちらに行ってしまえばよいのですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 生協時代に赤福を扱う話がありました。配達当日の朝に入荷して、
その日のうちに配るというのです。結局、配送ルートと量の関係で
実現しませんでしたが、そのときの印象としては品質を大切にして
いる会社なんだな、と感じたものです。販売店での売れ行きまで気
にして、よいものだけを販売するようにしたいという姿勢でした。

 今回の報道で、いい加減な会社のように言われたりしているのは
ちょっと気の毒です。やり方に問題はあったのは事実ですが、品質
には影響ないという判断と自信はあったはずです。

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