安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>413号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------413号--2007.10.07------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「増粘他糖類・賞味期限・一般細菌数・母乳
(Q&A)」「サッカリン」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「天高く馬肥ゆる秋」ですね。今年の米はまずまずのできだった
ようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省は28日、9月15日現在の07年産米の作況指数
(平年作=100)を発表した。7月の低温・日照不足の影響が出
たものの、梅雨明け後は好天だったことから、全国平均は「平年並
み」の99となった。

 都道府県別では、台風4号で早期米に被害が出た宮崎が75と最
低で、鹿児島も94。山陰地方は低温・日照不足の影響を比較的強
く受け、鳥取は91だった。全国最高は秋田の102。

 次回は10月15日現在の作況指数をまとめるが、大きな変動は
ないとみられ、06年産の全国平均の96(「やや不良」)より高
くなるのは確実だ。

 主食用の予想収穫量は856万トン程度で、需要見通しに対し2
3万トンの過剰が発生する。全国の作付面積167万8000ヘク
タール(前年比1万4000ヘクタール減)のうち約5万8000
ヘクタールの作付けが過剰だったため。米価の下落傾向がなお続く
可能性がある。【位川一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070928-00000079-mai-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 7月はどうなることかと心配しましたが、8月に持ち直したよう
です。7月から暑かったら100を越えていたのではないでしょう
か。

 収穫予想が856万トンで、それでも余剰が出るのですね。93
年に米の不作で大問題となりましたが、それでも800万トンくら
いあったのではなかったでしょうか。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 全国の作況指数が74。東北地方ではそれを更に下回った。日本全
体で1993年当時1000万トンの需要に対して、収穫量が800万トンを
下回る事態となった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/1993%E5%B9%B4%E7%B1%B3%E9%A8%92%E5%8B%95
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たった15年で消費量は2割ほど減ったわけです。どうもこの勢
いは止まりそうにありません。

 結局、またまた供給過剰で、米の相場は下落しつづけています。
ここまで下がれば作付面積が減りそうなものですが、なかなか減ら
ないのは困ったものです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.意味を調べなくてはわからない妙な抽出物なんか使わずに普通
に作って勝負してほしいものです。食べものを美味しくするのは、
そんなもんに頼らない、作り手の矜持の高さだって含まれているん
じゃないかと思います。贅沢なチーズやケーキにさえ、ふと気付く
と乳化剤や増粘他糖類の文字が…

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A.食品添加物の中には製造上絶対に必要なものも含まれています。
また、家庭で作るときには必要なくても、工業的に製造するときに
は必要となるものもあります。

 豆腐やこんにゃくの凝固剤が典型ですが、加工食品のほとんどが
すべての食品添加物を排除しては成り立たないことは認めないとい
けないと思います。

 チーズにはプロセスチーズとナチュラルチーズがあり、日本で売
られているのはほとんどプロセスチーズです。プロセスチーズはナ
チュラルチーズを原料に加工したもので、その際に乳化剤は必要な
のだそうです。それがいやなら、ナチュラルチーズを使うしかない
です。

 ケーキの場合も、乳化剤なしに作るのは難しいです。本来は卵の
乳化力で作るのですが、安定した泡を作るためにはほとんどの場合
使われています。したがって乳化剤を使っているからといって粗悪
であるとは言えません。

 このあたりに神経質になりすぎると、「無添加」などという宣伝
文句で売っている怪しいものにひっかかることもありますので、ご
注意ください。

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Q.食料品に示す賞味期限って、どうやって期間が決められている
のでしょう。商品によっては、賞味期限が切れてすぐに駄目になっ
てしまうもの、賞味期限が切れてもかなり長い間問題が無さそうに
見えるものの差が激しいですよね。それって、第三者機関に依頼を
しているのでしょうか、それともメーカーが本当に独自に決めてい
るのでしょうか。

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A.商品によって賞味期限の決め方が違っているのは確かです。も
のによっては過剰な余裕を見ているものもありますし、ぎりぎりが
んばった期限をつけているものもあります。

 賞味期限の設定はメーカーにまかされています。科学的な根拠は
求められていますが、経験則でも別に問題はないと思います。

 賞味期限を決定する根拠に、分析に出したりすることはあります
が、賞味期限を決めてくれる機関があるわけではありません。賞味
期限の設定が適切でなかったら、その商品やメーカーは市場で淘汰
されるだろうという自由経済の原則にしたがっているわけです。

 とはいえ、小さな工場では自分で設定するのはなかなか難しいの
で、業界団体がガイドラインとして提示していることが多いです。
この場合でも、その賞味期限を採用するかどうかはメーカーの判断
です。

 賞味期限以内に変質した場合はクレームとなりますので、結構余
裕を持ってつけています。そのことを現場が知っていると、「白い
恋人」のようなことがおこります。

 賞味期限の付け替えは違反行為ですが、付け替えた賞味期限で、
食べる分には全く問題なかったはずです。買ってきたものを捨てた
とかいう話もありましたが、これはちょっともったいないです。

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Q.鶏の生肉を人が食す際、一般細菌数の許容範囲というか基準値
的なものはあるのでしょうか?

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A.冷凍食品で生で食べるものについては、1グラム中に5万個以
下という基準があります。生鮮品については検査自体ができません
ので、考え方としてはこれに準じてよいのではないかと思います。

 5万個というと多いようですが、実際には非常に細菌の少ない状
態で、市販の生肉がこんな数値になることはまずありません。

 また、細菌の検査というのは案外難しくて、機械にかければピタ
リとわかるものではありません。だから実質的に生で食べるかどう
かの判断を細菌数ですることはできないのです。

 鶏肉を生で食べるのは一般的にはやめておいた方がよいです。鶏
肉に限らず、市販の肉は生で食べることは想定していません。また、
よほど新鮮なものでも、食中毒菌や病原菌を持っていないとも限り
ません。

 タチの悪い菌がいれば、細菌数としては少なくても危険なことが
あります。

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Q.32週の未熟児を出産し、現在搾乳し母乳を病院へ届けてます。

 生魚や生肉を触った手で搾乳し、それを赤ちゃんが飲んだ場合ど
うなりますか?搾乳前は手洗を心がけていますが、昨日生魚を調理
し、手を洗い搾乳しました。しかし、手は魚くさく、その母乳は念
のため捨てましたが今までも、肉や魚料理をしてますが、しっかり
と手洗をしていたか不安になりました。

 手洗をせず搾乳し、それを飲んだ場合はどのような腸炎になり、
どのような症状が出現し、予後はどうなのか教えてください。

 またそれらを触っていない手で、手洗をせず搾乳した場合(特に
手の汚染がない場合)もどのようになるのか教えてください。

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A.魚の匂いと細菌とは別に関係はないです。細菌というのは極端
に小さいので、自分で動くことはできないと考えてよいのです。直
接触れたときか、空気中を上から落ちてくるものが細菌が入る経路
です。

 空気中にはいくらでも細菌はいますので、完全に無菌にすること
はできません。普通の衛生感覚で、清潔にしていればそれで充分で
はないでしょうか。

 病院では医者の管理下にありますので、病院に相談されるとよい
でしょうが、あまり心配すると乳の出が悪くなるのではないかと心
配になります。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「サッカリン」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私は食品製造メーカーに勤務しています。先日お客様から「プロ
ピレングリコールやサッカリンナトリウムなどの危険物質を入れて
いるのはけしからん。インターネットで調べてみなさい」と言う旨
の電話がありました。確かに弊社で仕入れている半生めんには指摘
されたものが入っています。

 当然のことながら、インターネットで検索すると、その物質を危
険とするページ、危険じゃないとするページの両方がありますので、
それだけで判断できないと思っていますが、実験結果などがあって
納得できる内容なのは「危険ではない」というページです。私個人
は食品添加物として認可されている物質なので問題ないと考えてい
ます。会社としての見解もほぼ同様です。

 お客様にはちゃんとした回答をしたいと思っているのですが、小
さい会社で今回のケースは初めてでノウハウがないので、参考まで
に渡辺様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。PGとサッカリ
ン(ナトリウム)の危険性について、およびその使用について、どの
ようにお考えかご教示ください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう「クレーム」なんかほっておけばよいと思うのですが、
さすがにみなさんまじめなものです。

 法律に従って品質を保証できる商品を製造しているわけですから、
文句を言われることはないはずです。具体的な被害がないのですか
ら「クレーム」でさえないと思います。

 サッカリンは発ガン性で問題になったことがあります。しかし最
終的には発ガン性は否定されています。今でも騒いでいるのは30
年前の状態で時間が停止している人ですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

最近サッカリンのサルを使った安全性試験の結果が発表されました。

 この論文によるとサル20匹に生後すぐからサッカリンナトリウム
25mg/kgを与え続けて24年間飼育したそうです。対照群は16匹。実
験終了後に全てのサルを殺して解剖して病変を検索し、結果として
はサッカリンに由来する病変は何ら認められなかった、ということ
です。

 このために犠牲になったサル36匹。費やした時間は25年。気の遠
くなるような話です。実験開始が1970年代ですからその間にこの実
験そのものの意味が随分変わってしまったようで、その運命につい
て考えてみました。

 サッカリンが雄のラットの膀胱に対して弱い発癌性を示すことが
報告され、ヒトでも可能性があるとしてFDAがサッカリンの使用を
禁止するよう勧告したのが1977年だそうです。ところがその後の研
究で、サッカリンが雄のラットの膀胱にのみ発癌性を示すのは、高
濃度の検体がもともと結石を作りやすい条件の雄のラットの膀胱で
結石を生じ、その物理的刺激によるものだということが明らかにさ
れました。これはヒトでは起こり得ないことで、その結果サッカリ
ンは「ヒトに対して発癌性があると考えられる物質リスト」から外
されています。ですから今回の報告を受けて朝日新聞が「サルの実
験で、サッカリンの発癌性が否定された」と報じたのは正しくあり
ません。ただこの報道は科学の世界と一般常識との乖離を象徴する
ものだとも言えます。

(略)

30年前のサッカリンほぼ禁止から学ぶことは何か?

a)高用量での齧歯類での発ガンデータからヒトガンリスクを正確に
予想することはできない。サッカリンはヒト発ガンリスクはない。

b)「発ガン物質」という警告からパニックになるのは科学的根拠に
基づくというより感情的なものである。消費者は毎日使っているよ
うなものより、見えない・なじみのないものに恐怖を感じやすい。

c)化学物質の不合理な使用禁止は非生産的で高くつく。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070312
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 検索していたら同じような文があり、このメールマガジンの271
号のQ&Aでも同じページを引用していました。2年半ほど前です
が、私も忘れてました。

 プロピレングリコールの毒性については、MSDSのページが参考に
なります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

急性毒性・経口

ラット LD50 20,000mg/kg
マウス LD50 22,000mg/kg
イヌ LD50 22,000mg/kg
ウサギ LD50 18,500mg/kg
モルモット LD50 18,400mg/kg

http://www.jpca.or.jp/61msds/j7cb39.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 まあ危険でも何でもないです。食品ではありませんが、食品なみ
の低い毒性です。

 だから安全性に関しては別に問題はないと思います。プロピレン
グリコールは麺やギョウザの皮なんかによく使います。また他の食
品添加物の溶剤になっていたりするようです。

 ということで、安全面ではサッカリンもプロピレングリコールも
問題はないと思います。しかし、使い方の面では問題はないのでし
ょうか?

 まず、何のために使っているのか?という問題です。両者とも、
製造上でどうしても必要なものなのでしょうか?

 プロピレングリコールで品質改良するということ、通常の糖類の
代りにサッカリンを使うということ、本当に必要なのでしょうかね。

 上のQ&Aでも出てきましたが、食品添加物の中には製造上どう
しても必要なものも多いです。しかしこれらの添加物はそういうも
のではなく、避けようと思えば避けられるものではないかと思いま
す。

 私としてはそういう疑問を持ちますが、不当な危険視はこれとは
別の問題です。「危険だから使わない」というのとは違って、「危
険ではないが使わない」ということを期待したいと思っています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 三連休でどこかに出かけようということで、日曜日に奈良県の十
津川温泉に行ってきます。五条から新宮に抜ける道は十津川沿いの
山道で、もう30年ほど前に通りました。

 あのころはすごい山道でしたが、改良されてずいぶんよい道にな
っているという話です。久しぶりのドライブです。

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